2024-09-06
更新
染谷 ひとみ
Mitsuri Media管理人
精密板金加工工場のインサイドセールスとして加工と寸法の提案をしてきた経験を経て、製造業の知見と楽しさを提供している。 幼少期からモノの構造を理解するのが好き。JAPAN MENSA会員。
タップ、バーリング、ナットはどれも板金加工でネジに関わるものです。
設計する際に、適切なものを選べていますか?
タップ、バーリング、ナットにはそれぞれ特徴があり、主に加工範囲によって左右されます。
加工範囲を満たしているか確認し、その上で用途に添っているか確認しましょう。
ネジ穴といえば基本的にタップのことを指します。
板金加工では厚さ1.5mm以上で、M3のタップ加工が可能です。ネジには規格があり、ネジ山のピッチが決まっています。このネジ山が3山以上回せることが理想です。
ただ、どうしても上記の条件より薄い板にタップを加工したい場合が出てきます。
例えば、厚さ1mmの板にM4のネジを通したい時です。このような時にバーリングとナットが役立ちます。
正しくはバーリングは薄板に開けた穴の周囲に立ち上がりをつける加工のみです。さらにタップを加工することでネジが立つようになります。
板厚は0.8mm~2.3mmで、タップの径によって左右されます。バーリングの高さも、加工する板厚と径によって決まるので、高さを指定することは難しいです。高さを指定してしまうと、かえって工場から加工できないと断られてしまう原因になります。括弧寸法で記載するか、高さの指定はしないようにしましょう。
ナットを使用時に比べ、追加部品のコストや溶接代が不要なため、全体的なコストが削減されます。
バーリングは硬い素材に適しているので、鉄やステンレスは向いていますが、柔らかいアルミは不向きです。曲げ加工に近い場所でのバーリングは困難な場合もあります。
そのような場合はナットの使用を検討しましょう。
参考記事:バーリング加工とは?メリット・デメリット、タップ加工に関しても解説!
タップとバーリングが適さない場合は、ナットの使用を検討しましょう。ナットには圧入ナット(カレイナット)や溶接ナット(ウェルドナット)などの種類があります。
カバーなどの負荷があまりかからない部品に使用しましょう。
圧入ナットを圧入した後に点付溶接をすることで、より脱落しにくくする方法もあります。
ナット溶接についてさらに詳しく知りたい方はこちら
参考記事:ナット溶接とは|ウェルドナット(溶接ナット)の種類もご紹介!
もし、アルミに強固なタップをお考えの場合は、ヘリサート、エンザート、イリサートなどのインサートを検討しましょう。その際、薄板ではなく厚板への加工になります。
参考記事:ヘリサート(スプリュー)規格・種類・形状・用途まとめ
特殊ナットについてさらに詳しく知りたい方はこちら
参考記事:特殊ナットの種類一覧と特徴を紹介
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