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QCサークル活動とは?品質の向上をめざす取り組み

2025-01-13

更新

この記事を監修した人

金属加工業界最大級のマッチングプラットフォーム「Mitsuri」を手掛ける企業。
「未来の製造業をつくる」をモットーに、製造業DXを推進している。

QCサークル活動とは、品質の向上を目指す取り組みで、日本においては1962年ごろから広く活用されています。「QC」とはQuality Control(品質管理)に由来しています。QCサークル活動では、全従業員をQCサークルという小規模のグループに分け、品質の改善を図ることで、品質の向上を目指します。

製造業の品質向上とは?

製造業における品質には、「製品の品質」や「業務の品質」が挙げられます。

製品の品質について、ISO9000シリーズでは以下のように定義されています。

「本来備わっている特性が要求事項を満たしている程度」

引用元:ISO9000「3.1.1品質(quality)」

製品の加工精度や、スループット、歩留まりなどが指標となり、最終的には製品を使用する顧客の満足度によって評価されます。

業務の品質は、仕事の生産性、効率性、職場の環境などが指標となります。誰が業務を行っても品質が同じでバラツキがないように、業務プロセスを改善していくことが目的です。

製品や業務の品質を向上するために、ISO9000シリーズなどの品質マネジメントシステムが広く利用されています。この手法は、品質マネジメントシステムを構築した上で、改善を図っていくという「トップダウン」型の手法で、顧客の満足を目指して、品質の継続的な改善を図ります。

参考:【ISO認証とは?】メリット・デメリットも合わせて分かりやすく解説

同じく、品質を向上する取り組みとして「QAサークル活動」があります。こちらは従業員が主体となって行う取り組みで、「ボトムアップ」型の手法となります。

QCサークル活動とは?

前述した通り、QCサークル活動とは、品質向上を達成するための取り組みです。QCサークル活動では、全従業員をQCサークルという小規模のグループに分け、品質の改善を図ることで、品質の向上につなげます。

QCサークル活動の目的

QCサークル活動の目的は、品質第一の生産、顧客及び従業員の満足度の向上、さらに生産工程、納期、コストなどの面における改善を行い、品質向上を目指すことです。

QCサークル活動のメリット

QCサークル活動のメリットには、次のような点が挙げられます。

●現状の可視化:QCサークル活動では改善する点について、データを集め数値化、グラフ化した後、分析を行います。問題点について定量的に分析することで、何が問題なのかがより明確になり、従業員が現在の社内の状況を客観的に把握することが可能となります。

●従業員のモチベーションの向上:従業員満足度向上がQCサークル活動の目的に含まれていること、また、従業員自らが主体となって活動を行うことから、社員のモチベーションのアップにつながります。

●社内での情報共有:社内全体で活動を行うことによって、情報の共有も可能となります。

QCサークル活動の実際の進め方・手順

QCサークル活動では、基本的には同じ職場の中から少人数のグループを作り、グループ内で次のような手順で行っていきます。

①テーマの選定

現状の問題点から、改善を行う対象(テーマ)を決定します。進め方は、問題点の洗い出し→問題点の評価及び絞り込み→テーマ決定となります。問題点の洗い出しでは、例えば、製造業の生産ラインにおいては、不良率や設備効率などについて会社の生産ラインの目標値と現状の実績と比べると、どの項目で目標に達していないかがより明確となります。次に、問題点の絞り込みに当たっては、重要性、緊急性、費用、効果の総合的な観点から問題点について評価後、絞り込みを行い、その上でテーマを選定します。

②現状の把握・目標設定

テーマを選定した後は、問題点についてデータを収集し、整理することで、現状についての詳しい状態や傾向を把握します。その上で、何をいつまでにどれだけ改善するかという目標を決めていきます。データ収集においては、層別という手法がよく用いられます。層別とは、データを人、システム、手順、モノ、環境、時間などの要因ごとにグループ分けを行い、整理する方法です。

また、データを収集した後は、グラフ化することで、問題点の絞り込みが容易になります。グラフには、「パレート図」がよく用いられます。パレート図は、棒グラフと折れ線グラフで表され、ある影響の度合いや問題の大きさを示すのに用いられます。下図に、不良率についてのパレート図を例として示しました。棒グラフでは、不良の発生要因を発生回数の多い順に並べ、折れ線グラフで各要因の累積発生比率を記しています。このようなグラフから、どの問題を優先的に解決すべきかを見つけ、目標の設定を行います。

<パレート図の例>

③活動計画の作成

活動計画では、具体的な活動スケジュール及び主担当者を決定していきます。

④原因の分析

問題について原因の洗い出しを行い、推定される原因の検証を行います。原因の整理には、「特性要因図」が利用されます。特性要因図とは、ある問題に対してどのような要因が影響を及ぼしているかを洗い出して矢印でつないだものです。

通常、下図のように、4M(Man:人、Machine:機械、Method:方法、Material:材料)の観点から、問題の背景にある要因を示すことで、より系統的に整理していきます。ここで特定された推定原因について、散布図、折れ線グラフ、棒グラフなどのグラフを用いて、原因をより精密に分析、検証します。

<特性要因図の例>

引用元:株式会社 産業革新研究所

⑤対策の立案と実施

原因が特定されたら、それに応じた対策の立案を行います。対策の立案には、「系統図」が役に立ちます。系統図は、目的と方策を段階的に展開し、図に表わすことによって、最適な対策(手段)を見出す手法として用いられます。系統図では、下図に示したように、目的を達成するための手段を追求し、対策案を立てていきます。対策の実施にあたっては、実施計画を作成し、スケジュール及び担当者を明確にした上で行います。

<系統図の考え方>

引用元:日本アイアール株式会社

⑥効果の確認

対策の効果を測定し、問題点が改善したかどうか評価を行います。

⑦標準化と管理の定着

効果が確認された場合には、改善を定着させるために工程表、作業要領書などに反映し、標準化(ルール化)を行います。さらに、結果のフォローも行うことで、改善を確実に定着させていきます。

⑧反省・今後に向けて

最後に、メンバー全員で反省点について話し合いを行い、達成しきれなかった課題を挙げ、次回以降の活動につなげます。

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