染谷 ひとみ
Mitsuri Media管理人
精密板金加工工場のインサイドセールスとして加工と寸法の提案をしてきた経験を経て、製造業の知見と楽しさを提供している。 幼少期からモノの構造を理解するのが好き。JAPAN MENSA会員。
アルミは私達が生活をする中で、無くてはならない素材です。一円玉やアルミ缶、フライパンは勿論、やかんや弁当箱など色々な物で活躍するアルミですが、使用する環境によっては、特殊な加工を行ったり、表面処理を施したりしなければいけません。また、表面処理には様々な方法があり、依頼する際に手間取ってしまうこともあります。
今回は、そんなアルミの表面処理について詳しくご紹介します。
アルミについて興味のある方だけでなく、詳しく知らない方にも是非ご一読いただければと思います。
アルミは、軽くて加工しやすい素材のため、様々な場所で使われています。しかし、表面処理をすることで、アルミの強みをさらに活かせる製品に生まれ変わります。アルミ処理では主に4つの性質を付与することができます。
アルミは本来、耐食性が高いため表面処理をせず、そのまま使用されます。しかし、湿気の多い場所などでは、すぐに酸化し腐食してしまう可能性があります。そのため、アルミに表面処理を行い、耐食性を付与しなくてはなりません。
アルミは加工しやすい半面、素材そのままだと、意外にも柔らかく傷つきやすい素材です。その為、表面処理をすることで表面を硬化させ、傷を付きにくくします。そうすることで、破損を防ぐことができるため、外観を保つこともできます。
アルミに表面処理を施すことで、装飾性を上げることができます。表面処理の中には色を付ける処理などもあり、光沢を加えるだけでなく、様々な色に仕上げることが可能です。
全ての表面処理で行っているものではありませんが、表面処理によってアルミに絶縁性を付与することができます。精密な機械部品などにアルミが使用される際は、この絶縁性を付与することが重要となります。
以上がアルミの表面処理によって付与される効果になります。
また、このアルミの表面処理方法には主に①アルマイト②化成処理③メッキ④塗装の4つの方法があります。
アルマイトは、アルミの表面処理では一番メジャーな方法です。
アルマイトとは、電解液といわれる電気の伝導性を有する液体にアルミの素材を入れ、電流を流すことによって、酸化被膜を表面に形成する表面処理です。アルミが酸化被膜に保護されるため、錆に強い耐食性が得られます。
また、アルマイトは、絶縁性を付与することもできます。
アルマイト処理をした製品には、鍋や弁当箱などの家庭用品だけでなく、電車や飛行機の内装品、自動車の部品など様々な物があります。
さらにアルマイトには、カラーアルマイトや硬質アルマイトと言われる物があります。カラーアルマイトを用いて、表面処理を行うことで、様々な色のアルミ製品を作ることができるため、主に装飾性を付与することに使用されます。硬質アルマイトは、特殊な電解液でアルミニウムを電解処理することによって、通常よりも厚い酸化被膜を形成するものです。
他にもアルマイトには様々な種類があります。もし、気になる方がいましたら、こちらの記事をご覧ください。
【表面加工特集・後編】アルマイト処理・化成被膜処理とは?目的や種類などを徹底解説!
化成処理とは、アルミの表面上に科学的に酸化被膜を形成する表面処理です。名称で説明したアルマイト処理の酸化皮膜は、陽極酸化(電流を流し付与する物)によって得るものなので、科学的に得るものとは違います。アルマイト処理の酸化被膜と比較すると、被膜自体が薄いことが特徴です。その為、アルマイト処理よりも耐食性等は若干落ちてしまいます。
しかし、その代わりに化成処理のほうが簡単に表面処理を行うことが可能です。
また、化成処理の化成被膜はアルミとの密着率が良くなるため、塗装の下地処理としても使われています。アルマイト処理を施すと、絶縁性が増すのに対し、この表面処理では酸化皮膜が形成されても、電気を通します。
加工方法には、高温の純粋でアルミの表面に酸化皮膜を生成させるベーマイト法など、様々な方法があります。
メッキ加工は、他の金属を析出させることで加工素材を覆う表面処理です。大きな特徴は、アルマイト処理や化成処理とは異なり、酸化皮膜でなく金属の被膜で覆うことです。
主に鉄などに行うのが一般的ですが、アルミにメッキ加工をすることで、強度を上げることが可能です。このメッキの種類は、大きく2つに分けることができます。
電解メッキは、その名前の通り電気でメッキ処理することです。メリットは、アルミだけでなく様々な素材にメッキ処理が可能な点です。また、価格も比較的安く、メッキ処理の時間もあまりかかりません。デメリットは、複雑形状の物をメッキ処理することが難しい点です。
参考記事:【表面加工特集・前編】メッキ処理とは?目的・仕組み・種類について徹底解説!
無電解メッキは、電気を使わずに、化学変化によってメッキ処理をすることです。メリットは、複雑形状の物にも均一にメッキ処理することが可能な点です。デメリットは、電解メッキと比較すると価格が高く、メッキの処理時間も長いという点です。
参考記事:【表面加工特集・前編】メッキ処理とは?目的・仕組み・種類について徹底解説!
塗装は、主にはけやスプレーなどによって被膜を付着させる表面処理です。アルマイト処理では酸化皮膜、メッキ処理では金属皮膜を付着させるのに対し、塗装では、樹脂被膜を素材に付着させています。アルミを塗装することによって、耐久性を付与させることができます。また、塗装には様々な色があり、好みによって着色が可能です。
上記のアルマイト処理やメッキ処理と比較すると、表面処理が簡単なので、中には業者に頼まずにスプレーなどで表面処理をする方もいます。また、塗装には、スプレーなどを使用する他に、電着塗装というものがあります。この電着塗装は、水溶性の樹脂の中に表面処理する素材を入れて、電流を流すことで、付着している樹脂被膜を乾燥させる方法です。電着メッキとも言われていますが、付着させる被膜が樹脂であるため、塗装の分類になります。この電着塗装のメリットは、通常の塗装と比べ、樹脂皮膜が均一に付着する点です。生産性にも優れており、大量生産をする際は、この塗装をする場合が多いです。
代表的なアルミの表面処理についてわかったところで、
・具体的にアルミのを表面処理をするのにどれくらいの費用が掛かるのか
・納品までどれくらいの期間がかかるのか
など知りたいのではないでしょうか。
そんな時はMitsuriにお任せください!
アルマイト処理
引用元:株式会社川崎
カラーアルマイト
引用元:株式会社フクダコーポレーション
化成処理
引用元:株式会社 東亜電化
無電解メッキ
引用元:植田鍍金工業株式会社
カラー塗装
引用元:ボデーショップ・オキ
今回はアルミの表面処理についてご紹介しました。
アルミの表面処理には様々な方法があります。どの処理も付与する性質に特徴があります。
表面処理を行っている会社も多数あり、行っている表面処理の種類も変わってきますので、表面処理を依頼する際は、十分に注意してから選ぶことをおすすめします。
また、アルミの表面処理についてお悩みの時は、ぜひMitsuriにご相談下さい。
Mitsuriは、日本全国に協力企業が100社ございます。そのため、お客様にとって最適な素材の選択に加えて、表面処理の得意な工場のご紹介も可能です。
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