2025-01-15
更新
リードタイムは製造業や流通業などで、効率化を見直すための指標として使われています。
製造業のリードタイムは発注から納品までにかかる時間を示しており、生産効率を上げるためにリードタイム短縮を目指す企業も多くあります。
本記事では製造業のリードタイムを4つに細分化し、各リードタイムを短縮するためのポイントを解説します。
リードタイムとは、一般的に各工程の始まりから終わりまでにかかるトータルの時間のことを指します。リードタイムは業種や部門など、対象となるものによっては細かい部分の意味合いが少し違ったものになります。
製造業におけるリードタイムは、発注から納品までにかかる時間を意味しており、作業を開始するまでの待ち時間・開発・仕入れ・生産・検査・物流など、すべての時間を含みます。これらは大きく分けて【開発リードタイム・調達リードタイム・生産リードタイム・配送リードタイム】の4種類に細分化されます。
リードタイムは上手く短縮できると、生産効率の向上や在庫の増加を抑える効果が期待できるので、製造業ではリードタイム短縮を目指す企業が増えています。
開発リードタイムとは、製品開発の計画・立案・設計を行う期間のことを指します。
開発工程にてリードタイムを短縮するには、製品に使う部品や仕様を共通化するのがポイントです。部品の共通化は在庫を抱える数が少なく済み、のちに解説する調達リードタイムにかかる時間を短縮できます。仕様の共通化は新しく設計を考える手間を省けるほか、部品の共通化にも繋がります。
調達リードタイムとは、製品を生産するために必要な原材料や部品を発注し、それらの納品・検査を終えて、生産現場へ納入するまでの時間を指します。
調達リードタイムは、原材料や部品を調達するのに発生する、数量や仕入れ先の決定、交渉などにかかる時間も含みます。開発段階で使う材料や部品が特定のモノと決められていない場合は、選定を行う必要もあります。
調達リードタイムは、調達する部品そのものが製品である場合は、その部品を生産する、または用意するのに時間がかかる場合があるものです。そのため、調達リードタイムにかかる時間を短縮できると、製造業における全体のリードタイムを大幅に短縮できる可能性があります。
調達リードタイムを短縮するためのポイントは、原材料や部品の調達にかかる時間をなるべく削減することです。そのための方法として、取引先に原材料や部品に遅れがあるようなら改善点を指摘する、または代替品をすぐに用意できるよう準備しておくといった方法があります。
自社で部品生産や原材料の調達などを行っている場合は、自社内でこれらの生産リードタイムを見直す必要があります。
生産リードタイムとは、原材料から製造工程・検査などを経て、製品を出荷するまでのトータルの時間を指します。生産リードタイムは各工程での作業時間だけでなく、工程間の待ち時間も含みます。ただし、受注が確定してからの段取り・開発設計・原材料や部品の調達のような、生産をはじめるまでの工程は含みません。
生産リードタイムを短縮するためのポイントとしては、各工程をいかに効率良くこなせるかが重要です。効率の良い作業を行えているかどうかの判断は、生産現場の見える化を行いましょう。必要であれば作業員を増やす、生産設備や生産工程の見直しなどを行います。また、次の工程に移るまでの時間に3ム(ムダ・ムラ・ムリ)が発生していないかもチェックしておきましょう。
配送リードタイムとは、生産した製品の梱包や配送部門とのスケジュール調整などを経て、注文者へ納品するまでにかかる時間のことを指します。配送リードタイムを短縮するためのポイントは、配送部門や物流会社との密接なやり取りやスケジュール管理のほかに、スムーズに出荷できるような倉庫管理も重要となります。円滑な倉庫管理を行うには、日頃からの5S活動にも注力する必要があります。
参考:製造業の5S活動とは?目的・目標・事例を学んで現場改善
リードタイム短縮は生産効率向上による売上アップ・在庫数軽減などのメリットがありますが、デメリットを抱える場合もあります。
リードタイムを短縮することで、製品の提供がスムーズに行えるため、売上アップが見込めます。例えば同業他社で似たような製品を取り扱っていると、価格競争だけでなく短納期対応できるかが問われるものですが、生産効率が上がることで対応がしやすくなります。また、生産数が多くなる分、たくさんの製品をユーザーへ提供することも可能です。
リードタイム短縮には、注文を受けた製品を必要な分だけ生産する方法もあります。その場合は、在庫を抱える数も少なくなり、在庫を持つことで発生する管理コストも抑えられるようになります。
リードタイムを短縮するために小ロットでの生産を行う場合があります。このとき、必要最小限の数を生産するのでスピーディーな納品が可能となりますが、その一方で生産設備の故障や仕入れ先・外注先の営業停止などのトラブルが発生した際、在庫を抱えていないことで、トラブルの復旧までは製品の提供ができなくなります。
小ロット生産は、上記のトラブルが発生してもすぐに代替案に移れるなど、リスク管理ができていればリードタイム短縮に有効活用できるでしょう。しかし、大ロットで生産したほうが効率良く、予期せぬトラブルに対応しやすくなるので、企業によって生産数の選択は異なります。
また、リードタイム短縮を目的とするあまり、必要以上に作業工程や検査項目を省いてしまい製品不良が増えてしまうケースや、作業員に能力以上の負荷をかけることでミスやケガのリスクを抱えてしまうケースも考えられます。
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