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フランジとは?種類・形状・規格・材質など詳しく解説

2023-11-06

フランジについて動画でも解説しています!
噛み砕いて解説しているので、ぜひ参考にしてください。

今回の記事では、フランジの種類・形状・規格・材質などの基礎知識についてご紹介します。

フランジには配管継手の一種であるフランジや、形鋼のフランジなどがありますが、今回は配管継手のものに焦点を当てて解説します。

フランジは、機械やプラントなどで管やバルブを繋ぐモノとして活用されています。しかし、フランジを正しく接合し、機能させるためには、規格や形状などの知識が必要です。

フランジとは?

フランジ(flange)とは、部材の端部を他の部材などに接合するためのツバのことを指します。基本的には円の形をしたモノになりますが、接合するための出っ張り部分をフランジと呼ぶケースが多いです。

フランジは、中央にパイプを通すための穴があり、ツバの部分にはボルト固定するための穴があります。

フランジの用途は、基本的に配管で多く使われています。これは配管を分解して、管のなかをメンテナンスしやすくするためや、組立を簡単にするためなどの理由で採用されています。

配管は流体を運ぶ役割をもちますが、流体が漏れないように接合しなければなりません。そのためフランジの接合面には、ガスケット(パッキン)でシールする場面が多くあります。また、フランジには内部にかかる圧力に耐えられる強度も必要です。

フランジの種類

フランジは管との接合方式の違いにより、さまざまな種類があります。

差込み溶接式フランジ(スリップオンフランジ)

差込み溶接式フランジ(スリップオンフランジ:記号SO)は、フランジ中央の穴に管を差し込み、フランジ上面と反対側の内径部分の2箇所で管を隅肉溶接するモノで、フランジの種類のなかでもポピュラーなタイプです。

差込み溶接式フランジは形状により、中央の穴の周りに縁がある「ハブフランジ(SOH)」と板状の「板フランジ(SOP)」に分かれています。

差込み溶接式フランジは、開先を設ける必要がなく、施工が簡単になるメリットがある一方で、強度面では劣るため高温配管には不向きです。

ソケット溶接式フランジ(ソケットウェルドフランジ)

ソケット溶接式フランジ(ソケットウェルドフランジ:記号SW)は、フランジ中央の穴に胴付部(段差)を設けているタイプです。管を胴付き部に当てるように差し込んでから、フランジ上面の管外側1箇所を隅肉溶接します。

上図のように、ソケット溶接式フランジ(SW)は、管の上面と内径部の2箇所に隅肉溶接する差し込み溶接式フランジ(SO)と異なり、フランジのシール面に悪影響を及ぼす心配がありません。

ソケット溶接式フランジは、小口径配管の接続の際に多く採用されています。一方で溶接箇所が少ない分、高温高圧配管には不適です。

突合せ溶接式フランジ(ウェルドネックフランジ)

突合せ溶接式フランジ(ウェルドネックフランジ:記号WN)は、管との突合せ部分に開先加工を施して、溶接をするタイプです。

突合せ溶接式フランジは、熱応力や振動に対する強度に優れており、高温高圧の用途に適しています。また、内面を平滑に仕上げられる点もメリットです。

遊合形フランジ(ルーズフランジ/ラップジョイント)

遊合形フランジ(ルーズフランジ/ラップジョイント:記号LJ)は、上図のように、ツバ付きの配管継手である「スタブエンド」と管を突合せ溶接し、スタブエンドのツバ部分をフランジの接合面に引っかけて使うタイプです。

スタブエンドはフランジに引っかけているだけなので、自由に回転できます。この特徴により、接合するフランジのボルト穴位置に合わせた位置調節が可能です。

遊合形フランジは、フランジと溶接できない管との接合や、低温低圧かつ危険のない環境下での配管に多く採用されています。

ねじ込み式フランジ(スレーデッドフランジ)

ねじ込み式フランジは、フランジ内径にテーパーめねじが施されており、テーパーおねじのある管をねじ込んで接合するタイプです。

ねじ込み式フランジは溶接を必要としないので、火気を利用できない場所に適しています。また、常温かつ定圧で危険性のない流体の用途にもぴったりです。しかし管とフランジはねじによる接合のため、シール性には乏しい特徴があります。

フランジの形状(RF・FF・MF・TG・RJ)

ここでは、フランジのガスケット面(接合面)の形状について解説します。フランジの形状は豊富にあり、用途や使うガスケットの種類によって、使い分けが必要です。

RF

RFとは「平面座」や「レイズドフェイス(Raised Face)」と呼ばれるモノで、ボルト穴の内側に平らな座面を設けたフランジのことです。フランジの形状のなかでは、最も採用されているシーンが多い種類になります。

RFは、ボルト穴の内側の近くに座面を設けている「大平面座」と、座面の面積が小さい「小平面座」に分類されます。

FF

FFとは「前面座」や「フラットフェイス(Flat Face)」と呼ばれるモノで、フランジの接合面全体を面一に仕上げたフランジの種類を指します。

一般的には管を通る流体の漏れがないように、パッキンと一緒に接合します。

MF

MFとは「はめ込み形」や「メールアンドフィメール(Male and Female)」と呼ばれるモノで、フランジの接合面を凸のあるオス「メール座(MF-M)」と、凹みのあるメス「フィメール座(MF-F)」により、互いをはめ込んで接合するタイプを指します。

MFのタイプは、フランジ同士の接合を正確に芯出ししたい際に活用されています。

TG

TGとは「溝形」や「タングアンドグルーブ(Tongue and Groove)」と呼ばれるモノで、平面座に溝を設けたモノと、平面座に凸を設けたモノではめ込んで接合するタイプです。

溝を設けたモノを「グルーブ座(TG-G)」、凸を設けたモノを「タング座(TG-T)」と呼びます。

TGは面圧を大きく取れることから、気密性が重視となる危険性流体や真空配管などに採用されています。

RJ

RJとは「リングジョイント(Ring Joint Face)」と呼ばれるモノで、フランジの接合面にリングジョイントガスケット用の溝を設けているタイプのことを指します。

リングジョイントガスケットは金属製で、溝を線接触していることからシール性に優れ、高温高圧に耐えられる性能を有しています。また、RJの形状はシール面が溝のなかにあり、露出しないことから、シール面の損傷が少ないというメリットがあります。

フランジの規格

日本で採用されているフランジの代表的な規格は、【JIS・JPI・ANSI】があります。

フランジは、フランジ同士だけでなく、バルブや流量計などにも接合するものです。そのため、接合し合う部材の互いの寸法に合うように、共通の規格に準じて製造されています。

JISフランジ規格

JISフランジ規格は、日本産業規格(Japanese Industrial Standards)が発行しているモノで、一般的なフランジに採用されることが多い規格です。

そのなかでも代表的なJIS規格フランジである「JIS B 2220:鋼製管フランジ」は、呼び圧(フランジの耐圧強度の種類)が5K~30K、呼び径(フランジの外径寸法の種類)が10~1500Aのモノを規定しています。

図面のフランジを指して、「JIS 10K」「JIS 20K」と省略して書かれている場合も多くあります。その場合は規格表を確認しながら、どのフランジを調達すべきかしっかり確認しましょう。

参考としてJISフランジ規格の代表的なものを以下にリストアップします。

・JIS B 2220:鋼製管フランジ

・JIS B 2239:鋳鉄製管フランジ

・JIS B 2240:銅合金製管フランジ

・JIS B 2241:アルミニウム合金製管フランジ

・JIS B 2290:真空装置用フランジ

・JIS B 2291:油圧用21MPa管フランジ

・JIS B 8602:冷媒用管フランジ

・JIS F 7804:船用5K銅合金管フランジ

・JIS F 7805:船用排ガス管用鋼製管フランジ

・JIS F 7806:船の280K及び350K油圧配管用差込み溶接式フランジ

JPIフランジ規格

JPIフランジ規格は、公益社団法人石油学会(The Japan Petroleum Institute)の規格で、石油工業用のフランジに採用される規格です。

JPIフランジ規格は「ANSI/ASME-B16.5規格」を参考にした規格で、多くの仕様がANSIと同等のモノとなっています。

JPIのフランジ規格には、以下のようなものがあります。

・JPI-7S-15-2011 石油工業用フランジ

・JPI-7S-43-2008 石油工業用大口径フランジ

・JPI-7S-73-2017 石油工業用オリフィスフランジ

・JPI-7S-74-2002 石油工業用アルミニウム合金製フランジ

ANSIフランジ規格

ANSIフランジ規格は、一般的にアメリカ規格協会(American National Standards Institute)から発行されている規格「ANSI/ASME-B16.5」のことを指します。規格名にあるASMEは、アメリカ機械学会(American Society of Mechanical Engineers)のことで、ASMEの承認も得ている規格となります。

ANSIフランジ規格は、JPIフランジ規格「JPI-7S-15:石油工業用フランジ」の基となる規格で、多くの寸法が同じ値を示します。しかし日本とアメリカでは配管の外径寸法が異なるため、一部の規格はフランジ内径の寸法が異なります。

また、フランジのガスケット面の仕上げも違いがあります。ANSIはセレーションを必要とし、JPIではセレーションが入りません。「セレーション」とは、ガスケット面に渦巻き状もしくは同心円状に細い溝を施した仕上げ面のことを指します。

ANSIのフランジ規格には、以下のようなものがあります。

・ASME-B16.5

・ASME-B16.47

・ASME-B16.36

フランジの材質種類一覧と選定

フランジの材質は、規格で決められたモノを使わなければなりません。

材質の選定の仕方は、規格にある「圧力-温度基準」の表の流体の温度と圧力の条件から呼び圧力を参照することで、適切な材質が決まります。

参考として、JISフランジ規格で採用されている材質の例を以下にリストアップします。

JIS B 2220:鋼製管フランジ

・炭素鋼

・低合金鋼

・ステンレス鋼

JIS B 2239:鋳鉄製管フランジ

・ねずみ鋳鉄

・球状黒鉛鋳鉄

・黒心可鍛鋳鉄

JIS B 2240:銅合金製管フランジ

・銅鋳物

JIS B 2241:アルミニウム合金製管フランジ

・アルミニウム合金

フランジの圧力-温度基準(P-Tレーティング)

「圧力-温度基準」および「P-Tレーティング」とは、流体の温度と最高使用圧力との関係から、適切な呼び圧力と材質を知ることができる規格表のことを指します。

フランジは、配管や流体の条件に応じて、適切な形状と材質を選ばなくてはいけません。流体が何℃のときに、どれだけの圧力まで使用できるかは「5K・10K~」などの記号で分類されており、これを「呼び圧力(レーティング)」と呼びます。

例えば「JIS B 2220:鋼製管フランジ」では、5K・10K・16K・20K・30K・40K・63Kが、圧力-温度基準で規定されています。

JPIフランジとANSIフランジに関しても呼び圧力が規定されており、こちらはKの記号ではなく「クラス150・クラス300~」のような分類がされています。

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