板曲げ加工とは、プレスブレーキなどを用いて、金属板をV字やU字などさまざまな形に曲げる加工方法です。金物部品やパネルなど多くの分野で板曲げ加工は使われます。
ただ、依頼を出す場合にどの工場へ発注するか悩んでいる方は多いのではないでしょうか。板曲げ加工にも、工場によって得意としてる加工が異なるため、依頼先の選定は非常に大切です。
そこで今回は、板曲げ加工の依頼を出したい方へ向けて、金属板の曲げ加工が得意な工場を3つご紹介します。依頼時の流れや注意点についても解説するので、ぜひ参考にしてください。
初めて板曲げ加工を外注する場合、どのような流れで注文すればいいかわからない方は多いと思います。ここでは、板曲げ加工を依頼する際の流れについて解説します。
注文時の流れを把握しておき、依頼をスムーズに行いましょう。
まずは、工場に見積り依頼を出します。
見積りをお願いする際には、特に以下の点を記載しておきましょう。
また、設計図がない場合は簡単なラフ図を提示するのがおすすめです。ラフ図があるだけで、製品イメージがつきやすくなり、正確な見積り書を提出してくれるでしょう。
無料で見積りできる企業が多いですが、担当者が時間を割いて見積り書の作成を行っています。できるだけ、担当の方が困らないように細かく要望を伝えておきましょう。
複数の会社からいただいた見積りの比較を行い、依頼する工場を決定します。見積りを複数社に出すのは、それぞれの会社で加工方法、加工コスト等、最終的にかかる費用が異なるからです。1社だけに見積りを出しても、提示された値段が適切なのかどうかわかりません。
複数社から見積りを取り、費用や納品日などを参考にその製品にあった工場を選定してください。
工場選定が終わり、打ち合わせも終了すれば、実際に製品の製作から納品までが行われます。この段階に入ると、基本的に発注者側が行うことはありません。もし、初めての依頼で加工状況がどうなっているのか気になる場合は、進捗を確認してみてもいいでしょう。
板曲げ加工を依頼する際には3つ注意点があります。注意点を抑えておくと、業者との打ち合わせがスムーズに進んだり、加工コストを抑えたりできるでしょう。板曲げ加工を依頼する際は、ぜひ参考にしてください。
業者側の加工工程をできるだけ少なくなるように製品図面を作成しましょう。板曲げ加工だけでも、曲げ回数が多かったり、斜め加工があったりして加工難易度が高まるとコストがかかってしまいます。ほかにも、穴あけ加工や切断加工があると、さらに加工コストが増えるでしょう。
そのため、設計段階でできるだけ少ない工程で加工できるように図面を作成するのがおすすめです。図面を作成できない場合は、ラフ図でもいいので作成しておきましょう。
依頼する際には、どの金属で製品を作ってもらうか材質の選定を行いましょう。製品の用途や使用環境によって適正な材質は異なります。
ただ、どんな材質が適切かわからない場合は、用途や使用する環境、予算を詳しく伝え業者に素材を提案してもらうのも一つの手段です。
ただし、業者にも得意・不得意があるので全てに回答できるわけではありません。場合によっては複数社に使用する素材を聞き、比較することも良いでしょう。
素材を曲げるために、曲げる位置から曲げの中心部までの半径を求める必要があります。これが曲げrのことです。素材が割れないぐらい曲げ加工が行える限界のrを、最小曲げrと呼ぶます。最小曲げrが大きくなると希望通りの製品を作れない可能性があります。
最小曲げrは素材や板厚によって変わってくるため、正確に計算することは難しいです。そのため、多くの場合設計者の経験値によって設定されています。
参考記事
最小曲げrについて、さらに詳しく知りたい方は以下の記事をご参照ください。
⇒曲げRの計算方法について【3分でわかる】専門家がわかりやすく解説
では、金属板の曲げ加工におすすめの工場を3つご紹介していきます。
以下はMitsuriとの提携工場です。
引用元:スリーナイン島野株式会社
本社:大阪市西区南堀江3丁目2番17号
TEL:06-6531-9423/ FAX:06-6538-0174
創業年:1956年
加工内容:陳列装飾金物、硝子付属金物、家具金物など
URL:https://www.999shimano.com/
大阪市西区にある1956年に創業された、陳列金物や家具・建築金物などの内装機能備品の製作を行っているのがスリーナイン島野株式会社です。金物の中でも、硝子引戸レールには長年の経験と知恵から高い自信を持っています。硝子引戸レールのような薄板長尺の曲げ加工を依頼したい場合は、ぜひスリーナイン島野株式会社へご依頼ください。
得意な加工は薄くて細い素材の板金加工。手加工で曲げることで、他社にはできないような難易度の高い曲げ加工を行うことができます。協力工場と連携しながら、独自金型を作り上げて生産効率を上げているのも魅力的なポイント。依頼する際は多品種微量生産が可能になっています。
また、バフ研磨加工を1本1本丁寧に手磨きで行っているのも特徴です。「装飾」を目的とした金物も作っているため、見た目の美しさは非常に大切しており、手磨きすることで職人それぞれの微妙な研磨の違いを楽しめるでしょう。
(硝子付属金属)
(硝子付属金属)
(硝子引戸レール)
参考記事
スリーナイン島野株式会社について詳しく知りたい方は、下記のインタビュー記事もご参照ください。
引用元:株式会社NTメタル
本社:鹿児島県鹿児島市七ツ島1丁目4-9
TEL:099-230-0594 /FAX:099-230-0694
創業年:2014年
加工内容:スチール・アルミ・ステンレスなどの板金切削、非鉄金属の製作施工、レーザー加工
URL:https://ntmetal.amebaownd.com/
鹿児島県鹿児島市にある板金・製缶加工業者が株式会社NTメタルです。創業が平成26年と比較的若い会社ですが、ステンレス材を中心に鉄やアルミ、真鍮といった金属の加工を得意としています。
株式会社NTメタルなら、加工状況によりますが最短で当日発送が可能です。板金・製缶加工の依頼先に悩まれている方は、ぜひ株式会社NTメタルにご相談ください。
設備が充実しており、特に「AMADA LC3015F1」というレーザー加工機は板厚0.3~3.2mm最大2420mmの長さの金属板を加工可能です。
そのほかには以下のような設備・ソフトを取り揃えています。
また、加工状況によりますが最短で当日発送を行えるのも魅力的なポイントです。
(板金加工)
(板金、レーザー加工)
(板金、レーザー加工)
引用元:株式会社エッジ・エンタープライズ
本社:東京都墨田区八広3-29-11
TEL:048-446-7880 /FAX:048-446-7885
創業年:1952年
加工内容:ステンレス板金加工、建築内外装飾品製作、サイン看板製作など
URL:http://www.edge-enterprise.jp/index.html
1952年に創業した、東京都墨田区に本社をおく企業が株式会社エッジ・エンタープライズです。
多品種小ロットの生産を行っており、依頼主のさまざまなニーズに対応できます。
株式会社エッジ・エンタープライズでは、上記のような製品加工を得意としています。最新のレーザー加工機を用いて、文字抜きなどの細かい装飾も加工可能です。
ラフ図からの図面起こしから、加工、検査・納品まで全ての工程を自社工場だけで一貫対応ができます。さらに、15種類340パターンの材料を常備しているので、材料発注などの手間が少なくなり短納期で納品も可能です。
サイン看板パネルや折り曲げ加工の依頼先に悩まれている方は、株式会社エッジ・エンタープライズに依頼してみてはいかがでしょうか。
(シンクパネル)
(外壁パネル)
(証明関係)
参考記事
株式会社エッジ・エンタープライズについて、さらに詳しく知りたい方は代表の森川氏へのインタビュー記事をご参照ください。
今回は、金属板の板曲げ加工のおすすめ工場や依頼時の注意点についてご紹介しました。金属板の曲げ加工を依頼する場合、加工工程を少なくしたり、最小曲げrを確認することが大切です。解説した3つの注意点を気にしておくと、製品コストを下げて依頼できるでしょう。
また、今回ご紹介した3つの工場以外にも、それぞれの会社には得意分野があるため、記事の内容を参考にあなたが作りたい製品に合わせて、加工工場の選定に役立てていただけたら幸いです。
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