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A6063の化学成分、機械的性質、強度、耐力

2024-09-18

更新

この記事を監修した人

染谷 ひとみ

Mitsuri Media管理人

精密板金加工工場のインサイドセールスとして加工と寸法の提案をしてきた経験を経て、製造業の知見と楽しさを提供している。 幼少期からモノの構造を理解するのが好き。JAPAN MENSA会員。

A6063は、A6000系(Al-Mg-Si系)のなかでも代表的な押出用合金です。A6061より強度は劣るものの、押出加工性が良好で複雑な断面形状でも成形できるほか、耐食性と表面処理性にも優れています。主な用途としては、サッシなどの建築用材・土木用材・車両用材・家電製品などに採用されています。

参考:アルミ合金の種類や特徴、用途について詳しく解説【専門家が語る】適切なアルミ番がわかります!

A6063の化学成分

<合金番号6063の化学成分(単位:%)>

合金番号 Si Fe Cu Mn Mg Cr Zn Ti その他 Al
個々 合計
6063 0.20~0.6 0.35以下 0.10以下 0.10以下 0.45~0.9 0.10以下 0.10以下 0.10以下 0.05以下 0.15以下 残部

引用元:JIS H 4100 アルミニウム及びアルミニウム合金の押出形材

A6063の機械的性質(引っ張り強さ、耐力、伸び等

<合金番号6063の機械的性質>

合金番号 質別a) 引張試験 硬さ試験
試験箇所の肉厚 (mm) 引張強さ (N/mm2) 耐力 (N/mm2) 伸びb) (%) 試験箇所の肉厚 (mm) HV5
A50mm A
6063 T1 12以下 120以上 60以上 12以上 - - -
12を超え25以下 110以上 55以上 12以上 - - -
T4c) 25以下 130以上 65以上 12以上 14以上 - -
T5d) 12以下 150以上 110以上 8以上 7以上 0.8以上 58以上
12を超え25以下 145以上 105以上 8以上 7以上
T6c) 3以下 205以上 170以上 8以上 - - -
3を超え25以下 205以上 170以上 10以上 - - -
T64c) 15以上 180以上 120以上 10以上 12以上 - -
T66c) 10以下 245以上 200以上 6以上 8以上 - -
10を超え25以下 225以上 180以上 6以上 8以上 - -

a):質別は、JIS H 0001による。

b):伸びの測定は、標点距離の異なる次の二つの方法のいずれかを採用する。特に、注文者からの指定がない場合は、A50mmによる。ただし、A50mmの規定がない場合は、Aによる。

  • A50mm:50mm標点距離における伸び
  • A:5.65√S0の標点距離における伸び(S0:試験片の平行部の断面積、mm2)

c):押出後び冷却が制御され、室温で固溶状態が保たれた材料に適用してもよい。

d):質別T5の機械的性質は、引張試験又は硬さ試験のいずれかによる。

引用元:JIS H 4100 アルミニウム及びアルミニウム合金の押出形材

A6063の物理的性質(密度、比重等)

<合金番号6063の物理的性質>

質別 導電率 (20℃, IACS,%) 熱伝導率 (25℃、kW/(m・℃)) 線膨張係数 (20~100℃×10-⁶) 縦弾性係数 (×1000Kg/kgf/mm²) 比重 溶解温度範囲 (℃)
T5 55 0.21 23.4 7.00 2.69 625~655
T6 53 0.20 23.4 7.00 2.69 625~655

引用元:阪根商事株式会社

A6063の加工性(押出加工性、耐食性、溶接の継手効率)

A6063はアルミ合金のなかでも代表的な押出用材料です。押出加工性に優れているため、高精度の製品を成形できます。また、アルミニウムの特徴である酸化皮膜を形成することから、耐食性も良好です。

溶接に関しては継手効率が低く、ビスやリベット、ボルトナットなどによる接合を採用しているケースが多いです。

参考:【アルミの基礎】アルミの加工上の特性やメリット/デメリットまで徹底解説!

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