染谷 ひとみ
Mitsuri Media管理人
精密板金加工工場のインサイドセールスとして加工と寸法の提案をしてきた経験を経て、製造業の知見と楽しさを提供している。 幼少期からモノの構造を理解するのが好き。JAPAN MENSA会員。
建築業界から工場部品、作業台など、万能ともいえる汎用性をもつアングル材。
アングル材の万能性は、簡単にカット、溶接することで、線から面、面から立体へと組み立てていける所にあります。しかし、自由度が高く、どんなものにも使える一方で、数ミリのくるいもない正確な溶接技術が必要とされる資材でもあります。
今回の記事ではアングル材溶接方法とその用途について分かりやすく解説していきます。
アングル材の溶接は通常の板金溶接と同じく、カット、バリ取り、溶接のステップになります。ただ、アングル材の溶接はアングル材同士を組み合わせ、直角に溶接することが多いため、各工程での高い加工精度が求められます。
アングル材の表面によって適したものがそれぞれありますが、石筆かマーキングペンを用いることがほとんどです。
アングル材の材質、大きさにもよりますが、丸ノコが使われることが多いようです。枠などに使用するアングルは必要な角度をつけてカットすることもあります。この時、隙間があると、溶接にムラができ、強度が落ちてしまうため注意してください。切断するときには火花が散るため必ず、保護メガネ、マスクなどを忘れずに。
切断面のバリをグラインダーなどで削り落とします。バリがあることで、触った時にけがをしたり、溶接の精度が下がることもあります。
通常、アングル材の溶接は屋内で行うことが多いため、TIG溶接、被覆アーク溶接、半自動溶接、セルフシールド溶接などほとんどの溶接手段が利用できます。溶接方法は材質(鉄・アルミ・ステンレス)と必要な溶接面の大きさによって適したものを選びましょう。
溶接の熱により歪みが生じる場合があります。歪みが発生した場合、使用用途などによってはアングルを叩いて歪みを取ることもあります。Mitsuriではご依頼のあったアングル素材に適した溶接方法を取り、頼れる技術で溶接を行いますので製作物に歪みが発生することはほとんどありません。
参考:溶接歪みの原因について解説!修正法やそもそも歪みを出さない溶接法についてもご紹介!
アングル材の溶接は、特別な技術や設備を必要としない反面、要所で守るべきポイントをきちんと抑えなければ精度の高い製作物を作ることはできません。
カットしたアングル材を組み合わせて直角に溶接する場合、その精度はカットの精度に比例します。カット面の角度や寸法、カット後のバリ取りなどに注意してカットしなければなりません。
特に仮付けの手順を守らないと歪みの原因になります。例えば、アングル材を組み合わせ直角に溶接する際には、基本的には先に内側だけを溶接します。外側を溶接すると別の方向に力がかかり、歪みの原因になるからです。
小さなアングル材では特に注意しなくてはならないのが、アングル材が溶接によって熱を持ちすぎないように注意すること。熱を持ったまま溶接を続けると材料全体の温度が上がり、全体の形状が歪む原因となります。
大きさ、高さをミリ単位で調整できるため、小規模なご依頼ではもっとも多い製品です。アングル材を組み合わせた作業台の製作は正確な手順を踏むことさえできれば、製造に必要な設備も最低限で済みます。また、ステンレスを用いた作業台は飲食店の厨房などでもよく使用されています。こちらも、ミリ単位で大きさを調整するとことができるので、市販されている厨房器具と比べても優れた点となります。
照明器具、監視カメラなどを屋外に設置する際の台。高さ、角度を自由に調節することができるメリットがあります。また、塗装すれば屋外での耐久性にも優れています。
太いアングルを用いれば、数トンもあるタンクやコンテナを載せる架台も作ることができます。アングルに穴を空け、床に固定したり、そのままトラックに載せられるように部品を追加したりとアレンジも可能です。こちらも今あるタンクやコンテナの大きさに合わせて、いちから製作できるメリットがあります。また、近年空き地の有効活用方法として知られている太陽光パネルを載せる架台なども作ることができます。
ビル屋上などの配管を支える架台。数、サイズ、高さを合わせることができるメリットがあります。設置スペースがなく、市販品では間に合わない時に用いられます。
建築物の基礎をつくるとき、アングルを使ったフレームを用いて鉄筋をスピーディーに組みあげる「アングル架台工法」に用いるフレームもアングルを溶接して作ります。精度もそうですが、同じ形状のものを大量に製作する必要があります
アングル材の溶接自体は非常にシンプルです。カットする道具と溶接機さえあれば、ある程度の加工が可能です。しかし、アングルを用いた作業台など、歪みのない安全な製作物が必要な場合は、アングル加工に特化した技術を持った会社に依頼したほうが結果としてスピーディーに希望通りのものが手に入れられることがあるかもしれません。また、人力だけでは不可能な大型アングルを溶接するときには実績のある会社を探す必要があります。Mitsuriは、日本全国に協力企業が140社以上ございます。そのため、お客様にとって最適な素材の選択に加えて、大規模な加工や精密な加工など様々な加工を専門とする工場のご紹介も可能です。金属加工でお困りの際は、下の赤いボタンをクリックしてMitsuriまでお問い合わせください。
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