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S50Cの硬度、熱処理、機械的性質

2023-11-14

S50Cは、JIS規格の【JIS G 4051:機械構造用炭素鋼鋼材】にて規定されている鋼材です。S50Cの比重は7.85です。

機械構造用炭素鋼鋼材は別名「SC材」と呼ばれています。強度ではなく、成分を基準に作られた炭素鋼で、焼入れによって強度が増し、硬くて粘り強い特性を持ちます。SとCの間に入る数値は、炭素の含有量を示しており、S50Cではおよそ0.5%の炭素を含んでいることを意味します。

炭素の含有量は多いほど硬度が増しますが、そのぶん脆くなる傾向があります。そのためS50Cは、SC材のなかでも代表的な材料であるS45Cと比べて硬さがあります。

参考:SS400とS45Cの違いを徹底解説【専門家が語る】製品による使い分け

S50Cの特徴と用途

S50Cは、SC材のなかでも炭素量の多い鋼材です。そのため、引張強さや硬さの数値が高く、耐摩耗性が要求される部品などに採用されています。

用途としては、治具・プレート・シャフト・ボルトナットなどの機械部品や金型などが代表的です。

引用元:Mitsuri金属部品カタログ(プレート)

S50Cの化学成分

<S50Cの化学成分(単位:%)>

種類の記号 C Si Mn P S Ni Cr Cu Ni+Cr
S50C 0.47~0.53 0.15~0.35 0.60~0.90 0.030以下 0.035以下 0.20以下 0.20以下 0.30以下 0.35以下

1)Crは受渡当事者間の協定によって0.30%未満としてもよい。

2)Ni+Crは受渡当事者間の協定によって0.45%未満としてもよい。

引用元:JIS G 4051:2016

S50Cに含まれる炭素(C)・ケイ素(Si)・マンガン(Mn)の化学成分については、含有量の範囲が定められており、その他の化学成分については上限値が設定されています。

S50CとS55Cの違いと使い分け

S50CとS55Cを比べると、S50Cのほうが耐摩耗性に劣るものの、加工性については良好です。

しかし、S50Cは板材や角材での流通が一般的であるのに対し、S55Cは丸棒や板材が入手しやすい傾向にあります。使い分けは、用途に合った形状やサイズが、S50CもしくはS55Cどちらかの規格品にラインナップされているかどうかで選ぶといいでしょう。

参考:S55Cの硬度・機械的性質、成分、加工性

S50Cの熱処理と硬度(焼入れ、焼戻し、焼ならし、焼なまし)

<S50Cの熱処理温度(焼ならし・焼なまし・焼入れ・焼戻し)>

種類の記号 変態温度 ℃ 熱処理温度 ℃
S50C Ac Ar 焼ならし 焼なまし 焼入れ 焼戻し
720~770 740~680 810~860 空冷 約800 炉冷 810~860 水冷 550~650 急冷

S50Cの機械的性質

<S50Cの機械的性質(降伏点・引張強さ・伸び・絞り・衝撃値・硬さ)>

種類の記号 熱処理 降伏点 MPa (N/mm2) 引張強さ MPa (N/mm2) 伸び 絞り 衝撃値 J/cm2 硬さ HBW
S50C 焼ならし 365以上 610以上 18以上 - - 179~235
焼なまし - - - - - 143~187
焼入れ焼戻し 540以上 740以上 15以上 40以上 69以上 212~277

引用元:旧規格JIS G 4051:2009より抜粋

2021年2月現在の最新規格【JIS G 4051:2016 機械構造用炭素鋼鋼材】には、機械的性質は記述されておりません。よって、旧規格にて記述されていた内容を抜粋しております。

S50Cの物理的性質

<S50Cの物理的性質(比重・熱膨張係数・熱伝導率)>

種類の記号 比重 熱膨張係数(×10-6/℃) 熱伝導率(W/(m・K))
S50C 7.85 200℃ 400℃ 600℃ 20℃ 200℃ 400℃ 600℃
11.9 13.4 14.2 41.5 43.8 39.8 35.3

引用元:日立金属工具株式会社

S50Cの加工性

S50Cは、SS材に比べて刃物は痛みやすいものの、切削性は良好です。しかし、刃物が鋼材を焼きつかせてしまうと、焼きついた箇所の硬度が上がるので注意しましょう。

また、炭素量が多く、溶接割れを起こしやすいため、溶接は不向きです。

 

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