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初心者から分かる!板金加工におけるVA・VEの取り組みとは?

板金加工 | 2021年04月22日

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板金加工業においても、製品を商品として売り出すにあたり、コストや品質向上の課題はつきものです。そんな中で、現在様々な企業でVA・VEの取り組みが行われています。

本記事では、「そもそもVA・VEって何?」という方にもわかるVA・VEの概要と、取り組みの事例をご紹介します。


VA・VEとは?

“ VA”とは、“ Value Analysis”(価値分析)を示します。価値(V)=機能・品質(F)/コスト(C)で表され、品質を向上もしくは維持しながらコストを抑えることによって、製品の価値を最大化することを目的とした取り組みです。

VAと併用してよく使用される言葉“VE”は、“Value Engineering”を意味し、基本的に同義として使われていますが、設計検討段階から価値の最大化を考える“VE”に対して、量産化している既存製品についてバリューチェーン全体の視野からコストダウンを行うものを“VA”として区別する場合もあります。


板金加工のコストを決める要因

どの企業も、少しでもコストを削減して製造したいと考えるものですが、板金加工のコストはどのような要因に左右されるのでしょうか。

大きく分けると、①イニシャルコスト②材料③加工方法④組み立て、の四つが要因として挙げられます。

①イニシャルコスト

一般的な曲げや溶接などでは、イニシャルコストはあまりかかりませんが、例えば絞り加工を行う際などは、金型を必要とします。簡易金型を採用できるよう設計することで、金型にかかるイニシャルコストを抑えることができます。

②材料

材料に関しては、加工に使用して残った部分が廃棄され、無駄なロスが生じています。コストを抑えるコツとしては、定尺という決まった板の寸法を考慮することで無駄を抑えることができます。

③加工方法

曲げ・溶接などの加工方法では、板厚や施工によって曲げ限界に違いがあったり、溶接しづらい構造や溶接後の仕上げが必要な構造で設計を行うと、溶接加工に時間がかかるなど、コストアップに繋がってしまいます。

④組み立て

最終的な組み立て作業で、図面上では成立していても実際の現場ではスパナを回すことができない、または部材同士が緩衝して組み立てられないなどの事象が発生することもあります。

以上のような要因に対処していくには、設計者が部材の加工方法をしっかりと知った上で図面を書くことが必要です。加工を知らないと、結果として段取りが多く、歩留まりの悪い加工方法を強いる図面になってしまい、コストアップ・オーバースペックを招いてしまうのです。


VA・VEの実行手順

引用元:株式会社産業革新研究所

次に、VA・VEを実行する手順について説明していきます。

①対象の選定

まずは、対象(品物)が何なのかを選択します。

②機能の定義

次に、技術情報、コスト情報、要求事項、品質情報、法的制約などの情報を収集し、その品物の機能は何かを定義します。同時に、定義した機能の関連性を図示し、機能の整理も行っていきます。

③機能の評価

次に、定義した機能について、コスト分析などを行い評価をします。

④改善案の提案

さらに改善案を練り、新規アイデアの発想・評価を行います。出来上がった改善案については、TRIZ(発明的問題解決理論)、チェックリスト法、ブレインストーミングなどの方法を用いてさらに具体化し、提案書の作成を行います。

以下は、チェックリストの項目例ですが、会社の業種や製品、作業内容で変わってくるので、自社に合ったチェックリストを作ることをおすすめします。

チェックリスト項目の例

□そのものの使用によって価値が高められるか

□その品物の原価と用途がつり合っているか

□そのものの形状全部が必要であるか

□使用目的に適ったものが他にないか

□もっと低原価な作業方法で機能的な部品が作れないか

□もっと有用な標準あるいは、部外供給業者の標準がないか

□使用される数量を考慮に入れた妥当な工具、設備で生産されているか

□合理的な資材費、労務費、間接費および利潤は適切か

□もっと安く供給する信頼できる業者はないか

□それをもっと安く買っている会社はないか

⑤実施とフォローアップ

作成した提案書に従って実行し、随時フォローアップを行います。

⑥実施状況の評価

実施した後には、次につながるよう全体の評価を行います。


VA・VEの取り組み事例

VA・VEの取り組みとして、コスト要因である①イニシャルコスト②材料③加工方法④組み立てに着目しながら事例をご紹介します。

①イニシャルコストに対する取り組み

【Before】プレス金型を用いて行う絞り加工は、通常の方法では、板厚や絞り深さ、高さを気にすることなく設計することができます。しかし、金型は製作期間が長い上、物によっては数百万円もする高価なものまであり、製品原価に大きな影響を与えかねません。

【After】このような場合の対処方法として、簡易金型の使用が挙げられます。深く絞ることができない簡易金型ですが、切断・溶接を併せて行うことで、深絞りのような形状を生み出すことが可能になります。

■このように、簡易金型に追加工を施すことで、イニシャルコスト低減を図ることができます。

事例参考・画像URL:精密板金コストダウン.COM

②材料に対する取り組み

【Before】一般的に、耐食性が必要な機械部品にはステンレス材料、中でもSUS304が使用されます。しかし、加工の観点で見ると、SUS304は加工性が悪く、機械加工のコストが高くなる傾向があります。

【After】同じステンレスでも、材料をSUS304から加工性に優れたSUS303に変更することで、コストを削減することが可能になります。耐食性を重視する場合には、SUS316なども選択肢として検討します。

■このように、一口でステンレスとしても、品番によって様々な特性をもっており、加工性・耐食性も異なるため、入念に検討することが必要です。

事例参考URL:機械部品・組立コストダウン.COM

③加工方法に対する取り組み

【Before】TIG溶接を行った後の仕上げ工程では、何度も段階的に細めのディスクで仕上げ研磨作業を行わなければならず、溶接工程以上に研削工程で工数がかかり、コストアップにつながってしまうことがあります。

【After】そこで、YAGレーザー溶接を採用することで、溶接ビードが細く、きれいな仕上がりが可能になります。外観上の美しさをそこまで追求しない場合には、溶接焼けの除去だけで済むため、研磨工程を大きく削減することができます。

■このように、YAGレーザー溶接に置き替えたことで、溶接後の工程を削減でき、溶接自体のコストが高くても、トータルで見るとコストダウンにつなげることができます。

事例参考・画像URL:板金加工コストダウン

④組み立てに対する取り組み

【Before】機械や装置を組み立てる際、ステンレスやアルミなどのフラットな部品同士をネジやボルトで組み立てるとなると、両方の部品の位置を正確に合わせることが難しくなります。部品が大きくなるほど困難になり、組み立て作業に時間が費やされてしまいます。

【After】一方に切り欠きを入れ、位置合わせがしやすいようにすることで、時間が短縮されコストダウンにつながります。大きな機械部品や重い部品ほど、時間短縮が可能になります。

■このように、効率よく組み立てられるように設計するためには、構成する部品の改善を考える必要があります。

事例参考URL:機械部品・組立コストダウン.COM


まとめ

現在、様々な企業で、コストダウンや時間短縮に向けたVA・VEの取り組みがなされていることがわかりました。機械やシステムがますます発達する今日ですが、これからも現場の技術者達が生み出す工夫や改良に注目していきたいですね。

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この記事を書いた人
株式会社Catallaxy

株式会社Catallaxyは "未来の製造業をつくる" をミッションに掲げ、製造業における従来のサプライチェーン/バリューチェーンの刷新を目指しています。記事内容に関するお問い合わせはこちらへ。

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