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自動工具交換装置(ATC)とは?ATCの種類と構造

工具 | 2021年08月03日

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今回は自動工具交換装置の種類や構造について解説します。

マシニングセンタなどの工作機械の工具を、自動で交換できる装置を「自動工具交換装置」と呼びます。自動工具交換装置は、Automatic Tool Changerの略で「ATC」とも呼ばれています。

自動工具交換装置を利用することで、ワークをさまざまな加工を行う際に、作業員が工具を交換する手間を省くことが可能です。

自動工具交換装置(ATC)とは

引用元:大豊機工株式会社 ATC・マガジン・APC

自動工具交換装置(Automatic Tool Changer、ATC)とは、機械加工を数値制御(NC)して行う、マシニングセンタやターニングセンタに搭載されている、自動で工具を交換できる装置のことを指します。

製品を仕上げるには、平面加工・溝加工・穴あけ・タップ加工などのさまざまな加工を必要とします。これらの豊富な加工の種類に対応するためには、複数の工具を扱わなければなりません。自動工具交換装置を搭載していない工作機械は、手動で工具を変更しなけらばならず、人の手が必要になります。一方で自動工具交換装置を搭載している工作機械なら、工具の交換の手間がかからないので、人件費の削減や作業効率の改善が期待できます。

参考:【切削加工とは?】特徴・種類・注意点を動画と一緒にご紹介します!

参考:マシニングセンタの基礎知識と導入メリットを解説

自動工具交換装置(ATC)の種類と構造

自動工具交換装置は、「タレット式ATC」と「マガジン式ATC」の2種類があります。ここでは、タレット式ATCとマガジン式ATCの特徴や、メリットとデメリットについて解説します。

タレット式ATC

引用元:モノタロウ 2-1 自動化の仕組み:ATC(オートマチック ツール チェンジャ、自動工具交換装置)

タレット式ATCは、「ツールポット」と呼ばれる、工具を収納できる装置を搭載しており、ターニングセンタに搭載されていることが多いタイプです。

上図のように工具類が円周状に配置されており、プログラムで指令した工具が主軸の位置まで移動して、工具を自動的に交換できる仕組みです。

タレット式ATCは工具の交換にロボットアームを使用しないため、スピーディーに工具交換を行える点がメリットです。

一方デメリットは、工具を多く収納したい場合に、ツールポットの円周が長くて大きなものを必要とします。また、工作機械によっては円周状に配置を行う仕組み上、工具を装着する際に工具同士が干渉してしまう点もデメリットです。

タレット式ATCはこれらの特徴から、複雑な加工を必要としない製品かつ、スピーディーな加工を必要とする小品種大量生産を得意とします。

マガジン式ATC

引用元:モノタロウ 2-1 自動化の仕組み:ATC(オートマチック ツール チェンジャ、自動工具交換装置)

マガジン式ATCは、工具を「工具マガジン(ツールマガジン)」に装着し、チェンジアームを使って主軸に取り付けるタイプです。

工具マガジンの工具収納数が多いほど、対応できる加工も多くなり、連続加工が可能です。工具の収納数は、多いもので数100本以上装着できるものもあります。

チェンジアームは、主軸に装着されている工具と、工具マガジンの交換位置にある工具を入れ替える役割を持ちます。

マガジン式ATCは工具を複数収納できる点がメリットです。複数種類の工具を搭載させることで段取り替えの時間を短縮でき、1台の工作機械で幅広い加工を実現します。工具を収納するスペースも広いため、サイズの大きい工具も収納しやすい特徴があります。

しかし、チェンジアームを介して工具を交換するため、タレット式ATCに比べて工具交換に時間がかかる点はデメリットです。また、設置スペースも確保する必要があるほか、工具が多い分、管理も大変になります。

マガジン式ATCは、豊富な工具を使い分けやすいことから、多品種少量生産に適しています。また、搭載する工具の制限が少ないことから、重切削を行う場合にもぴったりです。

自動工具交換装置(ATC)のアームの構造

主軸に装着されている工具と、工具マガジンの交換位置にある工具を入れ替える役割を持つチェンジアームには、「フォークアーム」と「スイングアーム」の2種類があります。ここでは、各種チェンジアームの構造と特徴について見てみましょう。


フォークタイプアーム

引用元:工作機械設計.com スイングアームとフォークアームの違いと使い分け


引用元:工作機械設計.com ATCアームの構造(メカロックと油圧アシスト機構)

フォークタイプアームは、スライド動作で工具をつかむタイプで、マガジンと主軸の距離が比較的遠い場合に用います。

フォークタイプアームのメリットは、重量のある工具やモーメント負荷の大きな工具に対しても交換が可能な点です。

デメリットは、スイングアームに比べて工具の交換時間がかかる点にあります。

スイングタイプアーム

引用元:工作機械設計.com スイングアームとフォークアームの違いと使い分け


引用元:工作機械設計.com ATCアームの構造(メカロックと油圧アシスト機構)

スイングタイプアームは、旋回動作で工具をつかむタイプで、マガジンと主軸が比較的近距離な場合に用います。

スイングタイプアームのメリットは、スピーディーに工具交換が可能な点です。

デメリットは、重量のある工具に対しては不向きな点にあります。

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この記事を書いた人
株式会社Catallaxy

株式会社Catallaxyは "未来の製造業をつくる" をミッションに掲げ、製造業における従来のサプライチェーン/バリューチェーンの刷新を目指しています。記事内容に関するお問い合わせはこちらへ。

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