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【アルミの基礎】アルミの加工上の特性やメリット/デメリットまで徹底解説!

皆さんはアルミと言えば何を思い浮かべますか。

ジュースの缶、お菓子のホイール、建物の屋根、新幹線や飛行機のボディ、はたまた一円玉と非常に幅広く使われていることが想像できると思います。

今回は、そんな日常のどこにでも使われているアルミについての紹介です。

アルミの基礎知識や歴史、加工上の特性、各種アルミ材について説明し、さらにアルミを使用するメリット・デメリットまで分かりやすく解説していきましょう。

アルミの基礎知識

アルミニウムと言えば、イメージとしては軽くてツルツルで曲がりやすい。そしてぺらぺらな印象がありますね。

そのイメージ通りアルミは鉄と同じ金属でありながら、軽くて柔らかいという性質を持っています。

軽さ

アルミの重さは鉄と比べて約1/3しかありません。そのため、鉄や銅では重くて使えない場合はだいたいアルミが使われます。

飛行機のボディや軽量化がニーズになっているスマホの素材などがいい例でしょう。

他にも化粧品のケースや屋根など多くの分野で大活躍しています。

溶解

熱による溶解も、同じく鉄の約1/3の温度で溶けてしまいます。

鉄が約1530度、銅は約1080度、アルミ約660度と、溶けやすいイメージのある銅のおよそ半分の熱で溶かすことができるのです。

アルミの溶接についてはこちら

参考記事:アルミ溶接は難しい!?溶接方法を事例を用いて徹底解説!!

通電性

アルミは通電性が高いので、電線やコンデンサーにも使われています。

導電体としてコストが安く抑えられる金属なので、エネルギー関連やエレクトロニクスの分野でとても重宝されているのです。

また、船の計測機器や医療機器の部品としても使われています。アルミは磁気を帯びないので、磁場に影響されず数値が狂うことなく作動できます。もし大海原や大事な手術の最中に計測器が狂ってしまったら大惨事になりかねません。そんなことにならないように、アルミは命を預かる大事な所でも重要な役割を持っているのです。

熱伝導

アルミの熱伝導率は鉄の約3倍もあります。

熱が伝わりやすいということは同時に冷えやすいという性質も持つので、その熱しやすく冷めやすい特性を活かして車のエンジンや冷暖房装置に有効的に使用されています。

運転した後のエンジンはとても熱いですが、20~30分で冷めるのはそのおかげです。

反射性

純度が高く、よく磨かれたアルミは反射性にも優れています。

紫外線や赤外線、電磁波など優れたアルミは約90%以上反射します。そのためレーザープリンターや紫外線をカットしたい宇宙服にも組み込まれ、見えない所でも働いているんですね。

アルミは代用できる素材があまりないので、様々な分野で大活躍しています。

このように日々いろいろな所で見かけるアルミ製品ですが、金属の歴史からすると、素材として広く使われ出したのは意外にも最近だったりするんです。

アルミの歴史

アルミは鉄や銅と比べてずっと新しく、若い金属です。

鉄や銅などは遥か昔、石器時代のころからすでに発見されています。鉄器、青銅など歴史の教科書で見たことあるような道具を始め、鉄は古くから人間の手によって加工・製鉄され、その後、刀鍛冶やたたらなどの技術により、精度の高い金属へと製鉄されていきました。

たたらとは、日本に昔からある製鉄法のことです。もののけ姫に出てくる「たたら場」なんかが想像しやすいでしょうか。

足で押し込む方法ではないですが、たたらという技術自体は6世紀の頃にはすであるようです。

そんな昔から一般的に鉄が加工されていたとは驚きですね。

話は戻ってアルミの歴史。アルミの発見は1782年、フランスの科学者A.L.ラボワジェがアルミの元となる明ばん石を発見。

そして1807年にイギリスの電気化学者H.デービーがアルミニウムの存在を確認し、「アルミアム」と命名したところから始まります。

その後、海外で効率よく精錬・製造するためにどんどんアルミの開発が進んでいき、19世紀の後半に大量に生産できる方法が確立されて以降、工業で盛んに使われるようになりました。

これだけ見ても鉄や銅とはずいぶん歴史が違うのが分かります。

2000年以上も昔から使われている鉄や銅に対して、アルミが幅広く使われるようになったのはまだ100年ぐらい前のことなのです。

アルミの躍進

日本で初めてアルミが製造されたのは1894年、軍事用の物として作られたのが初です。

軍服のベルトや剣を常備する際の服に吊り下げるための金具などに使用されたようですね。

その後、民間でも製造されるようになり、1917年、日本がアルミのダイカスト生産を開始します。

ダイカストとは簡単に説明すると、金属を加工・生産するのに効率のいい鋳造方法です。

引用元:高橋金属株式会社

上の画像にような所定の形の金属にしたい場合に、ダイカストという技術を使うことによって良質で精密な製品が大量に生産できます。

大量生産ができるようになったことで、工業の間で本格的にアルミの普及が進んだのです。

ダイカスト生産ができるようになり、日本は航空機の生産、電線の普及など大きく工業が発展します。

電柱の間を通っている電線も今ではアルミが使われていますが、アルミのダイカストができるようになるまでは電線には銅が使われていました。

しかし、アルミの方が軽くコストも安く済むことから、アルミのダイカストが可能になってからはわずか15年で約90%、今となってはほぼ100%がアルミの電線に変わっています。

そして1929年には、アルミのアルマイト処理方法が発明されます。

アルマイト処理とは、アルミニウムが錆びにくくなるように表面処理をすることです。

引用元:株式会社ミヤキ

アルミはもともと錆びにくい金属なのですが、使用される環境によってはすぐに錆びてしまうので、守りを強化してあげる必要があるんですね。

またアルマイト処理は、多彩な色をつけることができたり、傷がつきにくくなるという効果もあります。

アルマイト処理が可能になって以降、アルミニウムの製錬が開始されてからアルミの発展・普及はより一層勢いを増しました。

1996年にはアルミの総需要が400万トンを突破、2010年に入ってもアルミ企業の海外展開は加速し続けています。

そうして現代まで伸び続けている需要と供給により、今ではないと生活が成り立たないぐらいの重要な金属として、アルミは日々活用されようになったのです。

そんなアルミを加工したい方は、是非一度お見積もりください!

アルミの加工上の特性

約100年という短い間で、私たちの生活には欠かせない材料となったアルミ。このように様々な用途で多用されるようになった理由には、アルミの優れた特性が関係しています。そんなアルミの加工上の特性について、下にまとめたので早速見ていきましょう。

塑性加工がしやすい

アルミは優れた加工性を持ち、塑性加工がしやすいため、さまざまな形状に成形することができます。例を挙げると、私たちの普段の生活に欠かせないアルミホイルのような薄い箔の形状から、建築材料や家電、産業機械には欠かせない複雑な形状を持つ押出材まで容易に製造することができます。

熱を良く伝える

冒頭でも説明しましたが、アルミは熱伝導性に優れており、鉄の約3倍の熱伝導率を誇ります。例えば、切削・研削加工時には、工具とワーク間で加工熱が発生しますが、ワークの熱伝導性が高いと熱が逃げやすいため、局部的な温度上昇が少なく、ワークの歪みや研削焼けの発生をおさえられます。さらに加工熱による工具の磨耗も進行しにくいため、工具寿命がのびるという利点があります。

接合しやすい

アルミは、溶接、ろう付け、はんだ付け、電気抵抗溶接、リベット接合、接着などさまざまな方法で容易に接合できます。そのため、広い分野でアルミの設計、施工が可能となっています。

このようにアルミの優れた特性を見ると、アルミがさまざまな分野で使用されている理由が納得できますね。

金属加工でよく使われるアルミ材について

加工性に優れるアルミですが、金属加工によく使用されるアルミ材にはいくつかの種類があります。それぞれについて見ていきましょう。

アルミニウム板材

まず、最も一般的なアルミ材である板材は、主に精密板金やプレス加工で使用されます。規格で決められた寸法を持つ「定尺板」や、必要な寸法を必要な分だけ切り出して販売される「切り板」、他にも「縞板」や「筋板」のように模様が入った板材が存在します。

<模様のある板材の例(縞板)>

引用元:ニッカル商工株式会社

アルミ板についてはこちら

参考記事:アルミ板の種類と板厚が丸わかり! 買うべき板が見つかります

アルミ角パイプ

引用元:ニッカル商工株式会社

建築や機械部品の材料、また日曜大工の材料としても広く使用されているのがアルミ角パイプです。一般的に、断面が正方形の形状をした「角パイプ」と、長方形の形状をした「平角パイプ」があり、用途に応じて形状を選択します。

<角パイプ・平角パイプ断面の比較>

引用元:ニッカル商工株式会社

アルミ丸パイプ

引用元:ニッカル商工株式会社

アルミ丸パイプは大きく分けて3種類あります。ところてん状に押出しをした「押出管」は最も一般的な丸パイプで、ホームセンターなどで入手できます。また、抽伸機という機械を使用して製作される「引抜管」は、押出管よりも高精度に仕上げられた丸パイプで、価格は割高となります。また、引抜管の仲間ですが、ガス管や水道管など内部圧力に耐えられる一定基準を満たした丸パイプを「シームレス管」といいます。 配管用途でパイプ内部に圧力が掛かる場合に用いられます。

アルミ丸棒

引用元:ニッカル商工株式会社

アルミ丸棒は、アルミ材料加工品の母材として、代表的な素材のひとつです。アルミ合金の材質によって特色も異なり、さまざまな用途にあわせて使用されます。例えば、A5056材質は強度が高く、仕上がり面が美しいため、切削・旋盤加工の母材として用いられます。また、A5052は、耐海水性、溶接性に優れており、船舶向けで活用されています。

アルミニウムアングル

引用元:ニッカル商工株式会社

規格品アルミアングルの断面は、上図のようにアルファベットの「L」のような形状をしており、主に機械部品や建材、構造物の補強など幅広い用途で使用されます。また、L形状内側の角と90度曲りの内側部分に丸みをつけた「R付アングル」と全てピン角の「R無しアングル」なども存在します。

<各種アルミアングルの断面>

引用元:ニッカル商工株式会社

引用元:ニッカル商工株式会社

Mitsuriはアルミの加工を依頼できる多数のメーカーと提携しています。お気軽にお問い合わせください。

アルミを使うメリット

アルミを使うメリットと言えばとにかく軽いということがあげられますが、それ以外にもこれだけの利点があります。

  • 加工が多彩かつ綺麗に仕上がる
  • 錆びにくい
  • 無害・無臭
  • 低温の強さ
  • リサイクルがしやすい

軽いだけでなくこれだけの良さがアルミにはあるんですね。

では、より詳しく知るために分かりやすく説明していきましょう。

加工が多彩かつ綺麗

アルミは加工がしやすく、板・棒・線といった様々な形に作ったり削ったりできます。

金属でありながら複雑な形にできますし、薄く伸ばしたりするのも容易にできます。

切削性もいいので加工時間が鉄よりも短く済むのも利点ですね。

また、加工後の着色も多彩にできます。缶や水筒のように綺麗な色付けもできるので、幅広い活用が可能です。

柔らかい割に丈夫なので、細かい加工・着色も可能ですし、工具が壊れにくいのもメリットの一つと言えるでしょう。

錆びにくい

先ほどもありましたが、錆びにくいのもアルミのメリットです。

アルミは人間の手で加工しなくても、自然に作られる酸化皮膜というもので、もともと自らの性質で錆を防止しています。

ですが、酸化皮膜は非常に薄い皮膜なので、環境によっては化学反応により錆びてしまうことがあります。

それを補うためのアルマイト処理によって、アルミはより錆びにくい金属にすることができます。

錆びにくさを表現する用語として耐食性という言葉がありますが、アルミは鉄に比べ、この耐食性に非常に優れているのです。

無害・無臭

アルミは人体に影響がなく土壌にも優しいんです。

無害無臭で衛生的なので、チョコレートや缶ジュース、医薬品などの包装や医療機器など直接人が触れる商品、道具にも安心して使うことができます。

土壌をいためないので捨てるのにも手間が掛からず、日用品として使用するにしても、とても便利な金属なんですね。

低温に耐性がある

低温と言っても日常生活で気温として感じられる5度や0度なんてものではありません。

-162度の液化天然ガスや-196度と言われる液体窒素を入れるタンクに使っても耐えることができます。

その低温での有効性から宇宙開発からバイオテクノロジーなどにも用いられています。

日用品から医療品、さらには宇宙開発まで、本当に幅広く使われているのが分かりますね。

リサイクルがしやすい

アルミはリサイクルにも優しいんです。

熱に溶けやすく酸化しにくいことから再利用しやすく、しかもリサイクル品でも新品の素材とほぼ変わらない品質で製造できてしまいます。

近所や学校で廃品回収をした時、スチール缶よりアルミ缶が望ましいのはそういった理由があったんですね。

幅広く使えて綺麗な着色ができ、酸化や低温に耐性もある、さらにリサイクルもしやすいとは、もう言うことがないほどの金属なのではないでしょうか。

アルミのデメリット

万能に思えたアルミにもデメリットはいくつかあります。

1.鉄と比べて強度が高くない

アルミは柔らかく自由な反面、硬さや耐久性では鉄と比べて劣るようです。

建物や橋を作る材料として鉄の柱は使いますが、アルミの柱はありません。もしアルミでできた橋なんかがあったら、たちまち曲がってすぐに決壊してしまうでしょう。

鉄もアルミも適材適所なんですね。

2.溶接がしにくい

溶かして使うのでそういうことではなく、アルミは鉄や他の金属と比べると相当溶かさないと溶接できないため、熱しすぎてアルミとくっつけるはずの素材も溶けてしまうということ。

アルミで溶接をする場合は、くっつける素材が分厚かったり、熱に強い素材でないと難しいようですね。

3.鉄と比べると材料費が高い

あくまで鉄と比べると、ということなので、これに関しては鉄が安すぎるというのもあります。

アルミもそれほど高いというわけではありませんが、やはりコストは少しでも安いに越したことはないですよね。

重量が重くても問題なかったり、難しい加工が必要ないなど、どちらの金属を使ってもいい場合は鉄の方がいいかもしれませんね。

アルミについてのまとめ

アルミは普段の生活の上で欠かせない存在です。日常生活でも普段お目にかかれない場所でも、非常に手広く活用されている素材でした。

今後もアルミは日用品や機械の部品となって、私たちの生活を支えてくれるでしょう。

以上、今回の記事はアルミについての紹介でした。最後まで読んで頂きありがとうございました。

【アルミの基礎】アルミの加工上の特性やメリット/デメリットまで徹底解説!

皆さんはアルミと言えば何を思い浮かべますか。

ジュースの缶、お菓子のホイール、建物の屋根、新幹線や飛行機のボディ、はたまた一円玉と非常に幅広く使われていることが想像できると思います。

今回は、そんな日常のどこにでも使われているアルミについての紹介です。

アルミの基礎知識や歴史、加工上の特性、各種アルミ材について説明し、さらにアルミを使用するメリット・デメリットまで分かりやすく解説していきましょう。

アルミの基礎知識

アルミニウムと言えば、イメージとしては軽くてツルツルで曲がりやすい。そしてぺらぺらな印象がありますね。

そのイメージ通りアルミは鉄と同じ金属でありながら、軽くて柔らかいという性質を持っています。

軽さ

アルミの重さは鉄と比べて約1/3しかありません。そのため、鉄や銅では重くて使えない場合はだいたいアルミが使われます。

飛行機のボディや軽量化がニーズになっているスマホの素材などがいい例でしょう。

他にも化粧品のケースや屋根など多くの分野で大活躍しています。

溶解

熱による溶解も、同じく鉄の約1/3の温度で溶けてしまいます。

鉄が約1530度、銅は約1080度、アルミ約660度と、溶けやすいイメージのある銅のおよそ半分の熱で溶かすことができるのです。

アルミの溶接についてはこちら

参考記事:アルミ溶接は難しい!?溶接方法を事例を用いて徹底解説!!

通電性

アルミは通電性が高いので、電線やコンデンサーにも使われています。

導電体としてコストが安く抑えられる金属なので、エネルギー関連やエレクトロニクスの分野でとても重宝されているのです。

また、船の計測機器や医療機器の部品としても使われています。アルミは磁気を帯びないので、磁場に影響されず数値が狂うことなく作動できます。もし大海原や大事な手術の最中に計測器が狂ってしまったら大惨事になりかねません。そんなことにならないように、アルミは命を預かる大事な所でも重要な役割を持っているのです。

熱伝導

アルミの熱伝導率は鉄の約3倍もあります。

熱が伝わりやすいということは同時に冷えやすいという性質も持つので、その熱しやすく冷めやすい特性を活かして車のエンジンや冷暖房装置に有効的に使用されています。

運転した後のエンジンはとても熱いですが、20~30分で冷めるのはそのおかげです。

反射性

純度が高く、よく磨かれたアルミは反射性にも優れています。

紫外線や赤外線、電磁波など優れたアルミは約90%以上反射します。そのためレーザープリンターや紫外線をカットしたい宇宙服にも組み込まれ、見えない所でも働いているんですね。

アルミは代用できる素材があまりないので、様々な分野で大活躍しています。

このように日々いろいろな所で見かけるアルミ製品ですが、金属の歴史からすると、素材として広く使われ出したのは意外にも最近だったりするんです。

アルミの歴史

アルミは鉄や銅と比べてずっと新しく、若い金属です。

鉄や銅などは遥か昔、石器時代のころからすでに発見されています。鉄器、青銅など歴史の教科書で見たことあるような道具を始め、鉄は古くから人間の手によって加工・製鉄され、その後、刀鍛冶やたたらなどの技術により、精度の高い金属へと製鉄されていきました。

たたらとは、日本に昔からある製鉄法のことです。もののけ姫に出てくる「たたら場」なんかが想像しやすいでしょうか。

足で押し込む方法ではないですが、たたらという技術自体は6世紀の頃にはすであるようです。

そんな昔から一般的に鉄が加工されていたとは驚きですね。

話は戻ってアルミの歴史。アルミの発見は1782年、フランスの科学者A.L.ラボワジェがアルミの元となる明ばん石を発見。

そして1807年にイギリスの電気化学者H.デービーがアルミニウムの存在を確認し、「アルミアム」と命名したところから始まります。

その後、海外で効率よく精錬・製造するためにどんどんアルミの開発が進んでいき、19世紀の後半に大量に生産できる方法が確立されて以降、工業で盛んに使われるようになりました。

これだけ見ても鉄や銅とはずいぶん歴史が違うのが分かります。

2000年以上も昔から使われている鉄や銅に対して、アルミが幅広く使われるようになったのはまだ100年ぐらい前のことなのです。

アルミの躍進

日本で初めてアルミが製造されたのは1894年、軍事用の物として作られたのが初です。

軍服のベルトや剣を常備する際の服に吊り下げるための金具などに使用されたようですね。

その後、民間でも製造されるようになり、1917年、日本がアルミのダイカスト生産を開始します。

ダイカストとは簡単に説明すると、金属を加工・生産するのに効率のいい鋳造方法です。

引用元:高橋金属株式会社

上の画像にような所定の形の金属にしたい場合に、ダイカストという技術を使うことによって良質で精密な製品が大量に生産できます。

大量生産ができるようになったことで、工業の間で本格的にアルミの普及が進んだのです。

ダイカスト生産ができるようになり、日本は航空機の生産、電線の普及など大きく工業が発展します。

電柱の間を通っている電線も今ではアルミが使われていますが、アルミのダイカストができるようになるまでは電線には銅が使われていました。

しかし、アルミの方が軽くコストも安く済むことから、アルミのダイカストが可能になってからはわずか15年で約90%、今となってはほぼ100%がアルミの電線に変わっています。

そして1929年には、アルミのアルマイト処理方法が発明されます。

アルマイト処理とは、アルミニウムが錆びにくくなるように表面処理をすることです。

引用元:株式会社ミヤキ

アルミはもともと錆びにくい金属なのですが、使用される環境によってはすぐに錆びてしまうので、守りを強化してあげる必要があるんですね。

またアルマイト処理は、多彩な色をつけることができたり、傷がつきにくくなるという効果もあります。

アルマイト処理が可能になって以降、アルミニウムの製錬が開始されてからアルミの発展・普及はより一層勢いを増しました。

1996年にはアルミの総需要が400万トンを突破、2010年に入ってもアルミ企業の海外展開は加速し続けています。

そうして現代まで伸び続けている需要と供給により、今ではないと生活が成り立たないぐらいの重要な金属として、アルミは日々活用されようになったのです。

そんなアルミを加工したい方は、是非一度お見積もりください!

アルミの加工上の特性

約100年という短い間で、私たちの生活には欠かせない材料となったアルミ。このように様々な用途で多用されるようになった理由には、アルミの優れた特性が関係しています。そんなアルミの加工上の特性について、下にまとめたので早速見ていきましょう。

塑性加工がしやすい

アルミは優れた加工性を持ち、塑性加工がしやすいため、さまざまな形状に成形することができます。例を挙げると、私たちの普段の生活に欠かせないアルミホイルのような薄い箔の形状から、建築材料や家電、産業機械には欠かせない複雑な形状を持つ押出材まで容易に製造することができます。

熱を良く伝える

冒頭でも説明しましたが、アルミは熱伝導性に優れており、鉄の約3倍の熱伝導率を誇ります。例えば、切削・研削加工時には、工具とワーク間で加工熱が発生しますが、ワークの熱伝導性が高いと熱が逃げやすいため、局部的な温度上昇が少なく、ワークの歪みや研削焼けの発生をおさえられます。さらに加工熱による工具の磨耗も進行しにくいため、工具寿命がのびるという利点があります。

接合しやすい

アルミは、溶接、ろう付け、はんだ付け、電気抵抗溶接、リベット接合、接着などさまざまな方法で容易に接合できます。そのため、広い分野でアルミの設計、施工が可能となっています。

このようにアルミの優れた特性を見ると、アルミがさまざまな分野で使用されている理由が納得できますね。

金属加工でよく使われるアルミ材について

加工性に優れるアルミですが、金属加工によく使用されるアルミ材にはいくつかの種類があります。それぞれについて見ていきましょう。

アルミニウム板材

まず、最も一般的なアルミ材である板材は、主に精密板金やプレス加工で使用されます。規格で決められた寸法を持つ「定尺板」や、必要な寸法を必要な分だけ切り出して販売される「切り板」、他にも「縞板」や「筋板」のように模様が入った板材が存在します。

<模様のある板材の例(縞板)>

引用元:ニッカル商工株式会社

アルミ板についてはこちら

参考記事:アルミ板の種類と板厚が丸わかり! 買うべき板が見つかります

アルミ角パイプ

引用元:ニッカル商工株式会社

建築や機械部品の材料、また日曜大工の材料としても広く使用されているのがアルミ角パイプです。一般的に、断面が正方形の形状をした「角パイプ」と、長方形の形状をした「平角パイプ」があり、用途に応じて形状を選択します。

<角パイプ・平角パイプ断面の比較>

引用元:ニッカル商工株式会社

アルミ丸パイプ

引用元:ニッカル商工株式会社

アルミ丸パイプは大きく分けて3種類あります。ところてん状に押出しをした「押出管」は最も一般的な丸パイプで、ホームセンターなどで入手できます。また、抽伸機という機械を使用して製作される「引抜管」は、押出管よりも高精度に仕上げられた丸パイプで、価格は割高となります。また、引抜管の仲間ですが、ガス管や水道管など内部圧力に耐えられる一定基準を満たした丸パイプを「シームレス管」といいます。 配管用途でパイプ内部に圧力が掛かる場合に用いられます。

アルミ丸棒

引用元:ニッカル商工株式会社

アルミ丸棒は、アルミ材料加工品の母材として、代表的な素材のひとつです。アルミ合金の材質によって特色も異なり、さまざまな用途にあわせて使用されます。例えば、A5056材質は強度が高く、仕上がり面が美しいため、切削・旋盤加工の母材として用いられます。また、A5052は、耐海水性、溶接性に優れており、船舶向けで活用されています。

アルミニウムアングル

引用元:ニッカル商工株式会社

規格品アルミアングルの断面は、上図のようにアルファベットの「L」のような形状をしており、主に機械部品や建材、構造物の補強など幅広い用途で使用されます。また、L形状内側の角と90度曲りの内側部分に丸みをつけた「R付アングル」と全てピン角の「R無しアングル」なども存在します。

<各種アルミアングルの断面>

引用元:ニッカル商工株式会社

引用元:ニッカル商工株式会社

Mitsuriはアルミの加工を依頼できる多数のメーカーと提携しています。お気軽にお問い合わせください。

アルミを使うメリット

アルミを使うメリットと言えばとにかく軽いということがあげられますが、それ以外にもこれだけの利点があります。

  • 加工が多彩かつ綺麗に仕上がる
  • 錆びにくい
  • 無害・無臭
  • 低温の強さ
  • リサイクルがしやすい

軽いだけでなくこれだけの良さがアルミにはあるんですね。

では、より詳しく知るために分かりやすく説明していきましょう。

加工が多彩かつ綺麗

アルミは加工がしやすく、板・棒・線といった様々な形に作ったり削ったりできます。

金属でありながら複雑な形にできますし、薄く伸ばしたりするのも容易にできます。

切削性もいいので加工時間が鉄よりも短く済むのも利点ですね。

また、加工後の着色も多彩にできます。缶や水筒のように綺麗な色付けもできるので、幅広い活用が可能です。

柔らかい割に丈夫なので、細かい加工・着色も可能ですし、工具が壊れにくいのもメリットの一つと言えるでしょう。

錆びにくい

先ほどもありましたが、錆びにくいのもアルミのメリットです。

アルミは人間の手で加工しなくても、自然に作られる酸化皮膜というもので、もともと自らの性質で錆を防止しています。

ですが、酸化皮膜は非常に薄い皮膜なので、環境によっては化学反応により錆びてしまうことがあります。

それを補うためのアルマイト処理によって、アルミはより錆びにくい金属にすることができます。

錆びにくさを表現する用語として耐食性という言葉がありますが、アルミは鉄に比べ、この耐食性に非常に優れているのです。

無害・無臭

アルミは人体に影響がなく土壌にも優しいんです。

無害無臭で衛生的なので、チョコレートや缶ジュース、医薬品などの包装や医療機器など直接人が触れる商品、道具にも安心して使うことができます。

土壌をいためないので捨てるのにも手間が掛からず、日用品として使用するにしても、とても便利な金属なんですね。

低温に耐性がある

低温と言っても日常生活で気温として感じられる5度や0度なんてものではありません。

-162度の液化天然ガスや-196度と言われる液体窒素を入れるタンクに使っても耐えることができます。

その低温での有効性から宇宙開発からバイオテクノロジーなどにも用いられています。

日用品から医療品、さらには宇宙開発まで、本当に幅広く使われているのが分かりますね。

リサイクルがしやすい

アルミはリサイクルにも優しいんです。

熱に溶けやすく酸化しにくいことから再利用しやすく、しかもリサイクル品でも新品の素材とほぼ変わらない品質で製造できてしまいます。

近所や学校で廃品回収をした時、スチール缶よりアルミ缶が望ましいのはそういった理由があったんですね。

幅広く使えて綺麗な着色ができ、酸化や低温に耐性もある、さらにリサイクルもしやすいとは、もう言うことがないほどの金属なのではないでしょうか。

アルミのデメリット

万能に思えたアルミにもデメリットはいくつかあります。

1.鉄と比べて強度が高くない

アルミは柔らかく自由な反面、硬さや耐久性では鉄と比べて劣るようです。

建物や橋を作る材料として鉄の柱は使いますが、アルミの柱はありません。もしアルミでできた橋なんかがあったら、たちまち曲がってすぐに決壊してしまうでしょう。

鉄もアルミも適材適所なんですね。

2.溶接がしにくい

溶かして使うのでそういうことではなく、アルミは鉄や他の金属と比べると相当溶かさないと溶接できないため、熱しすぎてアルミとくっつけるはずの素材も溶けてしまうということ。

アルミで溶接をする場合は、くっつける素材が分厚かったり、熱に強い素材でないと難しいようですね。

3.鉄と比べると材料費が高い

あくまで鉄と比べると、ということなので、これに関しては鉄が安すぎるというのもあります。

アルミもそれほど高いというわけではありませんが、やはりコストは少しでも安いに越したことはないですよね。

重量が重くても問題なかったり、難しい加工が必要ないなど、どちらの金属を使ってもいい場合は鉄の方がいいかもしれませんね。

アルミについてのまとめ

アルミは普段の生活の上で欠かせない存在です。日常生活でも普段お目にかかれない場所でも、非常に手広く活用されている素材でした。

今後もアルミは日用品や機械の部品となって、私たちの生活を支えてくれるでしょう。

以上、今回の記事はアルミについての紹介でした。最後まで読んで頂きありがとうございました。

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