染谷 ひとみ
Mitsuri Media管理人
精密板金加工工場のインサイドセールスとして加工と寸法の提案をしてきた経験を経て、製造業の知見と楽しさを提供している。 幼少期からモノの構造を理解するのが好き。JAPAN MENSA会員。
筐体などの構造体の設計には欠かせないアルミフレーム。特に、工場など生産現場では、コンベアや台車、安全柵、作業台など幅広い用途で使用されています。また、最近ではホームセンターなどでも気軽に購入できることから、自作の家庭用家具(ラックやテーブル、物置台など)の製作などにも広く用いられています。
今回は、そんなアルミフレームについて、アルミフレームを使用するメリットやその種類・用途のほか、アルミフレームを使用した活用事例など、幅広い内容について解説していきます。アルミフレームについてさらに知識を深めたい方や、アルミフレームの加工でお悩みの方は、ぜひご一読ください。
アルミフレームとは、アルミの加工性の良さを利用して、ビレットと呼ばれる円柱状の塊を押し出すことによって製作された構造材料を指します。最近では、産業用部材として機械用のカバーや架台の骨組みなどにも使用されており、鉄フレームの構造体に代わる素材として注目されています。
次に、アルミフレームのメリットについてご紹介していきます。アルミフレームには、以下のような利点が挙げられます。
アルミの比重は鉄の約1/3となっており、非常に軽い金属となっています。そのため、アルミフレームを使用することで製品の軽量化につながります。
アルミフレームでは、表面にアルマイト処理(人工的に酸化皮膜を生成させる処理)が施してあるため、メッキや塗装などの工程が必要ありません。
また、ボルト・ナットなどの材料を用いて組み立てを行うため、溶接の工程も必要ありません。このように、アルミフレームを用いることで加工の工程数を減らすことができるため、製品の製造に必要なコストや時間の短縮につながります。
アルミフレームは、ボルトなどを用いて簡単に組み立てられるので、製品の急な設計変更や後からの増設なども簡単に行うことができます。
また、アルミは鉄などに比べて軟らかい金属であるため加工しやすく、穴あけや切断などの追加工も容易に行うことができるというメリットもあります。
参考記事
こちらの記事では、アルミに関する基本的な知識について詳しく解説しています。アルミについて、さらに詳しく知りたいという方は、ぜひご覧ください。⇒【アルミの基礎】アルミの加工上の特性やメリット/デメリットまで徹底解説!
次に、アルミフレームの種類についてご紹介していきます。まずは、サイズの違いについて見ていきましょう。
引用元:株式会社ミスミグループ本社
上図(左)に示したように、溝幅6mmのアルミフレームで、M5のボルトに適用するため5シリーズと呼ばれています。20mm、25mm、40mmのサイズがあります。
また、下図に示すようにT溝寸法は12mmで、L寸(フレーム長さ)の公差は±0.5mmとなっています。主な角数は20/25/40mm角です。
引用元:株式会社ミスミグループ本社
主な用途としては、小型カバーや小物部品のラック、安全柵などとなっており、力の負荷が少ない場所での使用に適しています。
引用元:株式会社ミスミグループ本社
上図(左)に示したように、溝幅8mmのアルミフレームで、M6のボルトに適用するため6シリーズと呼ばれています。30mm、50mm、60mmのサイズがあります。
また、下図に示すようにT溝寸法は16.5mmで、L寸(フレーム長さ)の公差は±0.5mmとなっています。主な角数は30/50/60mm角です。
引用元:株式会社ミスミグループ本社
主な用途としては、中型カバーや小型設備架台、コンベアフレームなどとなっており、幅広い用途で用いられています。
引用元:株式会社ミスミグループ本社
上図(左)に示したように、溝幅10mmのアルミフレームで、M8のボルトに適用するため8シリーズと呼ばれています。40mm、80mmのサイズがあります。
また、下図に示すようにT溝寸法は20mmで、L寸(フレーム長さ)の公差は±0.5mmとなっています。主な角数は40/80mm角です。
引用元:株式会社ミスミグループ本社
主な用途としては、大型クリーンブースや設備架台、構造物などとなっており、重さのかかる場面での使用に適しています。
引用元:株式会社ミスミグループ本社
上図(左)に示したように、溝幅10mmのアルミフレームで、M8のボルトに適用し、8シリーズの一種となります。45mm、50mm、60mm、90mm、100mmのサイズがあります。
また、下図に示すようにT溝寸法は20mmで、L寸(フレーム長さ)の公差は±0.5mmとなっています。主な角数は45/90mm角です。
引用元:株式会社ミスミグループ本社
主な用途としては、8シリーズ同様、大型クリーンブースや設備架台、構造物などで、より強度が必要な場面での使用に適しています。
Mitsuriでは、こちらでご紹介したようなさまざまな種類のアルミフレームの製作を依頼できる多数のメーカーと提携しています。お気軽にお問い合わせください。
次に、アルミフレームの各種類における強度の違いについて見ていきましょう。
アルミフレームは、一般に標準アルミフレーム、軽量アルミフレーム、高剛性アルミフレームの3種類に分類され、この順に強度が高くなります。その違いは、使用されている材料の材質や肉厚です。
当然、肉厚が厚い材料では強度は高くなりますが、材料の重量も重くなり、さらにフレームの価格も高騰します。そのため、アルミフレームを選定する際には、必要な強度とともに、重量、価格を考慮することが大切です。
アルミフレームの許容荷重とは、フレームの両端を支持した状態で荷重を加え、フレームのたわみ量がフレーム長さの1/1000mmになった時の荷重を指します。
たわみ量は、たわみ量算出簡易表と呼ばれる表や計算式を用いて算出することが可能です。アルミフレームを使用して製品を設計する際には、アルミフレームの許容荷重の計算が必要となってくるので注意しましょう。
最後に、アルミフレームの活用事例をご紹介していきます。
下の写真は、工場の装置やライン周りなどで用いられる安全柵での活用例です。
引用元:SUS株式会社
下の写真は、機械カバーの扉に用いられているアルミ製シャッターでの活用例です。
引用元:株式会社イマオコーポレーション
下の写真は、工場の生産ラインをつなぐコンベアの架台での活用例です。
引用元:エヌアイシ・オートテック株式会社
アルミフレームは種類が豊富で、サイズの他にも強度、重量、価格なども異なってくるため、アルミフレームの製作を依頼する際にはメーカーを選定するのが難しくなってくるかもしれません。
アルミフレームの製作を依頼できるメーカーをお探しの際には、ぜひMitsuriにご相談ください。日本全国で250社以上の企業と提携しているため、きっとご希望に沿うメーカーが見つかるでしょう。Mitsuriでのお見積りは複数社から可能です!アルミフレームの製作でお困りの際は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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