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リップ溝形鋼とは?強度、材質、成分、規格、寸法を解説

リップ溝形鋼とは、Cチャンネルとも呼ばれる、断面がC字型の薄肉の鋼材のことです。軽量かつ高強度で、曲がりにくく、たわみにくいため、建築分野の様々な用途で使用されています。

主に鉄骨造の建物の補強材として用いられますが、高層ビル・橋梁などの構造材や基礎杭に用いられるH形鋼と比べると低強度です。しかし、背中合わせに組み合わせることで、強度の向上が図れることから、軽量鉄骨造の建物の柱や梁などに用いられることがあります。

この記事では、リップ溝形鋼とは何かというところから、リップ溝形鋼の規格や寸法、断面性能、強度、成分などについて解説していきます。

リップ溝形鋼とは

引用元:製品案内「軽量形鋼」中山三星建材株式会社

リップ溝形鋼とは、上図のような、C字型の断面形状を持つ薄肉の鋼材のことです。その形状から、「Cチャンネル」とも呼ばれます。軽量である割に強度が高く、加工性や施工性に優れていることから、重量鉄骨造の補足材や軽量鉄骨造の構造体などに用いられています。ただし、薄肉のために溶接が難しく、ボルトで接合することが多くなっています。

リップ溝形鋼は、H字型やL字型、C字型などの様々な断面形状を持つ「形鋼(かたこう)」と呼ばれる鋼材の一種です。その形鋼の中でも、肉厚が薄い「一般構造用軽量形鋼」に分類されます。その軽量形鋼の中には、軽溝形鋼や軽山形鋼、ハット形鋼などがありますが、リップ溝形鋼は、軽溝形鋼に断面が唇形状となるような、「リップ」と呼ばれる部位が付いた断面形状となっています(下図参照)。ちなみに、リップは補強材として役割があり、リップ溝形鋼は、同一の高さや幅、板厚の軽溝形鋼に比べて、断面性能が高くなっています。

リップ溝形鋼の具体的な用途としては、以下が挙げられます。

●建築・建設…工場・倉庫・学校・体育館・病院などの重量鉄骨造である建築物の下地材(胴縁や母屋など)。事務所・住宅・プレハブ住宅・店舗・車庫などの軽量鉄骨造である建築物の構造材や下地材。

●農業関係…ビニールハウス・鶏舎などの骨組み材。

●その他…ラック・棚・仮設材・エアコン架台・パレットなどの各種材料。

また、リップ溝形鋼の多くは表面処理が施されていて、赤い錆止め塗料が塗布されているものや溶融亜鉛メッキされて白いものが流通しています。酸化皮膜に覆われた黒皮品など、表面処理されていないものもありますが、その場合は、錆止めのための塗装仕上げなどが必要です。

参考:亜鉛メッキ鋼板について専門家が解説!特徴や用途についてご紹介!

リップ溝形鋼の規格と寸法

リップ溝形鋼は、一般構造用軽量形鋼の一種としてJIS規格(JIS G 3350:2021)に規定されています。

その中で、断面の標準的な寸法、断面積および単位質量が、以下として記載されています。なお、断面の角部の曲率半径は、板厚(t)の中心線で、通常「1.5t」とされています。

寸法 (mm) 断面積
(cm^2)
単位質量
(kg/m)
高さ [H] 辺 [A] リップ [C] 厚さ [t]
250 75 25 4.5 18.92 14.9
200 75 25 4.5 16.67 13.1
4.0 14.95 11.7
3.2 12.13 9.52
20 4.5 16.22 12.7
4.0 14.55 11.4
3.2 11.81 9.27
150 75 25 4.5 14.42 11.3
4.0 12.95 10.2
3.2 10.53 8.27
20 4.5 13.97 11.0
4.0 12.55 9.85
3.2 10.21 8.01
65 20 4.0 11.75 9.22
3.2 9.567 7.51
2.3 7.012 5.50
50 20 4.5 11.72 9.20
3.2 8.607 6.76
2.3 6.322 4.96
125 50 20 4.5 10.59 8.32
4.0 9.548 7.50
3.2 7.807 6.13
2.3 5.747 4.51
120 60 25 4.5 11.72 9.20
20 3.2 8.287 6.51
2.3 6.092 4.78
60 40 20 3.2 7.007 5.50
100 50 20 4.5 9.469 7.43
4.0 8.548 6.71
3.2 7.007 5.50
2.3 5.172 4.06
1.6 3.672 2.88
75 45 15 2.3 4.137 3.25
2.0 3.637 2.86
1.6 2.952 2.32
60 30 10 2.3 2.872 2.25
1.6 2.072 1.63

リップ溝形鋼の形状及び寸法の許容差

さらに、形状および寸法の許容範囲も下表のように定められています。

形状・寸法の区分 形状・寸法の許容差
高さ [H] 150mm未満 ±1.5mm
150mm~300mm ±2.0mm
300mm以上 ±3.0mm
辺 [A] 30mm~75mm ±1.5mm
リップ [C] 10mm~25mm ±2.0mm
隣接する平板間の角度※ 90° ±1.5°
長さ 7m以下 +40mm
7m超 1m増すごとに+5mm
長さ方向の曲がり 全長の0.2%以下
厚さ [t] 1.6mm~2.0mm ±0.22mm
2.0mm~2.5mm ±0.25mm
2.5mm~3.15mm ±0.28mm
3.15mm~4.0mm ±0.30mm
4.0mm~5.0mm ±0.45mm
5.0mm~6.0mm ±0.60mm

※平板とは、下図の塗り潰し部分のことです。

リップ溝形鋼の断面性能

リップ溝形鋼は、上述したように、軽溝形鋼にリップを付けることで断面性能を向上させた鋼材です。

断面性能は、以下で説明している、重心位置や断面二次モーメント、断面二次半径、断面係数、せん断中心のような断面の性質によって特徴づけられます。

●重心位置…断面を薄い板状の物体と捉え、その物体を水平に保持したときの重力のつりあいが取れる位置のことです。

●断面二次モーメント…断面と平行方向の荷重が作用するときの曲げ変形に対する抵抗性のことで、この値が大きいほど曲げにくくなります。

●断面二次半径…断面二次モーメントが、ある軸の回りに断面の面積が分布したときと等しくなるように、断面の全面積を一点に集中をさせたときのその点と軸との間の距離のことです。断面と垂直方向の荷重が作用するときの座屈(荷重と垂直方向にたわむ現象のこと)変形に対する抵抗性を示し、この値が大きいほどたわみにくくなります。

●断面係数…断面と平行方向の荷重が作用するときの曲げ変形に対する材質に依らない抵抗性のことで、この値が大きいほど曲げにくくなります。

●せん断中心…断面と平行方向の荷重が作用するとき、断面にねじれが生じず、曲げ変形のみが発生するようなせん断力の作用点のこと。

断面性能は、JIS規格にて、規定されている寸法ごとに算出された値が記載されており、それぞれのパラメータを以下のように定義すると、下図および下表の通りとなっています。

<断面性能を表すパラメータの定義>

Cx, Cy:x方向、y方向の重心位置

Ix, Iy:x軸、y軸回りの断面二次モーメント

Rx, Ry:x軸、y軸回りの断面二次半径

Zx, Zy:x軸、y軸回りの断面係数

Sx, Sy:x方向、y方向のせん断中心の位置

S.C.:せん断中心(Shear Center)

寸法 (mm) 重心位置 (cm) 断面二次 モーメント (cm^4) 断面二次半径 (cm) 断面係数 (cm^3) せん断中心 (cm)
H×A×C t Cx Cy Ix Iy Rx Ry Zx Zy Sx Sy
250×75×25 4.5 0 2.07 1690 129 9.44 2.62 135 23.8 5.1 0
200×75×25 4.5 0 2.32 990 121 7.61 2.69 99.0 23.3 5.6 0
4.0 0 2.32 895 110 7.74 2.72 89.5 21.3 5.7 0
3.2 0 2.33 736 92.3 7.70 2.76 73.6 17.8 5.7 0
200×75×20 4.5 0 2.19 963 109 7.71 2.60 96.3 20.6 5.3 0
4.0 0 2.19 871 100 7.74 2.62 87.1 18.9 5.3 0
3.2 0 2.19 716 84.1 7.79 2.67 71.6 15.8 5.4 0
150×75×25 4.5 0 2.65 501 109 5.90 2.75 66.9 22.5 6.3 0
4.0 0 2.65 455 99.8 5.93 2.78 60.6 20.6 6.3 0
3.2 0 2.66 375 83.6 5.97 2.82 50.0 17.3 6.4 0
150×75×20 4.5 0 2.50 489 99.2 5.92 2.66 65.2 19.8 6.0 0
4.0 0 2.51 445 91.0 5.95 2.69 59.3 18.2 5.8 0
3.2 0 2.51 366 76.4 5.99 2.74 48.9 15.3 5.1 0
150×65×20 4.0 0 2.11 401 63.7 5.84 2.33 53.5 14.5 5.0 0
3.2 0 2.11 332 53.8 5.89 2.37 44.3 12.2 5.1 0
2.3 0 2.12 248 41.1 5.94 2.42 33.0 9.37 5.2 0
150×50×20 4.5 0 1.54 368 35.7 5.60 1.75 49.0 10.5 3.7 0
3.2 0 1.54 280 28.3 5.71 1.81 37.4 8.19 3.8 0
2.3 0 1.55 210 21.9 5.77 1.86 28.0 6.33 3.8 0
125×50×20 4.5 0 1.68 238 33.5 4.74 1.78 38.0 10.0 4.0 0
4.0 0 1.68 217 33.1 4.77 1.81 34.7 9.38 4.0 0
3.2 0 1.68 181 26.6 4.82 1.85 29.0 8.02 4.0 0
2.3 0 1.69 137 20.6 4.88 1.89 21.9 6.22 4.1 0
120×60×25 4.5 0 2.25 152 58.0 4.63 2.22 41.9 15.5 5.3 0
120×60×20 3.2 0 2.12 186 40.9 4.74 2.22 31.3 10.5 4.9 0
2.3 0 2.13 140 31.3 4.79 2.27 23.3 8.10 5.1 0
120×40×20 3.2 0 1.32 144 15.3 4.53 1.48 24.0 5.71 3.4 0
100×50×20 4.5 0 1.86 139 30.9 3.82 1.81 27.7 9.82 4.3 0
4.0 0 1.86 127 28.7 3.85 1.83 25.4 9.13 4.3 0
3.2 0 1.86 107 24.5 3.90 1.87 21.3 7.81 4.4 0
2.3 0 1.86 80.7 19.0 3.95 1.92 16.1 6.06 4.4 0
1.6 0 1.87 58.4 14.0 3.99 1.95 11.7 4.47 4.5 0
75×45×15 2.3 0 1.72 37.1 11.8 3.00 1.69 9.90 4.24 4.0 0
2.0 0 1.72 33.0 10.5 3.01 1.70 8.79 3.76 4.0 0
1.6 0 1.72 27.1 8.71 3.03 1.72 7.24 3.13 4.1 0
60×30×10 2.3 0 1.06 15.6 3.32 2.33 1.07 5.20 1.71 2.5 0
1.6 0 1.06 11.6 2.56 2.37 1.11 3.88 1.32 2.5 0

リップ溝形鋼は、同一寸法の軽溝形鋼と比べると、断面性能が高くなっています。例えば、軽溝形鋼においては、200×75×4.5(高さ[H]×辺[A]×厚さ[t])の断面性能のパラメータは、以下の通りで、リップ溝形鋼よりも値が低くなっています。

・断面二次モーメント…(881cm^4, 78.0cm^4)

・断面二次半径…(7.64cm, 2.27cm)

・断面係数…(88.1cm^3, 13.7cm^3)

リップ溝形鋼の機械的性質

鋼種記号 厚さの区分 (mm) 降伏点又は耐力 (N/mm^2) 引張強さ (N/mm^2) 伸び %
SSC400 1.6~5.0 245以上 400~540 21以上
5.0~6.0 17以上

リップ溝形鋼の機械的性質は、JIS規格にて上表のように規定されています。

リップ溝形鋼は、SS400とほぼ同じ化学成分を持つ材質から、熱間圧延や冷間圧延によって製造されます。そのため、SS400とほぼ同じ強度を持ちます。

また、比較のため、SUS304の機械的性質を挙げると、以下の通りとなっています。

<SUS304の機械的性質>

・耐力…205 N/mm^2 以上

・引張強さ…520 N/mm^2 以上

・伸び…40 % 以上

リップ溝形鋼は、SUS304に比べて、近い強度を持っていますが、延性は低めです。

参考:一般構造用圧延鋼材(SS材)とは?【専門家が解説】素人でも3分で判ります

リップ溝形鋼の化学成分

鋼種記号 化学成分 (%)
炭素 (C) リン (P) 硫黄 (S)
SSC400 0.25以下 0.050以下 0.050以下

リップ溝形鋼の化学成分は、JIS規格にて上表のように規定されています。ただし、必要に応じて、炭素、リンおよび硫黄以外の合金元素を添加することが許されています。

なお、リップ溝形鋼はSS400とほぼ同じ化学成分を持っていますが、SS400には、リンと硫黄の規定しかなく、炭素の含有量は決まっていません。

リップ溝形鋼とCチャンネルの違い

リップ溝形鋼とCチャンネルに違いはなく、同じ鋼材のことを示しています。JIS規格で規定されているように、リップ溝形鋼が正式名称で、この鋼材のことは、鋼材メーカーでもリップ溝形鋼と呼びます。

一方、Cチャンネルは、一般的に形鋼がチャンネルと呼ばれていることと、リップ溝形鋼の断面形状がC字型であることから用いられている呼び名です。建築分野では、Cチャンネルと呼ぶことが一般的となっています。

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最後までお読みいただきありがとうございます。
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