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ラップ加工とは?原理、ラップ盤の種類、メリット、デメリット

機械加工 | 2021年10月27日

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金属加工では、型枠に金属を流し込んだり、プレスなどで切断したりすることで、ワークを希望する形状へと加工していきますが、多くの場合、どんなにキレイに仕上げても、高性能な計測器で測定すると表面は非常にこまかく波打っています。

この波を研磨し、0.1ミクロンの誤差もないフラットな処理をするのがラップ加工です。ラップ処理呼ばれることもあり、美しい仕上がりになることから、単純に鏡面仕上げとして用いられる場合もあります。

ラップ加工とは

ラップ加工とは、ラップと呼ばれる水平の台の上に加工中の金属を設置し、圧力をかけながらこすり合わせることで表面を0.1ミクロンの誤差もない平面に仕上げていくことです。

高い精度が求められる部品の場合、単純に表面が平になっていれば良いというものではありません。上下の面がいずれもフラットで、平行になっていて、なおかつ決められた寸法通りになっている必要があります。

ラップ加工の原理

ラップ加工では、ラップの下定盤と上定盤でワークを挟み込むことで上下を平行に加工していきます。ワークとラップを研磨するために、ラップ剤と呼ばれる液体状の遊離砥粒が使用されます。

固形の砥石では、細かい精度が出しにくく、0.1ミクロン単位のフラットな平面をコントロールすることが難しいですが、潤滑液に砥粒が混ぜてある遊離砥粒をワークとラップの間に流し込んで研磨していくことで、高い精度のフラットな平面仕上げが可能になります。

ラップ剤の役割と種類

ラップ加工では、砥粒に潤滑油を合わせたラップ剤が用いられます。ラップ剤に用いられる砥粒は、用途に合わせて種類があります。砥粒を間違えると上手く加工ができない場合もあります。実際の加工はすべて機械が処理してくれるため、ラッピングにおいて最も重要なポイントは砥粒選びとも言えます。

主に加工の現場で用いられる砥粒の種類は下記の通りです。

アルミナ

アルミナは酸化アルミニウムの俗称です。耐摩耗性に優れ、一般的な研磨剤として幅広く用いられている砥粒の一種で、主に鉄鋼のワークに対して使用されます。

炭化ケイ素

炭化ケイ素はアルミナに比べて扁平状態で、硬くて欠けやすい特徴を持っています。主にアルミニウム合金や銅合金、非鉄金属などを研磨する際に用いられます。

ダイヤモンドスラリー

人工ダイヤモンドを使った砥粒です。最高の硬さを持つ研磨剤で、主に超硬合金やセラミックスのワークに対して用いられます。

ラップ加工の種類

ラップ加工はラップ剤に工作液を加えたラップ液を使って加工されますが、このラップ液の量によって「乾式ラッピング」と「湿式ラッピング」に分けられます。

湿式ラッピング

湿式ラッピングは、ワークがラップ液に浸かった状態で加工されます。

上下から挟み込む圧力を低圧にし、ワークとラップの間に浸透したラップ液の中で砥粒が転がることでフラットな面に研磨されていきます。

加工量が大きいため、鏡面ではなく無光沢となり、工程の中では荒仕上げや中間仕上げで使われます。

乾式ラッピング

乾式ラッピングは、ラップの上にラップ液を塗布し、薄く敷かれたラップ剤の上にワークを置いて加工されます。

高圧で加工され、ラップ剤の上をワークが滑ることで研磨されていきます。加工量は少ないものの、精度は高く表面は光沢のある鏡面のような仕上がりになるため、最終的な精密仕上げの工程で使われます。

ラップ盤の種類

ラップ盤は、ラップ加工で用いられるNC工作機械のこと。上下から圧力をかけながら、ラップとワークをそれぞれ回転させることで研磨していく構造となっています。ラップ盤にはいくつか種類があるのでご紹介します。

片面ラップ盤

片面ラップ盤は、文字通り片面だけを加工するラップ盤のことで、オスカー研磨機とも呼ばれます。リングの中にワークを入れ、ウエイトで加重をかけるのが特徴です。

両面ラップ盤

両面ラップ盤は、上下をラップで挟み込み、同時に両面を研磨する構造となっています。上定盤と下定盤をそれぞれに回転させるほか、キャリアと呼ばれる素材の格納スペースも自公転運動し、上定盤・下定盤とは違った回転を描くことで素材を研磨していきます。

キャリアの数によって、回転軸の数が変わるため、両面ラップ盤には2Way、3Way、4Wayと、それぞれに違った方式が用いられています。

心なしラップ盤

心なしラップ盤は、心なし研削と同じ要領を用いたラップ加工で、平面ではなく、円筒状のワークを精密仕上げする際に用いられます。

ラップ加工のメリット

ラップ加工のメリットは大きく分けると下記の2点です。

・加工精度が高いこと

  • ・焼けの心配がないこと

砥石を用いた一般的な仕上げでは、フラットな面ができにくく、仮に片面がフラットになったとしても、反対の面と平行に仕上げるのは困難です。そのため、高い精度を要求される素材に対し、平面かつ上下が平行で、寸法通りの素材を製造するのに、ラップ加工は欠かせない処理と言えます。

さらに、液体を用いて研磨されるラップ加工は、砥石を用いてドライの状態で加工される研磨に比べて表面が焼けてしまう可能性がなく、美しい仕上がりになります。

ラップ加工のデメリット

ラップ加工のデメリットは加工速度が遅いこと。砥粒を用いて少しずつ研磨し、製品を均等にしていくため、処理に時間がかかってしまいます。その分コストもかさむため、大量生産には向いていません。

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この記事を書いた人
株式会社Catallaxy

株式会社Catallaxyは "未来の製造業をつくる" をミッションに掲げ、製造業における従来のサプライチェーン/バリューチェーンの刷新を目指しています。記事内容に関するお問い合わせはこちらへ。

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