染谷 ひとみ
Mitsuri Media管理人
精密板金加工工場のインサイドセールスとして加工と寸法の提案をしてきた経験を経て、製造業の知見と楽しさを提供している。 幼少期からモノの構造を理解するのが好き。JAPAN MENSA会員。
製造業における生産管理は生産活動全体の管理を行うもので、効率を高めるためには欠かせません。生産管理に活用できるツールは数多く存在しますが、多くの従業員にとってなじみの深いエクセル(Excel)を用いて生産管理を行うことも可能です。
そこで今回は、生産管理をエクセルで行うメリットやデメリット・生産計画表の種類や生産管理のポイントなどを解説します。
生産計画をエクセルで行うメリット・デメリットについて説明します。
それでは、一つずつ見ていきましょう。
1つ目は、生産計画をエクセルで行うメリットです。以下に4つ、表にまとめます。
2つ目は、生産計画をエクセルで行うデメリットです。以下に2つ、表にまとめます。
エクセルで作れる生産計画表について、以下5点を説明します。
・バーチャート工程表
・ガントチャート工程表
・グラフ式工程表
・工程管理曲線
・ネットワーク工程表
それでは、一つずつ見ていきましょう。
参考:工程管理の見える化とは?必要な理由・メリット・流れを徹底解説!
エクセルで作れる生産計画表の1つ目は、バーチャート工程表です。
縦軸に作業項目(タスク)を、横軸に作業を行う日付を、それぞれ記入したチャートです。直感的に全体工程がわかりやすい反面、タスク同士の関連性がわかりづらいデメリットがあります。
エクセルで作れる生産計画表の2つ目は、ガントチャート工程表です。
縦軸に作業項目(タスク)を、横軸に作業の進捗率を、それぞれ記入したチャートです。バーチャート同様、直感的に全体工程がわかりやすい反面、タスク同士の関連性がわかりづらいデメリットがあります。
エクセルで作れる生産計画表の3つ目は、グラフ式工程表です。
縦軸に進捗率を、横軸に日時を、それぞれ記入するもので、日付ごとの曲線で進捗率を示します。作業予定日時と進捗率が一度にわかる反面、タスク同士の関連性がわかりづらいことがデメリットです。
エクセルで作れる生産計画表の4つ目は、工程管理曲線です。
縦軸に進捗率を、横軸に日時をそれぞれ記入しているものです。上方、下方許容限界曲線を記入すれば、予定からどこまでなら遅れてよいか、反対にどこまで作業を早められる見込みか一目でわかります。全体の進捗率はわかりやすいものの、タスクごとの進捗率を見たい場合には向いていません。
エクセルで作れる生産計画表の5つ目は、ネットワーク工程表です。
矢線図、PERT図とも呼びます。円や矢印などの図表を活用し、タスクごとの工数やタスク同士の関連性を一目で理解できる工程表です。タスクの順番や相互関係もわかりやすいので、ウォーターフォール型のプロジェクトにおける工程管理に向いています。
生産計画をエクセルで行うポイントについて、以下3点を説明します。
・工程を細かく分解
・誰にでもわかりやすく作る
・オンラインで共有・管理
それでは、一つずつ見ていきましょう。
ポイントの1つ目は、工程を細かく分解することです。
エクセルのガントチャートなどを使用し、工程を細かく分解しましょう。これにより、各タスクに必要な期間や順番、進捗状況などがわかりやすくなり、進捗管理が可能になります。また、必要なタスクも整理できるので、タスクの抜け漏れも防止できるはずです。細かく分解したタスクと、実際に行ってきた作業を比較すれば、より工程の抜け漏れがあっても、すぐに気づいて修正できるでしょう。
ポイントの2つ目は、誰にでもわかりやすく作ることです。
生産計画で作成するエクセル表は、わかりやすさが大切です。一目で作業内容を理解できるよう、デザインに気を配ることや、一部のメンバーしか理解できない専門用語は使わないことも大切です。現場で実際に使ってもらうことはもちろん、たとえば経験の浅い新人社員にあえて内容をみてもらうことで、実用的かつ誰にでもわかりやすい生産管理表を使えるようになるでしょう。
ポイントの3つ目は、オンラインで共有・管理することです。
エクセルの生産計画表は、ローカル環境で編集していても、最後はオンラインで共有・管理して、すぐにメンバーがアクセスできるようにしましょう。オンライン上でファイルを共有できるツールは、多数存在します。また、オンラインファイル共有ツールを活用できる場合は、オンライン上でファイルを編集することや、最新状態のファイルを閲覧することができます。
生産計画に活用できるエクセル以外のツールについて、以下2点を説明します。
・生産スケジューラ
・生産管理システム
それでは、一つずつ見ていきましょう。
参考:生産管理の課題を徹底解説!解決方法・システムの選び方も合わせて紹介
エクセル以外のツールの1つ目は、生産スケジューラです。
生産スケジューラとは生産現場の工程管理を詳細に行えるツールで、生産計画にも活用できます。詳細な工程管理を行うことで、スケジュールの把握だけでなく、製品の在庫管理による余剰在庫削減や効率的な納品、さらには詳細な生産シミュレーションが可能になります。これにより、納期を守りつつコストを削減し、競争優位性を確保できるでしょう。
また、生産状況をリアルタイムで可視化できるため、管理者だけでなく作業者にとってもメリットがあります。エクセルによる管理では物足りないと感じている場合は、導入を検討してもよいかもしれません。
エクセル以外のツールの2つ目は、生産管理システムです。
生産管理システムでは、生産計画に加えて工程管理や原価管理、需要予測などさまざまな生産管理業務を幅広く実施できます。生産スケジューラより多機能なツールとも言えるでしょう。大規模な工程において人的ミスを減らしたい場合には、生産管理システムの活用がおすすめです。
生産管理システムには、さまざまな用途があります。例えば、原材料の調達タイミングや負担が大きくなっている工程がデータでわかるため、最適化を進めることができます。また、トラブルの実績を登録していけば、トラブルが発生しやすい工程も可視化して情報共有できるため、生産の効率化や生産性向上、属人化防止にもつなげられます。
参考:生産管理をエクセルで行う方法とは?メリット・デメリット・成功ポイントを徹底解説
本記事では、生産管理をエクセルで行うメリットやデメリット、生産計画表の種類や生産管理のポイントなどを解説しました。エクセルでも、生産計画を行うことは可能です。エクセルに慣れている人は多い上に、生産計画に役立つガントチャートなど管理表のテンプレートも多数存在します。そのため、生産計画を気軽に始めたい場合は、エクセルを使うのがよいでしょう。ただ、エクセルでは同時編集ができないなどの課題も少なくありません。そのため、必要に応じて、生産スケジューラや生産管理システムの活用も検討してみましょう。
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