カテゴリ

Mitsuriでの受発注の最新の傾向や統計、サービス最新情報を毎月メールにてお届けします。
WEB上での新規取引のコツや活用方法など役に立つ情報も配信しています!

 

【徹底解説】製造工程と工程管理とは?重要性から具体的な改善手法まで詳しく紹介

2025-01-21

更新

この記事を監修した人

島尻 亮汰

Mitsuri PdM

製造業向け商取引プラットフォーム「Mitsuri」のプロダクトマネージャーとして、プロダクトの開発からマーケティングの戦略立案・実行に至るまでを包括的にマネジメントを行う。著書「SaaSで考えるPLG戦略」

製造業において、どのように製品を生産するかは企業の競争力を左右する大きな要素です。品質を保ちながら、無駄を省き、納期を守るためには「製造工程」の最適化と「工程管理」が不可欠です。

しかし「何をどこまで管理すべきなのか」「工程管理と生産管理はどう違うのか」「実施にはどんな方法があるのか」など、疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。

本記事では、製造工程や工程管理の基本的な概念と重要性から、具体的な管理手法、そして実施のポイントまでを分かりやすく解説します。現場の生産性向上やコスト削減に向けて、ぜひ参考にしてみてください。

製造工程とは

製造工程とは、原材料や部品を投入し、製品として完成させるまでに必要となる一連の過程を指します。
例としては、材料の受け入れ・加工・組立・検査・梱包・出荷など、それぞれの段階が挙げられます。

製造工程は、人や機械、材料など多くのリソースが複雑に関わり合いながら成り立っています。したがって、品質や効率を維持するうえで、工程を適切に“見える化”し、管理していくことがとても重要です。

工程管理とは

工程管理は、製品を作る各プロセスを細かく分解し、それぞれの段階を**品質(Quality)・コスト(Cost)・納期(Delivery)**の観点で最適化する手法を指します。いわゆるQCDを改善するには、工程そのものを正しく把握し、継続的に監視・調整していく必要があります。

  • 製造工程との違い
    製造工程は「モノが製品になるまでの流れ」を表す言葉であり、一連の生産プロセスそのものを指します。一方、工程管理は、それらがスムーズかつ最適に進行しているかを管理・改善するための活動です。
  • 生産管理との違い
    生産管理は、材料や在庫、人員、コストなど、生産活動全体を広く管理する概念です。工程管理はこの中の一部で、具体的には「加工・組立・検査」など、現場で行う各工程を管理していく役割を担います。
  • 生産計画との違い
    生産計画は「何を、いつまでに、どれだけ作るか」といった生産目標を定める段階です。それに対し、工程管理は実際の生産が始まってから「計画どおりに進行しているか」「品質やコストは大丈夫か」を監視し、必要に応じて改善する段階です。
  • 生産統制との違い
    生産統制は、生産計画に遅れやズレが生じた場合にリソース配分やスケジュールを修正し、計画通りの生産を実現するために調整する活動です。一方、工程管理はあくまで現場レベルのプロセス最適化を目的としており、問題の原因や改善策を現場単位で考えるのが特徴です。

製造工程を管理すべき3つの理由

ここからは、なぜ製造工程を管理することが重要なのか、3つの視点で解説します。

1. 安定的に高品質な製品を製造するため

工程管理を行うことで、不良品の発生原因を早期に発見・改善し、不良率を下げられます。結果として顧客満足度が向上し、企業の信頼性も高まります。

  • 不良率の低減
  • 顧客満足度の向上
  • ブランド・企業イメージの強化

2. 無駄をなくしコストを抑えるため

工程管理の視点から製造プロセスを見直せば、無駄な動作や人員配置、不適切な材料使用などを発見しやすくなります。こうした要因を削減することで、コストを抑え、利益率を高めることが可能です。

3. 納期を守るため

ビジネスにおいて納期遵守は非常に重要です。工程管理により、人員配置や在庫管理などをリアルタイムで把握・調整できるため、タイトなスケジュールでも計画通り生産を進めやすくなります。また在庫を適切に管理できるため、過剰在庫によるコスト発生も抑えられます。

製造工程を管理する主な手法

工程管理にはさまざまな手法がありますが、その中でも代表的な3つをご紹介します。

1. 統計的工程管理(Statistical Process Control)

統計的手法を用いて工程データを収集・分析し、品質をコントロールする方法です。主な分析ツールとして以下が挙げられます。

  • 制御図: 時系列でプロセスの変動をグラフ化し、異常が発生していないかチェックする
  • ヒストグラム: データ分布を可視化し、平均値やばらつきを把握する
  • 散布図: 2つの変数の相関関係を調べ、品質に影響する要因を特定する

2. 実験計画法(Design of Experiments)

製造工程や製品に影響を及ぼす複数の要因(因子)について、最適な条件を探索する方法です。試験実験で因子の組み合わせを計画的に変化させながら、品質やコストなどの結果を観察し、最善の設定を導き出します。

  • ランダム化: 因子の割り当てをランダムに行い、バイアスを避ける
  • ブロック化: 実験をグループ化し、外的要因によるデータのばらつきを低減
  • 交互作用: 複数因子が同時に与える影響も評価し、より精密な最適解を探る

3. シックスシグマ(Six Sigma)

品質向上のためのフレームワークや統計手法を組み合わせたアプローチです。以下の要素から構成されます。

  • DMAIC
    Define(定義) / Measure(測定) / Analyze(分析) / Improve(改善) / Control(制御)
    という5つのステップで問題解決を進めます。
  • プロセスマップ: 製造プロセスを可視化し、現状を正確に把握する
  • 決定木分析: 問題の原因を階層的に整理し、最も影響の大きい要因を特定する
  • FMEA: 潜在的に起こりうる不具合を事前に洗い出し、対策を立てる(Failure Mode and Effects Analysis)

工程管理を実施する際のポイント

最後に、工程管理を成功に導くための3つのポイントをご紹介します。

1. チェックリストの作成・活用

製造プロセスの各工程で行うべき作業や確認項目をリストアップし、定期的にチェックすることが重要です。

  • 目的ごとにリストを区分し、抜け漏れを防ぐ
  • 運用しながら改善点を追加し、最新の状態を維持する

2. 工程管理システムの導入

ITシステムを活用すれば、複雑な工程管理も一元化・可視化しやすくなります。

  • リアルタイムで進捗を追跡し、不具合発生時に早期対処可能
  • 人為的な集計作業を削減し、担当者の負荷軽減やヒューマンエラー低減につながる
  • データの蓄積によって、長期的な改善材料を得られる

3. ノウハウの蓄積と改善活動

現場の知見や経験をマニュアルや手順書にまとめ、共有することで継承・レベルアップを図ります。

  • 定期的に社員教育や訓練を実施し、知識をアップデート
  • その時々の問題点を洗い出し、改善を繰り返し、継続的に品質や生産効率を高める

まとめ

製造工程とは、原材料が製品となるまでの一連の流れを表す言葉であり、それらを最適化するための工程管理は、品質を高めつつコストを抑え、納期を厳守するうえで非常に重要です。

  • 製造工程と工程管理の違いを理解し、
  • 生産計画や生産統制との関係を把握したうえで、
  • 統計的工程管理や実験計画法、シックスシグマなどの手法を適切に活用すること
  • チェックリストの作成、システム導入、ノウハウ共有などの取り組みを進めること

これらを組み合わせて実践すれば、現場の生産効率や品質は着実に向上していきます。ぜひ自社の課題や目的に合わせて、工程管理の方法を検討し、生産現場の最適化に役立ててみてください。

金属加工のマッチングならMitsuri!

法人・個人問わずご利用できます。

PICK UP!!

溶接記号一覧 読み方、書き方をわかりやすく解説

PICK UP!!

フランジとは?種類・形状・規格・材質など詳しく解説

Mitsuriでどんな取引が行われている?
新しい機能を使ってどう新規取引につなげる
‍そんな疑問に毎月メールでお届けします

 
新着記事