立形マシニングセンタとは?構造、用途、種類を解説

今回は立形マシニングセンタの構造や種類などについて解説します。

立形マシニングセンタは、主軸が地面に対して縦向きに取り付けられているマシニングセンタのことを指します。基本的な駆動軸はXYZの3軸で、構造や操作感はボール盤や汎用立てフライス盤と似ています。

立形マシニングセンタは、フライス・穴あけ・仕上げ加工などの幅広い加工に対応でき、汎用性に優れているほか、省スペースで導入しやすいことから、多くの加工業者に採用されています。

参考:マシニングセンタの基礎知識と導入メリットを解説

参考:自動工具交換装置(ATC)とは?ATCの種類と構造

立形マシニングセンタの構造と仕組み

引用元:モノタロウ マシニングセンタの基礎講座 マシニングセンタの基本的な構造

立形マシニングセンタの主な構成については上図の通りです。

以下に基本的な各部品の役割について解説します。

●テーブル:ワークを取り付けるための台。

●ベッド:重量物のワークにも対応できる、本体を支えるための台。テーブルのガイドとなる案内面が加工されており、テーブルがY軸方向に移動できる仕組みです。

●コラム:立形マシニングセンタの縦方向に伸びている部品。ベッドと統合されており、機器の支柱の役割を持ちます。

●サドル:コラムの前面に配置され、ラムと連結している部品。サドルはX軸方向に動作します。サドルを頑丈にすることで、切削時の振動を受け止められます。

●ラム:主軸ヘッドをZ軸方向に運動するための部品。

●主軸ヘッド:刃物工具を取り付けるための部品。

これらの構造は立形マシニングセンタの基本的な部品になりますが、製造メーカーやモデルによっては異なる場合があります。

立形マシニングセンタの用途

立形マシニングセンタは、金属部品の加工用途として幅広い産業で活用されています。特に自動車産業においては、部品の研削や穴あけ、ボディ部品の金型製造などで活躍します。

また、昨今のIoTの拡大により、半導体などの電子部品を精密加工する用途としても多く利用されています。

立形マシニングセンタのメリット

●図面と切削工具の向きが同じで、加工内容が分かりやすい

立形マシニングセンタは、主軸が地面に対して垂直に取り付けられていることから、ワークの上面を加工します。そのため、図面と切削工具の向きが同じで、加工内容が直感的に分かります。

●主軸が上下に動く構造のため、切削工具の刃先とワークの距離を把握しやすい

立形マシニングセンタは、横形マシニングセンタに比べて、主軸とワークの接近している距離が作業員の目線から判断しやすい特徴があります。

●他のマシニングセンタと比べて省スペース

立形マシニングセンタは、横形や門形マシニングセンタと比べて本体が小型のため、設置スペースが少なく済みます。

立形マシニングセンタのデメリット

●切粉が溜まりやすい

立形マシニングセンタは、ワークの上面から加工を施すため、切粉が排出されずに溜まりやすい傾向にあります。そのため、圧縮空気や潤滑油剤にて随時取り除く必要があります。もし切粉が溜まったまま加工を続けていると、加工不良の原因となる場合があります。

立形マシニングセンタの種類

立形マシニングセンタは主軸の規格サイズにより、大きく分けて30番・40番・50番の3種類のタイプがあります。これらは、主軸に差し込むシャンクの大きさのことを表しています。

30番

30番の主軸を搭載した立形マシニングセンタは、小型ツールを使用しており、セットが簡単に行えます。また、高速回転や高速送りが可能で、加工時間の短縮が期待できます。その他にも、本体がコンパクトで設置スペースが少なく済み、コストも安い傾向にあります。

ただしシャンクの保持力に乏しく、パワーを要する重切削には不向きです。

40番

40番の主軸を搭載した立形マシニングセンタは、中型のサイズでシャンクの保持力と重量のバランスがよく、汎用性に優れたタイプです。金型加工や自動車部品の加工で多く採用されています。

50番

50番の主軸を搭載した立形マシニングセンタは、大型の機器であることから、シャンクの保持力に優れており、重切削を得意とします。そのため、大型ワークの重切削にて多く採用されています。

 

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