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チタン切削はなぜ難しいのか?【3分でわかる】チタンの切削ならMitsuri

2025-01-15

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この記事を監修した人

金属加工業界最大級のマッチングプラットフォーム「Mitsuri」を手掛ける企業。
「未来の製造業をつくる」をモットーに、製造業DXを推進している。

チタンは高級な金属のイメージがありますが、現在の私達の日常の多くで使われる金属です。アルミニウムやステンレスなどの工業製品の金属の中で、最も優れた性能をもつ材質です。

こんな優れた材質を容易に削る事ができれば、最高の材質という事になります。

スポーツ、アクセサリー、医療機器など、製品例は多数ありますが、そんな様々な用途に合わせてチタンを加工する技術の一つがチタン切削です。

本記事では、そんなチタン切削がなぜ難しいのかを、わかりやすく紹介していきます。

チタン切削について  

切削とは金属の不要な部分の内径や外径を削り取ったり、穴を開けたり穴を広げたり、必要な形に加工する技術です。

チタンには純チタンとチタン合金とがあります。我々一般的に目にするのは純チタンであり、高速切削加工が困難なチタン合金(64合金)は難削材に分類されています。

難削材とは、材質そのもが削りにくく、加工時に発火する可能性が高い材料を言います。その加工が難しい事で新たに開発されたいわゆるB系合金などは、64合金とほぼ同等の強度を持ち、冷間での加工性は64合金よりも優れているものも開発されました。

チタンを製品として仕上げるには、熟練の技術と経験で磨かれた職人が必要になります。

1950年ごろの戦闘機には、大部分でチタンが使われておりました。

アメリカやソ連では、純チタンがそのまま使われる事は少なく、強力チタン合金として使われ、この頃では主に軍事機や宇宙ロケット開発に使われていました。アメリカのチタン生産量の80%~90%が軍用機に使われ、民間での使用量は10%程度でした。

近年、軍事機では複合材などが使用されるようになり、チタンの使用は減ってきていますが、民間機には広く使われています。これまでは、加工経験者も少なく専用工具の開発も進んでいないため、経験が通用しないところが、難削材加工の難しい部分ではありました。

その難しいとされていたチタン切削ですが、近年開発が進み、①チタンの特性を把握できたこと②工具の開発が進んだことにより、その他金属と同様に加工出来る様になりました。最近では以前の10倍もの耐久性がある工具も開発されています。

近年では、製品例として、高性能品(パソコン、高給腕時計、デジタルカメラなど)、ハンコ、食器、スポーツ、医療機器など様々な身近な物に使われています。

宇宙や深海で使うロケットや潜水船にも使われている為、チタン切削自体もその必要な強度や信頼性に基づき多種多様になっています。

チタン切削が難しい理由

チタン切削がなぜ難しいかというと、チタンがもつ三大特徴が原因となります。

チタンの三大特徴

①発火しやすい

②摩擦で工具の寿命が短くなる

③薄いチタンは変形しやすい

切削しにくいが故、精密な作業がしにくく、加工工程が増えるので手間と時間がかかってしまうのです。

ここではチタン切削が難しい理由を詳しく解説していきます。

①発火しやすい

チタンは科学的に活性である為、可燃性が高く、トラブルが発生しやすい材です。高い切削速度で切削していくと切りくずが発生し、その切りくずが発火し、燃焼しやすいのです。その切りくずにガスバーナーで火をつけるとアッと言う間に燃焼します。燃焼時に水での消火は水素爆発を起こす可能性があるので禁物です。乾いた砂か、金属火災用の粉末消火剤で消化するようにしましょう。

②摩擦で工具の寿命が短くなる

チタンは強度が高く熱伝導率が悪い為、切削した時に放たれた熱の逃げ場がなく、加工材と工具に熱が蓄積され、工具の摩擦が大きくなります。科学的に活性も一因となり、切削熱が発生し切削部の温度が上昇することで、活性度が増し、工具への摩擦が大きくなってしまうのです。

純チタンは柔らかく粘りがあり、アルミニウムやステンレスは綺麗に切削ができますが、純チタンは削りカスが工具に付着してしまい摩耗しやすいといえます。

③薄いチタンは変形しやすい

ヤング率が小さい(たわみやすい)為、切削する力によって変形やヒビ割れしやすい性質もあります。

ヤング率とは、ものを引っ張った際の伸びと力の関係から求められる定数です。チタンのヤング率は鉄の約半分で、同じ力を加えたら2倍もたわむという事です。

例えば、太い大きな木材にボルトを埋め込むのは簡単ですが、薄くたわみやすい木材にボルト埋め込むには、しっかり固定するなどのひと手間が必要になるのと同様です。

また、チタン合金は代表的な難削材であるだけに、高速切削加工において切削油剤は重要な役割を果たします。そんな切削剤剤には、不水溶性切削油剤と水溶性切削油剤との2種類があります。近年コスト面の影響もあり水溶性切削油剤の比率が増してきている一方で、チタン合金の高速切削加工で十分な性能を発揮出来ず、増加するチタン合金の需要に対応しきれていない実情があります。

チタンについて知りたい方はこちら!

【チタン】とは!?チタンは他の金属とどう違うのかメリット・デメリットをご紹介!

チタンの切削についてわかったところで、

・具体的に費用はどれくらい掛かるのか

・納品まで期間はどれくらい掛かるのか

などについて気になる方がいると思われます。

そんな時はMitsuriにお任せ下さい!

チタン 切削加工事例

引用元:株式会社名取製作所

こちらの製品はチタンで創られた自転車ペダルです。

レーサーの義足をこの器具に取り付け固定されます。チタンは軽いという利点があるため、パラリンピックなど多くの障害者スポーツに使用され、その多くが個別の形状の物を要求されるため、切削加工が多様になります。

チタンは耐食性・耐久性が高く、しなりやすいためある程度の変形に耐えられることで、締め付ける際に少し変形し、ナットをしっかり捉えて緩みにくくなるのです。

まとめ

ここまでチタン切削について紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。

民間の小規模町工場などでも、チタン合金切削が可能な会社が多数あり、各会社、工場により技術の違いや実績なども異なります。

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