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治具の種類【基礎】使い方と事例、考え方

治具(じぐ)(治工具(じこうぐ))は、製品の品質・精度の向上や均質化、製造の効率化などを図るために用いられており、製造業において必要不可欠なものです。

金属製品は、材料に成形加工や熱処理、表面処理などを施し、さらに場合によっては組立や検査等を行って生産します。各工程では、工作機械や刃物、メッキ設備などを使用して加工等を行っていきますが、そのほとんどの場面において治工具・治具が用いられます。

治具・治工具とは【わかりやすく】工具とどう違う?

治具(治工具)とは、加工や組立、検査などの各工程において、製造をサポートするために用いられる器具です。加工工程において工具の位置決めや案内、材料の固定などを行ったり、組立工程において部品を所定の位置へ正確に挿入したり、多様な役割があります。

治具・治工具とは?わかりやすく解説

図1:治具とボール盤

例えば、単にボール盤で穴を空ける場合でも、治具に材料を取り付ければ、ドリルを垂直に下ろすだけで、材料の同一位置へ正確に穴を空けることが可能です。治具を使用すれば、大量生産品の作業が容易になり、穴の位置がばらつくことも防止できます。

傾斜可能な治具

図2:傾斜が可能な治具  

汎用的に使用できるものとして、材料を傾斜・回転させて固定する治具が挙げられます。この治工具を利用すれば、角度をつけた穴を空けるなど、4軸以上の加工機がないと加工が難しい形状を成形することが可能です。

参考:5軸加工機についてご紹介!3軸加工機との違いについても解説

治工具と工具の違い

治工具は「工具」という言葉を含みますが、工具とは異なります。

工具 治工具(治具)
切削工具
研削工具
場椅子(万力)
クランプ
ブッシュ
加工を直接行う道具
加工に不可欠なもの
加工をサポートする道具
なくても一応加工はできる

工具の例には、フライスやドリル等の切削工具、砥石等の研削工具などが挙げられます。これらは金属を削るなど、加工を直接的に実行する道具であり、加工に不可欠なものです。

治工具の例には、バイス(万力)やクランプ、穴加工のガイドに用いるブッシュが挙げられます。これらはあくまで加工をサポートするものであり、加工そのものは治工具がなくても可能です。

工具は加工そのものに使われる道具で、治工具は工具による加工をサポートする道具です。

治具のメリット

治工具を利用することによって、加工の簡易化や均質化、保有している設備や工作機械では加工困難な形状の実現など、様々なメリットが期待できます。

治具のメリットとして、以下が挙げられます。

治具のメリット

  • 品質・精度の向上
  • 品質・精度の均質化
  • 難しい加工の簡易化
  • 作業の簡易化
  • 人的ミスの減少
  • 不良の発生軽減
  • 生産速度の向上

治具を導入することによって、コストダウンや生産性の向上、製品価値の向上が可能になります。ただし、治具は多くの場合、部品・製品毎に用意しなくてはなりません。そのためロット数が少ない製品では、治具の製作費用自体が負担となり、コスト増に繋がる場合もあるので注意が必要です。

治工具と治具の違い

治具(じぐ)は、治工具とほぼ同じ意味で使われている言葉ですが、元々は工具の位置決めや案内を行う器具のみを示していました。しかし、現在では治工具と同様に、材料の位置決めや固定を行う取付具・固定具なども示し、加工や組立、検査等を補助する器具の総称として用いられており、治具と治工具は同義です。

治具の種類

治具には以下の種類があります。

  • 固定治具
  • 切断治具
  • 挿入治具・引抜治具
  • 溶着治具
  • 塗装治具
  • カシメ治具(かしめて接合する治具)
  • 検査治具
治具の種類 説明 例など
固定治具 材料を固定して加工を補助する治具 バイス、クランプ(万力)
切断治具 材料を決まったサイズに切断するための治具 裁断機
挿入治具
引抜治具
材料を決まった位置に挿入
(決まった位置から引抜く)ための治具
プーラー
溶着治具 材料同士を接着するための治具 シーラー
塗装治具 材料の塗装を補助する治具
(塗装しない部分を保護する治具)
ステンシル
カシメ治具 材料同士の接合部分を固定する治具
検査治具 完成品を検査するための治具

治具の使い方と加工の例

(1)治具を使った穴あけ加工

治具を使用した例 治具を使用しない例
治具を使用した例 治具を使用しない例

右図は、専用の治工具を使用しない方法です。汎用クランプで材料を固定し、穴を空ける位置にケガキ及びポンチ穴加工を実施します。その後ドリルを水平方向に送って位置を合わせ、垂直に下ろして加工します。

専用の治工具を用いる左図では、位置決めピンで材料の水平位置を固定すると共に、ブッシュでドリルを垂直に下ろした際のドリルチャックと材料との距離を一定にしています。

この方法では、材料にあらかじめ位置決めピンをはめる穴が空いている必要がありますが、材料にケガキやポンチ穴加工を行うことなく、材料の水平位置を決めることが可能です。また、穴の深さもブッシュの厚さで決まるため、ドリルの垂直方向の送りを調整することなく、一定深さの穴を空けることができます。

(2)治具を使った薄板の旋盤加工

治工具を使用して、旋盤で薄板を加工する方法です。図中の左上図の板材から右下図のような部品を成形するケースです。旋盤のチャックでは板材の固定ができないため、このままでは板材から部品を成形できません。

引用元:株式会社南信精機製作所

板材の雌ネジ穴と締結できる雄ネジを備えた治工具を用いることで、旋盤による加工が可能になります。板材を治工具と締結して治工具を旋盤にチャックします。これによって板材の外面の加工が可能になり、部品の成形ができます。

治工具・治具設計の考え方と製作の流れ

治具設計の流れ
図5:治具設計の流れ

治具製作は「設計」→「部品調達・製作」→「組立」の流れで行われます。

(1)設計

治工具は、部品や製品の加工の補助に使用するものです。そのため治工具を設計する際には、加工対象の図面検討とともに、冶具と一緒に用いる工具・工作機械についても調べておく必要があります。

治工具の精度は「加工品の精度が治工具の精度よりも高くなることはない」ことを考慮して検討します。治工具が製品に触れるケースでは、製品に傷をつけないために、治工具に対する表面仕上げの必要性も考えます。

治工具の設計段階で考えること

  • 治具と一緒に用いる工具
  • 治具と一緒に用いる工作機械
  • 治具の精度
  • 治具の表面仕上げの必要性

これらを考慮した上で、求める効率性や精度、品質が実現できる治工具を設計します。

(2)部品の調達・製作

設計と要求仕様の整合性が確認できたら、治工具の製作に移ります。治工具は、材料を固定するだけの単純なものから、複数の部品を組み合わせたもの、加工を自動化するためのロボットと組み合わせたものまで、複雑さは様々です。

ケースバイケースで、自社で部品を製作したり外部から部品や装置を調達したりするなどして、治工具の全ての構成要素を揃えます。

(3)組立

a. 組立作業

構成要素がそろったら、組立に移ります。設計書を確認しながら、完成品をイメージして組み立てます。ものによっては、電気機器を含む場合があり、配線作業が必要になることがあります。

b. 検査・寸法チェックなど

組立作業が完了したら、寸法をチェックします。電気的なチェックを行うこともあります。

c. 試運転と納品

組立及び検査が完了したら、納品します。治工具は製品ではなく製造を補助する器具であるため、要求仕様通り動作するかを確認するために試運転を行うことがあります。問題があれば修正し、要求仕様とのズレがあれば調整します。

治工具・治具は、導入することでコストダウンや生産性の向上が期待できるため、金属加工を行う際に広く用いられている器具です。また、大量生産において、特に有用となるものでもあります。

しかし、工作機械や工具と同様、高い品質や精度が要求されるものであり、その製作には高度な技術が必要となります。

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治具の種類【基礎】使い方と事例、考え方

治具(じぐ)(治工具(じこうぐ))は、製品の品質・精度の向上や均質化、製造の効率化などを図るために用いられており、製造業において必要不可欠なものです。

金属製品は、材料に成形加工や熱処理、表面処理などを施し、さらに場合によっては組立や検査等を行って生産します。各工程では、工作機械や刃物、メッキ設備などを使用して加工等を行っていきますが、そのほとんどの場面において治工具・治具が用いられます。

治具・治工具とは【わかりやすく】工具とどう違う?

治具(治工具)とは、加工や組立、検査などの各工程において、製造をサポートするために用いられる器具です。加工工程において工具の位置決めや案内、材料の固定などを行ったり、組立工程において部品を所定の位置へ正確に挿入したり、多様な役割があります。

治具・治工具とは?わかりやすく解説

図1:治具とボール盤

例えば、単にボール盤で穴を空ける場合でも、治具に材料を取り付ければ、ドリルを垂直に下ろすだけで、材料の同一位置へ正確に穴を空けることが可能です。治具を使用すれば、大量生産品の作業が容易になり、穴の位置がばらつくことも防止できます。

傾斜可能な治具

図2:傾斜が可能な治具  

汎用的に使用できるものとして、材料を傾斜・回転させて固定する治具が挙げられます。この治工具を利用すれば、角度をつけた穴を空けるなど、4軸以上の加工機がないと加工が難しい形状を成形することが可能です。

参考:5軸加工機についてご紹介!3軸加工機との違いについても解説

治工具と工具の違い

治工具は「工具」という言葉を含みますが、工具とは異なります。

工具 治工具(治具)
切削工具
研削工具
場椅子(万力)
クランプ
ブッシュ
加工を直接行う道具
加工に不可欠なもの
加工をサポートする道具
なくても一応加工はできる

工具の例には、フライスやドリル等の切削工具、砥石等の研削工具などが挙げられます。これらは金属を削るなど、加工を直接的に実行する道具であり、加工に不可欠なものです。

治工具の例には、バイス(万力)やクランプ、穴加工のガイドに用いるブッシュが挙げられます。これらはあくまで加工をサポートするものであり、加工そのものは治工具がなくても可能です。

工具は加工そのものに使われる道具で、治工具は工具による加工をサポートする道具です。

治具のメリット

治工具を利用することによって、加工の簡易化や均質化、保有している設備や工作機械では加工困難な形状の実現など、様々なメリットが期待できます。

治具のメリットとして、以下が挙げられます。

治具のメリット

  • 品質・精度の向上
  • 品質・精度の均質化
  • 難しい加工の簡易化
  • 作業の簡易化
  • 人的ミスの減少
  • 不良の発生軽減
  • 生産速度の向上

治具を導入することによって、コストダウンや生産性の向上、製品価値の向上が可能になります。ただし、治具は多くの場合、部品・製品毎に用意しなくてはなりません。そのためロット数が少ない製品では、治具の製作費用自体が負担となり、コスト増に繋がる場合もあるので注意が必要です。

治工具と治具の違い

治具(じぐ)は、治工具とほぼ同じ意味で使われている言葉ですが、元々は工具の位置決めや案内を行う器具のみを示していました。しかし、現在では治工具と同様に、材料の位置決めや固定を行う取付具・固定具なども示し、加工や組立、検査等を補助する器具の総称として用いられており、治具と治工具は同義です。

治具の種類

治具には以下の種類があります。

  • 固定治具
  • 切断治具
  • 挿入治具・引抜治具
  • 溶着治具
  • 塗装治具
  • カシメ治具(かしめて接合する治具)
  • 検査治具
治具の種類 説明 例など
固定治具 材料を固定して加工を補助する治具 バイス、クランプ(万力)
切断治具 材料を決まったサイズに切断するための治具 裁断機
挿入治具
引抜治具
材料を決まった位置に挿入
(決まった位置から引抜く)ための治具
プーラー
溶着治具 材料同士を接着するための治具 シーラー
塗装治具 材料の塗装を補助する治具
(塗装しない部分を保護する治具)
ステンシル
カシメ治具 材料同士の接合部分を固定する治具
検査治具 完成品を検査するための治具

治具の使い方と加工の例

(1)治具を使った穴あけ加工

治具を使用した例 治具を使用しない例
治具を使用した例 治具を使用しない例

右図は、専用の治工具を使用しない方法です。汎用クランプで材料を固定し、穴を空ける位置にケガキ及びポンチ穴加工を実施します。その後ドリルを水平方向に送って位置を合わせ、垂直に下ろして加工します。

専用の治工具を用いる左図では、位置決めピンで材料の水平位置を固定すると共に、ブッシュでドリルを垂直に下ろした際のドリルチャックと材料との距離を一定にしています。

この方法では、材料にあらかじめ位置決めピンをはめる穴が空いている必要がありますが、材料にケガキやポンチ穴加工を行うことなく、材料の水平位置を決めることが可能です。また、穴の深さもブッシュの厚さで決まるため、ドリルの垂直方向の送りを調整することなく、一定深さの穴を空けることができます。

(2)治具を使った薄板の旋盤加工

治工具を使用して、旋盤で薄板を加工する方法です。図中の左上図の板材から右下図のような部品を成形するケースです。旋盤のチャックでは板材の固定ができないため、このままでは板材から部品を成形できません。

引用元:株式会社南信精機製作所

板材の雌ネジ穴と締結できる雄ネジを備えた治工具を用いることで、旋盤による加工が可能になります。板材を治工具と締結して治工具を旋盤にチャックします。これによって板材の外面の加工が可能になり、部品の成形ができます。

治工具・治具設計の考え方と製作の流れ

治具設計の流れ
図5:治具設計の流れ

治具製作は「設計」→「部品調達・製作」→「組立」の流れで行われます。

(1)設計

治工具は、部品や製品の加工の補助に使用するものです。そのため治工具を設計する際には、加工対象の図面検討とともに、冶具と一緒に用いる工具・工作機械についても調べておく必要があります。

治工具の精度は「加工品の精度が治工具の精度よりも高くなることはない」ことを考慮して検討します。治工具が製品に触れるケースでは、製品に傷をつけないために、治工具に対する表面仕上げの必要性も考えます。

治工具の設計段階で考えること

  • 治具と一緒に用いる工具
  • 治具と一緒に用いる工作機械
  • 治具の精度
  • 治具の表面仕上げの必要性

これらを考慮した上で、求める効率性や精度、品質が実現できる治工具を設計します。

(2)部品の調達・製作

設計と要求仕様の整合性が確認できたら、治工具の製作に移ります。治工具は、材料を固定するだけの単純なものから、複数の部品を組み合わせたもの、加工を自動化するためのロボットと組み合わせたものまで、複雑さは様々です。

ケースバイケースで、自社で部品を製作したり外部から部品や装置を調達したりするなどして、治工具の全ての構成要素を揃えます。

(3)組立

a. 組立作業

構成要素がそろったら、組立に移ります。設計書を確認しながら、完成品をイメージして組み立てます。ものによっては、電気機器を含む場合があり、配線作業が必要になることがあります。

b. 検査・寸法チェックなど

組立作業が完了したら、寸法をチェックします。電気的なチェックを行うこともあります。

c. 試運転と納品

組立及び検査が完了したら、納品します。治工具は製品ではなく製造を補助する器具であるため、要求仕様通り動作するかを確認するために試運転を行うことがあります。問題があれば修正し、要求仕様とのズレがあれば調整します。

治工具・治具は、導入することでコストダウンや生産性の向上が期待できるため、金属加工を行う際に広く用いられている器具です。また、大量生産において、特に有用となるものでもあります。

しかし、工作機械や工具と同様、高い品質や精度が要求されるものであり、その製作には高度な技術が必要となります。

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