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【チタンの特徴と用途とデメリット】チタンは他の金属とどう違うのか

2025-01-15

更新

この記事を監修した人

金属加工業界最大級のマッチングプラットフォーム「Mitsuri」を手掛ける企業。
「未来の製造業をつくる」をモットーに、製造業DXを推進している。

チタンは強度が高く、耐食性に強い高価で高品質な金属です。さらに軽い金属であることから、アクセサリー等によく用いられます。ただし、値段が高く加工が難しいデメリットもあります。本記事では、チタンのメリット・メリットや具体的な特徴、製品例について、学習します。

チタンとは?チタンの特徴

チタンを一言で表すと、高価で高品質な金属です。

銀色で硬く、他の金属よりも少し特別感のある金属です。鉄や銅、アルミニウムなど他の金属よりも、多方面で優れた金属です。具体的な特徴とメリットを見ていきます。

チタンのメリットとデメリット

チタンのメリットとデメリット一覧表メリット

チタンのメリットとデメリット一覧表
メリット  ①強度が高い
 ②耐食性が強い
 ③軽い
 ④安全性が高い
デメリット  ①値段が高い
 ②加工が難しい(難削材)

チタンのデメリット①値段が高い

チタンのデメリットとしてまず挙げられるのは、値段が高い点です。チタンは多方面で万能な金属ですが、高品質で幅広く使える分、コストがかかります。コストが高い点を考慮に入れながら、チタンを用いるか否かを検討する必要があります。

チタンのデメリット②加工が難しい(難削材)

チタンのデメリット2つ目は、加工が難しい点です。チタンは強度が高いため、溶接もプレス成形も切削も難しいです。難削材といわれ、加工するにはチタンの特徴に合わせた方法と高い技術が必要です。企業によっては、チタン専用の工具を作って加工している会社もあり、なかなか安易には扱えない金属です。

性質や利便性に弱点があるわけではなく、高価で扱いにくい金属ということは、高品質な金属であることの裏返しでもあります。モノづくりはコストを抑えることがとても大切で、要所要所でチタン等の高価な素材を使っていくという、バランスを考慮したやり繰りも重要です。

参考:【チタン加工】チタンの加工上の特性や加工方法を徹底解説!!

参考:チタン切削はなぜ難しいのか?【3分でわかる】チタンの切削ならMitsuri

Mitsuriでは、工場から一括で相見積りを取ることができます。小ロットでも一度ご相談ください。Mitsuriの協力工場は全国250社以上あり、多数のチタン加工実績があります。

チタンのメリット①強度が高い

チタンはとても強度が高い金属です。チタンは丈夫で、強度はおよそ鉄の2倍、アルミの3倍です。強い衝撃を受けても壊れにくいため、高い強度が要求される航空機やロケットの部品に使われることもあります。

また、強度が高いだけではなく、しなりやすくもあり、少しぐらい曲げても元に戻る性質があります。

さらに、チタンは熱にも強く、鉄が約1530度、銅が約1080度、アルミが約660度であることに比べ、チタンが溶ける温度は約1660度と、熱に強い鉄よりも強いです。数ある金属の中でも、相当に高い強度と熱の耐性を持っている金属です。

チタンのメリット②耐食性が強い

チタンは錆びにくいです。金属が錆びにくいことを、専門の用語では耐食性が高いという言葉で表します。チタンは特に海水に強く、鉄や銅、錆びにくいとされているアルミニウムよりもさらに耐食性が強い金属です。

この錆びにくい性質が、船の装甲板や橋の足など海洋建造物の素材として非常に重宝されています。

チタンのメリット③軽い金属である

チタンは軽いです。チタンは鉄の3分の2、銅と比べると半分程度の重さしかありません。軽さの特徴を活かし、身近なアクセサリーや眼鏡、ゴルフクラブなどによく使われます。

さすがに、軽さに定評のあるアルミにはかないませんが、高い強度と耐食性を持ちながらこの軽さなので、他のメジャーな金属と比較しても、抜群の性質を持っている金属と評価されます。

チタンのメリット④安全性が高い

チタンは体に優しく安全な金属です。金属アレルギーを持つ人に対しても、アレルギーが起こりにくく、有毒性もないので、医療用の道具や体内に埋め込む器具にも使用されます。

金属アレルギーは、金属と汗などの水が触れることによって、イオンが発生し、それが原因となって起こります。チタンの場合、イオンがほとんど発生しないため、金属アレルギーを引き起こしにくいとされています。

他にも、チタンには熱や電気を通しにくい特徴や、環境にも優しいメリットもあります。他の金属に比べメリットが多く、多岐にわたる分野で活用される万能な素材、それがチタンです。

チタンにはどんな種類があるのか

図:チタンの分類 

チタンには多くの種類があり、より錆びにくいチタンや、より強度の増しているチタン、よりしなやかに曲がるチタンなど、性質もさまざまです。たくさんの性質の中から適切なチタンを選択し、製品を作ります。海の中で使用する製品ならより錆びにくい性質のチタンを、丈夫で壊れにくい製品を作る予定ならより強度が高い性質のチタンを選びます。

チタンには非常にたくさんの種類がありますが、大きく分けて、純チタンとチタン合金の2種類に分けられます。純チタンもチタン合金もそこからさらに細かく分けられており、それぞれ性質が少し違います。

参考:チタンの種類一覧(外部リンク)

純チタン

チタンの結晶の写真
引用元:wikipedia写真:純度99.999%のチタン結晶。目に見える金属組織を持つ。  

純チタンは、純度の高いチタンです。正確にはわずかに他の成分も含まれていますが、それでも純チタンと呼びます。純チタンの方が国内で一般的に使われており、チタン合金よりも安価で加工がしやすいです。

チタン合金

チタン合金はアルミニウムやニッケルなど、他の素材を混ぜて作られたチタンです。混ぜる素材によって、純チタンよりも強度や耐食性などを向上させることができ、軽量のチタン合金でも高い性質の金属が作れます。

しかし、純チタンよりも価格が高かったり、加工や合金チタンそのものの製法が難しかったり、扱うハードルが高くなってしまうのが難点です。

ただでさえ扱いが難しいチタンですが、チタン合金はさらに玄人向けといった印象です。

参考:チタン合金を詳しく解説【専門家が語る】種類や特徴について!

チタンの用途

純チタンの用途 チタン合金の用途
主に国内向け 諸外国向け
化学工業、電力・建築・土木産業など 航空機産業など

純チタンの用途は主に国内向けで、化学工業や電力、建築・土木産業など、チタン合金は諸外国向けで、主に航空機産業に使われています。

さらには、医療器具や宇宙開発設備などの直接命に関わりそうな分野までも幅広く活用され、日進月歩でチタンの用途が広がっています。

その他、チタンの用途は様々あります。以下、具体的なチタンの用途の一覧です。

その他チタンの用途一覧
日用品 時計、アクセサリー、ピアス、眼鏡フレーム、タイピン、ハサミ、髭剃り、ライター、剣道面、電池カメラ、水筒、中華なべ、フライパン、包丁、家具、筆記具、印鑑、名刺入れ、パソコンケース
自動車部品 バルブ、リテイナー、マフラー、バルブスプリング、ボルト、ナット、ホイール、タンクローリー
自転車部品 フレーム、ペダル、リム、スポーク
ゴルフ用品 シャフト、ゴルフクラブ
登山用品 アイゼン、コッフェル、ピッケル
通信・光学機器 露光装置、海底中継具、光通信
化学工業 電解層、熱交換器、電極、タンクローリー、滅菌装置、バルブ、ポンプ、遠心分離機
医療・健康 手術用器具、ペースメーカー、歯科材料、車椅子、ステッキ、アルカリイオン浄水器電極、ピンセット
建築・土木 屋根、外壁、標識、海上橋脚、ナット、モニュメント、配管、飾り金物、スタッドボルト
機体部品 スポイラー、エンジンナセル、フラッグ、バルクヘッド、ボルト、ナット
航空・宇宙 ジェットエンジン部品、ロケット部品、ケーシング、ファン用ブレード、ディスク、ベーン、圧縮機、スタブシャフト

上の一覧以外にも使われているところはたくさんあります。身近なところでも身近ではないところでも、チタンは世界中で使われています。実用化されてから約50年、チタンはすでに私たちの生活にはなくてはならないものになっています。

チタンを含めいろいろな金属が私たちの生活を支えてくれています。

チタンの発見からチタン実用化の歴史

チタンの歴史。

歴史と言うからには、そこには数々の逸話や古く長い経緯が・・・と思われるかもしれませんが、実を言うと、チタンが工業製品として使われて出したのは、今からまだ50年ほど前のことなんです。

インターネットの歴史が1960年代から始まるので、チタンの実用化はネットの普及とあまり変わらないぐらいの新しい技術なんですね。

古代から使われていた鉄や銅からすれば、まだ生まれたてぐらいの歴史しかないチタンですが、発見自体はもっと古くからされていたようです。

チタンの発見から抽出に至るまで

チタンを最初に発見したのは1791年、ウィリアム・グレゴーというイギリスの牧師でした。

鉱物学者でもあった彼は、発見場所のメナカンという場に因んで、現在チタンと呼ばれているその未知の元素を「メナカイト」と命名します。

ところが、発見したはいいものの、この時はまだメカナイトは、広くは知れ渡らず、脚光を浴び始めたのは4年後の1795年。ドイツの化学者マルティン・ハインリヒ・クラプロートが再発見した時でした。

彼はこの未知の元素を、ギリシア神話に出てくるティーターンという巨神に因んで「チタン」と命名しました。

神話の巨神は地底の奥深くに封じ込められていたエピソードを持ちます。鉱石の中に封じ込められた元素であることが、巨神のエピソードを彷彿とさせるために、「チタン」の名が冠されたのです。

しかし、この頃はまだチタンと鉱砂を分離する手法が存在しなかったため、ここから長いこと、チタンから不純物を取り除くための苦難が続きます。

チタンの抽出から実用化に至るまで

純粋なチタンが世に誕生したのは、それから約100年以上経った後の1910年、アメリカの科学者マシュー・A・ハンターが純度99.9%のチタンを鉱砂から抽出することに成功しました。

その後1946年、ルクセンブルクの工学者ウィリアム・クロールがクロール法というチタンの大量生産を可能にする製造工程を開発。1950年代にはチタンが軍用機などに使われ始めました。

日本でチタンが民間で使われ始めたのは1970年代、チタンの民間利用のため、日本全国の加工業者たちが協力し、技術を積み重ねていきました。

その甲斐あってか2002年、世界で初めてのチタンを発色させる制御技術が確立。

チタンの生産規模も時が経つにつれ拡大していき、今では仕事や生活の必需品として扱われるまでに需要も技術も成長しました。

長いようで短いチタンの歴史ですが、見方を変えればまだまだ発展途上の金属ということになります。

その昔、グレゴーが発見した時点では何に使えるかも分からない未知の金属でしたが、実用から50年経った今でも、チタンには何かに使えるかもしれない未知の可能性が残されているのです。

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