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ZAM材とは?加工の特徴や他の鉄規格の違いについても解説!

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金属加工業界最大級のマッチングプラットフォーム「Mitsuri」を手掛ける企業。
「未来の製造業をつくる」をモットーに、製造業DXを推進している。

高い耐食性が求められるシーンで、真っ先に選ばれるZAM材。しかしZAM材の加工に絞って工場を探すのはなかなか難しいですよね。

「ZAMの切断、曲げ、溶接、表面処理などの加工を依頼したいけれど、初めてでどこに頼めばいいかわからない……」

「ZAM鋼板を使用した試験品を製造したいけど、小ロットでの発注を断られてしまった……」

本記事は、そんなお悩みを解決!ZAM材の特徴や他規格との違い、主な加工法、そしてZAM材の依頼にぴったりな工場3社をご紹介します。ぜひご一読ください。

ZAMとは   

ZAMは、「メッキ鋼板(あらかじめメッキ処理を施された鋼板)」の一種です。「ZAM」とは、亜鉛(Zn)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)の頭文字で、3つのメッキ層を持つことからZAM鋼板という製品名が付けられました。

ほとんど錆びないと言われるほど耐食性に優れており、高耐食メッキ鋼板とも呼ばれます。日鉄日新製鋼が世界で初めて工業生産化に成功した材料で、高耐食性に加えて防食機構を備えたZAM PLUSも提供されています。

ZAMの特徴

引用元:日鉄日新製鋼株式会社

それでは、ZAM材の優れた特徴について下記にまとめましたので、早速見ていきましょう。

耐食性

ZAM材の耐食性は、溶融亜鉛メッキ鋼板と比べると、約10~20倍優れていると言われています(日鉄日新製鋼株式会社での塩水噴霧試験での試験結果による)。下記に、平坦部の耐食性試験を行った結果を示しましたが、溶融亜鉛メッキ鋼板と比べると、明らかにZAM材の耐食性が良いということがわかります。

<平坦部の耐食性比較結果>

引用元:日鉄日新製鋼株式会社

試験条件:塩水噴霧試験2500h後の表面外観を比較(めっき付着量:90/90 g/m²)

また、溶融亜鉛-5%アルミニウム合金メッキ鋼板と比較しても、ZAM材の耐食性は約5~8倍優れています。このように、一般的に耐食性に優れていると言われているめっき材と比べても、ZAM材の耐食性の良さは群を抜いているということがわかります。

では、何故このようにZAM材は優れた耐食性を有しているのでしょうか。その理由は、メッキ層に含まれているAlとMgの効果によるものと言われています。下図に示しているように、ZAM材のメッキ表面には、時間の経過とともに、緻密で付着性の高いMgを含む亜鉛系保護被膜が形成されます。この保護被膜がメッキ層の腐食進行を抑制し、優れた耐食性に貢献しているのです。

<ZAM材の耐食性に優れる理由>

引用元:日鉄日新製鋼株式会社

加工性

ZAM材はプレス加工性にも優れています。その理由は、溶融亜鉛メッキ鋼板と比較するとメッキ層が硬く、平滑であるためです。そのため、プレス加工の一つである、絞り成形性をZAM材と溶融亜鉛メッキ鋼板で比較すると、以下のような結果となります。

<絞り成形性比較結果>

引用元:日鉄日新製鋼株式会社

ZAM材では、加工割れなど発生せず、さらにフランジ残量も少ないということがわかります。プレス加工性に優れているZAM材を使用することで、生産効率の大幅な向上が期待されます。

コスト

一般的に、熱間圧延鋼板や冷間圧延鋼板を用いると、下図に示したように、成形を施し、後メッキ工程、表面仕上げ検査の工程などが必要となります。一方、ZAM材を用いると、メッキを施す必要がないため、そのような工程を省略することができ、製造にかかる時間を大幅に短縮できる他、設備などに必要なイニシャルコストを低減することが可能となります。あるメーカーでは、後メッキ品と比較して、5%~8%のコストダウンを実現しています。

<後メッキ・後塗装工程省略によるコストダウン>

引用元:日鉄日新製鋼株式会社

さらに、前述した通り、ZAM材は優れた耐食性を示すため、ライフサイクルコストの低減も実現することが可能です。

ZAM材と他の鉄規格との違い

錆びにくい鋼板として選ばれるZAMですが、錆びにくいという特徴を持った鋼板はほかにもあります。その中でZAMが選ばれる理由はいったい何なのか、SPCCをベースとして、両面に電気亜鉛メッキを施したSECC(電気亜鉛メッキ鋼板)、同じく亜鉛メッキを溶融亜鉛に浸して施したSGCC(溶融亜鉛メッキ鋼板)と比較してみましょう。

SECCとSGCCの比較

まずSECCとSGCCを比べると、SGCCのほうがメッキ層が厚く耐食性に優れます。そのため、塗装がしやすいSECCに対してSGCCはそもそも塗装せずに使用されるケースもあります。

SGCCとZAMの比較

そんなSGCCと比べて、さらに耐食性に優れるのがZAM材です。具体的には、SGCCのおよそ10~20倍、またSGCCよりも耐食性に優れるガルタイトと比べても5~8倍優れています。

また、もうひとつZAM材が選ばれる理由として大きいのが、低コストである点です。160円/kgと、耐食性に優れるステンレス材と比べても半分以下の価格で導入することができます。汎用性の高いSS400などと比べるとkg単価は少し高く感じるかもしれませんが、そもそもメッキ加工が不要になるため、トータルコストはより低減されるでしょう。

ZAM材と主たる加工法

①切断加工 

シャーリング、レーザー、タレパンなどの加工法を駆使して、1枚の板金を求められる寸法に切断・カットし、穴あけなど行います。精密板金加工で一番最初に行われる工程であり、ブランク加工とも呼ばれます。

切断や穴あけはその後の工程に大きく影響し、最終的な製品の仕上がり・精度にも関わる重要な加工工程です。

Mitsuriでは、レーザー切断機を用いた高速・高精度、かつ短納期の切断加工が可能です。レーザーなら、硬度の高い鋼材でも小サイズの切り出し、溝部分の難加工など、あらゆるシーンで正確な切断を実現できるほか、切断後の面取りサービスなどもぜひご相談ください。

②曲げ加工 

鋼材の曲げ加工では、ベンダー(折り曲げ機)を使用して直線的に折り曲げ加工を施すほか、R曲げ、V曲げ、Z曲げ、ヘミング曲げ、ロール曲げといったあらゆる曲げを、発注に応じて使い分けます。板厚の厚いものは、プレスブレーキと金型を用いて曲げる場合もあります。

ZAMはSGCCに比べてプレス加工性に優れますが、それでも板厚次第では加工が難しくなります。プレスブレーキでの曲げが必要な板厚のものは、自由な角度で曲げることが難しくなりますが、そんな難加工もMitsuriにぜひお任せください。

③溶接

一般的なCO2溶接、MIG溶接、TIG溶接などのシールドガスアーク溶接に加え、スポット溶接やレーザー溶接などあらゆる溶接法を駆使して材を溶接します。

ZAMに限りませんが、メッキ鋼板は溶接時の熱によってメッキが蒸発するため、通常の鋼板に比べてスパッタやヒュームが発生しやすくなります。メッキ鋼板加工のノウハウを持った工場・職人か否かによって、仕上がりが大きく左右されます。

④後処理

旋削、切削、研削、バリ取りなど、最終的な表面の仕上げ加工を行います。ZAM材では通常の鋼板で行う塗装やメッキを行う必要が基本的にないため、後処理工程は自然と少なくなります。とはいえまったく後処理を行わないケースもありません。

Mitsuriの協力工場には、これら後処理まで依頼できる提携先を抱えた工場が多数あり、自社で一貫して行う工場もありますので、すべての工程を見据えた見積もりを出すことが可能です。

ZAM材加工のおすすめ工場【Mitsuri】

ここまでZAM材の特徴や主に加工方法について解説していきました。ZAM材は高い加工技術を必要とする場合があります。そのため、今回はMitsuri厳選のZAM材加工におすすめの工場を3つご紹介していきます。

株式会社マウンテック

引用元:株式会社マウンテック

①会社概要

本社:愛知県津島市中一色町字明神20番地

TEL:0567-32-1781  /FAX:0567-32-1778

創業年:昭和23年

加工内容:製缶板金作業、溶接、プレス加工

URL:https://moun-tec.com/

②会社紹介

各種配電盤製作に伴う製缶板金作業を得意としているのが株式会社マウンテックです。企業、個人どちらからのご依頼でも対応可能です。高さ6m近くになる配電盤製作もできるので、大型製品から小型製品まで幅広く対応できます。創業70年の歴史のある会社のため、高度な加工技術を有しています。

③メリット・デメリット

株式会社マウンテックでは、多種多様な製缶加工ができるのがメリットです。配電盤だけでなく、コンテナやデスク型操作板、架台など、難しい加工技術が必要な製品も短納期で納品可能です。

基本的に大型製品の製作を得意としているため、小型製品の大量生産等には対応が難しい場合があるので注意しましょう。

④製品紹介

(発電所向け デスク型操作盤)

(タンクコンテナ)

(高圧接地開閉機器)

株式会社MST

引用元:株式会社MST

①会社概要

本社:大阪府和泉浦田町402番地

TEL/FAX:072-524-3363

創業年:平成28年

加工内容:アルミニウム・鉄・ステンレス溶接、板金加工

URL:https://mstweldingfactory.com

②会社紹介

2016年に創業した比較的新しい企業で、アルミ溶接技術に高い自信を持っており、正確かつ丁寧な溶接加工ができるのが株式会社MSTです。そのほかに、ステンレスや鉄などのさまざまな金属に対して、正確な溶接加工ができます。ZAM材の溶接加工を依頼する場合は、ぜひご検討ください。

③メリット・デメリット

株式会社MSTでは、「出張溶接」を行っているのがメリットです。高い技術力を持った溶接工を一時的に派遣できるため、難しい溶接加工がある場合には加工依頼を出すことを検討してみてはいかがでしょうか。

ただ、比較的新しい会社で社員数もまだ少ないため、稼働状況によっては大量生産が難しい可能性があります。発注時にしっかりと確認してください。

④製品紹介

(A5052 アルミ溶接加工)

(CBR400 シートレール)

(アルミ製 熱交換器)

ZAM材の加工の見積り依頼ならMitsuri

今回は、ZAM材の特徴や加工方法などについてお伝えしました。ZAM材の表面には、亜鉛系保護皮膜が形成されており、この保護膜が高い耐食性を実現しています。また、素材に最初からメッキ処理が施されているため、生産時のメッキ処理の工程を省けます。その結果、製造にかかるトータルコストを低減できるメリットがあります。切断加工や曲げ加工などは、ZAM材に限らず正確に加工するには高い技術力が必要です。そのため、加工を依頼するなら、ぜひ技術と経験を備えた工場に依頼をしましょう。

ZAM材加工の依頼をどのメーカーへ出すか悩んでいる方は、複数社から同時見積りが取れるMitsuriに、ぜひご登録ください!

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