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【製造業の現場改善】ECRSの原則ではじめるコスト改善!

2025-01-15

更新

この記事を監修した人

金属加工業界最大級のマッチングプラットフォーム「Mitsuri」を手掛ける企業。
「未来の製造業をつくる」をモットーに、製造業DXを推進している。

製造業の現場では、コスト改善のため、日常的に作業の効率化が追求されています。しかし、いざ業務改善を図ろうとしても、どこから手を付けたら良いのか、また多くの課題がある中でどのような優先順位を付けたら良いのか迷うことが多々あります。

このようなときに指針となるのが、ECRSの原則です。ECRSの原則は、業務改善を検討する際、有効性の高い4つの視点を与えるとともに、それらの優先順位を教えてくれるものです。そのため、ECRSの原則に従って業務改善を実践することで、的確な課題の抽出と大きな改善効果が期待できます。

この記事では、このECRSの原則について解説するとともに、製造業に適用したときの改善例について紹介していきます。

ECRSの4原則とは?

ECRSの4原則とは、業務を効率化する上で、順番に考えるべき以下の4つの原則を述べたものです。

●Eliminate(排除):業務そのものをやめられないか?

●Combine(結合):複数の業務をまとめて一緒にできないか?

●Rearrange(交換):業務の順番や実施場所などを変えられないか?

●Simplify(簡素化):業務をより簡単にできないか?

業務改善の際に、業務の排除・結合・交換・簡素化の可能性を順番に検討していくことで、適切に業務の改善方法を立案・実践することができます。

一般的には、次のような流れで業務の改善を考えていきます。

まず、各業務の理由や目的を洗い出します。このとき、明確な理由や目的が見出だせない業務があればやめることを検討します。不必要であるにも関わらず、慣例的に行われている業務などがこれに該当します。業務の排除は、業務にかかった時間や費用をまるごと削減できる効果が大きい改善となります。

次に、残った業務のうち、まとめて実行することで効率化に繋がるものがないかを確認します。類似した業務を別々に進めていたり別々の人と手分けしていたりする場合などが考えられます。場合によっては、分離したほうが効率化が図れることもあります。

続いては、業務の順序や実施場所などを入れ替えることで、時間や費用の削減になるものがないかを検討します。それにより、業務全体を再設計して最適化します。作業順序を適正化して作業員の移動距離を減らすなどの効率化が挙げられます。代替案を検討して入れ替えることが必要になる場合もあります。

最後は、業務の簡素化です。このステップは、改善の仕上げのようなものです。各業務を分析し、狭い範囲で最適化を図ります。例えば、業務の自動化やパターン化が挙げられます。工数削減やミスの防止などに繋がります。

以上の4原則に従った業務改善は、おおよそ、「排除」の効果が最も大きく、「結合」、「交換」、「簡素化」の順に効果が小さくなっていきます。そのため、ECRSの順に改善計画を立案・実践していくことが大切です。

ECRSの4原則を製造業に適用して考える

それでは、ECRSの4原則を製造業に適用して考えます。

通常、製造業の業務には加工や組立、検査などの工程があり、各工程では複数の作業が実行されます。これらの工程や作業は、実施順序が決まっており、順番に実行していくことで生産活動が行われています。

これらを前提に、製造業ではどのような業務改善が可能か、例を挙げて見ていきます。


E 排除(Eliminate) やめられないか?

初めに、やめてもよいムダな作業がないかを検討します。

製造業では、機械や機器、作業方法の研究不足からムダが生じていることがよくあります。

例えば、今まで必要だった作業でも、工作機械や検査機器などを新たに導入したことで、作業が不要となることがあります。それにも関わらず、機械・機器の知識不足から、不要な作業が従来通りに行われていることがあるのです。

また、情報の記録や通信が可能な機械や機器も存在します。そのため、工作物の寸法などを書類に記録し、次工程に受け渡すといった作業も不要となることが多々あります。

そのほか、顧客の要求を大幅に上回る過剰品質の製品を作ってしまうという問題もあります。それにより、多くの作業が発生して、高コスト体質となっているケースがよくあります。

参考:7つのムダ例「かざふてつどう」製造業のコスト改善を考える


C 結合(Combine) 一緒にできないか?

次に、複数の作業をまとめて一緒にできないかを検討します。

例えば、複数の工作機械で加工していたものを1台の機械で加工してしまうといったケースが考えられます。特に加工工程では、工作物の機械への設置と機械からの取り外しに多大な工数がかかるため、改善の効果が高くなります。

類似する作業をまとめ、1人の作業者に担当させるといった方法もあります。それにより、作業者が必要とする技術も減少するため、教育にかかる工数を削減できます。

そのほか、機械の自動送り時間中にバリ取りやツヤ出しを行うなど、本来は別の作業として実施していたことを一緒に行うことも検討してみます。


R 交換(Rearrange) 順番を変えられないか?

続いては、作業の順番や実施場所、担当者などを変えられないか検討します。

製造業では、ラインにおける様々な作業を最適化し、効率化するなどの例が挙げられます。この例では、加工の順序や機械の配置などを入れ替えることで、時間の短縮と低コスト化を図ります。

また、単に頻繁に利用する工具をより取り出しやすい位置に配置して、動作や移動距離を削減するといった改善もあります。細かいことですが、長期的には、大幅なコスト削減になっていることがあるのです。


S 簡素(Simplify) 簡単にできないか?

最後は、個々の作業をより簡単にできないか検討します。

作業員が実行する作業では、動作を分析して簡素化することが有効です。品質や作業時間、作業員への訓練などを考慮した上で、どの作業員でも簡単かつ楽に実行できる動作を探します。

作業の一部を自動化するといった手段もあります。機械やロボットなどの利用のほか、情報化することが自動化になることがあります。

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