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【ISO認証とは?】メリット・デメリットも合わせて分かりやすく解説

2024-09-18

更新

この記事を監修した人

染谷 ひとみ

Mitsuri Media管理人

精密板金加工工場のインサイドセールスとして加工と寸法の提案をしてきた経験を経て、製造業の知見と楽しさを提供している。 幼少期からモノの構造を理解するのが好き。JAPAN MENSA会員。

日本に住んでいれば、誰もが見たことがある非常口の緑のマーク。

実は世界共通なことは知っていましたか?

アメリカでも中国でもフランスでも、世界のどこに行っても、あの緑のマークは見かけることができるんです。

その他にも、クレジットカードの大きさやA4やB5などの用紙サイズも世界共通なんですよ。

では、なぜどの国でも同じにできるのか。

それは、「ISO」という世界共通の規格で国際的に定められているからなんです。

今回は、そのISO認証についての知識を、わかりやすく説明していきましょう。

ISOの役割

ISOとは、国際的な工業製品を国際標準で定めるための機関です。

つまり、生活する上での重要なものは、国が変わっても同じになるようにしましょうと話し合う機関ですね。

紙の大きさが違えば、国をまたいだ取引がスムーズに行えません。

海外旅行において、宿泊先のホテルで火事が起きてしまった時などに、逃げようにも、非常口のマークが違って、どこに逃げたらいいか分からない、なんてことになったら、命に関わる事態です。

そんな事態に陥らないためにも、生活に関わる大事なことは、世界共通の規格をもっているのです。

PDCA

ISOの役割は製品の規格を揃えるだけではありません。

商品の品質を保ったり、自然環境を守ったりとさまざまです。

品質を維持する場合や環境を守る場合、目的に応じて、システムのルールを作っていくこともISOの任務の一つなのです。

そのため、ISOでは「PDCA」というISOシステムを構築することが重要視されています。

引用元:AIMS

PDCA

  • P・・・Plan(計画する)
  • D・・・Do(実施する)
  • C・・・Check(検証する)
  • A・・・Action(改善する)

この4つの項目の『PDCA』を回していくことで、手順やルールを明確に定め、会社のシステムをより良くしていきます。

ルール通りに業務を行うことで、問題はないか、もっと良いルールはないかを随時確認し、継続的に改善していくのです。

ISO認証取得のメリット

では、ISOの認証が得られると、どんなメリットがあるのでしょうか。

実は、あまり多くはないのですが、大事なことばかりなので、見ていきましょう。

信頼を得やすくなる

ISOに認証されると、その事実を外部に公表できるため、顧客の信頼を得やすくなります。

顧客とは個人のお客さんに対してのほかに、会社同士の取引相手のことも含まれます。

取引先の相手から信用を得ることは、とても重要です。

それだけでもISO認証を取得する価値がありますね。

ただし、ISO認証はあくまで認証を受けるだけで、必ずしも不良品が出なくなったり問題点がなくなったりするわけではありません。

不良品が出ないようにしたり、問題を解決するのは会社であり、その会社の社風や、勤めている社員の人間性にもかかっています。

取得していても、誤表示や偽装問題を起こした会社もあります。

組織のシステムが確立しやすくなる

ISO認証では、サービスや商品の質を保てるように作業手順の明確化を行います。

入れ替わりが多い仕事であっても、品質が維持できなければ、売り上げを安定させることができません。

組織のシステムを確立し、それを明確にすることで、誰が仕事をしても効率よく安定した業務を可能にします。

責任と権限が明確になる

ニュース番組で不正や過失が起きた時、責任者がうやむやで問題になっていることが、たびたび見られます。

責任の所在を明確にせず、部下に責任を押し付けるといった行為は、今の時代でもどこに行ってもあるのが現状です。

ISO認証は業務の責任・権限を明確にすることで、社員の不信感をなくし、問題が起きても解決しやすくします。

組織全体を管理・把握し、システムに沿って業務を行えるようになるため、スムーズな仕事ができるようになるのです。

ISO認証取得のデメリット

とりあえず取っておいて問題ないと思われがちなISO認証ですが、意外にもデメリットが生じてしまうことがあります。

目的をしっかり持たないとデメリットが先行し、会社にとっても社員にとっても負担ばかりになってしまいます。

デメリットの具体例

  • マニュアルや書類を作成する手間が増える
  • ISOを取得しても、効果が出るには2~3年かかる
  • たびたび改善や改変があるので、その都度対応するのが手間
  • 理想が高すぎる改善を求めて、逆に社員のやる気が損なわれてしまう

また、会社の信用を得るために、ただ単に認証を得たいだけというケースもあります。

ISO認証は高校受験や大学受験と同じで、取った後が重要になってきます。

取得を目的とするのではなく、取得してからどうするのかというはっきりとした目的を持って、ISOの認証を得るようにしたいですね。

ISO認証の種類

ISO規格はいくつかの種類に分かれており、 9001や27001といった数字で表されています。

その様々あるISO規格の種類について、一つ一つ説明していきましょう。

ISO 9001 品質マネジメントシステム

製品やサービスの質を保ち、より良くしようとすることを目的としています。

良い製品をつくることや不良品を出さないように改善をするだけでなく、顧客の満足度を上げることも主な目的としています。

また、作業の効率や手順を定めることによって、社内の誰が商品を作っても、同じ品質を維持できるようにもします。

特定の社員が会社を辞めてしまったために、商品のクオリティが落ちてしまった。とあれば、会社の利益が下がってしまいます。

ISO 14001 環境マネジメントシステム

良い自然環境の維持を目的としたシステムです。環境に悪影響があれば、それを解決するシステムを構築します。

環境に配慮した廃棄物の処理、環境に悪影響を出さないシステムを作ることを求めています。

環境に配慮となると、車で言えば排気ガスを極力出さないようにしたり、なるべくオフィスの電気をつけっぱなしにしないなどがあげられます。

環境マネジメントシステムを取り入れることによって、自然環境の維持に貢献し、社会的信頼を得ることができます。

ISO 22000・FSSC 22000 食品安全マネジメントシステム

食品の安全を保持するためのシステムですね。

食品に関することで、近年大きな事件になったことに、マクドナルドの異物混入があげられるでしょうか。

ニュースでは、工場の中が汚物でまみれていたり、作業の工程に問題があったりなどの映像が報道され、大変でしたね。

現場を管理・改善し、食の安全を守ることは、飲食業では必要不可欠でしょう。

ISO 27001 情報セキュリティマネジメントシステム

企業の情報漏洩を防ぐことを目的としています。

会社の大事な機密情報が外部に漏れたり、ましてやハッキングなんてされたら堪りません。そういった事故や事件が起きないように、機密を守っていくためのシステムです。

また、情報を分かりやすく管理することで、作業の効率を上げ、適切に業務を行うことも目的としています。

データが見づらかったり、資料がどこにあるか分からなかったりなど、作業のスピードが落ちたり業務に支障が出てないように、しっかりとルールを定めましょう。

ISO 39001 道路交通安全マネジメントシステム

毎年多くの死傷者を出し、毎日のように起こる交通事故。これを少しでも減らそうと取り組む企業に与えられる認証です。

交通事故が起きれば、本人や家族が悲しむのはもちろんのこと、企業でも多大な損失が発生してしまいます。

そんな被害を少しでも抑えるべく、交通事故防止に先んじてISO 39001の取得を目指す企業が増えています。

事故はどうしても起きてしまう場合もありますが、少しでも軽減できるよう対策をしていきたいものです。

ISO 22301 事業継続マネジメントシステム

会社が災害にみまわれた際でも、事業の継続は画策しなければなりません。

日本は、地震・津波・豪雨といった自然災害が多い国です。会社の存続のためにも災害に対する対策は必要と言えましょう。

特に東日本大震災で大きな被害を出して以降、自然災害から耐えられるように何らかの対策をとる企業が増えてきました。

それに伴い、ISO 22301を取得する企業も増えていくのではないかと思われます。

ISO 45001 労働安全マネジメントシステム

近年よく訴えられている、職場環境の改善・構築を主にした認証システムです。

事故・労災・病気の予防など労働安全衛生の向上などを目的としています。

今の時代になって、過労や事故が原因で、労働者や家族が企業を訴えるケースが増えてきました。

ひとたびそんな事態が起きれば、顧客、社員、取引先などから一瞬にして信頼を失い、管理者・経営者は責任が問われ、企業は社会的批判や裁判による制裁を受ける事になるでしょう。    

そうならないように、普段から労働者が安全・快適に働けるよう職場環境を整えることが重要です。

せっかくニュースや新聞で取り上げられるらなら、いいニュースであってほしいですよね。

ISO認証についてのまとめ

今回の記事では、ISO認証について理解を深めていきました。

少しでも参考になりましたでしょうか。

ISO認証を取得といっても、難しくとらえる必要はありません。

出来ることから始め、少しずつシステムを構築し、

作業効率や手順を改善・向上させていきましょう。

そして、企業競争力の強化を図り、社会的な信頼を高めていくのです。

 

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