染谷 ひとみ
Mitsuri Media管理人
精密板金加工工場のインサイドセールスとして加工と寸法の提案をしてきた経験を経て、製造業の知見と楽しさを提供している。 幼少期からモノの構造を理解するのが好き。JAPAN MENSA会員。
今回は、SGCCの特徴や板厚、各種性質、SECCやSGHCとの違いなどについて解説します。
SGCCは、溶融亜鉛めっき鋼板のことで、トタン板とも呼ばれる材料です。溶融亜鉛めっきを施していることで優れた耐食性を有しており、主に屋根板などの雨風にさらされるようなものに採用されています。
参考:亜鉛メッキ鋼板について専門家が解説!特徴や用途についてご紹介!
SGCCは、冷延原板から製造された溶融亜鉛めっき鋼板です。
【JIS G 3302:2019 溶融亜鉛めっき鋼板及び鋼帯】に規定されている11種類の冷延原板の溶融亜鉛めっき鋼板のなかで唯一、一般用の用途として適用されている鋼板です。
SGCCは、溶融亜鉛めっきを施した鋼板のため、膜厚があり、耐食性に優れています。
SGCCは、その耐食性の高さから、雨風にさらされる雨どい、看板、屋根板、自動車、金属筺体製品などの用途で採用されています。
SGCCの板・コイル・波板の適用する表示厚さ(めっき前の原板厚さ)は、【JIS G 3302:2019 溶融亜鉛めっき鋼板及び鋼帯】より、0.19mm以上3.2mm以下の値になります。
SGCCは溶かした亜鉛のなかに鋼板を浸してめっきするのに対し、SECCは電気を用いて亜鉛めっきを施しています。SECCは、めっき層が薄くて均一なため、外観が比較的美しく、塗装がしやすい特徴があります。一方でSGCCは、めっき層が厚く、耐食性に優れているため、塗装せずに使用されることが多い材料です。SECCとSGCCは、どちらもSPCC(冷間圧延鋼板)を母材としており、材料特性は同等の値になります。SPCCは一般的な鋼板ですが、そのままでは錆びてしまうので、めっきや塗装処理を必要とします。
SGHCは、SGCCと同じ溶融亜鉛めっき鋼板かつ、JIS G 3302にて一般用に扱われているものになりますが、SGCCと違い熱延原板から作られています。また、SGHCの適用する表示厚さは、1.6mm以上6.0mm以下と、SGCCよりも厚みがあります。
参考:電気亜鉛めっきとは【3分でわかる】専門家がわかりやすく解説します!
参考:ボンデ鋼板(SECC)とは?特殊加工による錆止め効果!メリット・用途を解説!
ここでは【JIS G 3302:2019 溶融亜鉛めっき鋼板及び鋼帯】に規定されている、各種性質について紹介します。
<SGCCの化学的性質(単位:%)>
引用元:JIS G 3302:2019 溶融亜鉛めっき鋼板及び鋼帯
SGCCの物理的性質については、JIS G 3302:2019より規定がありません。
<SGCCの機械的性質>
(a):非合金化めっきに適用し、合金化めっきには適用しない。
(b):表示厚さ0.25mm未満については、引張試験特性を適用しない。
(c):波板に使用する場合、曲げ性は適用しない。
非合金化めっきの板、コイル及び波板の曲げ性は、JIS G 3302の曲げ試験を行い、試験片の外側表面(試験片の幅の両端からそれぞれ7mm以上内側の部分)に、肉眼で認められる素地のき裂及び破断を生じてはならない。
引用元:JIS G 3302:2019 溶融亜鉛めっき鋼板及び鋼帯
<SGCCの引張試験特性>
※SGCCでは、降伏点又は耐力として205N/mm2以上、引張強さとして270N/mm2以上が使われることがある。
引用元:JIS G 3302:2019 溶融亜鉛めっき鋼板及び鋼帯
<化学成分(単位:%)>
引用元:JIS G 3302:2019 溶融亜鉛めっき鋼板及び鋼帯
<めっき浴成分(単位:%)>
(a):意図的に添加した元素の合計。
(b):不可避的に混入した元素を含むことがある。
引用元:JIS G 3302:2019 溶融亜鉛めっき鋼板及び鋼帯
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