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生産管理とは?目的・効果・方法・手順を徹底解説!

2024-09-17

更新

この記事を監修した人

染谷 ひとみ

Mitsuri Media管理人

精密板金加工工場のインサイドセールスとして加工と寸法の提案をしてきた経験を経て、製造業の知見と楽しさを提供している。 幼少期からモノの構造を理解するのが好き。JAPAN MENSA会員。

「生産管理」とは、生産現場における製品の管理をイメージするかもしれません。しかし実際には、生産現場だけではなく、顧客との折衝・材料や資材の調達・完成した製品の品質管理など、生産活動一連の管理を行っています。生産管理を行うことで、製品を作りすぎて在庫を抱えてしまったり、業務上のムダを排除したりすることが可能です。
そこで今回は、生産管理の概要・生産管理を行うべき項目・得られる効果・ポイントを解説します。

生産管理の基本概要

はじめに、生産管理を行ううえで知っておきたい基礎知識として、以下の3点から基本概要を解説します。

  • 生産管理とは何か?
  • 生産管理の目的
  • 製造管理との違いは?

1つずつ見ていきましょう。

生産管理とは何か?

生産管理とは、製造業において受注・製造の状況を把握したうえで、材料の調達を行ったり、製造工程において生産計画に基づいた管理を行ったりすることを指します。製造業における生産は、資材の調達から設備の確保・従業員の配置・資材の供給・生産活動などのさまざまな業務が組み合わされています。そのため、「どの製品がいつまでにどのくらい必要か」を明確にする生産計画を立てて、適切にコントロールする必要があるのです。

日本を代表する企業であるトヨタ自動車株式会社(以下、トヨタ社)では、「トヨタ生産方式」と呼ばれる生産管理を行っています。その一部分である「自働化」「ジャスト・イン・タイム」という言葉がよく知られています。トヨタ社では、トヨタ生産方式を「ムダの徹底的排除の思想と、造り方の合理性を追い求め、生産全般をその思想で貫き、システム化した生産方式」と表現し、不良品を造らないこと・停滞なく生産することを徹底した生産管理方法として実践しています。

トヨタ社の生産管理に見るように、ムダを徹底的に排除し、課題があれば真因を探して見えない課題を解決するためにも、生産の一工程だけでなく自社の業務全般を深く理解する必要があります。販売計画に沿った生産スケジュールを立てて管理するというだけでなく、社内の調整役としての業務も求められます。

参考:トヨタ生産方式 | トヨタ自動車株式会社

生産管理の目的

生産管理の目的は、生産全体を管理することで、需要と共有の最適化を図り利益を最大化することです。生産管理は今、伝統的な目的を経て高度化しています。

もともと生産管理の目的は、品質の良いモノを(Quality)、原価を抑えて(Cost)、短納期でつくる(Delivery)、「QCD」という考え方が基本になっていました。高品質・低コストの製品を納期厳守で顧客に届けるために、QCDの観点を遵守して生産管理が行われてきたのです。

しかし、近年、これまでの「少品種大量生産」から「多品種少量生産」へと生産方法が移り変わっています。また、グローバル化に加えて、環境問題・ウイルス感染症拡大・戦争に起因するサプライチェーンの変動なども考慮する必要が出てきています。そのため、QCDの徹底による利益の最大化だけではなく、複雑化する市場環境やサプライチェーンの状況を考慮したうえで最適な意思決定を行えるようにするという点も、生産管理に求められる目的の一つです。

製造管理との違いは?

製造管理とは、製造現場での作業工程管理を指し、生産管理よりも狭い意味で使われます。生産管理は、調達から環境整備・作業管理・品質・原価・ロット数・納期など、製造以外のプロセスのすべてを管理することを指します。そのため製造管理は、生産管理の一部であることがわかります。

生産管理を行うべき8つの項目

生産管理を行うにあたり、8つの項目を網羅する必要があります。ここでは、8つの項目について1つずつ解説します。

  • 生産計画
  • 受注管理
  • 発注管理
  • 在庫管理
  • 製造管理
  • 外注管理
  • 進捗管理
  • 品質管理

1つずつ見ていきましょう。

生産計画

生産計画とは、日本工業規格(JIS)で「生産量と生産時期に関する計画」と定義されています。生産計画の策定手順としては、はじめに年間の販売計画を決定しそのうえで、年間・3ヶ月・月間・週別および日別で生産すべき製品の種類・数量を決めます。生産計画には、2種類あります。1つ目は、生産計画をもとにした作業計画で生産を行う押し込み生産を採用する押し出し方式、2つ目は、後工程から前工程へ物を引くように生産する「引き取り生産」を採用する「引っ張り方式」です。

生産計画では、どの製品をいつまでに(時期)どれくらい(数量)生産するか、というスケジュールを綿密に計画することが重要です。

受注管理

受注管理とは、顧客から注文を受けたときに行う受注に関わる一連の業務を指します。注文書の確認・入力にはじまり、在庫確認・納期の確認および連絡・伝票の作成などを行います。

受注管理では、「いつ(受注日)・どこから(受注先)・なにを(品目)・いくつ(数量)・いくらで(金額)・いつまでに(納期)」作るかを管理します。

発注管理

発注管理とは、製品の製造に必要な資材を集めるといった仕入れに関する一連の業務を指します。在庫状況の確認にはじまり、注文書の作成・注文完了までの作業を行います。

発注管理では、「いつ(発注日)・どこへ(発注先)・なにを(品目)・いくつ(数量)・いくらで(金額)・いつまでに(納期)」必要かを管理します。

在庫管理

在庫管理とは、製品を必要な量を、必要な場所へ、必要なときに供給できるよう資材・原材料の在庫数・状態を適正に保つための業務を指します。入出庫管理・返品管理・棚卸しなどに関する業務を行います。

在庫管理では、「なにが(品目)・どこへ(倉庫・棚)・いくつ(数量)・いつ(予定)・入り(入庫)・出て(出庫)いくのか」を管理します。

製造管理

製造管理とは、製造現場においての作業工程の管理を指します。作業工程に加えて製造ラインの稼働時間・製造数・不良品の数などのデータを分析し、常に最適な工程を保てるようにします。

製造管理では、「なにを(品目)・いくつ(数量)・いつまでに(納期)・どのように(工程・作業)作るのか」を管理します。

外注管理

外注管理とは、委託先への発注・納品・代金決済までの一連の業務を指します。自社以外に製造を任せるため、ルールの策定や適切なコミュニケーションを取りながらスムーズな連携を取る必要があります。

外注管理では、「なにを(品目・工程・作業)・どこに(外注先)・いくつ(数量)・いつまでに(納期)」を管理します。

進捗管理

進捗管理とは、生産計画の一連の工程において、作業の進行状況を管理することを指します。進捗管理を行うことで、万が一遅れが生じている場合に問題を洗い出し改善の措置をとることが可能になります。スムーズな流れを止めないことが目的です。

進捗管理では、「どこで(自社・社外)・なにを(品目)・いくつ(数量)、どのように(作業)・いつまでに(納期)」という進捗を管理します。

品質管理

品質管理とは、製品の供給にあたり自社で定めた基準の品質を備えていることを検査・検証して保証することを指します。そのために工程管理を管理し、問題があれば改善を行うことで品質の安定に努めます。

品質管理では、「なにを(品目)・いつ(日付)・いくつ(数量)」検査し、良品と不良品の数および不良の原因を管理します。

生産管理を行うメリット

生産管理では、多くの項目を網羅的に管理することで、メリットを得られることが期待できます。ここでは、生産管理を行うメリットを、以下の3点から解説します。

  • 需要予測が可能になる
  • 生産量の調整が可能になる
  • 人材・工程管理が可能になる

1つずつ見ていきましょう。

需要予測が可能になる

生産管理を行うメリットの1つ目は、需要予測が可能になることです。受注量が需要予測を上回れば在庫不足が起こり、また、受注量が需要予測を下回ると在庫過多となりロスが出てしまう懸念があります。生産管理を行うと、自社に蓄積しているデータや、さまざまな要因を元に、自社の製品の受注量を予測することができます。特に大量生産している製品の場合、要因などから市場での需要量を判断し、予測を立てたうえで生産活動を行えば、あらゆるロスの削減につながります。

生産量の調整が可能になる

生産管理を行うメリットの2つ目は、生産量の調整が可能になることです。製品の生産には、災害やウイルス感染症拡大などさまざまな要因によるトラブルが起こる可能性があります。このような場合に、無理なく生産を抑えられる体制を整えておくことが重要です。生産管理では、生産に必要な資材・設備の調整・人員確保など生産活動の一連の管理を行います。そのため、万が一イレギュラーな事態が発生した場合にも最適化のためのスピーディな対応が可能になります。

人材・工程管理が可能になる

生産管理を行うメリットの3つ目は、人材・工程管理が可能になることです。生産管理では、生産活動におけるスケジュールを綿密に立てていきます。その中での人材配置と工程管理は、生産を計画通りに進めるためには欠かせない要素です。

生産管理によって、各工程において設定された標準リードタイムに対して、どの程度の人材が必要なのか、また作業の進め方に改善点がないかといった視点で状況を把握し、業務の効率を向上させることができるようになります。

生産管理を行うときのポイント

最後に、生産管理の効果を高めるために、生産管理を行うときのポイントについて、以下の3点を解説します。

  • 部署間の円滑な連携を実現する
  • 不測の事態への対応を考慮する
  • システム・ツールを活用する

1つずつ見ていきましょう。

部署間の円滑な連携を実現する

生産管理を行うときのポイントの1つ目は、部署間の円滑な連携を実現することです。生産に関わる部署は、実際に製造を行う部署だけではなく、営業・調達・経理・管理などさまざまな部署が関わってきます。そのため部署間で必要なコミュニケーションを取り、円滑に連携できることが重要です。そうすれば厳しい納期・価格交渉にも柔軟な対応が可能になります。生産管理においては「計画がすべて」ではなく、関係者との人間関係がポイントになります。

不測の事態への対応を考慮する

生産管理を行うときのポイントの2つ目は、不測の事態への対応を考慮することです。需要予測はあくまで「予測」です。近年、自然災害・ウイルス感染症拡大・戦争など予想しなかった要因への対応が迫られる場面が増えています。また、自社の運営が安定していても顧客企業から突然の変更を言われるということもあります。生産管理では、このような場合にいつでも余裕をもって対応できるよう、計画を立て管理をする必要があります。

システム・ツールを活用する

生産管理を行うときのポイントの3つ目は、システム・ツールを活用することです。生産管理は、多くの場合、複数の部門が携わることになります。生産管理システム・ツールを導入することで、情報の一元管理が可能になり、複数の部署を跨いだ管理もしやすくなります。また、データをクラウド上で管理するツールであれば、いつでもどこからでも情報にアクセスすることができ、利便性が向上します。

まとめ

今回は、生産管理の概要・生産管理を行うべき項目・得られる効果・実施のポイントを解説しました。生産管理では、生産計画からはじまり、完成した製品の品質管理まで幅広い業務を網羅します。製造工程に問題はないか、あれば改善策は何か・必要な在庫や人材が確保できているか・品質は自社の基準を達しているかなど、さまざまな視点で管理する必要があります。

生産管理を行う場合、生産管理システム・ツールがあれば全体の管理がよりスムーズになります。生産管理が便利に行えるシステム・ツールの検討も含めて、自社の状況にあった生産管理を実現しましょう。

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