アルマイトとは?【3分でわかる】専門家がわかりやすく解説してみた!

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アルマイトとは?【3分でわかる】専門家がわかりやすく解説してみた!

引用元:株式会社石川トランク製作所

アルミニウム合金製品の表面に人工的に酸化被膜を作り、製品表面を錆びから守り強度を高める加工をアルマイト加工と言います。今回はアルマイトの特徴、メッキとの違い、処理工程、カラーアルマイトの原理や処理工程、硬質アルマイトについて説明します。

※アルミの基礎知識については、こちらの記事をどうぞ。

【アルミの基礎】アルミとは?からメリット/デメリットまで解説!

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アルマイトとは

引用元:楽天市場

アルマイトは、アルミニウム製品の表面を硫酸や硝酸など強酸性の電解液で電解処理し人工的に酸化被膜を作る処理法です。アルミニウム製品に防錆、絶縁効果をもたらし、摩耗に強くするだけでなく美観も向上させます。

アルマイトは、1929年に、理化学研究所(現:RIKEN)の植木栄が製造法を発明し、1931年に同研究所の宮田聡が特許を取りました。それ以来、ヤカン、弁当箱、鍋をはじめとした台所用品として広まり現在は、アルミサッシに代表される建材に使われています。

 1960年代から本格的に、硬質被膜法が実現されアルマイトも鉄より硬度の高い硬質アルマイトが市場に導入されるようになりました。これにより自動車、工学部品、航空業界が大いに発展したのは言うまでもありません。

アルマイトの特徴

引用元:株式会社ミヤキ

アルミニウムは、酸性の電解液中で酸化被膜が成長します。酸化被膜の上には孔(ポア)という微細な穴が空きます。アルミ素地が電解液に溶解し、酸化被膜の溶解と生成が同時に起こるので、孔は図のように推し下がっていきます。アルマイト完成品の表面を顕微鏡で見ると、アルミニウム表面から芯を抜いた六角形の鉛筆を束ねたものが生えているのが判ります。これがアルマイト層です。

メッキとの違い

引用元:株式会社ミヤキ

電気メッキとアルマイトの違いはなんでしょうか。

アルマイトは、アルミニウムを電解液の陽極(+)で電解、素材そのものがメッキ浴に溶け出した後、被膜を作るというシステムになっています。製品の材質が電解に溶解するので重量や寸法が厳格に定められた製品には不向きです。

一方メッキは、錆びやすい素材に防錆効果を持たせる目的で、電解液の陰極(−)で電解、電解液中の金属イオンを還元析出し、素材とは別の金属でコーティングすることです。

こちらで電気亜鉛メッキの説明を詳しくさせて頂いていますので、比べてみて下さい。

電気亜鉛めっきとは【3分でわかる】専門家がわかりやすく解説します!

ではアルマイトは、どのような工程を経てアルミニウムを電解処理するのでしょうか。

アルマイトの処理工程

引用元:株式会社興和工業所

アルマイトの処理工程は以下の手順で行われます。工場により途中の工程が前後する所もあります。

  • ①枠吊り:製品が電解液中で動かないように固定します。
  • ②脱脂:密着不良防止の為アルミ表面の脂を取り除きます。
  • ③エッチング:アルカリ性溶液(苛性ソーダ)で、アルミ表面を溶解します。
  • ④水洗い
  • ⑤スマット除去、中和:④までの工程で取り除けなかった錆を硝酸水和液で除去します。
  • ⑥陽極酸化:電気処理、人工的に酸化被膜を作ります。
  • ⑦電解着色:電解処理でアルミ表面に出来た孔に色を入れたり、別の金属を電着し補強処理をします。
  • ⑧水洗い
  • ⑨枠外し:製品を枠から外します。

アルマイト処理の際、アルミニウム合金はイオン化しやすいので、脱脂の時は中性洗剤もしくは超音波清浄機を使います。

電解着色は二通りある

引用元:YKK AP株式会社

⑦の電解着色は、アルミ表面を電解処理し酸化被膜を作った時に出来た孔に何を入れるかで処理法が分かれます。染料を電着するのは、後で説明するカラーアルマイトです。ここではアルマイト処理工程で出来た孔にスズやニッケルを電着し補強する交流電解着色について説明します。

アルミニウムを陽極処理し、酸化被膜作った後は表面に無数の細かい孔が空きます。ここにスズもしくはニッケルを電解液で電着させることで防錆効果と美観を両立させます。主にアルミサッシ、サッカーゴールなど雨ざらしになっているものに使用されます。

では全てのアルミニウム合金がアルマイト加工可能なのでしょうか。

アルマイト化できる合金

引用元:共和ダイキャスト株式会社

アルミニウム合金の番手は1000番〜8000番まであります。純度が高い1000番代だけがアルミ箔として出回るだけで、他の番手は形を変え、市場に出回っています。一般に熱伝導性がアルミニウムより良い胴をよく含む超ジュラルミンの2000番手や、ダイキャストはアルマイトに向かないとされています。

アルミ合金の番手については、こちらで詳しく説明させて頂いておりますので、ご覧ください。

アルミ合金を詳しく解説【専門家が語る】適切なアルミ番がわかります!

アルマイトは処理施設が最新鋭の機材を使っているかで、どの番手のアルミニウム合金をアルマイト化できるかが決まると言っても過言ではありません。

ここからは色をつけるだけで用途が広がるカラーアルマイトについて紹介します。

カラーアルマイトとは

引用元:スチームクリーム

カラーアルマイトは、アルミニウムの陽極処理後、表面に出来た孔に、有機塗料を閉じ込める塗装です。金属表面に塗料を焼き付けるのと違い、剥がれにくいのが特徴です。塗料はアクリルとメラニン塗料を使用するので、カラーバリエーションが豊富な所も魅力です。

メラニン塗装や、焼き付け塗装については、こちらで詳しく解説していますので、参考にしてみてください。

メラミン塗装とは【3分でわかる】専門家がわかりやすく解説します!

引用元:フクダコーポレーション株式会社

カラーアルマイトは、アルマイトの特性上、紫外線やアルコール、アルカリ性の強いものに弱い所があります。そのためスマートフォンのケース、USBデバイスや化粧品、インテリア雑貨の塗装に使われてます。

ではカラーアルマイトは、どのようにして作るのでしょうか。

カラーアルマイトの処理工程

引用元:株式会社ミヤキ

カラーアルマイトの処理工程は①〜⑥の電解処理まで、普通のアルマイト処理工程と同じです。電解液で陽極電解処理したアルミニウム製品の表面には酸化被膜が形成され、無数の孔が空いています。ここに有機染料を電着させるのです。カラーアルマイトの処理工程は、以下のとおりになります。

  • ①〜⑥まで、普通のアルマイトと同じ。
  • ⑦電解着色:有機塗料と溶剤(イソプロピルアルコールもしくは、ブチセロソルブ)を電解液に入れ、250Vで2〜5分通電します。
  • ⑧封孔処理:酸化被膜上の孔から染料が流出したり、表面に汚れがつくのを防ぐため、孔を塞ぎます。
  • ⑨水洗い
  • ⑩枠外し:製品を枠から外します。

引用元:小池テクノ

電解着色後のアルマイト製品に施す封孔処理は、以下の3つの工程があり、用途や分野により使い分けられています。


  1. ①沸騰水処理:95℃の沸騰水を被膜に吹き付け、表面に水酸化アルミニウムを作り、体積を一気に膨張させ孔を閉じこめます。一般的で、自動車、建材、家電など幅広い分野に利用されています。

  2. ②加圧蒸気封孔処理:圧力容器に入れて蒸気を拭き当てる加圧蒸気封孔方式です。設備投資が必要なのと、大型の製品の封孔処理が出来ないので、導入していないところもあります。
  3. 引用元:三協マテリアル

  4. ③酢酸ニッケルなど金属塩を使った封孔:大型建材の封孔に使われる方法で、図の様に金属塩で封じ電着を促進する事で封孔します。金属アレルギーが懸念される箇所では使われないこともあります。


カラーアルマイトは、色が豊富でマスキング技術の発達により、ひとつの製品に複数の色をつけることが可能になりました。これからも様々な製品に活用されるでしょう。では、自動車のエンジンや航空部品に使われる硬質アルマイトと、普通のアルマイトはどこがちがうのでしょうか。

硬質アルマイトとは

引用元:株式会社クリスタル

硬質アルマイトと普通のアルマイトは、材質はアルミニウム合金から作るのは同じですが、作業工程は別物です。

新硬質被膜法の特許が、高度経済成長期に確立。全国各地に硬度アルマイトを製造する工場が立ち、ただ被膜が厚いだけでなく、耐食性、絶縁性、耐熱性に富む硬質アルマイトが生まれました。

アルミニウムが液体窒素(−196℃)の融点でも破断しない強靭さを持つ性質を生かし、大型冷凍庫で、±1℃の電解液の中で、電解処理し酸化被膜を作ります。時間をかけて超低温で作られた被膜は厚く、孔が狭いのが特徴です。被膜に密度があるので、普通のアルマイトより硬度、耐食性、耐候性に優れています。車のシリンダー、オイルキャップ、浄化槽の部品、顕微鏡などの光学部品、飛行機の部品に使われています。

普通アルマイトと硬質アルマイトを比較してみた

引用元:アルバックテクノ株式会社

では具体的に普通のアルマイトと硬質アルマイト、どう違うのでしょうか。

【普通のアルマイト】

  • 色:染料により着色可
  • 硬度:200hv  アルミ アルマイト 鉄
  • 被膜の厚さ:5〜25μm
  • 用途:やかん、家電製品、アルミサッシ、建材、インテリア用品。


【硬質アルマイト】

  • 色:グレー、着色原則不可
  • 硬度:400hv 鉄(熱処理前)硬質アルマイト
  • 被膜の厚さ:40〜70μm
  • 用途:フライパン、自動車のエンジン、浄化槽ポンプ、光学部品、航空機部品。

引用元:株式会社新鋭産業

なお近年では、硬質アルマイトと普通アルマイトの短所を補い長所を生かすアルミリオンというものが開発されています。
硬度と被膜は普通のアルマイトと硬度アルマイトの真ん中の数値で、被膜の孔に塗料を電着できる事から、音響や自動車、スマホの部品に実験的に使われています。

まとめ

アルミニウム合金の表面に人工的に酸化被膜を作るアルマイトは、製品に耐食性、絶縁性をもたらすだけでなく、強度をあげ美観を向上させます。

台所用品と建材しか用途がなかったアルマイトも今では多岐にわたり活用され、硬質アルマイトは経済の成長とともに品質向上しました。

昔は難アルマイト素材と言われた超ジュラルミンやダイキャストのアルマイト化に意欲的に取り組む所もあります。

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