染谷 ひとみ
Mitsuri Media管理人
精密板金加工工場のインサイドセールスとして加工と寸法の提案をしてきた経験を経て、製造業の知見と楽しさを提供している。 幼少期からモノの構造を理解するのが好き。JAPAN MENSA会員。
ミルシートは、鋼材の品質を証明するための重要な書類です。
ミルシートには、材料の成分分析結果や機械的性質が記載されており、製造元での厳格な検査結果が明示されています。
関連記事:ミルシートとは?内容と材料証明書、検査成績書との違い
しかし、ミルシートを求められる機会はそれほど多くありません。日常的に材料を調達する中で、ミルシートを必要とする場合は、ごく一部の企業や現場に限られます。多くの場合、厳しい品質証明が求められる特殊な状況でのみ、ミルシートが活用されるのが一般的です。
ただし、ミルシートにはそれ以外にも活用の余地があります。
本記事では、ミルシートをより幅広く活用する方法をご紹介します。
ミルシートに記載された成分分析結果や機械的性質データ(強度、硬度など)は、トラブル発生時の原因究明に役立ちます。材料に問題があるのではと仮定された場合、ミルシートの情報を振り返ることで、素早く原因かどうかを特定し、適切な対応策を立てることができます。
通常、ミルシートは材料購入時に一緒に受け取りますが、後からさかのぼって取り寄せることも可能です。材料を購入した企業に問い合わせれば、ミルシートをお取り寄せいただけます。
製品製造の過程で、定尺で購入した材料の一部しか使用せず、余った端材が発生することがよくあります。このような端材を有効活用するため、ミルシートがあれば、それらを他社に売却しやすくなります。近年、ネット上でも誰でも自由にモノを売買できるようになったことで、端材の有効活用の機会が広がっています。
その際に、ミルシートはジュエリーの鑑定書のような役割を果たし、買い手にとってより安心する材料になります。
余った材料の活用方法には、こちらの記事もおすすめです。
金属加工工場が売れる新たな商材の見つけ方
業が日常的にミルシートを活用していることを顧客に示せば、材料の品質管理に細心の注意を払っている企業だと伝わり、顧客の信頼を得やすくなります。
顧客からすれば、ミルシートの活用は、製品の高品質を保証する証明になるため、より安心して発注できるでしょう。
ミルシートは材料のロットごとに付属しています。
同じ材料規格(SUS304、SS400など)でも、ロットによっては、規格を満たしたうえで微妙な機械的性質の違いがあることがあります。
この違いが原因で、一部の加工工程で手間が増えたり、完成品にばらつきが生じることがあります。
しかし、ミルシートを活用することで、ロットごとの材料特性を事前に把握でき、加工条件の微調整などをスムーズに行うことができます。
例えば、板金の曲げ加工では、材料のロットが違うことで、同じ製品の加工にもかかわらず、ベンダーの設定を微調整する必要があることがあります。これは、材料ロットによってわずかに機械的性質が異なることが原因で発生する手間です。
ミルシートを日頃から活用していれば、こうした微調整の手間を回避することができます。ミルシートを通じて材料特性を事前に把握できるため、より効率的な生産と高品質な製品づくりに繋がります。
ミルシートの利用方法は品質証明だけではありません。
うまく活用することで、顧客の信頼性をより強くしたり、余った素材の販売に役立ちます。
余った素材の出品をお考えの際は、是非Mitsuriでの販売をご一考ください。
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