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フラットバー(平鋼)とは?アルミやステンレス等の種類や活用事例を解説!

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金属加工業界最大級のマッチングプラットフォーム「Mitsuri」を手掛ける企業。
「未来の製造業をつくる」をモットーに、製造業DXを推進している。

フラットバーとは平鋼とも呼ばれ、平らで棒のように長い板のことを指します。普段の生活ではあまり耳にすることがないかもしれませんが、実は私たちの身の回りのさまざまなところで使用されています。例を挙げると、建築、土木、橋梁、船舶、車両、機械・器具、電化製品など、その使用例は多岐に渡ります。

今回は、そんなフラットバーについて、その基本的な知識に加えて、フラットバーの種類、フラットバーを使用するメリット、さらに活用事例まで幅広く解説していきます。フラットバーについてさらに知識を深めたい方や、フラットバーの加工でお悩みの方は、ぜひご一読ください。

フラットバー(平鋼)とは

フラットバーは、厚みに対して幅や長さが大きい鋼材のことを指し、平鋼や四角鋼とも呼ばれるほか、省略してFBと表記されることもあります。JISによると、フラットバーとは、長方形の断面をした、4面ともに圧延された棒鋼と定義され、一般に厚さは5mm以上で、幅は500mmを超えないものとされています。また、熱間圧延された平鋼を特に「熱間圧延平鋼」と呼び、冷間圧延された平鋼を 「冷間圧延平鋼」と呼びます。

一般的な厚板を切断して使う場合には、反りや曲がりなどの材質の変化がありますが、フラットバーを使用すると、そのような材質の変化などの心配は必要ありません。さらにサイズも厚さ・幅・長さを自由に選べ、バリエーションが豊富であることから、あらゆる製造業の分野で用いられています。

このように幅広い分野で使用されるフラットバーは、曲げ、絞り、溶接、切削、鍛造などのさまざまな加工に対して優れた加工性を示すほか、良好な断面形状で高い寸法精度を持つ優れた材料となっています。最近は、その加工のしやすさから、ホームセンターなどでも気軽に購入することが可能で、家庭用のラックの枠組みや窓枠の作成など、DIY(日曜大工)に用いられることもあります。

また、フラットバーには、「異形平鋼」と呼ばれる、断面が台形や凹型、凸型などの形状となっている平鋼が存在します。下図に示すように、開先平鋼、丸コバ平鋼、テーパー平鋼など、さまざまな形状を持つ平鋼があり、産業用機械や、建築材などに幅広く用いられています。

<異形平鋼の例>

引用元:西村鋼業株式会社

フラットバーの種類

ここでは、フラットバーの種類とその特徴について見ていきましょう。

アルミフラットバー

アルミのフラットバーは、非常に加工しやすいという特徴を持っています。そのため、建築や機械部品の材料のほか、DIY(日曜大工)の材料などにも幅広く用いられています。

ステンレスフラットバー

ステンレスの特徴である耐食性や意匠性が優れているという点を活かして、ステンレスフラットバーは、建材および建築金物、家具、事務機器、装飾品、食品機器、家庭用品などに広く使用されています。

鉄のフラットバー

鉄のフラットバーは、最も使用量が多いフラットバーとなります。中でも、一般構造用圧延鋼材であるSS材(SS400など)や、機械構造用炭素鋼鋼材であるSC材(S45Cなど)などの材質がより多く使用されています。鋼材の板厚・サイズが豊富なので、必要な材質が見つけやすいのも特徴です。

銅のフラットバー

銅のフラットバーの中では、銅と亜鉛の合金で非常に加工がしやすい素材である、真鍮がよく使用されます。他にも、同じく銅と亜鉛の合金でありながら、真鍮と比較して亜鉛の含有量がより少ないとされる、丹銅のフラットバーもよく用いられます。

参考記事

こちらでご紹介したアルミ、ステンレス、鉄などの金属の素材は、一般的な板金材料として幅広く使用されています。以下の記事では、これら材質の性質について詳しく解説しています。ご興味のある方は、ぜひご覧ください。

板金材料の機械的性質・化学的性質とは?主な金属6種の性質も解説!

Mitsuriは、さまざまなタイプのフラットバーの製作・販売を依頼できる多数のメーカーと提携しています。お気軽にお問い合わせください。

フラットバー(平鋼)のメリット

次に、フラットバーを使用するメリットについて詳しく解説していきます。

加工費用を抑えられる

例えば、プレス打抜き加工において一般的な厚中板を使う場合には、必要な幅寸法に切断しなければならないため、余分な時間及びコストがかかってしまいます。一方、フラットバーを用いれば、すぐにプレス打抜き加工から始めることができるため、切断工程など前工程にかかる時間やコストを削減できます。さらに、切断加工がないことで、切断による反りや曲がりなどの材質の変化がないという点も、フラットバーの長所だと言えます。

<プレス打抜き加工での工程の差>

引用元:丹羽鋼業株式会社

歩留まりロスを抑えられる

例えば、リング材をプレス打抜きで作る場合、最終製品には使うことができない廃材が多く生じてしまいます。一方、テーパー平鋼と呼ばれる異形平鋼を使うことで、材料を無駄なく使用し、リング材を歩留まり良く製造することができます。

<リング材のプレス打抜きでの差>

引用元:丹羽鋼業株式会社

最終製品と同じ幅・寸法・断面形状で提供できる

必要な最終製品と同じ幅寸法の鋼材を用意できることがフラットバーのメリットの一つと言えます。また、最終製品に合う断面形状を持つ異形平鋼を用いることで、前工程での余分な切削・切断加工が不要となるため、スピーディーに次の加工に取りかかることが可能となります。

フラットバー(平鋼)の活用事例

最後に、フラットバーの活用事例を業界別にご紹介いたします。フラットバーの持つ特徴を活かして、さまざまな分野で使用されていることが分かります。

自動車業界

引用元:丹羽鋼業株式会社

自動車業界においては、フラットバーの加工性の良さを活かして、普通乗用車や大型トラック、バス、トレーラーまで、フレーム・フランジをはじめとする部品や板バネ用の材料などに使用されています。適正サイズのフラットバーを使用することで、余分な前工程を減らすことができるため、製造現場のコストダウン及び生産効率の向上につながっています。

産業・建設機械業界

引用元:丹羽鋼業株式会社

フラットバーは、高強度で優れた耐久性を持つことから、フォークリフトなどの部材や、パワーショベルやブルドーザー、ホイルローダーなどの建設機械のフレームやアーム材として使用されます。品質・寸法精度に優れたフラットバーは、安全性が強く求められる産業機械や建設機械に広く採用されています。

建築業界

引用元:丹羽鋼業株式会社

フラットバーは安全性の基本条件である強度はもちろん、溶接性や寸法精度にも優れているため、住宅から高層ビルまで、さまざまな建築物に使用されています。

土木業界

引用元:丹羽鋼業株式会社

土木業界では、施工性と安全性を向上させる材料として、道路や鉄道のトンネル工事で欠かせないセグメント部材から、側溝の溝蓋であるグレーチングの部材まで、さまざまな所でフラットバーが使用されています。

農業機械

引用元:新関西製鐵株式会社

農作業に不可欠なトラクターやコンバインの部品や、耕運機の耕運爪の素材として、フラットバーが使用されています。

造船業界

引用元:新関西製鐵株式会社

船舶の骨格部材や面材として大きな役割を持つ、甲板縦材や縦横強度部材などとしてフラットバーが使用されています。

まとめ

フラットバーには多くの利点があるため、さまざまな業界で多岐に渡る用途で使用されています。ただし、メーカーによって対応しているフラットバーの種類や、サイズなどが異なるので、お求めの際には十分に確認することが大切です。

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