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【チタン切削加工ならMitsuri】チタンの特性や加工事例を用いて専門家が解説!

切削加工 | 2021年04月22日

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「チタンの加工を依頼したいけど、どんな加工方法があるんだろう・・」
「チタンの特徴について詳しく知りたい。」
「チタン加工を依頼できる金属加工メーカーを探しているが、中々見つからない・・・」

チタンの加工を依頼する際にこのように考えたことはありませんか?

数ある金属の中でもチタンは難削材に分類され、加工することが難しいとされています。しかし、チタンの性質や加工方法を知ることで、チタン製品を依頼する際に無駄に手間取らず依頼をすることができます。

今回は、「チタンの加工について困っている。」という方に向けて、チタンの特性や加工方法などについてご説明させていただきます。また、これからチタン製品のご購入を考えている方にも、参考になるので是非ご一読ください。


チタンの加工上の特性

チタンを加工する際の特性として、次のような特徴が挙げられます。

  • チタンの加工上の特徴

    • 発火しやすい

    • 摩擦による工具の消耗が激しい

    • 変形しやすい

    • 価格が高くなりやすい

発火しやすい

チタンは摩擦に対する耐性が低く、加工時に出る切り粉が燃える可能性が高いため注意が必要です。万が一チタンの切り粉が燃え出してしまった場合には、絶対に水や二酸化炭素が主成分の消火剤を使わず、金属火災用の粉末消火剤を使って消化します。チタン加工を行う際には、これらの消火剤を常備しておくと安心でしょう。

摩擦による工具の消耗が激しい

チタンには、引っ張り強度が高いという性質があり、加工に使う工具に大きな負荷がかかり、工具の欠けや摩擦による消耗が激しくなります。また、熱伝導率が小さいため、加工時に発生する熱が工具とチタンに溜まり、工具への負担が高くなります。チタン自体の特性を考慮した工具が必要です。

変形しやすい

チタンはたわみ(板などが軽く曲がりやすい)が出やすく、加工時に変形しやすいという性質があります。そのため、きっちり寸法通りの精度で仕上げるとなると加工の難易度が高いため、十分に技術やチタン加工の経験を持った職人や企業に依頼するのが無難です。

価格が高くなりやすい

チタンの特性は後の章で詳しくまとめていますが、軽量で耐食性が高く強度のある優秀な金属です。素材自体の価格が高いうえに加工コストがかかるため、価格が高くなりやすくなっています。大量に加工し使用したい場合には、予算と見合った価格であるかどうかも考慮する必要があります。

対応可能なチタン加工について

チタンに適用可能な加工方法として、代表的なものに「切断」「曲げ」「溶接」「切削」があります。


  • 切断…レーザー加工、ワイヤーカット加工など

  • 曲げ…プレス加工、密着曲げなど

  • 溶接…TIG溶接が一般的で、MIG溶接、電子ビーム溶接など

  • 切削…マシニングセンタや汎用フライス加工、ドリル加工など


その他、プレス加工や焼成による成形も行われています。

繰り返しになりますが、チタンは加工が難しい金属素材のひとつであり、また、素材がチタン合金なのか純チタンなのか、さらに合金の場合はチタン以外の素材の種類や割合などにより、加工に使用するマシンの設定や圧力の大きさなどを細かく設定しながら、適切な方法で加工を仕上げる必要があります。


参考記事

対応可能なチタン加工については、下記記事でも詳しく解説していますのでぜひ参照してください。

【チタン加工】チタンの加工上の特性や加工方法を徹底解説!!

チタンの特性、弱点について

チタンは、数ある金属の中でもバランスの取れた素材です。金属加工といえば、鉄・銅・アルミニウムなど様々な物をイメージされると思いますが、チタンはその上位互換のような特徴を持ち合わせています。


チタンには、主に純チタンと合金チタンの二つに分類されています。純チタンとは言葉の通り不純物がほとんど含んでいないため、チタンの性質が強い金属です。その性質によって、JIS1種からJIS4種までの4種類に分類されます。

一方、合金チタンは、銅やニッケルなどの合金元素を利用用途に合わせて添加したものです。合金チタンには様々な性能のものがあり、純チタンよりも強度や耐食性に優れたものもあります。

チタンの特徴

チタンのメリットは、主に①軽量②強度③耐食性④無毒性の4つがあります。

①軽量

チタンは、金属の中でも非常に軽い特徴があります。他の金属と比較すると、鉄に比べ3/5、銅の1/2の重量しかありません。また、アルミニウムよりは重量がありますが、耐食性や強度の面ではアルミニウムより優秀なため、幅広い用途で使用することができます。

②強度

チタンは、強度が高い特徴を持っています。他の金属と比較すると、鉄に比べおよそ2倍、アルミニウムと比べおよそ3倍の強度があります。また、強度が高いだけでなく耐衝撃性や柔軟性もある為、飛行機などの精密な部品に多く使用されます。

③耐食性

チタンは特に耐食性に優れており、さびにくい性質を持っています。特に海水耐食性が非常に高く、プラチナに次ぐ耐食性があります。そのため、フライパン等のほかにも、船舶の材料としても使用されています。

④無毒性

チタンは体にあまり害のない金属です。金属アレルギーなどが起こりにくく、有毒性もないため、医療用の機器や体内に埋め込む器具に使用されます。また、チタンはイオンの発生が少ないため、金属アレルギーが起こりにくいとされています。電気や熱も通しにくいので、環境にもやさしい金属です。

チタンの弱点

万能で優秀な金属であるチタンですが、デメリットもあります。

①価格が高い

チタンは、優秀な金属であるだけに、価格が非常に高いです。そのため、生産コストが高くなってしまうため、大量発注などには注意が必要です。

②加工するのが難しい

チタンは難削材と言われるほど、加工が難しい素材です。強度が高い為、その他の加工も難しいとされています。そのため、チタンの特徴に合わせた方法で加工しなくてはならず、高い技術が要求されます。チタン加工を依頼できる金属加工メーカーも限られているため、依頼する際は事前に調べることをおすすめします。


参考記事

チタンについてもっと詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

【チタン】とは!?チタンは他の金属とどう違うのかメリット・デメリットをご紹介!

チタンのどんな加工を依頼できるのか

チタンは、加工することが難しい素材になります。しかし、難しいというだけで加工できないということでは、ありません。次はチタンの加工方法についてご紹介させていただきます。

切断

チタンを切断加工する際には、主にレーザー加工やワイヤーカット加工が使用されます。レーザー加工は、レーザー発振器から伝送されたレーザー光を集め、金属に照射して、その熱でレーザー光が集光されたところを溶かして切断する方法です。

ワイヤーカット加工は、電極と材料の間に電圧をかけて放電を起こし、溜まった熱で、材料を溶かしながら加工するものです。


チタンは硬度が高い金属の為、レーザー等の非接触加工をすることが多いですが、レーザーの場合、レーザーが反射して機械が壊れてしまう可能性がある為、チタン加工を受け付けていない業者もいます。

レーザー加工を扱っていればチタンを加工できるというわけではないため、注意が必要です。

曲げ

チタンの曲げ加工は、比較的に容易とされています。金属板の加工に際しては、内側半径は板厚の2倍以上まで曲げることができます。しかし、チタンは弾性が高くスプリングバックが大きいです。そのため、曲げ加工する際は、圧力を加えることで発生するひずみの対処方法や圧力の調整など、細かく設定しなくてはなりません。

溶接

チタン溶接は、チタンを加工する技術に中で一番難しいとされています。チタンは、活性な金属であるため、低温で溶接しても酸素や水素などと反応して、溶接部分が脆化してしまいます。そのため、シールドガスで溶接部分を大気から遮断することが重要になります。

また、他の金属とチタンとの溶接は、金属間化合物が生成するため、直接溶接するのが難しいといえます。他の金属との接合は、主にロウ付け等で行います。

チタンの溶接方法は、MIG溶接やTIG溶接、電子ビーム溶接など、様々な種類がありますが、一般的には、TIG溶接で加工することが多いです。

切削

チタンは難削材に分類されています。チタンは熱伝導率が低い為、切削加工時に、工具に蓄熱してしまい、工具寿命が短くなってしまいます。また、他の金属と比べ、耐摩耗性が低い為、チタンワークの焼付きが起きてしまう可能性があります。そのため、チタンを切削加工する場合は、多くの場合、専用工具等で加工します。

チタンの切削では、マニシングセンター等が使われていますが、マニシングセンターを所持していてもチタン加工を受け付けていない業者もあるため、注意が必要です。

チタンの切削について詳しく知りたい方はこちら!


チタン加工が得意な工場3選

ここからは、チタン加工を得意とする工場や製作所をご紹介していきます。


株式会社名取製作所

引用元:株式会社名取製作所

①会社概要

本社:埼玉県上尾市愛宕3-15-14

TEL:048-774-1153

FAX:048-774-1155

設立:昭和24年1月

加工:    プレス加工、チタンプレス加工、プレス金型設計・製作、精密治工具設計・製作、生産治工具設計・製作、スポーツ用義肢・義手・義足製作

素材:    硬鋼材、ステンレス材、純チタン、チタン合金、炭素工具鋼、合金工具鋼、アルミ合金、軸受鋼

HP:http://www.natori-mnf.co.jp

②会社紹介

名取製作所は創業60年以上という長い歴史を持ち、プレス加工をはじめチタンの加工を得意としています。人材教育にも力を入れており、社内研修もを積極的に採用、国家資格や技能検定の取得も推奨しています。

③メリット・デメリット

メリットは64チタン合金のチタン加工を得意としている点で、プレス加工や機械加工、溶接、板金加工が代表的な加工方法になります。

工業部品や業務用アイテムにおける高い加工技術や完成品の評判を誇っている一方、一般的な日用品など身近なアイテムのチタン加工に対応しているかどうかは、事前に確認するのが無難でしょう。

④製品紹介

純チタン製の海洋関連部品

β(ベータ)チタンの自転車関連部品

64チタンの義肢部品のクランプ

株式会社神戸製作所

引用元:株式会社神戸製作所

①会社概要

本社:茨城県北相馬郡利根町押戸1667

TEL:0297-68-7084 

FAX:0297-68-8378

設立:昭和28年10月

加工:    材料バー材での(丸物)NC自動旋盤加工、複合旋盤加工、材料角材などからのマシニング加工、コイル材からの冷間圧造(ヘッダー加工)、切削2次加工(ミゾ、フライス、研削、穴あけなど)転造加工、歯切り、ネジ切り、ローレット、仕上げ加工、研磨、表面処理、熱処理、バレル、ショットブラスト、レーザーマーキング、チタンなど難加工材の加工

HP:http://www.kobemfg.com/

②会社紹介

株式会社神戸製作所は、茨城県を拠点としチタンなど難加工材をメインに取り扱う会社です。ISO9001を基準とした品質管理や、環境に配慮したモノづくりを通して、サステナブルな企業として日々進化を続けています。

③メリット・デメリット

メリットとして、チタン合金を含むチタン加工における「基準以上の加工スピード(生産性)で、24時間無人連続加工」に成功しており、豊富な経験と技術を用いた加工が挙げられます。

一方、加工には原則2週間を見込んで依頼するようになっており、早くても4〜5日はかかるため、急な加工依頼には対応していない可能性があります。

④製品紹介

6AL4Vチタンの部品

6AL4Vチタン合金の部品

株式会社東京チタニウム

引用元:株式会社東京チタニウム

①会社概要

本社:埼玉県さいたま市岩槻区古ヶ場2-3-10

TEL:048-795-0470

FAX:048-795-0473

設立:1984年9月1日

加工:    プレス加工、チタンプレス加工、プレス金型設計・製作、精密治工具設計・製作、生産治工具設計・製作、スポーツ用義肢・義手・義足製作

素材:チタン材(丸棒、線、板、パイプ、六角棒、異形材)、チタンパネ材(板、線)、チタンナット、チタンワッシャー、チタン製熱交換器、チタン製電熱ヒーター、チタンボルト、チタンクラッドバー、チタンバスケット(あぜくら)、アルマイト用チタン治具、チタン保護管など

HP:http://www.tokyo-titanium.co.jp/

②会社紹介

東京チタニウムは、チタン加工のほとんどをカバーしていると言えるほど、日本でのチタンのパイオニア的存在です。30年以上に渡るチタン加工技術と経験を強みとし、環境に配慮しながら効率の良いチタン加工・製造に取り組んでいます。

③メリット・デメリット

メリットとして、切削やプレス加工、溶接など加工から検査まで専用の機会を揃えており、社内で一貫してチタン加工を仕上げることができる点が挙げられます。エンジニアリングシステムの一貫体制で、スムーズな流れと技術力を提供しています。

マシンを駆使した大量生産や業務用製品の生産以外の、少数加工については対応していない可能性もあり、事前確認が必要でしょう。

④製品紹介

チタン製耐圧容器

チタン製水中カメラケース

チタン製耐圧容器

チタンの加工実績

チタン電極

引用元:有限会社 こだま製作所


チタン製 竿受け

引用元:有限会社 こだま製作所


チタン板バネ(板ばね)

引用元:有限会社 こだま製作所

チタン加工を依頼するならMitsuri!1コからお受けいたします!

今回はチタン加工についてご紹介しました。

チタンには様々な特徴があります。その特徴や性質を理解することで、チタン製品を購入する際や加工依頼をする際に、最適なものを選ぶことができます。

しかし、チタンの加工は、高い技術力と加工機器がなければ難しい為、加工メーカーの中には、依頼をできないメーカーもあるため、依頼する際は、事前に問い合わせることをおすすめします。



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この記事を書いた人
株式会社Catallaxy

株式会社Catallaxyは "未来の製造業をつくる" をミッションに掲げ、製造業における従来のサプライチェーン/バリューチェーンの刷新を目指しています。記事内容に関するお問い合わせはこちらへ。

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