プレス加工とは?プレス加工の基礎知識を一挙に公開!

お役立ちTips

プレス加工とは?プレス加工の基礎知識を一挙に公開!

これから板金を手掛ける皆さんにとって、「プレス加工」は板金作業の中でも最も一般的金属加工方法です。とはいえ、プレス加工とは一体どんなものなのでしょうか?

たとえば、身近なもので例をあげるとしたら、金属製のボウルなどがプレス加工製品と言えます。さらにジュースの缶とか、自動車や新幹線のボディ、1円や5円などといった硬貨もプレス加工のたまものと言えるでしょう。

今回はそのプレス加工についてわかりやすく解説します。

プレス加工(特徴)とは

プレス加工はその言葉通り、被加工物(加工される材料のこと)を金型(かながた)に圧着(press)して形を作るものです。

ただ、プレス加工をウェブサイトで調べると、和製英語として言及しているサイトも中にはあります。しかし、これは少々乱暴です。日本工業新聞社刊の機械用語辞典では「プレス加工」を「press work」または「press working」として紹介しています。

一方、英語の文献や取り扱い説明書ではプレス加工を「stamp work」として紹介しています。どちらが正しいのでしょうか?

世界中の取り扱い説明書や仕様書に使われている英語の例文から用語を抽出した野沢義延(のざわよしのぶ)著の「続・機械を説明する英語」(工業調査会刊)という辞典では、PressにもStampにも「圧着する」という意味があります。

つまり、どちらが正しいかと言えば、どちらも正しいのです。機械の動作などをより詳しく説明するのはどちらか、といったときに、その機構や仕組みに応じてより端的に動作を説明する言葉が選ばれるようです。

したがって、外から圧力を加えてものを加工する作業をプレス加工と言います。

プレス加工の仕組み・流れは?

卑近な例で言えば、型抜きクッキーはまさにプレス加工でできたもの。クッキーの生地が被加工材、クッキー生地を平たく載せるまな板(ダイ、雌型とも言います)に生地を置き、星や花の形をした抜き型(パンチ、雄型とも言います)で型を抜き、同型のクッキーを生地から抜き出して作ります。

このように、被加工材を、上方向から圧力をかけて切ったり、曲げたり、伸ばしたりといった加工を行って、素材を変形させる工具を用いた加工技術をプレス加工と呼び、成形のための荷重を加える機械を「プレス機」、これにセットする金型のことを「プレス金型」と言います。

プレス加工の種類は?

せん断加工

一口にプレス加工といっても、種類を分けることができます。先ほど卑近な例で用いたクッキー生地から星形のクッキーを抜き取る作業は、プレス加工の中でも「せん断加工」と言います。

せん断加工とは、板状の被加工材に外力でプレスして、完全に切断し分離する加工法のこと。「せん断」とありますが、単に切るだけでなく、切り抜いたり、外形を抜いたり、穴をあけたりすることもこの加工法に含まれます。

二穴の穴開けパンチ器などは、せん断加工の最たる例と言えますね。

曲げ加工

プレス加工機で材料を曲げる加工法のことを言います。被加工材をプレスし、被加工材の引張り力と圧縮力を利用して、材料を曲げるものです。曲げの形状によってV曲げ、L曲げ、U曲げ、カール曲げ、ヘミング(アザ折り)曲げなどの種類があります。

書類をひとつにまとめる金属製のクリップなどがこれにあたります。針金を思う形に曲げて作ります。あのカーブなどを見ると、U曲げなのでしょうね。

絞り(しぼり)加工

被加工材に引張り力を加えながら、プレス機の「パンチ(雄型)」と「ダイ(雌型)」に沿った形状にする加工法のことを言います。

これも身近な例で言えば、金属製やプラスチック製のボウルなどがあたります。底付きの容器状に形作られるのが特徴です。金属やプラスチックなど、被加工材によって引張り力などが変わってくるのでこれをきちんと把握しておくことが肝要ですね。


プレス加工のメリット・デメリット

大量生産

プレス加工のメリットはなんといっても大量生産に向いているということです。一度金型を作ってしまえば、同じクオリティの製品を大量にロス無く作ることができます。

個人によってばらつきのでやすい作業の質を一定に保つことができることも生産性に大きく関わります。検品作業なども定量化しやすいという利点もあります。

形状の制限

もちろんメリットだけではありません。プレス加工には成形できる形状に制限があります。これはつまり、思い通りの形状で製品が作れないということです。成形に自由度が無いため、単純な形しか作ることができないというのもデメリットと言えるでしょう。

金型製作、設備投資が高価

また、せん断、曲げ、絞りなどをプレス加工ですべてこなそうとした場合、プレス機も大掛かりな仕掛けになる上、金型の制作も必要となり、設備投資が非常に高価になってしまうというのも難点と言えます。試作品で、まずは小ロットで作ってみるということが困難なのです。

このほか、プレス加工の作業のうち、非常に大きな力で金属板を打ち出す作業は大きな事故につながる可能性が無いとも言えません。またプレス加工後に発生するバリ除去などでは、熟練の技術が必要になります。これもまたデメリットと言えますね。


プレス加工のまとめ

プレス加工について、身近な例を用いながら簡単に述べて参りましたが、おわかりいただけたでしょうか?

プレス加工は大量生産品に向いており、その加工方法には3つがあること、生産性を高める一方、複雑な成型は不得意な部分もあることがわかりました。

金属のプレス加工は機械の特性のほかに、被加工材の材質なども大きく関わって来ます。これから徐々に材料についても学んでいきましょう。

この記事をシェアする

このエントリーをはてなブックマークに追加
Mitsuri編集部

Mitsuri編集部

Mitsuriは、お客様に寄り添い、製造プロセスに関わる課題をトータルに解決する「お客様の最適な生産活動を達成するコーディネーター」です。

Twitter
Facebook
Instagram
YouTube