染谷 ひとみ
Mitsuri Media管理人
精密板金加工工場のインサイドセールスとして加工と寸法の提案をしてきた経験を経て、製造業の知見と楽しさを提供している。 幼少期からモノの構造を理解するのが好き。JAPAN MENSA会員。
ボール盤は、様々な素材の穴あけを主要機能とする工作機械です。旋盤やフライス盤、マシニングセンタなどと同じく、切削加工を行うための機械で、機械に取り付けた切削工具によって材料を削り出すことで加工を行います。
金属・樹脂の加工工場や部品工場には、必ずと言ってもいいほど設置されている機械で、材木の成形加工を行う製材所などでも用いられています。他の工作機械と比べると安価で、DIYで使用できるような卓上のものもあります。
この記事では、ボール盤とは何かというところから、その構造や種類、ボール盤で実行できる加工方法や使用されているドリルについて解説していきます。フライス盤や旋盤との違いについても触れているので、参考にしてください。
ボール盤とは、木材や樹脂材、金属材などに対して、穴あけ加工や中ぐり加工、リーマ加工などを施すことで、材料の不要部分を除去し、材料を所定の形状に成形するための工作機械のことです。
主にツイストドリルやセンタードリル、リーディングドリルなどの各種ドリルを装着して使用しますが、以下のような切削工具も用いられます。
・リーマ…穴の形状を整えたり、内面を仕上げたりするための切削工具
・タップ…穴の内面にネジ山を刻む(雌ネジを切る)ための切削工具
・中ぐりバイト…穴の径を拡張するための切削工具
・カウンターシンク…面取りやバリ取り、皿モミを行うための切削工具
・面取りカッター…面取りやバリ取り、皿モミのほか、センタリングや穴あけも可能な切削工具
・ホールカッター(ホールソー)…板材に大口径の貫通した穴をあけるための切削工具
ボール盤では、工作物を固定し、回転する切削工具を工作物に向けて垂直に下ろすことで加工を行います。ボール盤は、高精度の穴を容易にあけることができる機械ですが、安全に十分配慮しないと怪我などに繋がりやすいというデメリットもあります。
ボール盤の基本的な構造は、上図のようになっています。
ボール盤は、大まかに、主軸やモーターなどを備える主軸頭、工作物を固定するテーブル、主軸頭とテーブルを支えるコラム、コラムを支えるベースから構成されています。
主軸頭は、ドリルの回転軸となる主軸とその動力源となるモーター、回転数や回転力(トルク)を変えるプーリー、動力をモーターから主軸に伝達するベルト、主軸を操作するハンドルを備え持つ部位のことです。
上図における、右上の樽状のものがモーター、主軸とモーターの上に位置するベルトが掛けられているものがプーリーです。
●ドリル
ドリルは、穴あけを行うための切削工具です。ボール盤では、鉛直軸周りの回転運動を与えられ、鉛直方向に送られて工作物に接触し、工作物を削ります。
●ドリルチャック
ドリルチャックは、主軸に取り付けられて、ドリルのシャンク(柄部)を掴んで保持し、主軸の回転運動をドリルに伝える保持器具です。ただし、主軸の取り付け口の形状によっては、主軸とドリルチャックとの間にアーバーと呼ばれる接続器具を挟むことがあります(下図参照)。
●主軸
主軸は、ドリルを回転させるための軸のことです。スピンドルとも呼ばれます。
●ベルト…モーターで生成された動力を主軸に伝達するためのシームレスな帯状部品です。通常は安全のため、下図のようにベルトカバーで覆われています。
●プーリー
プーリーは、ベルトを掛ける滑車として働き、モーターから主軸への動力の伝達を補助する部品です。また、ボール盤のプーリーは、直径が異なる複数の円盤が連なっており、ベルトを異なる直径の円盤に掛け替えることで、自動車のトランスミッションのように、軸の回転速度を変更することができます(下図参照)。
ベルトの掛け替えは、主軸の回転数を変更する度に必要となり、非常に手間が掛かる作業です。そのため、動力をベルトではなく、歯車で伝達しているものもあり、そのようなボール盤であれば、レバーを引くなどの簡単な操作で主軸の回転速度の変更が可能です。また、インバータによってモーターに供給する電力の周波数を制御して、モーターの回転数を連続的に制御できるようにしたボール盤もあります。それならば、稼働中でも主軸の回転数変更が可能となるため、作業時間の大幅な短縮に繋がります。
●ハンドル
ハンドルは、主軸の上下への送りを操作するためのもので、手動でドリルを鉛直方向に送る手送りと一定の送り速度でドリルを鉛直方向に送る自動送りの双方を行うことができます。
テーブルは、工作物を固定する台となるもので、通常、バイス(万力)やクランプが備え付けられています。
テーブル自体を上下、または左右に移動させるハンドルが備わっており、ハンドル操作によって、テーブルを鉛直方向に動かしたり、コラムを中心に回転させたりすることができます(下図参照)。
コラムは、ベースの上に垂直に固定された機械を構成する柱で、主軸頭とテーブルを支える役割を持ちます。
ベースは、直接的にはコラムを支える、機械全体の土台となる構成部品です。アンカーボルトでコンクリート地面に直接固定したり、ボルトで重量のある台座に固定したりします。
ボール盤には、様々な種類があります。DIYで使えるような小型のものから、大物の加工に向いたもの、流れ作業に適したものなど、工作物の形状やサイズ、作業場の状況などに応じて、適したものを選定する必要があります。ここでは、代表的なボール盤の種類についてご説明します。
直立ボール盤は、主軸が上下のみに動く、コンクリート床に直接据え付けたり、大型の台座に固定したりして用いるボール盤です(上図参照)。工場などでよく用いられているボール盤で、単にボール盤と言う場合は直立ボール盤のことを指します。
直立ボール盤は、主軸の水平位置が固定されているため、工作物そのものや工作物を固定するテーブルを動かして加工する際の位置決めを行います。そのため、比較的小形の工作物の加工に適しています。
また、テーブルは、加工作業時には固定しますが、上下方向だけでなく、水平方向に移動可能なものやコラムを中心に水平回転が可能なもの、傾斜可能なものなどがあります。
ラジアルボール盤は、主軸が鉛直方向だけでなく、水平面内でも自由に移動可能なボール盤です。テーブルがなく、ベースがテーブルの代わりとなって工作物を固定することになりますが、主軸の自由度が高いため、工作物を動かすことなく、複数箇所を加工できます。
ラジアルボール盤の主軸頭は、コラムを中心に旋回するアームに取り付けられており、アームに沿った移動も可能です。そのため、アームの届く範囲内であれば、主軸を水平面内の任意の位置に配置することができます。
ラジアルボール盤は、主に大型、または重量のある工作物の加工に用いられます。
卓上ボール盤は、ベンチドリルとも呼ばれる、作業台の上に設置して使用する小型のボール盤です。基本的な構造は直立ボール盤と同様で、主軸が上下にのみ動き、前後左右には動かないため、工作物やテーブルを動かして位置決めをして加工を行います。
小型である分、工作物を固定するテーブルも小さく、小型・軽量である製品の製作やDIYなどに用いられています。
多軸ボール盤は、一つの主軸頭に複数の主軸を備え持つ、同時に複数箇所の加工が可能なボール盤です。主軸頭内で主軸の配置を変化できるようになっています。主に8~12軸程度のものが使用されていますが、30以上の軸を持つものもあります。
大量生産に向いており、複数箇所の穴あけを大量の材料に適用する場合などに効果的です。ただし、多数ある主軸の配置変更には時間が掛かるため、少量多品種生産には適していません。
汎用の機種は少なく、特定の製品の専用機として製造され、生産ラインの特定の作業に用いられることが多いボール盤です。
多軸ボール盤は、多軸ボール盤と対照的に、一つの主軸を持つ複数の主軸頭を備えたボール盤です。複数の主軸頭で共通のテーブルを使用し、一つの工作物を各主軸頭の直下に順次動かしていくことで、穴あけやねじ切り、座ぐりなど、複数種類の加工を順番に実行できるようにしています。
深穴ボール盤は、他種のボール盤よりも狭く深い穴を加工する場合に用いられるボール盤です。深穴加工機やガンドリルマシンとも呼ばれ、もともとは、小銃や猟銃などの銃身の穴あけのために開発された工作機械です。
ガンドリルやBTA工具と呼ばれる専用工具を使用し、ドリルを横に向け、ドリルの先端に空いた穴から切削油を供給しながら深穴加工を行います(上図参照)。深穴加工とは、穴の深さが直径の10倍を超える穴あけ加工のことですが、近年では、口径0.5mm以下の穴でも深さが50mm(0.5mmの100倍)程度まで加工可能なガンドリルが数多く登場しています。
精度の要求が高いシリンダーやスピンドル、自動車のクランクシャフトなどにおいて深穴加工の需要は多く、深穴加工機は、自動車や航空機、情報家電などの薄型化・軽量化が進む部品の加工などでも用いられるようになっています。
タレットボール盤は、複数の切削工具を取り付けられるタレットと呼ばれる回転式の刃物台を備え持つボール盤です。タレットに複数種の工具を予め装着しておくことで、工具交換に掛かる時間を短縮することができます。
例えば、タレットにドリルとタップ、面取りカッターを装着しておけば、穴あけ加工、ねじ切り加工、穴の面取り加工を連続的に実行できます。
NCボール盤は、NC(数値制御)によって自動的に穴あけ加工などを実行できるボール盤です。最近では、コンピュータを通してNCの設定が可能なCNCボール盤も存在します。
NCボール盤では、加工穴の位置や深さなどを予めプログラムしておくことで、自動的な加工が可能となります。主軸の移動もプログラムすることが可能であることから、複数箇所の連続的な加工も自動化できます。自動送り装置と組み合わせれば、ボール盤による加工を完全に自動化した生産ラインの一工程とすることも可能です。
量産化や工数削減などによるコスト低減のほか、作業員の怪我防止や品質の安定化などのメリットがあります。しかし、導入費用が高かったり、NCのプログラム技術や加工ノウハウが必要となったりするなどのデメリットもあります。
ボール盤は、主軸に装着する切削工具を交換することで、多様な加工が可能です。ここでは、ボール盤でできる代表的な加工方法についてご紹介します。
穴あけ加工は、ドリルによって円筒形状の穴をあけるという、ボール盤の最も基本的な加工方法です。貫通させる場合(通り穴・貫通穴)もあれば、設定した深さで止める場合(止まり穴)もあります。通常、側面の溝にねじれがあるツイストドリル(上図参照)が用いられます。
穴あけ加工は通常、以下の手順で行います。
1. 穴のセンタリング(位置決め)を行う
2. 下穴をあける(ドリルによる穴あけ加工)
3. 穴の用途に応じて、下穴へ中ぐり加工やリーマ加工、ねじ切り加工、座ぐり加工などを施す
穴あけ加工の前に、まず、実行されるのが穴の中心に窪みなどの位置決め穴をあけるセンタリングです。センタリングは、センターポンチなどのケガキ工具やセンタードリル・リーディングドリルなどの切削工具を用いて行われます。位置決め穴をあける理由は、加工穴の精度確保のためでもありますが、位置決め穴がないとドリルの先端がブレて中心がズレてしまうことがあるからです。ただし、近年、ドリルの性能が向上したことにより、位置決め穴がなくても、十分な精度の穴あけ加工が可能となっています。しかし、高精度な穴あけ加工が要求されている場合には、やはりセンタリングが必須です。
センタリングの後、ドリルを使用して穴をあけます。しかし、ドリルによってあけられる穴の口径は限られます。また、ドリルによる加工穴は、加工面が粗く、精度も十分ではありません。そのため、穴の用途に応じて、さらに中ぐりやリーマなどの加工が施されます。
リーマ加工は、穴の寸法精度を高めたり、穴の内面を滑らかに仕上げたりするために、ドリルであけた穴の内側を薄く削る加工方法です(上図参照)。リーマと呼ばれる切削工具が用いられます。リーマ加工の前にあけた下穴は、リーマの直径から0.1mm~1.0mm程度小さい口径としますが、ドリル径が足りない場合は、リーマ加工の前に中ぐり加工を施して口径を広げます。
リーマは、円筒形状の切れ刃などを備えた本体にシャンクが付いたような構造をしており、円筒側面の先端から、切れ刃、切れ刃に続いてマージンと呼ばれる部位があります。切れ刃は穴の内面を削って寸法精度を高め、マージンは穴の内面を潰すことで表面を滑らかにする役割を担います。
リーマ加工は、精密性を要する作業であるため、主軸の振れやチャックのガタツキなどに注意する必要があります。工作物の水平が取れているかを確認することも重要です。
参考:リーマー(リーマ)の種類、サイズ、下穴径と深さ、ドリルとの違い
ねじ切り加工は、ドリルであけた穴の内側に、タップと呼ばれる切削工具で、ボルトなどを通すための雌ネジのネジ山を形成する加工方法です。タップ立てやタッピングとも呼ばれます。
タップは、上図中央図に見られるように、側面にネジ山のような鋭利な山が連続的に連なった構造を持ちます。ポイントタップなどの通り穴用とスパイラルタップなどの止まり穴用があり、止まり穴用には、切り屑を排出するための溝があります。
ボール盤でねじ切り加工を行う場合、穴に形成するネジ山の間隔が決まっているので、自動送りによってタップを送ってねじ切りを行います。
ボール盤をタップと工作物の固定具にして、手動でねじ切りを行うこともあります。その場合、まず、タップハンドルと呼ばれる手動工具にタップを取り付け、タップはボール盤に固定された工作物の下穴に合わせます。次に、ボール盤の主軸にセンタと呼ばれる支持具を取り付け、センタをタップの柄のセンタ穴に合わせてタップを保持します(下図参照)。この状態でタップハンドルを回しながらセンタを手動で下方に送ると、タップの曲がりを心配することなく、ねじ切りを行うことができます。
中ぐり加工は、ドリルであけた穴をさらにくり抜いて内径を削り広げる加工方法です。中ぐりバイトと呼ばれる切削工具が用いられます(上図参照)。
中ぐりバイトは、上図のような構造で、先端に備えた超硬合金などから成るチップによって穴の内面を削り出します。チップは通常、交換が可能となっています。
中ぐり加工を止まり穴に適用する場合、切り屑が内部に溜まりやすく、切り屑によって穴の内面がキズつきやすくなっています。定期的に加工を止め、切り屑を排出する必要があります。また、工具が穴の底に強く当たると、欠けなどの原因となるので、穴の深さに余裕を設けるか、工具をゆっくり送るようにしましょう。
座ぐり加工は、座ぐり穴を形成するための加工方法です。座ぐりとは、ネジやボルトを締めたとき、それらの頭部が工作物表面の下に沈み込むように、ネジ穴の周辺を凹形状に加工することです。そのネジ穴の周囲にあけた穴が座ぐり穴で、上図に見られるような、座ぐりカッターや後述する座ぐりドリルと呼ばれる特殊なドリルで形成されます。
座ぐり穴にネジ・ボルトを締めると、工作物表面のネジ頭部による出っ張りがなくなり、表面は平らな仕上がりとなります。それによって、美観が良好になるほか、製品をキズつけたり、作業員が引っ掛けたりすることもなくなります。
参考:ザグリの基礎!キリとの違いや関係性、深ザグリについて解説!
ボール盤では、様々な種類のドリルが用いられ、ドリルを使い分けることで、多様な形状の穴の加工を実現しています。ここでは、上記でも触れたツイストドリルと座ぐりドリル、センタードリルについて説明します。
ツイストドリルは、側面の溝にねじれがある、上図のようなドリルのことです。単にドリルと言う場合、ツイストドリルを指します。
溝のねじれは、ドリルの先端で生じた切り屑をシャンク側に送る役割があり、穴あけ加工の際には、このねじれた溝を通って切り屑が排出されます。また、ねじれは、先端の切れ刃と繋がっており、切れ刃の傾きでもあります。つまり、ねじれ角(下図参照)が大きいほど、切れ刃が鋭利になるとともに、より鋭い角度で工作物表面に入ることになります。それにより、切れ味が良くなって、その結果、切削抵抗も小さくなります。しかし、切れ刃の強度は低下するため、切れ刃に欠けやチッピングが起こりやすくなります。
溝にねじれがない直刃ドリルと呼ばれるものもあります。直刃ドリルは、ツイストドリルに比べて、切れ味は劣りますが、切れ刃の強度は高く、硬い素材の加工や傾斜に対する穴あけ加工に用いられます。
上述したように、ドリルによる穴あけ加工の前には、穴の中心に窪みなどを付けることが推奨されますが、その理由の一つに、ドリルの先端にあるチゼルエッジと呼ばれる切れ刃のない部位の存在が挙げられます(下図左図参照)。チゼルエッジはドリルの剛性を左右するウェブ(ドリルの芯)が先端に表出したものですが、最近のドリルでは、このチゼルエッジを切れ刃に加工するシンニングが施されているドリルがあります(下図右図参照)。このシンニングによって、ドリルは穴あけ開始時の工作物表面への食い付きが良くなり、場合によっては位置決めの窪みも不要となります。
座ぐりドリルは、穴あけ加工と座ぐり加工を同時に実行できる、上図のようなドリルのことです。
その寸法は、ネジやドリルの規格に合わせたものがほとんどであり、先に付いているドリルの直径はネジ・ボルトの呼び径より少し小さく、中央の座ぐり刃の直径はネジ・ボルトの外径より少し大きくなっています。
ただし、ネジ・ドリルを締めるには、さらにタップによるねじ切り加工が必要です。
センタードリルは、先端に細いドリル、その細いドリルに続いて、さらに円錐状のドリルを備え持つ、上図のようなドリルのことです。センター穴と呼ばれる、工作物の端の中心にあけられる、センターを差し込んで工作物を支持するための穴の加工に用いられます。
センター穴加工以外にも、先端のドリルのみでセンタリングや薄板の穴あけ加工を行ったり、円錐状のドリルで穴の面取り加工(下図参照)を行ったりと多様な使い方ができるドリルです。
特に、センタードリルは剛性が高いため、位置決めの窪みなしでも工作物表面を滑ってしまうことが少なく、穴あけのセンタリングに有効です。
また、センタードリルの円錐状のドリルは、60°や75°、90°の角度を持ちますが、90°のものであれば、皿頭ネジの頭部の角度(90°)と一致するため、センタードリルを皿モミ加工に使用することができるでしょう。
ボール盤とフライス盤、旋盤は、共に材料を削り出して所要の形状に成形する切削加工を行うための工作機械です。しかし、ボール盤とフライス盤が転削加工を行うための機械である一方、旋盤は、旋削加工を行うための機械であるという違いがあります。
・転削加工…回転させた工具を固定した材料に当てることで、材料を削り出す加工方法。
・旋削加工…回転させた材料に固定した工具を当て、工具の位置を送り装置で調節することで、材料を削り出す加工方法。
転削加工を行うための加工機械であるボール盤とフライス盤ですが、これらの機械は、加工するときの工具の送り方向が異なります。ボール盤は、水平面内で工具の位置を合わせた後、工具を鉛直下方に送ることで加工します。その一方、フライス盤は、3次元空間内で工具の位置を合わせた後、工具を前後、左右、及び上下に送ることで加工します。つまり、フライス盤は、ボール盤の機能を兼ねることが可能です。
しかし、フライス盤では、ボール盤のように、材料をペンチで掴んで穴あけをするといった手軽な取り扱いはできず、工具を手動で大きく(速く)送るようなこともできません。また、ボール盤に比べて、工具交換に時間が掛かります。つまり、穴あけ加工を実行するならば、ボール盤の方がフライス盤より効率的であるということです。
参考:旋盤加工について専門家が解説!加工の種類・加工機の種類がこの1記事でわかります!
以上で述べたことにそのほかの情報を加えて、ボール盤とフライス盤、旋盤の違いをまとめると下表のようになります。
金属加工のマッチングならMitsuri!
法人・個人問わずご利用できます。
Mitsuriでどんな取引が行われている?
新しい機能を使ってどう新規取引につなげる
そんな疑問に毎月メールでお届けします