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【面取りカッター】種類、材質、サイズ、角度

工具 | 2021年07月29日

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面取りカッターは、木製品や金属製品の加工過程で形成される角を斜めに落としたり、切削加工の過程で生じる材料のケバ立ちを除去したりするなどの目的で用いられる切削工具です。

これらの処理は、角やケバなどがケガや物の損傷の原因になるため、木材・金属加工業で製品を製造するときはもちろん、自らDIYで何かを作るときにも必須の作業です。

とは言え、面取りカッターにも様々な種類や材質、サイズなどがあり、用途や手持ちの工具・工作機械によって最適な面取りカッターも異なります。

そこで、今回の記事では、用途や状況に応じて適切な面取りカッターを選択できるように、面取りカッターの用途や特徴、種類、材質、サイズなどについて解説していきます。

面取りカッターとは?用途と特徴

面取りカッターとは、面取りやバリ取り、皿モミなどを行うために用いられる切削工具です。ドリルの刃先に角度を付けたような形、もしくは円錐のような形の先端を持ちます。

・面取り…加工によって形成した角を斜めに切り落としたり(C面取り)、角を丸めたり(R面取り)すること。加工物の角でケガをしたり、物が破損したりするのを防ぐのが目的です。特に、金属製の加工物の角は、角度が90度以下(鋭角)だと、刃物のように切れることがあり危険性が高くなっています。

参考:【面取り加工】c面取りの方法や種類をVA・VE事例を交えて紹介!

・バリ取り…加工後に残留する材料のケバ立ち(バリやカエリなど)を取り除くこと。例えば、穴あけ加工の際には、挿入側の縁にカエリが、貫通側の縁にバリが発生します。

参考:【バリ取りとは?】バリの種類や除去方法などを徹底解説!!

・皿モミ…ネジやボルトをねじ込む穴に対し、ネジ頭を材料と同じ面あるいはそれ以下に沈めるために穴の縁を面取りすること。美観の向上やネジ頭への引っ掛かりによる事故の防止などが目的です。

参考:皿モミ加工とは?一般的な寸法や加工方法について専門家が解説!

使用対象となるのは、鉄やステンレス、アルミといった金属のほか、樹脂や木材などが材質の加工物です。面取りカッターの材質も鋼やハイス、超硬チップなどがあり、加工物の材質に合わせて面取りカッターの材質を選択します。

面取りカッターは、電動ドライバー・インパクトドライバーなどの電動工具やボール盤・マシニングセンタなどの工作機械に取り付けて使用します。

電動工具の場合、面取りカッターは、ビットとして電動工具に取り付け、電動工具自体は手動で取り回して使用します。例えば、皿モミ加工を行う場合であれば、ドリルなどであけたネジ穴に中央を合わせて差し込むことで、皿を逆にしたような形状にネジ穴の上部を削り取ってくれます。

ボール盤の場合、固定された面取りカッターに対して、材料を動かして加工する箇所に位置合わせを行い、面取りカッターを材料に向かって下ろすことで加工します。

マシニングセンタの場合は、通常、加工箇所の位置合わせなど、全てを自動化して加工を行います。

面取りカッターの中には、先端に穴があいているタイプのものもあり、銅・アルミといった柔らかい材質の被削材に用いると、切り屑の排出がスムーズになります。

先端にドリルが付属しているものもあり、面取りと同時に穴あけも可能です。面取りと位置決め(センタリング)の双方が可能な面取りカッターもあり、これらの2工程を同時に行うことができます(下図参照)。これらの多機能な面取りカッターを使用することで、作業時間が短縮できるのはもちろん、工具の交換時間も不要となり、作業の効率化が図れます。

引用元:MISUMI-VONA 技術情報「穴の位置決めと面取りの同時加工する方法」株式会社ミスミグループ本社

面取りカッターの種類

面取りカッターの軸には、六角軸とストレート軸の2種類があります。軸の形状は、取り付ける電動工具や工作機械に合わせて選びます。

六角軸

六角軸は、軸の断面が六角形になっている工具軸です。ほとんどの電動工具・工作機械に取り付けられます。

特に、インパクトドライバーに取り付ける場合は、6.35mmの六角軸を選択する必要があります。インパクトドライバーは、取付規格が各メーカー共通で「6.35mm六角軸」となっているからです。インパクトドライバーにストレート軸を取り付ける場合は、専用のアタッチメントが必要となります。

ストレート軸

ストレート軸は、軸の断面が円になっている工具軸です。電動ドライバーや工作機械などに取り付けることができます。チャック式と呼ばれる、丸棒を3方向から締め付ける固定方法で取り付けます。

チャックは、例えば、固定可能な軸径の範囲が「10mm〜13mm」のように決まっています。そのため、ストレート軸の面取りカッターは、チャックの把握範囲に応じた軸径のものを選ぶ必要があります。

ストレート軸は通常、軸径と先端の外径が同じ大きさですが、軸が細くなっているノス型と呼ばれる軸があります。ノス型であれば、チャックの把握範囲よりも大きな外径を持つ面取りカッターを取り付けることが可能です。

面取りカッターの材質

面取りカッターには、主に以下で説明する3つの材質が使われています。

鋼製

鉄鋼は、木材を切削する際によく使われる材質です。安価で入手しやすく、硬度にも優れますが、耐久性には欠けています。

比較的軟らかいスギなどの針葉樹であれば耐久性を保ちますが、カシなどの硬い木材に対しては消耗が激しいのでハイス製を選ぶと良いでしょう。

ハイス製(HSS)

ハイスは、ハイスピードスチール(High-Speed Steel: HSS)の略称で、高速度鋼とも呼ばれている材質です。鋼の中でも耐熱性が高く、高速加工に対応しているこその名称です。

ハイス製は、鋼製よりも硬く、耐摩耗性にも優れており、比較的手頃な価格で入手することができます。木材全般、銅やアルミなどの軟らかい金属、薄い鉄板などに対応しています。

ただし、コバルトを含有するコバルトハイス(HSS-CO)などであれば、通常のハイスよりも硬度や耐摩耗性に優れているため、ステンレス板の加工も可能です(下図参照)。なお、ステンレス加工に対応していると言っても、加工できる鋼種は限られているので、鋼種の確認は必須です。

引用元:製品情報「ステンレス用面取カッター」株式会社スターエム

超硬チップに比べると硬度に劣りますが、折れにくく、コストパフォーマンスに優れていることから、現在主流となっている材質です。

超硬チップ

超硬チップは、ハイスでは加工できない硬い材質向けの材質です。ハイスに比べて、硬くて重いという特徴があり、耐摩耗性にも優れています。

代表的な超硬チップは、炭化タングステンとコバルトとを混ぜ合わせて焼き固めたものですが、含有元素が異なる多様な超硬チップがあります。切削対象の材質に合わせて適切な超硬チップを選択しましょう。

面取りカッターのサイズ

面取りカッターのサイズは、メーカーによって異なりますが、次のサイズのものが多く流通しています。

(単位:mm)

外径

面取径

下限

上限

4

2.5

3

6

3

5

8

4

7

10

4, 5

9

12

6

11

14

6

13

15

6, 7

14

16

4, 8

15

20

8, 10

18, 19

21

5

20

25

10, 13

23, 24

26

6

25

30

15

28

なお、上表の面取径の上限・下限がバラついているのは、製品によって推奨される面取径が異なることが理由です。

軸径のサイズについては、インパクトドライバー用が多い六角軸では、外径に関わらず6.35mmのものが多くなっています。一方、ストレート軸では、軸径が外径と同じ大きさのものが多くなっています。しかし、上述したように、ノス型のものは外径に比べて細い軸のものがあります。

外径のサイズは、皿モミ加工を目的とするなら、ネジの頭部径の大きさに合わせて選びます。頭部径は、ネジの呼び径の倍程度です。面取りカッターの面取径の範囲に、余裕をもって頭部径が収まるものを選びます。例えば、ネジの頭部径が8mm(呼び径が4mm)の場合は皿穴の径を8.5mmに、ネジの頭部径が16mm(呼び径が8mm)の場合は皿穴の径を17mmにするなど、余裕をもって皿穴を形成します。

面取り加工を目的とするなら、面取りカッターの面取径の上限に面取りの幅が収まっていれば問題ありません。例えば、5mmのC面取り(C5と記述する)を行う場合は、およそ7mm(5mm×√2)が面取りの幅となります(下図参照)。ただし、狭いスペースの面取りを行う場合は、外径の大きさも考慮が必要です。

引用元:資料編「45°面取り加工の寸法記号について」カネソウ株式会社

面取りカッターの先端角の角度

面取りカッターの先端角の角度も、用途に合わせて選びます。

面取りやバリ取り、皿モミ加工など、面取りカッターの通常の役割のみを行う場合は、先端角90°のものが最適です。45°の面取り加工であれば、面取りカッターを真上または真横から角部に近づけ、角に当てることで45°の面取りが可能です。

先端角が30°や60°などの面取りカッターもありますが、それらは主に位置決めも同時に行うケースやV溝加工を行うケースに用いられることが多いようです。なお、V溝加工は、V字形の溝を材料の表面に形成する加工法で、基本的には材料の端辺から端辺まで工具を動かしていくことで溝を作ります。

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この記事を書いた人
株式会社Catallaxy

株式会社Catallaxyは "未来の製造業をつくる" をミッションに掲げ、製造業における従来のサプライチェーン/バリューチェーンの刷新を目指しています。記事内容に関するお問い合わせはこちらへ。

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