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ユニクロめっきとは!?亜鉛めっき/クロメートとの違い

ユニクロめっきとはいったいどのような特徴があるのでしょうか?めっきとは物体に対して金属の膜で覆うことを指しますが、ユニクロと聞いてどのような処理がされているかをご存知の方は少ないかもしれません。
この記事では「ユニクロめっきとは何か」について解説するだけでなく、亜鉛めっき・クロメートの違いについても解説します。
ユニクロめっきとは
ユニクロめっきとは、電気亜鉛めっきされた材料に対して、六価クロムを含む処理液でクロメート処理したもののことを言い、一般名称は「光沢クロメート」とも呼ばれています。色合いはシルバーに少し青みがかったような見た目です。
クロメート処理は、亜鉛・アルミ・マグネシウムなどに対して六価のクロム酸を主とした処理液で表面処理することを言います。この処理をすることで一部の六価クロムが還元されて三価の水和クロムによる無機高分子被膜が形成され、残りの六価クロムとの相乗効果で耐食性を増加させるのです。
ただし、六価クロムには有害性があります。そのため、EUのRoHS指令(*)では、電気・電子機器に使う部品や材料について、六価クロムの含有が制限されています(均質材料ごとに0.1wt%=1000ppm以下)。めっき皮膜も1つの均質材料として扱われるため、六価クロムを含むユニクロめっきは、電気・電子機器の部品として使う場合、基準を超えるとRoHS指令に適合しません。EUへ輸出する機器に組み込まれる場合も同様です。
電気・電子機器や自動車などの部品を多く使う業界では、メーカーだけでなく協力会社も含めて、規制に抵触しないよう管理する必要があります。トラブルを避けるためにも、協力会社は納入仕様書をよく確認して、めっきを選びましょう。
六価クロムに関わる主な規制
六価クロムは、用途によって複数の規制の対象になります。
- RoHS指令(2011/65/EU):電気・電子機器の部品・材料が対象。
- ELV指令(2000/53/EC):自動車の部品・材料が対象。六価クロムの上限は、RoHSと同じ均質材料ごとに0.1wt%。
- REACH規則:化学物質の登録・認可の制度。六価クロムを含む一部の化合物が認可対象物質になっている。
対象になる規制と、使用が認められる条件は、製品や取引先の指示によって異なります。納入仕様書や、取引先の環境基準を確認してください。
本記事は一般的な情報提供です。規制対応は、最新の公式情報や専門家にご確認ください。
ここで、六価クロムを含有しためっき品は使用不可という仕様の場合、ユニクロめっきの代わりに何を使えばいいのかという疑問が出てきます。その解答としましては、現在ではユニクロめっきの代替品として、「三価ホワイト(別名:三価クロメート)」というめっきが流通されています。
三価ホワイト(三価クロメート)は、六価クロムを使わない処理液でつくるクロメート皮膜です。六価クロムを使わないため、RoHS指令の六価クロムの制限に抵触しません。ユニクロめっきに近い外観の青白色のもの(三価ユニクロ、三価光沢クロメート)もあり、ユニクロめっきの代わりとして使われています。そのため、三価ホワイトをおすすめする、または売りにしているめっき工場は多くあります。
ただし、ユニクロめっきと同じ性能とは限らないため、次の点に注意が必要です。
- 防錆力:処理剤や膜厚によって異なります。六価クロメートと同等以上とする資料がある一方、一般に六価クロメートより低いとされることもあります。必要な耐食性(塩水噴霧試験の時間など)は、事前に確認しましょう。
- 自己修復作用:六価クロメートは、傷がついても皮膜が修復される作用があります。三価クロメートは、処理剤によってこの作用が小さい、またはないとされています。
- 六価クロムの検出:コバルトを含む皮膜では、水分の浸透などにより、微量の六価クロムが検出される例が報告されています。六価クロムが使われていないことは、試験成績書などで確認すると安心です。
一方、三価クロメートには耐熱性が高いという利点があります。六価クロメートは約70℃以上でクラックが生じて耐食性が下がりやすいのに対し、三価クロメートは約200℃でもクラックが生じにくいとされています。
三価クロメートの種類や特徴は、三価クロメートとは?種類や特徴、六価クロメートとの違いをご覧ください。
(*)RoHS指令
| RoHS指令の制限物質(10物質) | ||||
|---|---|---|---|---|
| Pb | Hg | Cd | Cr | PBB |
| 鉛 | 水銀 | カドミウム | 六価クロム | ポリ臭素化ビフェニル |
| PBDE | DEHP | BBP | DBP | DIBP |
| ポリ臭素化ジフェニルエーテル | フタル酸ビス(2-エチルヘキシル) | フタル酸ブチルベンジル | フタル酸ジブチル | フタル酸ジイソブチル |
RoHS指令では、鉛、水銀、カドミウム、六価クロム、PBB、PBDEの6物質に加え、委任指令(EU)2015/863でフタル酸エステル類4物質が追加され、現在は10物質が制限されています。詳しくはRoHS指令とはをご覧ください。
ユニクロめっきと亜鉛めっきとクロメートの違い
ここではユニクロめっき・亜鉛めっき・クロメートの違いについて紹介します。
防錆力の違い
防錆力は、以下の順で効果が高いです。
【クロメート>ユニクロめっき>亜鉛めっき】
クロメートとユニクロめっきは亜鉛めっきを下地とし、亜鉛めっきよりも更に防錆力を高めています。そしてクロメートとユニクロめっきは、どちらもクロメート処理が施されていますが、使用されている溶液が異なり、一般に、クロメートの方がユニクロめっきよりも防錆力が高いとされています。クロムには金属の表面を不働態被膜と呼ばれる薄い膜で覆い、サビから守る効果が期待できます。
ユニクロめっき
ユニクロめっきは前述でもお伝えしたように、電気亜鉛めっきされた材料に対して、六価クロムを含む処理液でクロメート処理したものになります。正式名称は「光沢クロメート」と呼ばれ、シルバーに青みがかった色合いが特徴です。クロメート処理には、防錆力を高めるだけでなく、亜鉛皮膜の変色を防ぐことや光沢を持たせて見た目を良くするといった役割もあります。
また、ユニクロめっきには、クロメート処理をした際に六価クロムが含まれるため、RoHS指令の制限に適合しないことがあります。そのため、電気・電子機器の部品として使う場合など、六価クロムを使うことを禁止する仕様があるときは、三価ホワイトのめっき品を使うなどの対応をする必要があるでしょう。
亜鉛めっき
| 樹脂などによる被覆 | 亜鉛めっき |
|---|---|
|
|
| 腐食して赤錆が発生する | 腐食しない(犠牲防食) |
亜鉛めっきには「犠牲防食」と呼ばれる防錆効果により、鉄を腐食から守ってくれます。
もし鉄が亜鉛めっきではなく樹脂系塗装だけ施した状態だと、キズが付いてしまった時点で、鉄が空気中の酸素と反応し赤錆が発生して、強度の低下および破損といった問題が出てしまいます。
一方、亜鉛めっきの塗膜にキズが付いて鉄の素地が露出してしまった場合、亜鉛が鉄よりも優先して溶けだし、酸化被膜を作られて鉄の腐食を防止してくれます。
「電気亜鉛めっき」と「溶融亜鉛めっき」
亜鉛めっきは大きく分けて「電気亜鉛めっき」と「溶融亜鉛めっき」の2種類に分けられます。
電気亜鉛めっきは材料を亜鉛の槽に浸し、電解することで亜鉛の被膜を形成します。被膜の厚みが一般に数μm〜数十μm程度と非常に薄く、均一に亜鉛が付着していることから仕上がりが綺麗なことが特徴です。被膜が薄いことから、寸法の精度が厳しい場合にも適していると言えるでしょう。電気亜鉛めっきは防錆効果を高めるために、ユニクロめっき・クロメートの下地として合わせて処理されていることが多いです。
溶融亜鉛めっきは別名「ドブづけ」「天ぷらめっき」とも言われるように、材料を高温で溶かした亜鉛の槽に浸して亜鉛を付着させます。製品にもよりますが、電気亜鉛めっきと比べると膜厚は数十μm以上と少々厚みがあるため耐食性には優れています。しかし、膜厚があるぶん、寸法精度を必要とする部材には適していないことと、高温の亜鉛槽に浸すため、材料が薄いと歪んでしまう恐れがあるので注意が必要です。
参考記事:電気亜鉛めっきとは【3分でわかる】専門家がわかりやすく解説します!
クロメート
クロメートの一般名称は「有色クロメート」とも呼ばれています。クロメートは二層の被膜から成り立っており、下地に電気亜鉛めっきを有します。製法としては電気亜鉛めっきの上から六価クロムを主成分とした溶液に浸漬させることでクロメート被膜を生成。クロメート処理された材料は虹色がかったような金色の見た目になり、耐食性に優れた性質を有します。
耐食性は、ユニクロめっきより優れているとされています。クロメートもユニクロめっきと同様に六価クロムを含むため、電気・電子機器の部品として使う場合はRoHS指令の制限に抵触することがあります。納入仕様書をよく確認したうえで使うようにしてください。
参考記事:クロムの毒性(三価・六価)を解説
三価ホワイトへ切り替えるときの確認ポイント
ユニクロめっきから三価ホワイトへ切り替えるときは、次の順に確認すると、抜けを防げます。
- 納入仕様書を確認する:六価クロムを禁止する指定があるか、RoHSやELVなどの対象か、確認します。指定がない場合は、発注元に確認します。
- めっき工場に対応可否を確認する:三価ホワイトに対応しているか、処理できる材質・サイズ・数量を確認します。
- 仕様を決める:必要な耐食性(塩水噴霧試験の時間など)や外観(色味)、膜厚を、図面や仕様書で指定します。
- 試作して確認する:外観、膜厚、耐食性を確認します。ユニクロめっきとの色味の差が、問題にならないかも見ておきましょう。
- 試験成績書で六価クロムの有無を確認する:六価クロムが検出されないことを、めっき工場の試験成績書などで確認します。
ユニクロめっきの製品事例
ボルトナット類
ボルトナット類はユニクロめっきが採用されている最もポピュラーな商品と言っても良いでしょう。上図は六角ボルトナットの写真ですが、キャップスクリューやアンカーボルトといった、ボルトナット類全般でユニクロめっきは使用されています。土木関係だと、ボルトナットは景観性をそこまで重視しない箇所にもよく使われるので、サビのない洗練された見た目のステンレスよりも、比較的安価で購入できるユニクロめっきを使うことが多々あります。
クサリ類
クサリ類もボルトナットと同様にユニクロめっきが施されているものが多いです。こちらもクサリのみではなく、カンやシャックルにもユニクロめっきが使われています。
Lアングル
建築系で用いられる補強金物のLアングルにもユニクロめっきが施されています。
ユニクロめっきとクロメートは六価クロムを含むため、電気・電子機器の部品として使う場合は、EUのRoHS指令に適合しないことがあります。代替として、六価クロムを使わない三価ホワイトも流通しています。三価ホワイトは、防錆力が処理剤や仕様によって異なるため、必要な性能を確認したうえで選びます。切り替えるときの確認ポイントは、前の節をご覧ください。
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