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特殊ナットの種類一覧と特徴を紹介

金属部品 | 2021年11月17日

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ナットとは、ボルトとワンセットで使用される工具のことで、物と物を締め付けて繋げる際に使用されます。一般的には外側が六角形のドーナツ型をしていて、内側にはボルトを締め付けるための螺旋状の溝が彫られています。

ナットは六角形の物ばかりではありません。四角いものや爪がついたもの、底が丸くなっているものなど、意外に多くの種類が存在していることはご存知ですか?

モノづくりでは、これらをまとめて「特殊ナット」と呼んでいます。

特殊ナットの種類

特殊ナットは、目的や用途に合わせてさまざまな種類があります。ボルトと合わせて使い、物と物を締め付けるという目的は変わらないのに、なぜそこまでたくさんの種類があるのでしょうか。それは、ボルトとナットがモノづくりの現場において、さまざまな用途で使用されているからです。

木材に使用したい、簡単に緩まないようにしたい、液体に触れる場所に使いたいなど、作りたい物に合わせて作られた結果、さまざまな種類の特殊ナットが誕生しました。

特殊ナットの種類と役割は下記の通りです。

ゆるみ止めナット

ゆるみ止めナットはその名の通り、一度締めるとねじが緩みにくいような工夫が施されたナットのことで、一般的には「Uナット(セルフロッキングナット)」と「ハードロックナット」の2種類があります。

●Uナット(セルフロッキングナット)

Uナットは、フリクションリングと呼ばれる特殊バネが一体になったナットのことです。ボルトを絞めつけることによってフリクションリングがボルトのねじ山に達し、ねじ面を押さえつける仕組みになっています。

バネの戻ろうとする力とボルト、ナットの引っ張り合う力によって生じる摩擦トルクがゆるみを防止する作用になっています。

●ハードロックナット

ナットが緩む理由は、ボルトとナットの間にほんの少し空間があることが理由です。そのため、この空間をなくしてしまうことができれば、ナットは緩まないということになります。

ハードロックナットは、構造が第一ナット、第二ナットに分かれており、第二ナットにクサビを打ち込むハンマーと同じ機能を持たせることで優れたゆるみ止め効果を持たせています。

シールロック

シールロックは、シーリング材を組み込むことで、締め付けた際にナットとの間隙をなくします。これにより、ゴムや樹脂などのワッシャーを取り付けることなく、油圧制御バルブや燃料ポンプなど、液状のものが流れる場所の締結が可能です。

高気圧下でも気体・液体に対して高い効果を発揮する他、シーリング材によって耐熱性を求められる場所での使用も可能です。

やきつかナット

ステンレスは熱伝導率が低く、熱膨張率が大きいため、摩擦熱によってねじが膨張し、動かなくなってしまうことがあります。これを、「焼き付き」と呼んでいます。

やきつかナットは、ステンレス製のナットに多層メッキを施すことで焼き付きを防止したナットです。

鬼目ナット(インサートナット)

鬼目ナットは組み立て構造の家具に組み込むことを目的として開発されたナットです。「打ち込みタイプ」と「ねじ込みタイプ」の2種類があり、いずれも木材に下穴をあけ、挿入することで食い込んで固定されます。

ねじにはツバ付とツバ無があり、ツバ付はツバがあることでねじが深く挿入され過ぎることを防ぐことができます。ツバ無はツバ付に比べて部材との密着性が高く、用途に合わせて埋め込み深さを調整することが可能です。

エンザート(タッピングインサート)

エンザートは、アルミやプラスチックなど、ねじ山が潰れやすい素材に組み込むインサートナットです。ナットの外側と内側がどちらもねじ山になっていて、強度の低い母材に対し、ねじ部分を補強する効果があります。

ねじ山の潰れを防げるほか、母材に直接ネジ穴を作るのに比べてねじ部分の強度がアップします。

スプリングナット

スプリングナットは、六角ナットとばね台座が一体となったナットです。ナットのゆるみを防止するためにばね座金と合わせて使うことがありますが、別々にした場合、取り外した時に落下し、機械部品の故障や事故に繋がってしまうことがあります。

こういった事態を、ばね座筋とナットを一体化させることで防ぐことができるため、自動車や産業機器、農業機械などの機械部品に多く使用されています。

四角ナット・板ナット

四角ナットは、その名の通り、四角形のカタチをしたナットのことでスクエアナットとも呼ばれています。正方形や長方形の他、立面から見るとT字のカタチをしたナットや、ダクトの形状に合わせ、横から見るとアーチを描いている形状のナットもありますが、平面から見た時に四角形のものは一般的に四角ナットに分類されます。

また、見た目がほとんど変わらない「板ナット」は、四角ナットに比べて半分近く薄い特徴があります。用途などによっても異なりますが、一般的なもので厚さ1.8mm程度の薄めのものを板ナット、3.2mm程度の厚めのものを四角ナットと呼んでいます。

なぜ厚みが違うだけで別の名前がついたのかというと、四角ナットは六角ナットを用途に合わせて四角に変化させたもの、板ナットは四角い板にねじ山がほしいという要望から生まれたもので、もともとの用途は大きく異なっていたからです。現在では混同して使われていることも多く、必要な厚みや寸法に合わせて使用されています。

皿ばねナット

皿ばねナットは、ナットとワッシャーが一体化した構造をしています。ワッシャーはドーム型になっていて、締め付けていくことで平たくなり、ゆるみ止め防止の効果を持っています。

スプリングナット同様、ワッシャーと一体化させることで作業を簡略化させることができる上、ワッシャーが分離することによる故障や事故を防ぐ効果があります。

爪付きTナット(ウィット)

ねじ込みにくい薄い板の締め付けや、引張強度が必要な場合におすすめのナットです。テーブルの脚の取り付けなどに使われるほか、ボルダリングのクライミングホールドにも使われます。

カレイナット

圧入方式で薄板や溶接に不向きな母材にナットを取り付けるのに使用されます。ナットの首下が特殊な形状になっており、高い取り付け強度が得られるため、電機筐体や計器など、さまざまな筐体に使用されています。

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この記事を書いた人
株式会社Catallaxy

株式会社Catallaxyは "未来の製造業をつくる" をミッションに掲げ、製造業における従来のサプライチェーン/バリューチェーンの刷新を目指しています。記事内容に関するお問い合わせはこちらへ。

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