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S55Cの硬度・機械的性質、成分、加工性

2023-11-14

S55Cは、JIS規格で規定されている【JIS G 4051:機械構造用炭素鋼鋼材】の高炭素鋼です。

S45CやS55Cなどの炭素鋼は「SC材」とも呼ばれる材料で、SS材の強度を基準としたものとは違い、成分を基準に規定されています。S〇〇Cのなかに入る数字は、炭素の含有量を示しており、例えばS55Cでは、0.55%前後の炭素を含むという意味を持ちます。

炭素の含有量が多いほど、鋼材の硬度は高くなりますが、一方で靭性は損なわれる傾向にあります。S55Cは炭素の含有量が多い鋼材であるため、硬度が必要なときに採用されています。

S55Cの比重はおよそ7.9です。

S55Cの特徴、用途

S55Cは高炭素鋼の鋼材であるため硬度が高く、優れた耐摩耗性を有しています。基本的にS55Cは、軸材や工具材などのほとんどの用途で熱処理(焼入れ・焼き戻し・調質)をして使用されています。強度を必要とする部品などに適していますが、その一方で靭性は低い材料です。

参考:焼き入れとは?焼き入れの種類ごとの特徴に分けて解説!

用途としては、回転式機械の回転軸・ボルト・自動車部品・ニッパーやペンチといった工具類などに使われています。

S55Cの化学成分

<S55Cの化学成分(単位:%)>

種類の記号 C Si Mn P S Ni Cr Cu Ni+Cr
S55C 0.52~0.58 0.15~0.35 0.60~0.90 0.030以下 0.035以下 0.20以下 0.20以下 0.30以下 0.35以下

*1)Crは受渡当事者間の協定によって0.30%未満としてもよい。

*2)Ni+Crは受渡当事者間の協定によって0.45%未満としてもよい。

引用元:JIS G 4051:2016

S55Cに含まれる炭素(C)・ケイ素(Si)・マンガン(Mn)の化学成分については、含有量の範囲が定められており、その他の化学成分については上限値が設定されています。

S55CとS45Cの違いと使い分け

S55CはS45Cよりも炭素量(C)が多く、優れた耐摩耗性を必要とする場合に採用されます。一方でS45Cは炭素量がS55Cよりも少ないため、耐摩耗性にやや劣りますが、加工性は良好です。

硬さを重視したい場合はS55Cを、加工性と耐摩耗性を両立したい場合はS45Cを選ぶなど、硬さと加工性のバランスを見て材料を選定する必要があります。

参考:SS400とS45Cの違いを徹底解説【専門家が語る】製品による使い分け

S55Cの機械的性質

<S55Cの機械的性質(降伏点・引張強さ・伸び・絞り・衝撃値・硬さ)>

種類の記号 熱処理 降伏点 MPa (N/mm2) 引張強さ MPa (N/mm2) 伸び 絞り 衝撃値 J/cm2 硬さ HBW
S55C 焼ならし 390以上 650以上 15以上 - - 183~255
焼なまし - - - - - 149~192
焼入れ焼戻し 590以上 780以上 14以上 35以上 59以上 229~285

引用元:旧規格JIS G 4051:2009より抜粋

2021年2月現在の最新規格【JIS G 4051:2016 機械構造用炭素鋼鋼材】には、機械的性質は記述されておりません。よって、旧規格にて記述されていた内容を抜粋しております。

S55Cの熱処理

<S55Cの熱処理温度(焼ならし・焼なまし・焼入れ・焼戻し)>

種類の記号 変態温度(℃) 熱処理温度(℃)
S55C Ac Ar 焼ならし 焼なまし 焼入れ 焼戻し
720~765 740~680 800~850 空冷 約790 炉冷 800~850 水冷 550~650 急冷

引用元:大阪フォーミング株式会社

S55Cの加工性

S55Cは硬さのある鋼材ですが、切削・研削ともに加工はできます。しかし炭素量が多いので、溶接には不向きです。S55Cのような高炭素鋼は、焼入れ性が高い分、熱影響部が著しく硬化するため、溶接割れが発生しやすい傾向にあります。

 

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