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バイブレーション研磨とは?用途、特徴、種類

2024-09-17

更新

この記事を監修した人

染谷 ひとみ

Mitsuri Media管理人

精密板金加工工場のインサイドセールスとして加工と寸法の提案をしてきた経験を経て、製造業の知見と楽しさを提供している。 幼少期からモノの構造を理解するのが好き。JAPAN MENSA会員。

今回はバイブレーション研磨の用途や特徴について解説します。

バイブレーション研磨とは、金属の表面にランダムに模様を付ける研磨です。主にステンレス材の表面仕上げとして使われており、ヘアライン研磨製品と同じく建築建材で幅広く活用されています。

参考:ステンレスのヘアライン加工の種類や特徴について専門家が解説!

バイブレーション研磨とは

引用元:株式会社新光ステンレス研磨 研磨種類

バイブレーション研磨とは、ヘアラインのような統一された方向に金属を研磨するのではなく、無差別の方向に小さな弧を描いたような研磨を施すことで、別名「ランダムヘアライン」や「パーマネントヘアライン」とも呼ばれています。さまざまな材質に対応していますが、ステンレス材(SUS304)の表面仕上げに利用されることが多いです。

バイブレーション研磨は梨地研磨の一種で、鏡面仕上げのような光沢や映り込みが少なく、遠目から見ると落ち着いた雰囲気になります。研磨する粒度や形状を変化させることで、細かいものから粗いものまで自在に加工を行えます。

参考:SUS304とSUS430の意味とは? 使い分けや特徴も分かりやすく解説!

バイブレーション研磨の用途と特徴

バイブレーション研磨の特徴は以下の通りです。

  • ・光の反射が少ない
  • ・落ち着いた雰囲気と上質感がある
  • ・傷が目立ちにくい

バイブレーション研磨は、ランダムな方向の模様が入るように、粗く研磨しています。手で触れても研磨の感触は少ないものの、見た目で分かるくらいの模様が施されています。光沢を抑えて研磨している分、光の反射は少なく、落ち着いた雰囲気を与えられるのが特徴です。また、鏡面仕上げやヘアライン仕上げと違って、キレイであったり規則性があったりする模様ではないので、傷が目立ちにくいのもポイントです。ただし、傷が目立ちにくいからといっても、研磨目の薄いバイブレーション研磨の場合は、傷や指紋が入りやすいので注意してください。

バイブレーション研磨は、落ち着いた雰囲気と上質感があること、傷が目立ちにくいなどの特徴から、主にエレベーターやキッチン、建築建材の内外装などに採用されています。汎用的な研磨方法のため、材質はステンレス・チタン・アルミ・銅・真鍮と幅広いほか、角パイプ・丸パイプ・アングル・チャンネルなどの形鋼にも対応できます。

バイブレーション研磨の種類

ステンレスのバイブレーション研磨には、No.2B・BA・#400・#700・No.8などがあります。ここでは代表的な「2Bバイブレーション」と「BAバイブレーション」についてご紹介します。

2Bバイブレーション

2Bバイブレーションは、もっとも広く使用されているバイブレーション研磨のことで、やや光沢のある仕上がりが特徴です。

2Bとは、「No.2B」の略で使われているステンレス材です。2Bは、冷間圧延後、焼鈍→酸洗で仕上げた「No.2D」の材料に、スキンパス圧延を施したものです。スキンパス圧延とは、冷間圧延後に焼きなましした鋼板に施される軽い圧延のことで、調質圧延とも呼ばれています。

ステンレスの表面仕上げは、No.2以外にもNo.1~8までありますが、数字が大きくなるほど光沢のある仕上げになります。#400などについても、数値が大きいほうが、細かい目になり、光沢のある仕上げになります。

参考:鋼の性質を変える【熱処理】とは?仕組みや種類について徹底解説!

BAバイブレーション

BAバイブレーションは、2Bバイブレーションより少し光沢があるバイブレーション研磨です。

BAとは、冷間圧延後に光輝焼鈍(無酸化焼鈍)を行ったステンレス材のことを指します。光輝焼鈍は、焼きなましを大気中ではなく、不活性ガスや中性ガスの中で行い、酸化皮膜の生成を防ぎ、光沢を維持しながら焼きなましをする手法です。

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