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プレス加工の基礎知識や種類について専門家が徹底解説!

プレス加工 | 2021年04月22日

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「プレス加工」は板金作業の中でも最も一般的な金属加工方法で、身近なもので例をあげるとしたら、金属製のボウルなどがプレス加工製品と言えます。

さらにジュースの缶とか、自動車や新幹線のボディ、1円や5円などといった硬貨もプレス加工のたまものと言えるでしょう。

そんなとても身近なプレス加工についてこんなお悩みをお持ちではないでしょうか?

「プレス加工を依頼したいけれど、初めてでどこに頼めばいいかわからない……」

「他の工場で断られてしまって、依頼先に困っている……」

プレス加工を請け負ってくれる工場を探す中で、こんなお悩みを抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そんな方に向け、本記事ではプレス加工の仕組みや工程、種類、メリット・デメリットなどを詳しく解説します。ぜひご一読いただき、依頼時の参考にしてください。

プレス加工とは

プレス加工はその言葉通り、被加工物(加工される材料のこと)を金型(かながた)に圧着(press)して形を作るものです。

ただ、プレス加工をウェブサイトで調べると、和製英語として言及しているサイトも中にはあります。しかし、これは少々乱暴です。日本工業新聞社刊の機械用語辞典では「プレス加工」を「press work」または「press working」として紹介しています。

一方、英語の文献や取り扱い説明書ではプレス加工を「stamp work」として紹介しています。どちらが正しいのでしょうか?

世界中の取り扱い説明書や仕様書に使われている英語の例文から用語を抽出した野沢義延(のざわよしのぶ)著の「続・機械を説明する英語」(工業調査会刊)という辞典では、PressにもStampにも「圧着する」という意味があります。

つまり、どちらが正しいかと言えば、どちらも正しいのです。機械の動作などをより詳しく説明するのはどちらか、といったときに、その機構や仕組みに応じてより端的に動作を説明する言葉が選ばれるようです。

したがって、外から圧力を加えてものを加工する作業をプレス加工と言います。


プレス加工の仕組み・工程について

プレス加工は、プレス用金型をプレス機にセットし、被加工材をプレスすると製品が成形されるというシンプルな仕組みです。プレス加工は、低コストでの大量生産が得意なため、特に製造業では欠かせない加工方法になっています。

プレス加工をする際には、初めに製品を生み出すための金型を設計します。雄型と雌型で1つとなる金型です。そこで、設計段階では、金型の種類やセットするプレス機などを決める必要があります。金型の設計が終了すれば、次に実際に金型を作りだし、生み出す製品のテスト加工を行なっていきます。複数回テスト加工を重ねることで、製品精度を高めていくことが可能です。


プレス加工における金型ついて

プレス加工では、金型の精度が製品の品質を保つ上で非常に重要です。金型の設計や加工に不備があると、製品にバリが出たり、形状に不具合が生まれてしまいます。

金型で被加工材に荷重を加える時間は1秒ほどしかありません。一瞬で加工を施すため、金型の精度が悪いといい製品を生み出すことができないのです。そのため、プレス加工においてはプレス機でかけれる荷重なども重要ですが、金型は製品の良し悪しに直結する重要な部分となっています。


金型の種類

プレス用金型と一括りに言っても、製品の形状や生産量などによって使用する金型は大きく3種類に分けられます。ここでは、プレス加工に使用される金型の種類とそれぞれの特徴についてご説明していきます。

順送型

引用元:ムツミ工業株式会社

順送型は別名「プログレ(PRG)」と呼ばれる、複数の成形機能を1つの型にまとめた金型です。1つの金型にせん断加工や絞り加工、曲げ加工などの成形工程を備えているのが特徴になります。ロール状に巻いてある被加工材を使用する場合が多く、プレス機で被加工材を少しずつ順送りしていくことで加工が完了します。

プレス加工用金型の種類の中では、加工スピードが早く生産性も高いので大量生産に向いているのが特徴です。しかし、1つの金型に1製品の加工工程をまとめるため、設計や加工難易度が上がるため、金型の生産コストが非常に高いデメリットがあります。

単発型

引用元:キタシバ技研株式会社

単発金型は、1つの金型に1機能しかない金型になります。「絞り加工のみ」や「せん断加工のみ」など1機能しかない金型です。被加工材も人力で入れることが多く、業界にもよりますが自動生産にはあまり使われないのが特徴です。型構造が簡単なことが多いために金型の作成コストが比較的低いので、製品形状が簡単で小ロット生産をする製品などに向いています。

トランスファー型

引用元:ムツミ工業株式会社

トランスファー型とは、単発型を集合させて行うトランスファー加工に使用される金型を指します。1製品に対して工程を分けた単発金型を複数用意し、1工程目から順番に並べてプレスしていくことで製品を成形できます。

被加工材を自動で運ぶ搬送機構が備わっているトランスファープレス機にセットされるため、自動で製品を成形できるのが特徴です。順送型(PRG)と比べると、加工速度は劣りますが、単発型を複数並べているため、形状を大きく変える工程のプレス加工にも対応できます。


プレス加工の種類

せん断加工

せん断加工とは、板状の被加工材に外力でプレスして、完全に切断し分離する加工法のこと。「せん断」とありますが、単に切るだけでなく、切り抜いたり、外形を抜いたり、穴をあけたりすることもこの加工法に含まれます。

二穴の穴開けパンチ器などは、せん断加工の最たる例と言えます。

曲げ加工

プレス加工機で材料を曲げる加工法のことを言います。被加工材をプレスし、被加工材の引張り力と圧縮力を利用して、材料を曲げるものです。曲げの形状によってV曲げ、L曲げ、U曲げ、カール曲げ、ヘミング(アザ折り)曲げなどの種類があります。

書類をひとつにまとめる金属製のクリップなどがこれにあたります。

絞り(しぼり)加工

被加工材に引っ張り力を加えながら、プレス機の「パンチ(雄型)」と「ダイ(雌型)」に沿った形状にする加工法のことを言います。

これも身近な例で言えば、金属製やプラスチック製のボウルなどがあたります。底付きの容器状に形作られるのが特徴です。金属やプラスチックなど、被加工材によって引張り力などが変わってくるのでこれをきちんと把握しておくことが肝要ですね。


プレス加工と板金加工との違い

プレス加工と板金加工の違いは、技術力や経験値の差が製品に影響しやすい点です。プレス加工は一度金型を作ってしまえば、材料を入れるだけで同じ形状の製品を大量生産ができます。しかし、汎用金型を使って手作業で行う「精密板金」やハンマーなどで叩いて作業する「手板金」それぞれで担当者の技術力により精度が異なってしまいます。手作業の工程がほとんどなので、小ロット生産や完全受注生産などに使用されるのが板金加工です。


プレス加工のメリット・デメリット

大量生産

プレス加工のメリットはなんといっても大量生産に向いているということです。一度金型を作ってしまえば、同じクオリティの製品を大量にロス無く作ることができます。

個人によってばらつきのでやすい作業の質を一定に保つことができることも生産性に大きく関わります。検品作業なども定量化しやすいという利点もあります。

形状の制限

もちろんメリットだけではありません。プレス加工には成形できる形状に制限があります。これはつまり、思い通りの形状で製品が作れないということです。成形に自由度が無いため、単純な形しか作ることができないというのもデメリットと言えるでしょう。

金型製作、設備投資が高価

また、せん断、曲げ、絞りなどをプレス加工ですべてこなそうとした場合、プレス機も大掛かりな仕掛けになる上、金型の制作も必要となり、設備投資が非常に高価になってしまうというのも難点と言えます。試作品で、まずは小ロットで作ってみるということが困難なのです。

このほか、プレス加工の作業のうち、非常に大きな力で金属板を打ち出す作業は大きな事故につながる可能性が無いとも言えません。またプレス加工後に発生するバリ除去などでは、熟練の技術が必要になります。これもまたデメリットと言えますね。


プレス加工製品事例

Mitsuriが提携している工場の中から、プレス加工で作成された製品事例を複数ご紹介していきます。

下記の画像は「順送型(プログレ型)」で成形された製品です。順送型は、形状が大きく変わる製品への対応が難しいので、せん断加工や曲げ加工機能が必要な製品には多く使用されています。

引用元:株式会社三洋製作所

次は、トランスファー型で加工された自動車のパーツ部品になります。形状が複雑なものでも対応できるのがトランスファー型の特徴です。

引用元:株式会社 下井田製作所

最後に単発型で成形された製品です。住宅設備に使用される製品ですが、穴を切り抜くだけの「せん断機能」を備えた単発型の金型で加工されています。

引用元:株式会社高橋製作所


プレス加工で用いられる金属について

最後に、プレス加工で用いられる代表的な金属について、その特徴や用途を解説します。

アルミ

アルミは、比重が鉄や銅の約1/3と軽く、また軟らかくて展性も高いため、非常に加工性に優れた金属となっています。他にも、空気中において酸化皮膜を形成するので、耐食性にも優れています。特に、アルミ材のプレス加工は、私たちの身近なところで幅広い用途に利用されており、一円硬貨やアルミ缶の成形、またパソコンの筐体の製作、自動車の部品などに使用されています。

ステンレス

ステンレスは、耐食性・耐熱性を有し、また加工性、強度においても非常に優れた性質を持つ金属です。また、意匠性に優れるという点もステンレスの特徴の一つです。ステンレス材のプレス加工は、洗濯機や冷蔵庫、エアコンのボディや、厨房・台所用のシンク、他にも精密機器の部品の製作など、さまざまな用途に利用されています。

鉄は、強度が高く、加工性にも優れており、さらに安価であるという特徴を有することから、古くから私たちの生活の中で欠かせない金属として広く利用されてきました。特に、鉄材のプレス加工は、スチール缶の成形や鉄鍋の製造、また造船、土木・建築などの分野では、鉄資材の曲げ加工にも用いられている技術です。


プレス加工を一流の板金加工業者に発注しませんか?

今回は、プレス加工をテーマに、その特徴や仕組みのほかにも、金型の種類や、プレス加工の種類、さらにプレス加工の製品事例など幅広い内容についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。

プレス加工は、製造業では欠かせない技術の一つであり、加工を依頼できるメーカーも多岐に渡ります。しかし、メーカーによって対応できる材質や板厚、サイズなどが異なるため、ニーズに合わせて適切な工場を選定する必要があります。

プレス加工を依頼できるメーカーをお探しの際には、ぜひMitsuriにご相談ください。日本全国で250社以上の企業と提携しているため、きっとご希望に沿うメーカーが見つかるでしょう。Mitsuriでのお見積りは完全無料・複数社から可能です!プレス加工でお困りの際は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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この記事を書いた人
<a href="https://catallaxy.me/" class="u-link-theme">株式会社Catallaxy</a>

株式会社Catallaxyは "未来の製造業をつくる" をミッションに掲げ、製造業における従来のサプライチェーン/バリューチェーンの刷新を目指しています。記事内容に関するお問い合わせはこちらへ。

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