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真鍮とは?特徴、メリット・デメリット、性質を解説

2023-11-21

今回は真鍮の特徴や性質について解説します。

真鍮は、銅と亜鉛の合金で、別名「黄銅」とも呼ばれる材料です。私たちが生活のなかで用いている5円玉も、真鍮を材料としています。銅と同じく加工性に優れており、世の中で使われている銅の大半は、純銅と真鍮であるとも言われています。

真鍮とは

真鍮とは、別名「黄銅」とも呼ばれる銅と亜鉛の合金のことで、亜鉛が20%以上のものを指します。真鍮の英語表記は「Brass」で、音楽のブラスバンドで使われるトランペットなどの楽器は、真鍮で作られています。

真鍮は、亜鉛の添加量により特性が大きく変わるため、材料によっては「七三黄銅」や「六四黄銅」といったように、銅と亜鉛の比率を示した名称が使われているものもあります。

真鍮は、主に伸ばしたり圧縮したりする加工である、伸銅品として使われることが多い材料です。代表的なものとして、金管楽器以外にも5円硬貨や水洗トイレの給水管、金属模型などが挙げられます。また、見た目が黄金色で美しく、酸化するとアンティークな雰囲気を漂わせることから、アクセサリーに使われることも多くあります。

真鍮の特徴

真鍮のメリット

真鍮のメリットは、優れた加工性と耐食性、電気伝導性・比較的高い強度・価格が安価な点です。

加工においては、熱間鍛造性・展延性・転造性・切削加工性に優れており、めっきやはんだ付けがしやすい特徴もあります。高い電気伝導性があるので、端子コネクターのような電気製品の部品として使われることも多くあります。

また、真鍮は空気中で徐々に表面が酸化し黒ずんでいくものの、酸化皮膜となって内部を保護するため、全体が腐食するのを防止します。

真鍮のデメリット

真鍮は、応力腐食割れの一種とされる「置割れ」が発生する場合があります。置割れは、機械加工などを施した真鍮が、日時の経過により、大気中の水分や二酸化炭素などが結晶粒界に腐食を引き起こし、粒界腐食を起こす現象を指します。置割れを回避するには、めっきや塗装を施したり、焼きなましで内部応力を除去するのが有効です。

また、ラテックスなどのゴム類に接触すると、ゴムが分解腐食してしまうデメリットもあります。

参考記事:応力腐食割れをわかりやすく!3要素と対策方法

参考記事:焼き入れとは?焼き入れの種類ごとの特徴に分けて解説!

真鍮の種類

黄銅(C2600)

C2600は、七三黄銅とも呼ばれる材料で、銅と亜鉛の比率が70:30の黄銅です。銅の割合が高く、絞り加工性に優れています。

C2600の主な用途は、端子コネクター・配線器具・カメラ部品などです。

<C2600の化学成分(単位:%)>

合金番号 Cu Pb Fe Zn
C2600 68.5~71.5 0.05以下 0.05以下 残部 a)

a):表中で成分値を規定する元素以外を残部とし、残部は分析しない。なお、残部にはCu又はZn以外の分析しない元素が含まれる。

引用元:JIS H 3100:2018 銅及び銅合金の板及び条

黄銅(C2680)

C2680は、銅と亜鉛の比率が65:35の黄銅です。C2600と同様に絞り加工性がよく、深絞り用として採用されています。

C2680の用途は、C2600と同じく、端子コネクターや配線器具、カメラ部品などが挙げられます。

<C2680の化学成分(単位:%)>

合金番号 Cu Pb Fe Zn
C2680 64.0~68.0 0.05以下 0.05以下 残部 a)

a):表中で成分値を規定する元素以外を残部とし、残部は分析しない。なお、残部にはCu又はZn以外の分析しない元素が含まれる。

引用元:JIS H 3100:2018 銅及び銅合金の板及び条

黄銅(C2801)

C2801は、六四黄銅とも呼ばれる材料で、銅と亜鉛の比率が60:40の黄銅を指します。冷間加工性に劣るものの、熱間加工性や強度に優れており、展延性も良好です。

C2801の主な用途は、衛生管・機械部品・配線器具などが挙げられます。

<C2801の化学成分(単位:%)>

合金番号 Cu Pb Fe Zn
C2801 59.0~62.0 0.10以下 0.07以下 残部 a)

a):表中で成分値を規定する元素以外を残部とし、残部は分析しない。なお、残部にはCu又はZn以外の分析しない元素が含まれる。

引用元:JIS H 3100:2018 銅及び銅合金の板及び条

参考記事:C2801(真鍮)の化学成分、機械的性質

ネーバル黄銅(C4641)

C4641は、黄銅に少量の錫を添加した材料です。C4600台の黄銅を「ネーバル黄銅(海軍黄銅)」とも呼びます。

C4641は耐食性(特に耐海水性)がよく、船舶用部品やシャフトなどに用いられます。錫により硬度と強度を向上させていますが、一方で伸びは減少しています。

<C4641の化学成分(単位:%)>

合金番号 Cu Pb Fe Sn Zn
C4641 59.0~62.0 0.50以下 0.20以下 0.50~1.00 残部 a)

a):表中で成分値を規定する元素以外を残部とし、残部は分析しない。なお、残部にはZn以外の分析しない元素が含まれる。

引用元:JIS H 3250:2021 銅及び銅合金の棒

真鍮の機械的性質

ここでは真鍮のC2801の機械的性質を以下に示します。

<C2801の機械的性質>

質別 製品記号 引張試験 曲げ試験 a) 硬さ試験 a)(参考)
厚さの区分 (mm) 引張強さ b) (N/mm2) 伸び b) (%) 厚さの区分 (mm) 曲げ角度 c) 内側半径 c) 厚さの区分 (mm) ビッカース硬さ b) (HV)
O C 2801 P-O d) 0.30以上 1.0以下 325以上 35以上 0.30以上 2.0以下 180° 厚さの 1倍 - -
1.0を超え 30以下 40以上
C 2801 R-O d) C 2801 RS-O d) 0.30以上 1.0以下 35以上
1.0を超え 3.0以下 40以上
1/4H C 2801 P-1/4H d) 0.30以上 30以下 355~440 25以上 0.30以上 2.0以下 180° 厚さの 1.5倍 0.30以上 30以下 85~145 f)
C 2801 R-1/4H d) C 2801 RS-1/4H d) 0.30以上 3.0以下 0.30以上 3.0以下
1/2H C 2801 P-1/2H d) 0.30以上 20以下 410~490 15以上 0.30以上 2.0以下 180° 厚さの 1.5倍 0.30以上 20以下 105~160 f)
C 2801 R-1/2H d) C 2801 RS-1/2H d) 0.30以上 3.0以下 0.30以上 3.0以下
H C 2801 P-H d) 0.30以上 10以下 470以上 - 0.30以上 2.0以下 90° 厚さの 1倍 0.30以上 10以下 130以上 f)
C 2801 R-H d) C 2801 RS-H d) 0.30以上 3.0以下 0.30以上 3.0以下

a):曲げ試験及び硬さ試験に関して規定した厚さの区分を外れるものは、試験を適用しない。

b):数値は、整数値に丸める。

c):曲げ試験の条件を示す。

d):導電用の板及び条にも適用する。

f):最小試験力は、4.903Nとする。

引用元:JIS H 3100:銅及び銅合金の板及び条

真鍮は、亜鉛量や熱処理、加工度などにより、機械的性質が大きく変化します。

例えば、亜鉛を多く添加するほど引張強度は大きくなります。ただし、硬さを増すと同時に脆さも増してしまい、亜鉛の割合が45%を超えると実用的ではなくなります。

真鍮とは?特徴、メリット・デメリット、性質を解説

2023-11-21

今回は真鍮の特徴や性質について解説します。

真鍮は、銅と亜鉛の合金で、別名「黄銅」とも呼ばれる材料です。私たちが生活のなかで用いている5円玉も、真鍮を材料としています。銅と同じく加工性に優れており、世の中で使われている銅の大半は、純銅と真鍮であるとも言われています。

真鍮とは

真鍮とは、別名「黄銅」とも呼ばれる銅と亜鉛の合金のことで、亜鉛が20%以上のものを指します。真鍮の英語表記は「Brass」で、音楽のブラスバンドで使われるトランペットなどの楽器は、真鍮で作られています。

真鍮は、亜鉛の添加量により特性が大きく変わるため、材料によっては「七三黄銅」や「六四黄銅」といったように、銅と亜鉛の比率を示した名称が使われているものもあります。

真鍮は、主に伸ばしたり圧縮したりする加工である、伸銅品として使われることが多い材料です。代表的なものとして、金管楽器以外にも5円硬貨や水洗トイレの給水管、金属模型などが挙げられます。また、見た目が黄金色で美しく、酸化するとアンティークな雰囲気を漂わせることから、アクセサリーに使われることも多くあります。

真鍮の特徴

真鍮のメリット

真鍮のメリットは、優れた加工性と耐食性、電気伝導性・比較的高い強度・価格が安価な点です。

加工においては、熱間鍛造性・展延性・転造性・切削加工性に優れており、めっきやはんだ付けがしやすい特徴もあります。高い電気伝導性があるので、端子コネクターのような電気製品の部品として使われることも多くあります。

また、真鍮は空気中で徐々に表面が酸化し黒ずんでいくものの、酸化皮膜となって内部を保護するため、全体が腐食するのを防止します。

真鍮のデメリット

真鍮は、応力腐食割れの一種とされる「置割れ」が発生する場合があります。置割れは、機械加工などを施した真鍮が、日時の経過により、大気中の水分や二酸化炭素などが結晶粒界に腐食を引き起こし、粒界腐食を起こす現象を指します。置割れを回避するには、めっきや塗装を施したり、焼きなましで内部応力を除去するのが有効です。

また、ラテックスなどのゴム類に接触すると、ゴムが分解腐食してしまうデメリットもあります。

参考記事:応力腐食割れをわかりやすく!3要素と対策方法

参考記事:焼き入れとは?焼き入れの種類ごとの特徴に分けて解説!

真鍮の種類

黄銅(C2600)

C2600は、七三黄銅とも呼ばれる材料で、銅と亜鉛の比率が70:30の黄銅です。銅の割合が高く、絞り加工性に優れています。

C2600の主な用途は、端子コネクター・配線器具・カメラ部品などです。

<C2600の化学成分(単位:%)>

合金番号 Cu Pb Fe Zn
C2600 68.5~71.5 0.05以下 0.05以下 残部 a)

a):表中で成分値を規定する元素以外を残部とし、残部は分析しない。なお、残部にはCu又はZn以外の分析しない元素が含まれる。

引用元:JIS H 3100:2018 銅及び銅合金の板及び条

黄銅(C2680)

C2680は、銅と亜鉛の比率が65:35の黄銅です。C2600と同様に絞り加工性がよく、深絞り用として採用されています。

C2680の用途は、C2600と同じく、端子コネクターや配線器具、カメラ部品などが挙げられます。

<C2680の化学成分(単位:%)>

合金番号 Cu Pb Fe Zn
C2680 64.0~68.0 0.05以下 0.05以下 残部 a)

a):表中で成分値を規定する元素以外を残部とし、残部は分析しない。なお、残部にはCu又はZn以外の分析しない元素が含まれる。

引用元:JIS H 3100:2018 銅及び銅合金の板及び条

黄銅(C2801)

C2801は、六四黄銅とも呼ばれる材料で、銅と亜鉛の比率が60:40の黄銅を指します。冷間加工性に劣るものの、熱間加工性や強度に優れており、展延性も良好です。

C2801の主な用途は、衛生管・機械部品・配線器具などが挙げられます。

<C2801の化学成分(単位:%)>

合金番号 Cu Pb Fe Zn
C2801 59.0~62.0 0.10以下 0.07以下 残部 a)

a):表中で成分値を規定する元素以外を残部とし、残部は分析しない。なお、残部にはCu又はZn以外の分析しない元素が含まれる。

引用元:JIS H 3100:2018 銅及び銅合金の板及び条

参考記事:C2801(真鍮)の化学成分、機械的性質

ネーバル黄銅(C4641)

C4641は、黄銅に少量の錫を添加した材料です。C4600台の黄銅を「ネーバル黄銅(海軍黄銅)」とも呼びます。

C4641は耐食性(特に耐海水性)がよく、船舶用部品やシャフトなどに用いられます。錫により硬度と強度を向上させていますが、一方で伸びは減少しています。

<C4641の化学成分(単位:%)>

合金番号 Cu Pb Fe Sn Zn
C4641 59.0~62.0 0.50以下 0.20以下 0.50~1.00 残部 a)

a):表中で成分値を規定する元素以外を残部とし、残部は分析しない。なお、残部にはZn以外の分析しない元素が含まれる。

引用元:JIS H 3250:2021 銅及び銅合金の棒

真鍮の機械的性質

ここでは真鍮のC2801の機械的性質を以下に示します。

<C2801の機械的性質>

質別 製品記号 引張試験 曲げ試験 a) 硬さ試験 a)(参考)
厚さの区分 (mm) 引張強さ b) (N/mm2) 伸び b) (%) 厚さの区分 (mm) 曲げ角度 c) 内側半径 c) 厚さの区分 (mm) ビッカース硬さ b) (HV)
O C 2801 P-O d) 0.30以上 1.0以下 325以上 35以上 0.30以上 2.0以下 180° 厚さの 1倍 - -
1.0を超え 30以下 40以上
C 2801 R-O d) C 2801 RS-O d) 0.30以上 1.0以下 35以上
1.0を超え 3.0以下 40以上
1/4H C 2801 P-1/4H d) 0.30以上 30以下 355~440 25以上 0.30以上 2.0以下 180° 厚さの 1.5倍 0.30以上 30以下 85~145 f)
C 2801 R-1/4H d) C 2801 RS-1/4H d) 0.30以上 3.0以下 0.30以上 3.0以下
1/2H C 2801 P-1/2H d) 0.30以上 20以下 410~490 15以上 0.30以上 2.0以下 180° 厚さの 1.5倍 0.30以上 20以下 105~160 f)
C 2801 R-1/2H d) C 2801 RS-1/2H d) 0.30以上 3.0以下 0.30以上 3.0以下
H C 2801 P-H d) 0.30以上 10以下 470以上 - 0.30以上 2.0以下 90° 厚さの 1倍 0.30以上 10以下 130以上 f)
C 2801 R-H d) C 2801 RS-H d) 0.30以上 3.0以下 0.30以上 3.0以下

a):曲げ試験及び硬さ試験に関して規定した厚さの区分を外れるものは、試験を適用しない。

b):数値は、整数値に丸める。

c):曲げ試験の条件を示す。

d):導電用の板及び条にも適用する。

f):最小試験力は、4.903Nとする。

引用元:JIS H 3100:銅及び銅合金の板及び条

真鍮は、亜鉛量や熱処理、加工度などにより、機械的性質が大きく変化します。

例えば、亜鉛を多く添加するほど引張強度は大きくなります。ただし、硬さを増すと同時に脆さも増してしまい、亜鉛の割合が45%を超えると実用的ではなくなります。

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