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ジャストインタイム3原則とは?デメリットやかんばん方式との違いを解説

生産管理 | 2021年05月21日

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ジャストインタイムは、「必要なものを、必要なときに、必要な量だけ」生産するという考えの生産管理システムです。

もともと製造業で採用されていた方式ですが、作業効率や生産効率の向上が期待できることから、現在ではさまざまな業種で採用されています。

しかしジャストインタイムはメリットだけでなく、デメリットもある点には注意が必要です。

この記事では、ジャストインタイムに関する基礎知識やかんばん方式との違い、メリット・デメリットについて解説します。

ジャストインタイムとは?

「ジャストインタイム」とは、日本の自動車メーカーであるトヨタ自動車株式会社が採用している生産管理システムの一種で、別名「リーン生産方式」とも呼ばれています。

ジャストインタイムでは、生産現場の各工程にて「必要なものを、必要なときに、必要な量だけ」供給を行い、効率的な生産を実現します。

ジャストインタイムは完全受注生産とは違い、後工程において必要なときに必要な量だけ前工程から部品や製品を引き取り、その分だけ生産を行う「後工程引取方式」を採用しています。

後工程引取方式は、後工程から指示があった分だけを生産するので、在庫のムダを軽減することが可能です。

かんばん方式について

「かんばん方式」もジャストインタイムと同じく、トヨタ自動車株式会社の生産管理システムの一部であり、別名「スーパーマーケット方式」とも呼ばれています。

そもそも「かんばん」とは、製品名や品番などの情報が書かれた帳票のことを指します。

かんばん方式はスーパーマーケットと同じ方式を採用しており、かんばんから得た製品の情報をもとに、不足した部品などの補充を必要な分だけ行い、作業の効率化を図っています。

ジャストインタイムの3原則とは?

ジャストインタイムを正しく取り入れるためには、以下に示す3つの原則を成立させる必要があります。

  1. 1.後工程引取方式

  2. 2.工程の流れ化

  3. 3.タクト調整

ここでは、ジャストインタイムの3原則とは、いったいどのようなものなのかを見てみましょう。

後工程引取方式

「後工程引取方式」とは、後工程にて「必要なモノを、必要なときに、必要なだけ」前工程から引き取る方式のことです。

前工程では、後工程で引き取られた分だけを生産し、補充を行います。この方式にて、かんばん方式が採用されています。

在庫を最小限に抑えたいのであれば、顧客からの完全受注生産を採用するのが一番です。しかし完全受注生産のデメリットは、顧客から受注を受けてから生産するため、納期が延びてしまう点にあります。そのため、顧客の満足度にも悪影響を及ぼします。

一方で後工程引取方式は、ある程度の見込み生産が発生するものの、後工程で使ったモノだけを前工程が生産します。これにより、工程間で発生する在庫を少なくすることが可能です。

工程の流れ化

「工程の流れ化」とは、部品などを前工程から後工程に送る際に、後戻りと停滞がないようにスムーズな流れを作ることを指します。

工程の流れが何かの要因によりうまく機能していないと、【ムダ・ムリ・ムラ】が発生してしまい、生産効率が低下してしまいます。上記の要因を正確に分析するには、生産ラインの見える化を行う必要もあります。

参考:製造業の3ム3M(ダラリ)をなくして現場改善

参考:製造業の生産性を見える化で改善するための重要視点

タクト調整

「タクト調整」とは、最適なタクトタイム(製品を作るのに必要な時間)を調整することです。

タクトタイムは、短いほど製品の必要数よりも余分に生産をしてしまい、時間と在庫のムダが発生します。逆にタクトタイムが長いと、製品の必要数に届かなくなり欠品するリスクをもたらします。

上記のムダや欠品のリスクをなるべく避けるためには、後工程や市場などからの受注に対して、最適なタクトタイムを調整する必要があります。

ジャストインタイムのメリット

ジャストインタイムのメリットは、在庫を少なくできることでコストが軽減できること、生産リードタイム短縮による販売機会の損失を防止できることにあります。それぞれの詳細については下記の通りです。

在庫を少なくすることによるコストの軽減

在庫を抱えていると、その製品の運搬やメンテナンスを必要としたり、管理するのにコストがかかったりしてしまうものです。また、その在庫が受注に結びつかなかった場合、利益を生まないだけでなく、廃棄するコストが発生します。

しかしジャストインタイムを導入すれば、余分な在庫を作らないので、その分のコストを削減できます。ここでの「在庫」は、材料・部品・仕掛品・完成品なども含みます。

製造業では、先の受注を見込んだ生産を行うこともあるでしょう。しかし見込み生産は、万が一受注量に変化があった場合に在庫を抱えてしまうリスクを伴います。

ジャストインタイムでは、かんばん方式を使った方法でモノが流れるので、正確な製品情報をもとに生産が行えて、ムダな在庫を抱えることが少なくなります。

生産リードタイム短縮による販売機会損失の防止

ジャストインタイムは、必要最小限の作業で生産を行うもののため、生産リードタイムの短縮が期待できます。

生産リードタイムが短縮できることでスムーズに製品を提供でき、販売機会の損失を防止できるほか、顧客満足度の向上も期待できます。

参考:製造業の生産リードタイム基礎知識

ジャストインタイムのデメリット

ジャストインタイムはメリットだけでなく、導入コストや品質管理コストの増加、在庫切れのリスクを伴う場合もあります。ジャストインタイムの導入を検討している方は、デメリットも把握しておく必要があります。

導入するのにコストがかかる

ジャストインタイムを実行するには、かんばん方式を構築する必要があるほか、ムダ・ムラ・ムリをなくすために5S活動を取り入れたりと、仕組みを確立するのに手間やコストがかかります。

大企業の現場では、ジャストインタイムを実行するための基盤がある程度構築されている、または構築しやすい環境である傾向にありますが、中小企業の現場ではゼロからのスタートである場合が多く、コストが大きくかかってしまうケースもあります。

参考:製造業の5S活動とは?目的・目標・事例を学んで現場改善

品質管理のコスト増加

ジャストインタイムでは、各工程の流れをムダなくスムーズに行うものであるため、不良を増やしてしまわないように品質管理の面においても注力する必要があります。

もし仮に規格や仕様の満たさない製品が多く出てくると、必要な原材料や部品が足りなくなり、生産に遅れが出てくることもあるでしょう。また、不良品は修理やクレームの対応、廃棄などによるコストの増加も出てきます。

このような事態を避けるためにも、品質管理はジャストインタイム導入前よりもしっかりと行わなければなりません。

在庫切れのリスク

ジャストインタイムは必要なモノを必要な分だけ生産する方式なので、突然受注量が増えた際の対応が難しくなる傾向にあります。

余分な在庫を抱えないようにすることで、部品や原材料の仕入れ先などにトラブルがあった場合、生産がストップしてしまうこともあるでしょう。

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この記事を書いた人
Mitsuri編集部
Mitsuri編集部

Mitsuriは、お客様に寄り添い、製造プロセスに関わる課題をトータルに解決する「お客様の最適な生産活動を達成するコーディネーター」です。記事内容に関するお問い合わせはこちらへ。

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