カテゴリ

Mitsuriでの受発注の最新の傾向や統計、サービス最新情報を毎月メールにてお届けします。
WEB上での新規取引のコツや活用方法など役に立つ情報も配信しています!

 

金型の食い切りの意味と角度

この記事を監修した人

金属加工業界最大級のマッチングプラットフォーム「Mitsuri」を手掛ける企業。
「未来の製造業をつくる」をモットーに、製造業DXを推進している。

金型は特定の形状を量産するのに使われており、自動車や家電などの幅広い分野で活用されています。しかし金型は一度製作すると、後から改良するのに手間やコストを要するため、トラブルが発生しにくいよう設計する必要があります。

本記事では、金型を製作するうえで注意すべきポイントである「食い切り」について解説します。

参考:【金型製作】金型の種類と基礎や流れについて徹底解説!!

参考:プレス金型とは?金型の機能・名称に関しても解説!

金型とは?(キャビティとコアについて)

金型とは、溶融させたアルミニウムや樹脂など、流動性のある材料を流し込んで成形加工するための金属製の型のことです。金型は用意するのにイニシャルコストがかかるものの、同じ形状の製品を量産するのに適しています。

キャビティ(雌型)およびコア(雄型)は、金型を構成する部品のことです。上図のようにキャビティは凹側、コアは凸側となっており、それらの間に材料を流し込み、固めることで製品が成形されます。

金型を用いて製作したものを改良したい場合、キャビティもしくはコアの形状を変更しなければなりません。金型を削る分には比較的簡単に変更が可能ですが、肉盛りをするには溶接や仕上げなど、工数を多く必要とするため、変更が難しいといった特徴があります。

参考:キャビコアって何?正体、構造、仕組みを解説!

金型の食い切り

引用元:ハジメ機械設計

金型の食い切りとは、上図のようにキャビティとコアの開閉方向に沿った合わせ面を持つ金型構造のことです。また、開閉方向に沿った合わせ面のことを「食い切り面」と呼びます。食い切りは、フックやクリップ形状の製品を成形する際に起こり得る構造です。

食い切りのデメリット

食い切り面が、キャビティとコアの開閉方向に対して平行な面である場合、キャビティとコアの位置関係が少しでもズレていると、お互いがぶつかり合ってうまく嵌め合わせることができません。また、食い切りは金型のかじりや摩耗のリスクがあることもデメリットとして挙げられます。

設計において注意する点

食い切りで発生してしまうトラブルを避けるためにも、設計の際には以下の点に注意しなければなりません。


食い切り面に抜け勾配を設ける

引用元:ハジメ機械設計

食い切り面が垂直の場合、嵌め合わせの際にトラブルが発生する可能性がありますが、大きめの抜き勾配をつけることで、位置合わせに多少の融通が効くようになります。

食い切り面の抜き勾配は、加工業者によりさまざまですが、5°以上つけておくと安心です。大きめの抜き勾配をつけることで、キャビティとコアの擦れが少なくなり、金型かじりのリスクも避けられます。

食い切りの抜け勾配は、加工業者によっては3°からでも対応できる場合があります。小さい勾配を必要とするのであれば、あらかじめ加工業者に相談しておきましょう。

参考:抜き勾配の計算方法や設計時に必要な角度を解説!


押し切り合わせ構造にする

引用元:ハジメ機械設計

食い切りを避けるためには、押し切り合わせ構造にするのも有効です。「押し切り合わせ構造」とは、キャビティとコアの開閉方向に対して垂直方向に当たる面を設ける金型構造のことを指します。

食い切り面に抜き勾配だけを設けた場合、バリが発生する傾向にありますが、押し切り合わせ構造にすることでバリが発生しにくくなります。押し切り合わせ構造は、キャビティとコアの押し切り面の密着度を高めるため、抜き勾配も設けるのも必要です。

また、押し切り面の幅が小さすぎると、刃物のようにエッジのきいた状態になり、金型が損傷する恐れがあります。そのため押し切り面は、ある程度の幅を設けておく必要があります。

金属加工のマッチングならMitsuri!

法人・個人問わずご利用できます。

PICK UP!!

溶接記号一覧 読み方、書き方をわかりやすく解説

PICK UP!!

フランジとは?種類・形状・規格・材質など詳しく解説

Mitsuriでどんな取引が行われている?
新しい機能を使ってどう新規取引につなげる
‍そんな疑問に毎月メールでお届けします

 
新着記事