金属加工と一言で言っても、溶接で結合したり、溶かして違う形に変えたり、刃物で削ったりなど、様々な加工方法があります。
「金属製品で作りたいものがあるけど、どのように作ればいいかイマイチピンとこない…」
「どこの工場に相談していいのかわからない」
このようなお悩みを抱えている人もいらっしゃるのではないでしょうか?
そこで本記事では、古くから用いられる伝統的な金属加工方法や、最新の加工方法など、金属加工業界を幅広くご紹介します。
一言に金属加工と言っても、それぞれ扱う材料や必要な設備が異なりますので、多くの加工業者が存在します。まずは主な金属加工業が携わっている仕事内容を見ていきましょう。
文字通り、金属を所定の寸法に合わせてカットし、後工程の加工業者に納入する仕事です。材料の大きさや仕上げ方法によってさまざま切断方法があります。
切断方法の種類
参考記事板金加工については以下の記事で詳しく解説していますので、ご覧ください。⇒【板金加工 切断】せん断やシャー切断などの切断加工を専門家が解説!
刃物や砥石を使って金属の表面を磨く加工方法で、切削や切断では落とせない不必要な部分を落とす作業です。
製品の精度を決める工程でもあるため、高い加工技術が必要とされます。
また、研削(研磨)加工は製品の形状や用途によって様々な種類を使い分けます。
研削(研磨)方法の種類
このように研削種類は様々ですので、複雑な形状の製品を仕上げるのであれば、いくつもの設備を使い分ける必要もあります。
金属の板を切ったり曲げて目的の形状を成形する加工方法です。
板金加工の多くは、工具を使用した手作業や人の手による操作で機械を動かして行われる「手加工板金」ですが、機械を利用する「機械板金」も存在します。
機械板金は機械によって精密な板金ができるため、「精密板金」とも呼ばれており、曲げ加工のほか、打ち抜き加工や絞り加工、成形加工など様々な加工方法があります。
参考記事板金加工については以下の記事で詳しく解説していますので、ご覧ください。⇒【板金加工】専門家が教える板金加工の「特徴・種類・材料」について!
金属材料を金型にセットし、加工機を使って一定の荷重を加えて材料を切断及び変形させる加工方法です。
目的の形状を成形するための金型製作が必要で、製作コストがかかる特徴があります。
しかし一度金型を製作すれば、同じ精度のものが短時間に生産できるため、大量生産が必要な製品であれば大幅な生産コスト削減が可能です。
また、従来まではプレス加工の精度は切削加工に劣るとされていましたが、現在は金型の精度が向上し、ミクロン単位での加工も可能とされています。
そのため医療品やICチップなど、現代の生活を支える部品の多くはプレス技術が支えていると言っても過言ではありません。
参考記事プレス加工については以下の記事で詳しく解説していますので、ご覧ください。⇒【プレス加工】プレス加工の基礎知識やメリット・デメリットをご紹介!
熱や圧力によって金属同士を接合させる加工方法です。
材料を溶かして接合させるため、強度が高く、船舶や建物などの大型の金属製品にも多く用いられている接合方法です。
金属の材質によって適切な溶接条件が必要で、溶け込み量や溶接ひずみなども計算して加工できる熟練した技術が必要とも言われています。
しかし近年では、溶接条件の管理や溶接ロボットの精度が向上し、職人が直接溶接作業を行うというより、工作機械を扱うオペレーターとしての仕事が増えてきました。
そのため、人によって完成品の精度がバラつくといった従来のネガティブな部分が解消される傾向にあります。
参考記事溶接加工については以下の記事で詳しく解説していますので、ご覧ください。⇒溶接中級者以上は知っている!?【溶接の10の基本知見】
金属加工の方法は、大きく3つの加工方法に分類されます。
金属加工の方法
金属製品を製作するにあたり、基本的には①機械加工→②熱処理加工→③表面処理といった順で処理されます。
さらにそれぞれの加工方法の中から、目的の金属製品に合わせて細かく加工方法を選んでいきます。さらに詳しく見ていきましょう。
材料から図面通りの形状に加工することを機械加工と呼びます。材料を成形したり、削ったりと、さまざまな方法がありますが、大きく4つに分類できます。
機械加工の種類
金属材料に加熱と冷却を加えて形を変えるのでなく、性質を向上させる目的の加工技術で、硬度や耐摩耗性、耐食性を向上させます。
熱処理は内部組織はそのままで、表面のみを変態させる「表面熱処理」や、素材全体を変態させる「全体熱処置」があります。
さらに全体熱処理は基本的に次の4種類のパターンに分けることができます。
全体熱処理の種類
表面処理とは、成形した金属製品の表面に保護膜を形成したり、研削(研磨)することを言います。耐食性や潤滑性、熱伝導度、密着性を向上させる効果があります。
主に製造工程の最後の仕上げとして用いられ、出来上がった製品の精度や見た目に直接影響する重要な加工工程です。
表面処理加工の方法は大きく3つに分けることができます。
表面処理加工の種類
3Dプリンターは一般的に2次元の層を積み重ね、立体的な製品を造形していく加工機械で、製品の内部も複雑な形状に仕上げることが出来ます。
3Dプリンターは主に樹脂用と金属用に分けられ、材料自体や造形方法も異なるため、製造機も全くの別物となります。
樹脂用3Dプリンターは、液体樹脂に紫外線を当てながら硬化させたり、熱溶解させた樹脂を積み重ねたり、粉末状の材料にレーザーを照射して焼結させたりと、様々な方法が用いられます。
一方金属用3Dプリンターは、金属の粉末を敷き詰め、レーザーや電子ビームで造形する部分の金属粉を溶融・凝固させて目的の形状に仕上げていきます。最近では金属粉末が混ざった樹脂を成形してから高熱炉で焼結させることで金属のみが残るという手法を採用した小型な機械も出てきています。
図面を必要とせず、デジタルデータさえあればすぐに部品が造形できるため、仕様変更が多い製品や、試作品の製造に向いています。
金型や治具もほとんど必要ありませんので、試作品や小ロットの製品でも比較的簡単に成形することができます。
こうして見ると、金属用3Dプリンターはどんな形状でも作れる魔法の装置のように思うかもしれませんが、金属加工ができる3Dプリンターの歴史は浅く、まだまだ発展途上の技術なのです。
まず、金属用3Dプリンターは局所的にレーザーを照射して急冷・凝固するため、温度差によって歪みが発生します。歪みが大きくなると造形物が反ってしまうこともありますので、何もケアせずに造形すれば、出来上がり精度がかなり悪くなります。そのため設計を変更したり、造形物との間に適切なサポートを設けたりする必要があります。
また、3Dプリンターで作成した製品は機械加工に比べて表面仕上がりが劣るため、仕上げ加工が必要です。さらに細かい寸法精度が求められる製品を作成するときは二次加工も必要となります。
このように3Dプリンターでの金属製品の造形は、設計方法や材料の知識など、高度な技術が必要となります。
金属加工業といっても、溶接やプレスなど聞いたことがある加工方法から、メッキ処理や3Dプリンターなどあまり聞いたことがないような工程も多いと思います。
しかし日常生活をしている中で目にする金属製品は、何らかの加工方法で製造された製品であり、金属加工の技術は私たちの生活に欠かすことができません。
加工には専門的な技術やスキルが問われるため、製造方法の管理や熟練した技術はもちろん、スキルを証明するための国家資格も多数存在するほどです。
そのため、金属製品を製作したいとお考えであれば、確かな技術を持っている金属加工業者に巡り会うことが重要です!
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