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金属板の加工に関して解説!アルミやステンレス等の素材ごとの特徴もご紹介!

この記事を監修した人

染谷 ひとみ

Mitsuri Media管理人

精密板金加工工場のインサイドセールスとして加工と寸法の提案をしてきた経験を経て、製造業の知見と楽しさを提供している。 幼少期からモノの構造を理解するのが好き。JAPAN MENSA会員。

金属板の加工技術は、私たちの生活の中で欠かせないものとなっています。自動車、土木・建築、医療、食品など幅広い分野に利用されているほか、家電機器、産業機器などの部品の製作にもなくてはならない技術です。例えば、家の中を見渡すだけでも、パソコン、冷蔵庫、洗濯機、電子レンジ、テレビなどさまざまな製品に使用されています。

今回は、そんな金属板の加工について詳しく解説していきます。特に、金属板に用いられる代表的な素材とその特徴、また代表的な加工方法に関して、一つずつ丁寧にご説明していきます。金属板の加工についてさらに知識を深めたい方や、金属板の加工でお悩みの方は、ぜひご一読ください。

金属板の加工について

金属板の加工とは、文字通り金属でできた板材を加工することを指します。しかし、一口に金属板の加工と言っても、金属板にどういった材質を用いるのか、またどのような加工を施すのかで、その製品の持つ特徴や用途などが異なってきます。そのため、金属板の加工を用いて製品の設計・製作を行う場合には、素材や加工方法について十分理解した上で行っていくことが非常に重要となります。


金属板の種類と用途

ここでは、代表的な金属板の材質とその用途について説明していきます。

アルミ

アルミは、比重が鉄や銅の約1/3と軽く、さらに軟らかくて展性も高いことから加工性に優れた金属となっています。また、空気中において酸化皮膜を形成するため、耐食性も有しています。さらにアルミの熱伝導率は鉄の約3倍と、非常に熱を伝えやすい材質です。

これらの特徴を活かして、一円硬貨やアルミホイル、アルミ缶、鍋、エンジンのシリンダー、パソコンや家電製品の筐体などさまざまな用途で使用されています。ただし、1円硬貨などを除いて、ほとんどはアルミ合金としての利用となっています。アルミ合金は、その含有されている金属によって次のように分類されており、それぞれ特徴が異なります。

アルミ合金の種類

・1000番手系(純アルミ):強度は低いが、加工性や熱伝導性に優れる

・2000番手系(アルミ-銅合金):強度や切削性に優れるが、やや耐食性に劣る

・3000番手系(アルミ-マンガン合金):加工性にはあまり優れないが、高い強度を持つ

・4000番手系(アルミ-ケイ素合金):耐摩耗性に優れる

・5000番手系(アルミ-マグネシウム合金):強度、耐食性に優れ、さらに溶接性も良好

・6000番手系(アルミ-マグネシウム-ケイ素合金):強度、耐食性に優れる

・7000番手系(アルミ-亜鉛-マグネシウム合金):アルミ合金の中で最も強度が高い

ステンレス

ステンレスは、その表面を覆っている不動態皮膜によって、錆びにくく、耐食性に優れる金属です。その他にも、 耐熱性を有し、加工性、強度においても優れた特性を有しているほか、意匠性にも優れ、メンテナンスが容易であることも大きな特徴です。

このような特徴から、建築、土木、家電・精密機器、厨房・家庭用機器、輸送機器、産業機器など非常に幅広い分野で利用されています。特に私たちに身近なものには、洗濯機や冷蔵庫、建物の外装や内装、またゴルフ用品にもステンレスが使用されています。また、ステンレスは、含有する金属及び金属組織の違いから、次のように5種類に分類されます。

ステンレスの種類


引用元:大同特殊鋼株式会社

・マルテンサイト系:非常に硬いが、耐食性には劣る

・フェライト系:耐食性は高く、応力腐食割れ(金属材に生じる経年損傷)を起こしにくい

・オーステナイト系:耐食性が高く、加工性に優れる

・析出硬化系:非常に硬く、耐食性にも優れる

・二相系:塩化物(海水など)に対する高い耐食性を持つ

チタン

チタンは、比重が鉄の約半分ととても軽くて、さらに海水中などでも優れた耐食性を発揮します。また、比強度(重量あたりの強度特性)が高く、アルミニウムの約3倍、鉄の約2倍の強度を示します。他にも、無毒性で、生体適合性も良く、人体にやさしい安全な金属です。

これらの特徴を活かし、医療・食品の分野や化学工業、建築・土木産業、また航空宇宙産業などで広く用いられています。また、チタン合金は、焼なましの状態でのミクロ組織によって次のように分類されます。

チタン合金の種類

・純チタン:耐食性及び加工性に優れているが、耐摩耗性に劣る

・α合金:低温から高温まで安定した強度を持つ

・β合金:冷間加工性・時効硬化性(時間の経過とともに金属が硬化する現象)に優れる

・α+β合金:強度が高く、また延性に優れる

・耐食合金:耐食性に優れ、高い強度を持つ

銅は、熱伝導性・電導性・加工性・展延性に優れている金属です。また、銅が酸素に触れると表面に酸化銅の被膜をつくることから、優れた耐食性を持っています。他にも、銅は抗菌作用を持つ金属としても知られています。

これらの特徴から、電線や電子機器部品、調理道具や銅像、10円硬貨などに利用されています。銅には合金が存在し、含有する金属によって主に以下の3つに大別されます。

銅合金の種類

・黄銅(銅-アルミ合金):加工性がよく、意匠性に優れる

・洋白(銅-亜鉛-ニッケル合金):耐食性・耐変色性に優れる

・青銅(銅-すず合金):展延性に優れ、融点が低い

鉄は強度が高く、また優れた加工性を持つことから、古くから私たちの生活の中で欠かせない金属として幅広く用いられてきました。現在は、金属製品の約90%が鉄でできているとも言われています。そのため、自動車、造船、土木・建築、容器・缶、家電機器、産業機械などさまざまな分野で利用されています。また、鉄はその含有する炭素量の違いによって次の3つに分類されます。

鉄の種類(カッコ内には炭素含有量を示す)

・純鉄(0.02%以下):非常に脆く、軟らかい

・鋼(0.02% - 2.1%):炭素含有量によるが、強度、靭性、磁性、耐熱性などに優れる

・鋳鉄(2.1% - 6.7%):非常に硬いが、延性や靭性に劣る


Mitsuriは、これらすべての材質の加工を依頼できる多数のメーカーと提携しています。お気軽にお問い合わせください。


金属板の加工法の種類

最後に、金属板の各種加工方法について説明していきます。

金属板の加工法【レーザー加工】

レーザー加工とは、高エネルギー密度のレーザー光を照射し、熱エネルギーによって加工する方法を指します。主に、金属板の穴あけや切断に利用されています。レーザー加工では、加工領域が非常に狭いため、非常に微細な加工を行うことができるほか、高エネルギーのレーザー光を使用することで超硬金属や硬脆材料の加工も可能となります。


参考記事

こちらの記事では、レーザー加工についてその原理や種類など、さらに詳しく解説しています。ご興味のある方はぜひご覧ください。

【レーザー加工】板金加工におけるレーザー加工について専門家が徹底解説!

金属板の加工法【溶接加工】

溶接加工とは、2種類以上の金属を接合する金属加工方法のことを指します。主に、金属を局部的に加熱して溶かすことで接合する「融接法」と、加熱した金属に圧力を加えて接合する「圧接法」、母材と違う素材を溶融して接合する「ロウ付法」の3つに大別されます。ただし、細かく溶接方法を分類すると、全部で60種類以上にも及びます。


参考記事

こちらの記事では、溶接加工の種類について、その特徴を詳しく説明しています。溶接加工についてさらに詳しく知りたい方は、ぜひご覧ください。

⇒ 第1回 溶接加工とは?代表的な種類とメリット・デメリットを解説

金属板の加工法【プレス加工】

プレス加工とは、被加工材を金型に当て、圧力を加えることで材料を金型の形に変形させる加工方法のことを指します。プレス加工では、一度金型を作成すれば短時間で同じ形のものを生産することが可能なため、低コストで大量に生産する場合に最適です。また、プレス加工では金型に合わせて切断するだけでなく、曲げや絞りなどさまざまな加工を施すことができます。


参考記事

Mitsuriは、さまざまなプレス加工を依頼できる多数のメーカーと提携しています。以下の記事ではおすすめの工場を紹介していますので、プレス加工でお悩みの方はご一読ください。

プレス加工のおすすめ工場5選!!金型製作や微細加工等様々な工場をご紹介

金属板の加工法【切削加工】

切削加工とは、文字通り工具などを使用して、材料を削って加工する方法を指します。主に切削加工は、加工する工作物を固定して工具を回転させる「転削」と、工作物を回転させる「旋削」とに大別されます。


参考記事

転削の代表として「フライス加工」、旋削の代表として「旋盤加工」が挙げられます。以下の記事では、それら2つの加工について詳しく解説していますので、ご興味のある方はぜひご覧ください。

切削加工の種類【専門家が解説】フライス加工、旋盤加工について詳細をお伝えします!


金属板の加工を依頼するならMitsuri

今回は、金属板の加工をテーマにその代表的な素材や加工方法についてご説明しましたが、いかがでしたか。金属板の素材、またその加工方法の種類は多岐に渡り、そのそれぞれが異なった特徴を持っています。そのため、金属板の加工を行う場合には、素材や加工方法の選択が非常に重要となります。また、メーカーに加工を依頼する際にも、金属板の素材や加工方法に関する基本的な知識を持っていると、より話が進みやすくなるでしょう。

金属板の加工メーカーをお探しの際には、ぜひMitsuriにご相談ください。日本全国で250社以上の企業と提携しているため、きっとご希望に沿うメーカーが見つかるでしょう。Mitsuriでのお見積りは複数社から可能です!ぜひお気軽にお問い合わせください。

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