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アルミプレート加工を徹底解説!板厚、公差、加工事例までご紹介!
2023-11-07
アルミプレートは、アルミ板とも呼ばれ、私たちの身近なところにおいても幅広い用途で使用されています。ただし、アルミプレートと言っても、その種類は多岐に渡り、さらに使用されている板厚もさまざまです。
今回は、そんなアルミプレートについて、その特徴や代表的な種類や板厚に加えて、アルミプレート加工における寸法公差についても説明していきます。また、最後にアルミプレートの曲げ・切断・パンチングプレートの加工事例についても、加工方法の解説とともにご紹介します。
アルミプレートの加工についてさらに知識を深めたい方や、アルミプレートの加工でお悩みの方は、ぜひご一読ください。
アルミの素材の特徴
アルミの素材の特徴としては、比重が軽いこと、優れた加工性・耐食性・熱伝導性を持つことなどが挙げられます。比重や熱伝導性については、鉄と比較すると、比重は鉄の約1/3、熱伝導率は鉄の約3倍となっています。特に、アルミプレートは、その軽さや加工のしやすさから、DIYにも適しており、最近ではホームセンターでアルミ板を購入して、家庭内でアルミケースなどの製作を行う人も増えています。
アルミプレートの種類
アルミは一般的に合金として使用されることが多く、その含有されている金属によって、次のように、1000番台〜8000番台までに分類されます。
アルミ合金の種類・1000番台:純アルミ・2000番台:アルミ-銅合金・3000番台:アルミ-マンガン合金・4000番台:アルミ-ケイ素合金・5000番台:アルミ-マグネシウム合金・6000番台:アルミ-マグネシウム-ケイ素合金・7000番台:アルミ-亜鉛-マグネシウム合金・8000番台:アルミ-リチウム合金
ここでは、その中でもより代表的なアルミプレートの種類について、その特徴とともにご紹介していきます。
A1050
1000番手系であるA1050は、純度が99.5%以上の純アルミの材質となっています。アルミプレートの中でも最も使用されている材料で、サイズ展開も豊富です。特徴としては、強度は低いものの、成形性、溶接性、耐食性、加工性が良好で、中でも耐食性はアルミ合金の中で最も優れています。
A1100
A1100も1000番手系で、純度が99%以上の純アルミ材ですが、その他の1000番手系の材質とは異なり、A1100には微量の銅が添加されています。強度は比較的低いですが、成形性、溶接性、耐食性に優れるという特徴を持っています。
A2017
2000番手系であるA2017は、ジュラルミンとも呼ばれ、アルミに銅や少量のマグネシウムを添加し、強度が非常に高い材質となっています。一方、強度が高い分、加工性は低く、また溶接性や耐食性も他のアルミ合金と比ベて若干劣ります。
A5052
5000番手系であるA5052は、アルミにマグネシウムなどを添加したアルミ合金です。中程度の強度を持ち、アルミ合金プレートの中でも、最も代表的な材料となっています。耐食性、溶接性、成形性、加工性などに優れ、加工や工作に向いています。また、耐海水性も有しています。
A6061
6000番手系であるA6061は、アルミにシリコンやマグネシウムを添加したアルミ合金を指します。強度と耐食性に優れ、バランスのとれた材質となっています。
参考記事こちらの記事では、アルミ板の種類についてさらに詳しく解説しています。ご興味のある方は、ぜひご覧ください。⇒アルミ板の種類と板厚が丸わかり! 買うべき板が見つかります
アルミプレートの板厚
次に、前述したアルミプレートの代表的な材質について、一般的な板厚および用途を見ていきましょう。以下の表にまとめました。
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材質によって、一般的に利用されている板厚が異なることが分かります。また、用途もさまざまで、アルミプレートが幅広い用途で利用されているということが理解できます。
Mitsuriは、こちらでご紹介したような、さまざまな材質・板厚のアルミプレートの加工を依頼できる多数のメーカーと提携しています。お気軽にお問い合わせください。
アルミプレート加工における寸法公差
ここでは、アルミプレート加工における寸法公差とは何か解説していきます。
寸法公差とは
設計においては図面に寸法を記しますが、実際に加工を行う際には、記された寸法と全く同じ寸法に仕上げることは非常に難しくなります。そのため、寸法に応じて実際の寸法として許容される最大値と最小値が定められており、その最大値と最小値の差を「寸法公差」と言います。規格品のアルミプレートの場合でも、寸法公差が記載されて販売されています。通常、板厚の寸法公差は板厚が薄いほど厳しい公差となっています。
工程数に変化が生じる可能性も
プレートの寸法公差を調整する場合、通常はまずフライス加工を行い、その後平面研削盤にて研磨を行います。しかし、この平面研削盤による研磨はコストがかかるため、研磨なしでどこまでの寸法公差が出せるのかというところがコストを上げないためには必要となります。プレートの厚み・形状・大きさなどにもよりますが、一般に寸法公差に対する加工の必要性は、下記の通りになります。
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引用元:ダイキョー精機株式会社
寸法公差が±0.03~0.01mmの領域では、形状により研磨が必要な場合とそうでない場合とに分かれます。
例えば、真っ平なプレート形状ではなく、段の落ちたところに平面、平行度を指定する場合においては、平面研削盤による研磨加工が必要となってきます。また、場合によっては、フライス加工、研磨加工を行った後、再度フライス加工を施すこともあり、工程数がさらに増える場合もあります。
アルミプレートの加工事例
最後に、アルミプレートの加工事例についてご紹介していきます。
アルミプレートの曲げ加工
曲げ加工とは、文字通り、アルミプレート材の必要な箇所を折り曲げる加工を指します。一般に、プレス機を用いて曲げ加工を施します。アルミプレートの曲げ加工事例は、以下のようになっています。
曲げ加工事例①
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引用元:有限会社タケウチ
材質はA5052、板厚t1.5mmのアルミプレートを専用金型を製作して曲げ加工を施した例です。
曲げ加工事例②
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引用元:株式会社藤工業所
材質はA5052、板厚t6mmのアルミプレートに90度曲げ加工を施した例です。
曲げ加工事例③
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引用元:株式会社上野製作所
材質はA5052、板厚t3mmのアルミプレートに曲げ加工を施した例です。(寸法:560mm×420mm×230mm)
アルミプレートの切断加工
切断は、アルミプレートを必要なサイズや形に切り取る加工を指します。切断の方法にも、フライスやレーザー、プレス、チップソー(丸ノコギリの歯)を用いる切断など、色々な種類があり、材質や板厚などを考慮して、最適な方法を選択します。それでは、アルミプレートの切断加工事例について見ていきましょう。
切断加工事例①
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引用元:株式会社レーザーテック
材質はA5052、板厚t5mm、サイズ800mmX2400mmのアルミプレートをレーザーにて幾何学模様に切断した加工例です。
切断加工事例②
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引用元:株式会社レーザーテック
材質はA5052、板厚t10mm、サイズ800mmX800mmのアルミプレートをウォータージェット切断(超高圧水の吐出エネルギーを利用して切断を施す加工)で格子状に加工した例です。
切断加工事例③
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引用元:株式会社かねよし
板厚t25mmのアルミ材のレーザー切断の加工例です。
アルミパンチングプレート
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引用元:有限会社レモン
パンチングプレートは、穴を開けた板材を指し、パンチとダイという金型で材料を打ち抜くプレス機械を用いて加工を行います。上図のように、穴の種類や大きさなどもさまざまです。以下、アルミパンチングプレートの加工事例を見ていきましょう。
パンチングプレート加工事例①
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引用元:株式会社タカチ電機工業
既製品として販売されているもので、材質はA1050、3.5mm×20mm長穴のアルミパンチングプレートです。筐体や機器の放熱部のパネル、ファンを使う機器の通気用パネルなどに利用されます。
パンチングプレート加工事例②
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引用元:株式会社ウチヌキ
建築外装用アルミパンチングの加工例です。丸穴で直径50mmという大きなパンチング加工を施した外装パネルとなっています。
パンチングプレート加工事例③
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引用元:株式会社ウチヌキ
住宅用レンジフード向けのアルミパンチング材です。バーリング形状(凸形状)のパンチング加工を施すことによって、裏面は油が下に垂れにくく、表面は引っ掛かりがなく掃除がしやすいという特徴を持ちます。
参考記事こちらの記事では、パンチングプレートについてさらに詳しく解説しています。パンチングプレートの種類や材質など、さらに知識を深めたい方はぜひご覧ください。⇒ パンチングプレートならMitsuri!種類や材質について専門家が解説!
アルミプレート加工の一括見積りを依頼するなら【Mitsuri】
今回は、アルミプレートについて、その特徴や代表的な種類や板厚に加えて、アルミプレート加工における寸法公差、曲げ・切断・パンチングプレートの加工事例など幅広い内容をご紹介しましたが、いかがでしたか。アルミプレートの種類はさまざまで、それぞれの特徴を活かして多くの用途に利用されています。また、アルミプレートを用いて設計・加工を行う際には、寸法公差を考慮する必要があり、最終製品の品質にも影響してきます。
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