第6回 板金加工、レーザー加工の基礎(2)

ゼロからわかる!板金加工!

第6回 板金加工、レーザー加工の基礎(2)

本シリーズは、板金に関する知識がゼロでも、読み進めていくことで、板金加工の理解が身につくことを目標にしています。

対象とする読者は、知識ゼロのあなたです。 

板金加工には、大きく分けて切る、曲げる、作るという加工方法があります。

その中で、今回取り上げるのは前回に引き続きレーザ加工です。

レーザによる切断加工は、切断幅やその周囲に生じる熱影響の範囲が狭いため、高精度な切断を実現することができます。

他方で、切断幅が狭いために生じる問題もあります。

そのため、前回触れたアシストガスを上手く活用することで、加工品質や加工能力の向上を図らなければなりません。

また、レーザ加工における適正な加工条件を判断する方法についても、確認してみたいと思います。

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切断とアシストガス

レーザ光のエネルギーだけでは、レーザ切断の能力は十分に発揮することができません。

レーザ加工とアシストガスには、切っても切れない密な関係があります。

アシストガスによる切断能力の向上

切断の際に使用されるアシストガスには、酸化ガス、窒素ガスがあります。


酸素ガスは、酸化反応によって熱を引き起こします。

窒素ガスは、溶融金属を切断溝から排出します。


これらのアシストガスによって、レーザ切断の能力が大幅に向上します。

以下の図を見てください。


引用元:レーザ加工機取扱作業者用安全講習テキスト 


切断面の上部にある白い幅は、比較的良好な切断面粗さを示しています。

これを第一条痕と定義します。

これに対して、切断面下部にある斜線の幅は、やや粗い切断面粗さを示しています。

これを第二条痕と定義します。

第一条痕は、レーザ光のエネルギーを主体として加工されている領域です。

第二条痕は、第一条痕の溶融金属を熱源として、酸素ガスによる酸化反応や、高圧窒素ガスによる溶融金属の流れを主体として加工される領域です。

したがって、切断速度が大きくなればなるほど、また加工板厚が大きくなればなるほど、第二条痕のドラグラインは加工の後方に遅れます。

要するに、切断面の第一条痕部分がレーザ光のエネルギーにより切断された箇所であり、第二条痕部分がアシストガスにより加工能力が拡大した箇所になります

アシストガスによるレンズ汚染の防止 

アシストガスは、切断能力の向上を実現するだけではありません。

加工レンズを冷却したり、汚染を防止する役目も担っています。

以下の図を見てみてください。


引用元:レーザ加工機取扱作業者用安全講習テキスト 


加工レンズにスパッタが付着し汚れることがあります。

スパッタとは、レーザ溶接及び切断時などに溶融部から飛散する微粒子のことをいいます。

そうすると、その部分を通過するレーザ光が吸収され、加工レンズの温度が上昇してしまします。

温度が上昇すると集光特性が悪化します。

この現象を熱レンズ効果と呼びます。

加工不良が発生するばかりではなく、加工レンズを破損する危険まであります。

このレンズ汚染を防止するために、加工レンズの下からレーザ光と同軸上にアシストガスを流すことで、加工部から飛散するスパッタのノズル内への侵入を防ぎます。

レーザ出力と切断の関係

レーザ出力は、被加工物を切断(溶融)する能力に直接関係します。

出力を増加することで、以下に示したような加工能力の向上を実現します。


・切断速度を増加する。

・厚い板厚の加工対象を切断する

・アルミニウムや銅など高反射率材料を切断する


加工条件と切断面品質

使用している加工条件の出力が適正か否かは、加工後の切断面によって判断することができます。

以下の図を見てみてください。


引用元:レーザ加工機取扱作業者用安全講習テキスト 


ドロス

ドロスとは、酸化燃焼された材料のこと(酸化物)をいいます。主にレーザ加工の場合、切断の溶融物が素材に付着し、玉状や、つらら状に付着したものを示します。ドロスが付着していない状態のことを、ドロスフリーといいます。


出力が適正値では、

①切断溝周囲の焼けが少なく綺麗です。

②エッジ部に溶損がほとんど発生しません。

③切断面での条痕のピッチは非常に細かくなります。


出力が適正値より大きくなると

①切断溝周囲の焼けが多くなります。

②エッジ部に溶損が発生します。

③切断面での条痕のピッチが大きくなります。


出力が適正値より小さくなると

①切断面の下部が著しく粗くなります。

②切断溝下部がえぐれた状態になります。

③ドロスの付着量が増加して強固に付着します。

溶融金属の湯流れと加工条件の関係

上では、切断面をてがかりに、加工条件が適正であるか否かを判断しました。

加工中の火花を観察することで、加工条件の適正判断をすることもできます。

切断中に排出される火花の状態は、切断溝内の溶融金属の湯流れが直接影響します。


被加工物の下から排出される火花が

①ストレート

②遅れが少ない

③細かい

これらは、適正な加工条件であることを示しています。


・被加工物の下部から排出される火花が

①広がる

②切断進行とは逆方向に遅れる

③火花の幅が太くなる

これらは加工条件が不適正なことを示しています。


また、レーザ切断の速度と出力の関係で実現される良判断領域ついては、以下の図を参考にしてみてください。

引用元:レーザ加工機取扱作業者用安全講習テキスト 

まとめ

以上、レーザ加工による切断の基礎知識について確認しました。

少しずつ、レーザ加工で強み・弱みが見えてきたのではないでしょうか。

次回は、レーザ加工によって実現される溶接について考えてみたいと思います。




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