2025-01-15
更新
グレーチングとは、鋼材が格子状に組まれた排水性のある金属製の「みぞふた」や「ますぶた」のことです。
グレーチングは一般的に道路脇の側溝やU字溝、もしくは歩道や建物の外構周りに使用されています。
化粧用グレーチングや鋳鉄製グレーチングなど種類があり、規格や寸法(サイズ)・耐荷重によって用途ごとに使い分けられています。
グレーチングは人や物が側溝内に落ちないようにするための「ふた」の役割を担っています。また、排水性も必要とするため、形状は格子状になっていることがほとんどです。
昨今では、排水性を維持しつつ、ヒールのかかとや自転車等のタイヤが格子の穴にはまりにくいように設計された、細いスリット状の穴が開いているグレーチングも研究されています。
街に雨が降ったとき、道路や歩道にあるグレーチングから排水がおこなわれることで、冠水が防止されています。
グレーチングの種類は豊富にありますが、最も使用されている代表的な形状は以下の4種です。
(1)みぞぶた
(2)かさあげ
(3)ますぶた
(4)U字溝
みぞぶたは道路の側溝用・横断用で用いられ、帯状に連なった状態で使用されます。形状は長方形です。みぞふたには専用の受枠があり、コンクリートを打設した上でふたをセットします。
車両が頻繁に通ると予想される場合は、ガタツキがないように受枠とふたをボルトで固定する製品もあります。
かさあげタイプのグレーチングは、みぞぶたタイプと比べて脚があり、高さを確保した形状です。側溝として使用されることが多いですが専用の受枠を用いず、あらかじめ生産されている二次製品のコンクリートに対して、ふたのみを設置します。
みぞぶたのように連続で使用されることもありますが、コンクリートふたの代用として使用することで、側溝のメンテナンスをしやすくしたり、排水性を良くしたりする効果もあります。
ますぶたは、側溝の合間と合間に配置されている集水桝用のふたです。形状は上図のように、正方形に近い形になっていることが特徴です。
製品によっては桝内のメンテナンスがしやすいように、開閉のしやすいヒンジ付きのタイプや、ゴミが落ちないようにバスケットが設けられているケースもあります。
ますぶたも、みぞふたと同様に専用の受枠があり、コンクリートで施工した受枠に被せることで使用されるケースがほとんどです。
U字溝用のグレーチングは、側溝に段差がないものに使用します。グレーチングの天端には「つば」(出っ張り)が付いており、つばをU字溝の天端に預けてセットします。U字溝用グレーチングは、主に歩行部や構内の車両乗り入れ部に使用されています。
専用の受枠を準備する必要がなく、二次製品のコンクリートに対して開口部に置くだけなので、施工が容易なことが特徴です。
つばをU字溝の天端に乗せて設置しているので、ふた本体の強度が確保しにくく、重荷重用としては使用しにくいです。
グレーチングの寸法(サイズ)において重要な箇所は、みぞ幅・ふた及び受枠の幅、長さ、高さ・目粗さとピッチです。グレーチングを選定する際は、上記の寸法を抑えておけば基本的に問題はありません。
プレキャストコンクリート側溝や材料についてはJIS規格があるものの、グレーチングには規格が定められていることは少ないです。ただし一部の自治体や、地方整備局によっては寸法や形状が定められている場合もあります。
グレーチングで使われる代表的な素材は、以下の3つです。
(1)スチール
(2)ステンレス
(3)FRP
グレーチングの一般的な素材として最も使用されている素材は、スチール製です。スチール製は強度があり、他の素材よりも比較的安価なことから、どのグレーチングメーカーも基本素材として取扱っています。
スチールはそのまま使用するとサビが発生しやすいため、防錆処理として亜鉛メッキが施されていることが多いです。
参考:【SS400】とは!?SS400の規格や加工方法について専門家が解説
ステンレスは錆びにくい性質を持ち、スチール製よりも洗練された高級感があることから、見た目を重視したい建物の外構周りや厨房、浴室に使用されます。
参考:SUS304とSUS430の意味とは? 使い分けや特徴も分かりやすく解説!
FRPとは、繊維強化プラスチックのことを指します。金属製のグレーチングと比べて錆びないことと、重量がとても軽いことが特徴です。ポリプロピレンのような一般的なプラスチックと比べて耐候性が強いので、屋外での使用にも適しています。
耐久性と耐食性に優れていることから、薬品を扱う場所や海辺の近くで扱われることが多いです。
FRPは成型の自由度が高いこともメリットである反面、一度成型してしまうと金属製品のように曲げたり溶接したりといった二次加工はできなくなります。
グレーチングの耐荷重とは、グレーチングの強度を示す指標です。グレーチングが耐えられる荷重によって、主に5種類に分けられます。
耐荷重は、グレーチングの上を通過する可能性のある最大車両の総重量を想定して定められています。例えば「T-2のグレーチング」は、車両総重量が2トンまで対応できることを示します。
T-2は、総重量2トンまでの車両(普通自動車、軽自動車、大型バイクなど)が通行する場所に使用できるグレーチングです。
一般の道路で乗用車のような比較的積載物の少ない車両が通過する箇所に利用可能です。また、一般家庭において駐車場の入り口などの側溝にも利用されています。
T-6は、総重量6トンまでの車両(マイクロバス、救急車など)が通行する場所に使用できるグレーチングです。
通常の貨物用トラックなどが通行する道路にも用いることが可能で、一般道路の側溝部によく利用されています。
T-14は、総重量14トンまでの車両(観光バス、消防車、ゴミ収集車など)が通行する場所に使用できるグレーチングです。
消防車などの通過も可能であるため、マンションやビルなどの駐車場内において広く利用されています。
T-20は、総重量20トンまでの車両(ダンプカー、大型バスなど)が通行する場所に使用できるグレーチングです。
ダンプカーなどの大型車の通行にも使用できることから、車道で使用されることが多いグレーチングです。
T-25は、総重量25トンまでの車両(トレーラー、はしご付消防車など)が通行する場所に使用できるグレーチングです。
T-20同様、車道で利用されているグレーチングで、主に一般国道において利用されています。以前は一般国道でもT-20が用いられていましたが、近年ではT-25が主流となっており、特に新設された車道では、T-25のグレーチングが広く使用されています。
私たちの生活に欠かせないグレーチングは、用途に応じてその種類、素材を適切に選定することが重要となります。
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