金属の箱物は、ケースやボックスなど幅広い用途で利用されています。金属製箱物の製作を依頼するにあたり、「どういった基準でメーカーを選べばいいのか」、また「どの工場で金属の箱物を製作しているのか分からない」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
本記事は、そんなお悩みをお持ちの方必見!今回は、金属の箱物製作を得意としているMitsuriイチオシの加工メーカーを全国から2社、ご紹介します。他にも、金属の箱物製作を依頼する際のポイントについて、材質、蝶番、扉の項目に分けて解説し、さらに箱物製作時に必要となる接合の方法についてもご説明いたします。金属の箱物製作でお悩みの方や、これから金属の箱物製作の依頼を検討されている方は、ぜひ一読ください。
金属の箱物製作を依頼する際のポイントの1点目として、金属の材質が挙げられます。箱物製作では、製品の用途に合わせて、適切な材質の選定が重要となります。ここでは、箱物の製作によく用いられる、ステンレスとアルミについて、それぞれの特徴や、メリット・デメリットなどをご紹介いたします。
ステンレスは、鉄を主成分とし、そこにクロムなどを加えた合金鋼を指します。このクロムが含有されていることで、ステンレスの表面に不動態皮膜(クロムが大気中の酸素に酸化されることによってできる皮膜)が形成され、錆びにくく、非常に耐食性に優れた金属となっています。
そのため、ステンレス製の箱物製作においては、メッキや塗装などが不要で、さらに、屋外や湿気の多い場所での使用にも適しています。その他にも、強度が高く、意匠性にも優れるなど、さまざまなメリットが挙げられます。
ただし、ステンレスは、粘り強いという性質を持つ金属で、切断や溶接などの板金加工をする際には、作業者の高い技量を要します。
アルミは、比重が鉄や銅の約1/3と軽いため、軽量な箱物を製作するのに最適な材質です。また、空気中において酸化皮膜を形成するため、耐食性にも優れている金属です。また、アルマイト処理(人工的に酸化皮膜を生成させる表面処理)を施すことで、さらに耐食性を向上させることも可能となっています。
アルミは軟かい金属であるため、加工性に優れる一方で、ステンレスなどと比べると強度が劣るというデメリットも挙げられます。
金属の箱物製作を依頼する際のポイントの2点目として、蝶番が挙げられます。蝶番とは、箱物の扉などを開閉させる際に、軸で支えて繋ぐ金具を指します。英語では、「hinge」と書くことから、ヒンジと呼ばれることもあります。
蝶番は、さまざまな形状があり、用途に応じて選定されます。以下、代表的な蝶番の種類についてご紹介していきます。
引用元:大田産業株式会社
平蝶番は、最も一般的な形の蝶番です。上図のように、両側に広がった羽の部分には、蝶番を取り付けるためのビス用の穴があります。また、中央部の管の中に軸があり、そこを基準として箱が開閉するようになっています。
引用元:株式会社ミスミグループ本社
抜差蝶番は、上図に示したように、片方の羽だけに軸があり、もう片方は管のみの構造を持ちます。2枚の羽根が分離することで、蝶番の抜き差しができるようになっており、扉を簡単に取り外すことができるようになっています。
引用元:タキゲン製造株式会社
裏蝶番は、上図のような構造をしており、配電盤や制御盤、キュービクル、サーバーラックなどに利用されています。裏蝶番という名の通り、下図のように、扉の裏面に取り付けることで、表側から蝶番が見えないようになっており、隠し蝶番とも呼ばれています。防犯性に優れる蝶番と言えます。
引用元:スガツネ工業株式会社
次に、蝶番の一般的な取り付け方法についてご紹介していきます。
蝶番ボルト留めでは、箱の扉の内側にナットを取り付けたり、もしくは板にねじ切り加工を施すことで、蝶番をボルトで取り付ける方法です。扉を外すことが可能であるため、メンテナンスは簡単に行えますが、防犯面においては優れていません。
蝶番溶接留めは、その名の通り、蝶番を溶接で固定する方法です。ボルトで留める場合と異なり、蝶番を溶接して取り付けることから、扉を容易に外すことができない構造です。
金属の箱物製作を依頼する際のポイントの3点目として、扉が挙げられます。今回は、箱物の扉の開閉に使用される代表的な2種類のハンドルについて、ご紹介いたします。
平面ハンドルとは、ボタンを押すことで、止め金を動かすことができるハンドルです。配電盤や、分電盤などに多く使用されているハンドルです。
引用元:大田産業株式会社
L型ハンドルとは、上図のように、ハンドルの形状がL型になっているものです。キュービクルや、配電盤、分電盤などに使用されている、最も一般的なハンドルです。
箱物の製作の中に、金属板を接合し、組み立てるという工程があります。使用される材料の材質や板厚などを考慮して、適切な接合方法が選定されます。
一般に、箱物の接合方法には、溶接が利用されます。ここでは、箱物製作において利用される、代表的な溶接方法を4種類ご紹介いたします。
引用元:大田産業株式会社
TIG溶接とは、アークを発生させ、母材を溶融させて溶接する、アーク溶接の一種です。TIG溶接は、上図のように、溶接ビード(溶接跡)が美しく仕上がるため、さまざまな金属に適用されますが、特にステンレスやアルミなどの溶接に多く採用されています。溶接時には、母材の溶融した箇所をアルゴンガスなどのシールドガスを用いて、大気との接触を防ぐことによって、溶接部分の酸化を防止します。
CO2溶接は、シールドガスに炭酸ガスを用いるアーク溶接の一種で、炭酸ガスアーク溶接とも呼ばれます。この溶接方法は、鉄系の材料のみに使用され、溶接時に二酸化炭素と反応してしまうアルミなどの非鉄金属には適用できません。
また、炭酸ガスはアルゴンガスなどの不活性ガスと比較して、安く購入できるため、最も一般的なアーク溶接法となっています。
ただし、不活性ガスを使用した場合と比較すると、スパッタ(溶接時に出る細かい金属の粒)が多く発生するため、外観は劣ります。
YAGレーザー溶接は、レーザー溶接の一種で、(Y)イットリウム・(A)アルミニウム・(G)ガーネットで構成された鉱石に対して光を照射し、励起することによって得られるレーザー光を利用して溶接する方法です。
レーザー溶接では、集光された高密度のエネルギーを用いることで、短時間で加工が可能であるため、その他の溶接方法と比較して、溶接熱の影響が少なく、溶接による変形なども少ないなどといったメリットが挙げられます。
スポット溶接は、2枚の金属板を電極で挟み込み、圧着しながら電流を流し、その抵抗熱によって金属を溶かして接合する方法を指します。電気抵抗を利用した溶接方法であるため、抵抗スポット溶接と呼ばれることもあります。
スポット溶接を行う際に、板厚やサイズが大きい材料を用いると、使用する溶接機によっては、接合面まで熱が伝わらず、上手く溶接できない場合もあるため、注意が必要です。
以下、金属の箱物製作を得意としているイチオシの加工メーカーを2社ご紹介していきます。
引用元:五洋工業株式会社
本社:神奈川県秦野市菩提170-5
TEL:0463-75-2281
FAX:0463-75-2619
設立:昭和49年5月
加工:ステンレス精密板金、アルミ精密板金、その他各種鋼板精密板金
素材:アルミ、ステンレス、鉄 など
五洋工業株式会社は、昭和49年に設立し、主にステンレス・アルミ・鉄類鋼板の精密板金加工を得意としている老舗メーカーです。
五洋工業株式会社では、特に美観・精度を重視した加工を行っており、高い技術力が自慢のメーカーです。最新鋭の設備、及び熟練工の技術を活かして、ブランク加工、曲げ加工、溶接など、さまざまな精密板金加工に対応しています。また、小ロット生産にも対応しており、短納期、特急対応での加工も可能です。
ただし、大ロットの加工を依頼する際は、可能かどうか、事前に確認することをおすすめします。確認の際には、ぜひMitsuriまでご相談下さい。
五洋工業株式会社での製品例はこちらです。
制御パネル筐体
シートフィーダ部品
曲げ加工例
参考記事
こちらの記事では、五洋工業株式会社への取材についてまとめています。五洋工業株式会社についてご興味のある方は、ぜひご覧ください。
本社:東京都江戸川区船堀6丁目4番10号
TEL:03-3680-7191
加工:精密板金加工、板金試作品製造、製缶加工、CO2レーザー加工、TIG溶接(アルゴン溶接)、CO2溶接、タレパン加工 など
株式会社江戸川金属製作所は、東京都江戸川区に本社を構え、精密板金加工を中心に行っているメーカーです。
株式会社江戸川金属製作所では、手のひらサイズの小型製品から重さ1トンの大型製品までの加工を行うことができます。また、加工から、溶接、塗装、組み立てまで、全て一貫して対応しているため、お客様のニーズに合わせた生産が可能となっています。特に、試作品や小ロットの生産を得意としているメーカーです。
ただし、短納期をご希望の場合は、可能かどうか、事前に確認することをおすすめします。確認の際には、ぜひMitsuriまでご相談下さい。
株式会社江戸川金属製作所での保有機械はこちらです。
引用元:株式会社NCネットワーク
引用元:株式会社NCネットワーク
引用元:株式会社キーエンス
筐体とは、機械や電気機器などを中に収めた箱のことで、スマートフォンやパソコンのケースから自動車や飛行機の外板まで、幅広い用途の箱を指します。
本記事では、金属の箱物製作を依頼する際のポイントや、箱物製作の際に用いられる接合の方法などについてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。一口で箱物製作を得意とするメーカーと言っても、得意とする材質やサイズなどが異なります。そのため、製作を依頼する際には、用途に応じて適切なメーカーを選定することが重要となります。
金属の箱物製作を依頼できるメーカーをお探しの際には、ぜひMitsuriにご登録ください。
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