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パンチングプレートを徹底解説!種類や材質や呼び方について専門家が解説!

この記事を監修した人

染谷 ひとみ

Mitsuri Media管理人

精密板金加工工場のインサイドセールスとして加工と寸法の提案をしてきた経験を経て、製造業の知見と楽しさを提供している。 幼少期からモノの構造を理解するのが好き。JAPAN MENSA会員。

パンチングプレートは、穴を開けた板状の金属材料のことです。

パンチングメタルとも呼びます。

しかし、パンチングプレートが何かも知らない方や、知ってはいるものの、どのような穴の種類があって、どんな材質のものがあるのか分からない方も多いことでしょう。自社で使用するときの参考に、どんな用途があるのかを知りたい方もいるかも知れません。

そこでこの記事では、パンチングプレートの概要から多種多様な穴の種類や材質まで解説していきます。また、用途と加工事例も併せてご紹介しますので、パンチングプレートの選定や加工の参考にしてください。

 

パンチングプレートとは

パンチングプレートとは、パンチングプレスによって穴を開けた板状の金属材料のことで、パンチングメタルとも言われます。

パンチングプレスは、パンチとダイという金型で材料を打ち抜くプレス機械です。打ち抜き加工は、主にNC制御(数値制御)によって行うため、規則的な位置に穴を開けることができます。また、金型を選定または製作することで様々な形状の穴を開けることが可能です。

参考:タレパン】タレットパンチプレスの仕組みや特徴について詳しくご紹介!!

パンチングプレートの穴の種類

パンチングプレートの穴の形状は、下図の「丸穴」「角穴」「長丸穴」「長角穴」が代表的です。

引用元:阪倉金網株式会社

穴の形状にはこのほか、ダイヤ形や菱形、六角形の形状をしたものや、丸十穴などの丸穴と十字穴を交互に配列したものなどがあります。さらに近年では、プレス機械の複雑な制御がコンピュータでできるため、任意の形状の穴を開けることが可能です。

穴の形状について述べましたが、穴径や穴ピッチ、穴の配列パターンもパンチングプレートの穴の種類を決定する要素です。

穴径は丸穴の直径のことで、Φ5といった表記で直径5mmの丸穴が開いていることを表します。また、穴ピッチは、P10と表記して穴と穴の中心間隔が10mmであることを表します。

一方、穴の代表的な配列には、下図の「60度千鳥」「45度千鳥」「並列」の3種類が挙げられます。

引用元:松陽産業株式会社

「60度千鳥」といった名称は、図のように1段下の穴との角度と、互い違いであることを意味する工業用語「千鳥」から来ています。

穴の配列はこのほか、同形状の異なる穴径の丸穴を配置したり、異なる形状の穴を配置したりするなどの多様な配置があります。しかし、穴の形状と同じく、穴の配列もまた任意にデザインすることが可能となっています。

パンチングプレートにとって、上述した穴の形状、穴径、穴ピッチ、穴の配列によって決まる開口率も忘れていはいけません。開口率は、プレート面積における穴を開けた部分が占める割合をパーセントで表したものです。開口率が大きいほど、金属部分が少なくなるので、当然強度は弱くなってしまいます。

パンチングプレートの材質について

パンチングプレートの材質は、鋼、ステンレス、アルミ、銅、真鍮、チタンなど多種にわたります。しかし、一般的には鋼やステンレス、アルミを材料とすることが多いようです。

パンチングプレートの主な材質…鋼、ステンレス、アルミ

鋼板では、冷延・熱延鋼板や高張力鋼板、表面に防サビ加工を施した亜鉛メッキ鋼板、ポリ塩化ビニール樹脂をコーディングした塩ビ鋼板など、表面処理済みの鋼板も対象となっています。

また、ステンレスではSUS304やSUS430、アルミではA1050やA1100が多く使われています。

パンチングプレートの定尺について

金属材料の定尺とは、市場に流通している、つまり既製品として販売されている材料のサイズ・寸法のことです。注文品でないパンチングプレートの多くがこの定尺寸法で販売されています。

定尺は材質によって異なりますが、パンチングプレートでよく用いられる鋼、ステンレス、アルミについては、以下のサイズの定尺材を見つけることができるでしょう。

  • 914 mm ✕ 1829 mm
  • 1219 mm ✕ 2438 mm
  • 1524 mm ✕ 2438 mm
  • 1524 mm ✕ 3048 mm
  • 1524 mm ✕ 6096 mm

ステンレス

  • 1000 mm ✕ 2000 mm
  • 1219 mm ✕ 2438 mm

アルミ

  • 1000 mm ✕ 2000 mm
  • 1250 mm ✕ 2500 mm

なお、板厚については、メーカーや販売店によってばらつきがありますが、鋼だと0.5~6.0 mm、ステンレスだと0.3~3.0 mm、アルミだと0.5~3.0 mm厚さのパンチングプレートがよく販売されています。

パンチングプレートはどんなところに使われているか

パンチングプレートは、単なるプレートにはない、より優れた以下のような特徴・機能を持つため、建築物から家電製品まで様々な用途があります。

パンチングプレートの特徴・機能

  • 軽量
  • 採光
  • 通気/通風
  • 通水
  • 装飾/デザイン
  • 濾過
  • 滑り止め

建材としては、その軽量性や通気性から、壁材や天井材、間仕切などに使われています。また、通風性や採光性に加え、装飾やデザイン性を活かした形で、門扉やフェンス、エクステリアなどにも使用されています。

パンチングプレートは、穴を微細にすることで、フィルターのほか、電子機器や家電製品のメッシュカバーとしても使われています。通気や水切り、滑り止めの役割もできるため、側溝の蓋や床材などの用途もあります。

そのほか、パンチングプレートは、防音壁に用いられ、吸音材の効果を高めるとともに保護・支持材としての役割も果たしています。また、暖房器具では、熱を放射・拡散できる安全のための仕切り板として用いられています。

パンチングプレートの加工事例

下の写真は既製品として販売されているもので、材質はSUS304、厚さは0.6mm、丸穴でΦ6✕P9、配列は60度千鳥のパンチングプレートです。

引用元:モノタロウ

下の写真は、穴径の異なる丸穴を配列したパンチングプレートで、高いデザイン性を持つため、店舗什器用として用いられています。

引用元:三和打抜工業株式会社

次の写真のパンチングプレートは、高耐食性メッキ鋼板を加工してビルの軒天に使用したもので、耐久性・通気性・意匠性を同時に満足しています。

引用元:株式会社ウチヌキ

下の写真は、パンチングプレートを筒状に2次加工したもので、穴を微細にすることでオイルフィルターとしての機能を発揮させています。

引用元:パンチングワールド

下の写真は、公園やアミューズメント施設のゴミ箱を用途として製作されたものですが、このような装飾性の高い加工もパンチングプレスで可能となっています。

引用元:松陽産業株式会社

まとめ

以上、パンチングプレートの概要や種類、材質や用途について解説しました。パンチングプレートは、プレス機械によって穴を開けた板金のことです。その種類は、丸や角といった穴の形状と穴径、穴ピッチ、穴の配列によって千差万別です。

その素材には、鋼やステンレス、アルミを使用することが多いですが、チタンのパンチングプレートもあるように特に制限はありません。

幅広い用途があり、通気性や採光性などの穴に由来する性質を活かした建材や防音壁、フィルターや家電製品など、多様に用いられています。

パンチングプレートへの加工は、板が厚いほど、穴が微細になるほど難しくなります。しかし、Mitsuriなら加工事例でご紹介したような加工にも対応できます。

Mitsuriの協力工場は全国に350社以上あり、多数のパンチング加工の実績があるため、安心してご依頼ください。素材の選択のご相談に加えて、パンチング加工が得意な工場のご紹介も可能です。

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