2025-01-15
更新
企業の職場環境を改善するために採用されている「5S活動」をご存知でしょうか。製造業ではよく耳にする単語ではあるものの、まだ取り組んだことのない企業からすれば、詳細な意味については分からないかもしれません。
また、5S活動を取り組んでいる企業でも、社内で情報が共有されなかったり、活動を徹底できなかったりと、環境の改善を実感できない方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、製造業が正しく5S活動を行うために必要な、5Sの意味・目的・取り組み方・活動事例を順番に解説していきます。
5Sとは、整理(Seiri)・整頓(Seiton)・清掃(Seisou)・清潔(Seiketsu)・しつけ(Sitsuke)の頭文字のSをとったもののことです。5Sは、さまざまな業界で現場のムダを無くし、環境改善を行うための活動を意味しています。
5Sの各項目の詳細な意味については下記の通りです。
「整理」は、必要なモノを残し、不要なモノを処分することです。
製造業においては、資材や廃材を多く抱えていることが多い分、不要なものは都度処分していくのが大切です。
「整頓」は、必要なものを正しい場所に配置することです。
工具や部品などを使いやすい、または分かりやすい場所に配置することで、作業効率が向上します。
「清掃」は、職場の環境や道具をキレイに掃除するだけでなく、道具のメンテナンスを行うことを指します。
「清潔」は、「整理」「整頓」「清掃」を意識して、キレイな状態を維持することです。
常に清潔な状態を維持するためには、これらの3つのSを定期的に行う必要があります。
「しつけ」は、上記の「整理」「整頓」「清掃」「清潔」の4Sを徹底させることです。
業務が忙しいときでも4つのSを守るよう、ルールや規律を決めておくようにします。
工場・事務所・倉庫など、企業全体で5Sを実行することで、良好な職場環境を得られます。キレイな職場環境は、従業員のモチベーション向上だけでなく、企業のイメージアップも期待できます。
5Sが徹底されていない職場では、作業で必要な道具や資材を探す、もしくは使うまでに時間がかかってしまいます。使ったモノを片付ける際に、使いやすく、かつ決まった位置に戻していないと、次の作業者の生産性にも悪影響を与えるでしょう。また、道具をキレイな状態で維持していないと、すぐに破損してしまうケースもあります。これは、工場や倉庫に限らず、事務所でも同じことが言えます。
5Sを徹底することで、必要なときに、必要なモノをすぐに使える環境になるため、企業全体の生産性が向上します。
5Sを怠っている企業は、道具のメンテナンスが不十分のため、事故を引き起こす可能性が高まります。製造業では、加工機器・刃物・薬品など、危険を伴うモノを多く扱うため、ひとつの事故から大怪我を招きかねません。
しかし、5S活動を行っていれば、道具の寿命が近いモノに対しての早期発見や、メンテナンス不備による事故の防止などに繫がり、不意に発生するトラブルを未然に防ぐことができます。
「整理」は、長期間在庫を抱えているモノに対して、分かりやすいように年単位で色の付いた印で分類し、一定期間売れないようであれば処分します。色分けする理由は、すべての従業員が、いつから在庫を抱えているかを判別するためです。
文書や図面などは、なるべくPCで管理できるよう、データ化しておくのも効果的です。データを種類毎に管理しておくことで、必要なデータを検索すれば、すぐにファイルを開けるようになります。共有すべきデータは個人のPCで管理せず、サーバーを用意することで、誰もが欲しいときにデータを扱えるようになります。
万が一、データにトラブルが発生したときのために、バックアップを取っておくのも大切です。
「整頓」は、見た目がキレイになるように整列させるのも大切ですが、誰もが分かりやすいように表示しておく、または配置する必要があります。書類や道具の管理者のみが分かるような配置では、別の作業者が必要なモノを使う際に、探す手間が増えてしまいます。
例えば、工具とその置き場所の両方に、工具名を書いたシールや写真を貼り付けておくことで、誰が見ても定位置に片付けられるようになります。
搬入された資材についても、受け取りからそのままにしておくとスペースが無くなってしまうため、すぐに種類毎の置き場所に移動させましょう。
PCに保存している書類や図面についても、いつ誰が見ても目的のデータが得られるように、分かりやすくファイル管理しておきます。
「清掃」は、職場をキレイにするだけでなく、いかにキレイな状態を維持するかが大切です。また、清掃は機械のメンテナンスを含んでいることも忘れないようにしましょう。
清掃の例としては、事務所・工場・倉庫など、各場所の担当者を決めて当番制で掃除を行うようにすれば、いつでもキレイな状態を維持できます。
機械のメンテナンスについては、個人でチェックするのが難しい場合、業者に定期メンテナンスを依頼しておくとよいでしょう。違和感や不具合が発生した場合は、業者に問い合わせるなどして、すぐに解決します。
はかりやノギスなどの測定器具についても、信頼性を損なわないよう、定期的に校正を受けておきましょう。
「清潔」は、整理・整頓・清掃を維持することにあたりますが、そのためには各作業をマニュアル化しておくとよいでしょう。マニュアルを作成しておくことで、担当者が入れ替わっても、整理・整頓・清潔が維持できるようになります。
「しつけ」は、他の4Sを従業員に徹底し、習慣づけるようにします。ただし、強制的に5Sを行わせるのではなく、取り組みに不備や不満が出るような場合は、ただちに改善しましょう。あくまでも、社員全体が自主的に5Sを行うのを目的とします。
ここでは、製造業における5S活動の取り組みの一例を紹介します。
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