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SS400とS45Cの違いを徹底解説【専門家が語る】特徴・選び方を解説

この記事を監修した人

金属加工業界最大級のマッチングプラットフォーム「Mitsuri」を手掛ける企業。
「未来の製造業をつくる」をモットーに、製造業DXを推進している。

鋼材と言えば、SS400かS45Cは最もポピュラーな2つです。しかし、この両者の違いが分からないというのも、同じくらいポピュラーな悩みかと思われます。
本記事では、SS400とS45C、それぞれの特徴と違い、選び方について解説します。

こちらの動画では、板金加工でよく使われる鉄材の違いと選び方を動画で解説しています。

https://youtu.be/L8eO-xqm5dE

【8分でわかる】もう迷わない!鉄の種類と選び方【板金加工】

SS400の特徴

SS400構造材

SS400とS45Cは最もポピュラーな鋼材ですが、違いを分けるのは、「硬さ強さ」、「熱処理加工が可能か」、「コスト」の3点です。

硬さ強さと熱処理が必要な場面ではS45Cを、それ以外の場面ではよりコストパフォーマンスと汎用性に優れたSS400と、適材適所に使い分けられています。

SS400は、最も広く一般的に使われている鉄鋼材料(鋼材)です。

SS400は、SS(Steel Structure)材の代表的な鋼材でもあります。また、SS材は正式には「一般構造用圧延鋼材(いっぱんこうぞうようあつえんこうざい)」というJIS規格(日本工業規格)です。

「SS○○」の「○○」に入る数字は、引っ張り強さの下限を示しています。つまり、最低限保証された引っ張り強さという意味で、N/mm2(MPa)単位が用いられます。

SS400の場合は、およそ400~510N/mm2ということです。

「一般構造用圧延鋼材」や「Steel Structure(構造)」という名前からも分かりますように、SS400は主に構造用に用いられます。

そして、SS400は鋼材の中では比較的安価で汎用性が高く、流通量も多いため入手し易いというメリットがあります。

「鋼材」を思い浮かべた時に、まず最初に思いつくほどポピュラーな鋼材がSS400です。使用される分野も幅広く、建築、自動車、橋などの土木建築、船舶と、多岐に渡ります。

SS400は、切断加工、曲げ加工、後処理、溶接といった加工ができます。

溶接に向いている材料ですので、溶接工程が必要な場合はSS400を選ぶようにしましょう。

S45Cの特徴

S45Cフライス

S45CはSS400と並び、最も多く使われている鋼材の一種です。

S45Cは、炭素鋼鋼材S-C系(SC材)に分類されます。SC材とは、「Steel Carbon(炭素)」の頭文字です。正式には、「機械構造用炭素鋼鋼材(きかいこうぞうようたんそこうこうざい)」というJIS規格です。

「S○○C」の「○○」に入る数字は、炭素含有量が何%であるかを表しています。例えばS45Cの場合は、炭素含有量は0.42%~0.48%と0.45%前後です。

S45Cを代表とするSC材は、炭素含有量によって規定されているため、成分規格が明確です。具体的には、炭素(C)の他に、ケイ素(Si)、マンガン(Mn)、リン(P)、硫黄(S)の含有量が規定されています。

鉄や鋼といった鋼材には、炭素含有量が多いほど硬く強くなるという特徴があります。S45Cは炭素含有量が0.45%と、炭素含有量が0.2%ほどの軟鋼に比べて硬く高い強度を持っています。

S45Cは、鋼材の中ではSS400ほどではありませんが、比較的安価で品質が高いです。

主な用途としては、機械の部品や部材が挙げられます。硬度や強度に加え、熱処理が必要とされる場面でS45Cが選択されています。

強度が必要とされる軸やピンといった部品に、焼き入れや焼きならしを施した上で用いられます。切削加工、研削加工にも良く、特別な性質が求められない限りは、S45Cは熱処理のし易い高い汎用性があります。

しかしながら、S45Cは溶接には向いていません。S45Cの炭素含有量が多いという特徴が影響します。炭素含有量が多いと、溶接の割れのリスクが高くなります。溶接している時に溶接部分が割れる場合もあれば、しばらく時間が経ってから割れる場合もあります。

S45Cは溶接加工ができないというわけではないですが、溶接工程がある場合は可能な限りSS400を選びましょう。

SS400とS45Cの違いについて

ポピュラーな鋼材として用いられるSS400とS45Cですが、具体的な違いや用途の向き不向きがよく分からないとお困りの方も多いようです。

SS400とS45Cは同じ鉄ではありますが、まず規格が大きく異なります。この「規格」というのは、何を基準に規定したり分類したりするかということです。身近な例で言えば、体重別や身長別といったような分類です。

  • SS400(SS材):引っ張り強さ
  • S45C(SC材):炭素含有量

一般的に用いられる「鉄」は、厳密には「鉄」に「炭素」を混ぜた「鋼」という合金のことです。

鋼は、炭素量が増えるほどに硬く強くなるという特徴があります。同時に、硬く強くなるのと反比例して、引っ張りに強い「靭性(じんせい)」と呼ばれるしなやかさは失われます。

炭素含有量が増えれば硬く強くなりますが、靭性が失われるので、強度の限界を超えれば折れてしまいます。ですから、用途や必要とされる場面に従い、鉄(鋼)または鋼材は硬さ強さと靭性とのバランスをとって作られています。

SS400の場合は、「引っ張りに強い靭性」に焦点が当てられ、炭素量の成分については分かりません。ですが、炭素含有量が硬さ強さを決めるので、引っ張りに強さが分かればおおよその炭素含有量も推測できます。

一方S45Cは、炭素含有量によって規定されているので、「硬さ強さ」に焦点が当てられています。成分規格が明らかなので、熱処理に躊躇することなく用いることができるのがS45CやSC材のメリットです。

また、SS400は炭素含有量が約0.2%なので、軟鋼(なんこう)や低炭素鋼(ていたんそこう)に分類されます。S45Cは、炭素含有量が0.45%前後なので、SS400よりも硬く強いです。

しかし、S45Cは品質も高く、SS400よりも高価になります。「とりあえず鉄」と選択される場合は、SS400を選ぶ方がコストパフォーマンスの面では優れているでしょう。

コストパフォーマンスと汎用性の高いSS400は「溶接」と「構造用」に適しているので、ビル、橋や自動車などの多方面で使われています。ですが、硬さ強さに弱点があるため、主要な部材には用いられず、引っ張り強さやしなやかさが求められる二次部材に多く用いられます。

S45Cはというと、機械の部品や部材、特に軸やピンなど硬さと強度が求められる場面で多く用いられます。

SS400とS45Cは最もポピュラーな鋼材ですが、違いを分けるのは、「硬さ強さ」、「熱処理加工が可能か」、「溶接向きか否か」、「コスト」の4点です。

硬さ強さと熱処理が必要な場面ではS45Cを、それ以外の場面ではよりコストパフォーマンスと汎用性に優れたSS400と、適材適所に使い分けられています。

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