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フレキシブルメタルホース(フレキ管・フレキシブル管継手)特徴・種類・構造

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金属加工業界最大級のマッチングプラットフォーム「Mitsuri」を手掛ける企業。
「未来の製造業をつくる」をモットーに、製造業DXを推進している。

今回は、フレキシブルメタルホースの特徴や種類について解説します。

フレキシブルメタルホースとは、柔軟性や防振性などを備えた金属製のホースのことで、タンクと配管の接続や、建物同士の配管と接続などに活用されています。

フレキシブルメタルホースのなかを通る流体は、空気・ガスなどの気体から、水・化学薬品などの液体までさまざまです。汎用性が高い製品のため、種類も豊富にラインナップしています。

フレキシブルメタルホースとは?

フレキシブルメタルホースとは、柔軟性・耐熱性・耐圧力・耐震性などに優れた金属製ホースのことで、フレキ管・フレキシブル管継手・フレキシブルチューブなど、さまざまな呼称があります。

フレキシブルメタルホースは、金属製のため硬い材質にはなるものの、波形の形状を採用することで、曲げやすく設計されています。これにより、配管の芯合わせや機器の振動吸収、動きのある装置の配管などの用途で活用できます。

一般的に材質は、耐食性に優れているオーステナイト系ステンレスが多く採用されています。

参考:オーステナイト系ステンレス鋼の基礎知識まとめ

フレキシブルメタルホースの特徴と用途・使われ方

フレキシブルメタルホースは、さまざまな特徴や機能を有しています。ここではそれらの機能がどのようにして使われているかを解説します。

変位吸収

フレキシブルメタルホースは、偏心や伸縮方向に対しての変位を吸収できます。

これにより地震などによる配管の動きにも対応が可能です。しかし金属製のホースは樹脂製のものと違い、偏心・伸縮どちらにも対応するのは難しい点に注意が必要です。

振動吸収

フレキシブルメタルホースは、ポンプの振動を吸収する特徴があります。

振動による配管への負荷を軽減できるので、配管設備を痛めません。

配管作業の簡略

フレキシブルメタルホースは高い柔軟性があることから、配管の位置合わせが簡単で、施工がスムーズに行えます。

配管の際に障害物があっても、ホースを迂回させて接続できる点も便利です。

配管の熱膨張吸収(耐熱性)

フレキシブルメタルホースは耐熱性に優れており、配管のなかを通る流体の温度が高い、もしくは低い場合でも対応が可能です。

管は急激な熱の変化が起こると伸びたり縮んだりしますが、フレキシブルメタルホースを活用することで伸び縮みを吸収できます。

耐震対策

フレキシブルメタルホースは、耐震対策としても機能します。

例えば、建物同士で配管を繋げていた場合、地震による地盤の揺れや沈下が発生すると、フレキシブルメタルホースが曲がり、配管設備を正常な状態に保ちます。

フレキシブルメタルホースの種類

フランジ型

引用元:株式会社テクノフレックス フレキシブルホース F110

フランジ型は、接続部にフランジを搭載したもので、防振性・変位吸収性に優れているのが特徴。口径も小さいものから大きなものまで幅広い用途で活用可能です。

JISフランジ規格以外にもJPI・ANSI・DINなど、さまざまな規格に対応した製品がラインナップしています。

参考:フランジとは?種類・形状・規格・材質など詳しく解説

ネジ型

引用元:南国フレキ工業株式会社 フレキシブルホース NK-1000

ネジ型は、接続部がネジ式にになったフレキシブルメタルホースで、一般的にサイズが65A以下の配管などに採用されています。

ニップルやユニオンが標準的に採用され、あらゆるネジの規格に対応可能です。

スプリンクラー巻出しフレキ

引用元:株式会社テクノフレックス SP-X スプリンクラー巻き出しフレキ

スプリンクラー巻出しフレキは、(財)日本消防設備安全センター性能評定品で、スプリンクラー設備や泡消火設備に採用されるフレキシブルメタルホースです。

材質は主に高耐食性、耐圧性能に優れているSUS304やSUS316を採用しています。

ガス配管用フレキ

引用元:株式会社テクノフレックス ガス配管用継手

ガス配管用フレキは、戸建や集合住宅のガス配管に採用されているもので、屋内配管の施工性と安全性に優れたタイプです。

本体は外側を塩化ビニールで被覆されており、耐食性・耐圧性・耐候性・耐薬品性・すべり性などが向上しています。

基本的には日本ガス協会の規格基準を満たしたスペックを備えています。

水道用フレキシブル継手

引用元:イプロスものづくり 株式会社昭和螺旋管製作所 水道用フレキシブル継手/波状ステンレス鋼管

水道用フレキシブル継手は、日本水道協会認証登録品で、主に給水給湯用に使われている継手です。

柔軟性や耐震性に優れており、水道配管の保護とスピーディーな施工のために活用されています。

波状ステンレス鋼管

引用元:株式会社テクノフレックス 波状ステンレス鋼管

波状ステンレス鋼管は、ステンレス鋼管に波付け加工を施したもので、耐食性に優れています。波状部は、ステンレス鋼管よりも高い強度を有しており、埋設深さを選ばずに施工できます。

また、波状部は柔軟性があるので、スムーズな施工を実現します。

フレキシブルメタルホースの構造・仕様

チューブ仕様(スパイラルチューブ 、アニュラーチューブ、ワンピッチチューブなど)

フレキシブルメタルホースの波形形状は、代表的なものに、「スパイラルチューブ」「ワンピッチチューブ」「アニュラーチューブ」があります。

引用元:関西フレックス工業株式会社 ステンレスホース

スパイラルチューブとワンピッチチューブは、高速連続成型機で成形された、安定性の高い汎用チューブです。

スパイラルチューブは螺旋状に山を成形しているのが特徴で、ワンピッチチューブは山のひとつひとつがU字状に独立しています。

引用元:関西フレックス工業株式会社 ステンレスホース

上図のアニュラーチューブは、適度なバネ反力があり、高い防振効果が期待できます。

ワンピッチチューブと同様に、山のひとつひとつが独立していますが、断面形状がΩ状に成形されています。

製品によっては、アニュラーチューブを2層にして耐圧性と耐食性を向上させた「アニュラー2層チューブ」もあります。

ブレード仕様

ブレードの種類は主に「丸線ブレード」「平線ブレード」「綾織ブレード」の3種類があります。

「ブレード」とは、ステンレスの線材、もしくは帯板をフレキシブルメタルホースの外周に編み込んだものを指します。ブレードは、サイズによっては製造できるタイプとできないタイプがあるので選定の際は注意が必要です。

  • ●丸線ブレード

引用元:大阪ラセン管工業株式会社 ブレードとは

丸線ブレードは、複数の線材を平行の束にしてフレキシブルメタルホースに編み込んだものです。

柔軟性に優れており、高い変位吸収性を要する際に活用されています。

  • ●平線ブレード

引用元:大阪ラセン管工業株式会社 ブレードとは

平線ブレードは、帯板の材料をフレキシブルメタルホースに編み込んだものです。

内圧に対する強度に優れている一方で、丸線ブレードよりも変位吸収性に劣ります。

  • ●綾織ブレード

引用元:大阪ラセン管工業株式会社 ブレードとは

綾織ブレードは、線材を平板状に編み込んだものをフレキシブルメタルホースの外周に編んだタイプのことを指します。

綾織ブレードは、強度と柔軟性に優れているのが特徴です。

圧力損失

引用元:南国フレキ工業株式会社 圧力損失表

圧力損失とは、流体が配管を通る際に失うエネルギー量のことを指します。上図は常温の水が直線上のチューブを流れる際の1m当たりの圧力損失表です。

例えば製造現場にて大きく圧力損失が発生すると、循環している冷却水の流量や、クーラントの噴射量が低下してしまい、トラブルのもとになります。

圧力損失は、流体に粘性があったり、配管表面が粗かったりすると、失うエネルギー量は大きくなります。このことから、フレキシブルメタルホースを選ぶ際は、用途以外にも圧力損失を考慮する必要があります。

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